JPH056122Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は熱収縮性スリーブの改良に関する。

（従来の技術） ポリエチレンを主材とした熱収縮性スリーブ
は、ポリエチレンライニング鋼管、ポリエチレン
管、ポリエチレンケーブルの接続部等に広く用い
られているが、ポリエチレン系の材質を相手方と
して熱収縮により接続する材料としてはまことに
好適で数多くの提案がなされ製品も販売されてい
る。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、一方塩化ビニル樹脂はポピユラーな材
料であり、それ自体を以て管としたり、鋼管の防
食層、ケーブルのシース又は防食層等として広く
使用されているが、これに通常の熱収縮性スリー
ブを使用しても、良好な接続はできない。何故な
らば熱収縮性スリーブとして汎用のものは安定性
の良いポリエチレン系のものであるために、同ス
リーブは、熱収縮してもその融着層と内面に接す
る塩化ビニル樹脂層とは融着性能が異なるため気
密接続ができないからである。

（問題点を解決しようとするための手段） 本考案は上記の実情に鑑み種々検討の結果なさ
れたもので、熱収縮性を有するポリエチレン層を
主材樹脂層とし、これにアイオノマー樹脂層、ポ
リアミド系ホツトメルト樹脂層を順次加熱接着す
ることにより塩化ビニル樹脂との接着性に優れた
熱収縮性スリーブを生み出したものである。

（作用） 本考案によるときは、ポリアミド樹脂系ホツト
メルト接着剤層が最も内側にあるので被着される
相手方が塩化ビニル樹脂のときに接着力が優れて
おり、又、アイオノマー樹脂層が中間の介在層と
して存在することにより、ポリアミド樹脂系ホツ
トメルト接着剤とポリエチレン層の両者を強固に
一体化した塩化ビニル樹脂に接着し易い熱収縮性
スリーブを提供するものである。

（実施例） 次に図面を参照しつゝ本考案を説明すると、熱
収縮性ポリエチレン層１は通常架橋（電子線照射
又は化学架橋）ポリエチレンにして必要に応じて
延伸されているもので、スリーブの本来の機能で
ある熱収縮性を有するものである。そして以下ア
イオノマー樹脂層２、ポリアミド系ホツトメルト
樹脂層３が順次設けられて前記したような作用を
なすものである。ポリアミド系ホツトメルト樹脂
の基本構造はダイマー酸とジアミンの縮合からな
るポリアミドホモポリマーや、複数の二塩基酸と
ジアミンとの縮合による共重合樹脂で、必要に応
じ溶融粘度、抗張力、伸び等適したものを使用す
ることができる。

又パラフインワツクス、粘着性付与剤、可塑剤
等は適宜配合して使用し得るものである。

厚さ１mmの架橋ポリエチレンシートの片面に厚
さ0.25mmのエチレン・グリシジメタクリレート・
酢酸ビニル三元共重合体層と、厚さ0.25mmのダイ
マー酸ベースのポリアミド樹脂層を設けた熱収縮
性ポリエチレンシートを比較例とし、エチレン・
グリシジメタクリレート・酢酸ビニル三元共重合
体層に代えてアイオノマー樹脂を用いた熱収縮性
ポリエチレンシートを実施例とし、厚さ１mmの軟
質塩化ビニルに接着層が接するようにして120℃
で１Kg／cm²の圧力で10分間加圧後冷却し１mm幅の
試料を作成し、100mm／分の速度で剥離した。測
定温度は25℃である。本考案の実施例が6.8〜
7.12Kg／cmであつたのに対して、比較例のものは
4.1Kg／cm前後で、明らかに本考案の実施例が優
れていた。

（考案の効果） 本考案による熱収縮スリーブを用いるときはこ
れを塩化ビニル樹脂の外被を有するケーブル等を
接続するために同スリーブを加熱することにより
架橋ポリエチレンが収縮すると同時にホツトメル
ト接着剤が軟化し、架橋ポリエチレンの収縮力に
よつて外被と強固な接続を達成することができ
る。なお本考案ではポリアミド系ホツトメルト剤
が接着層となつているので被覆面が粗面であつて
もこれに対応できるので容易に密着し得るもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の熱収縮性スリーブの一例を示す縦
断面図である。 １……熱収縮性ポリエチレン層、２……アイオ
ノマー樹脂層、３……ポリアミド系ホツトメルト
樹脂層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱収縮性ポリエチレン層１に、アイオノマー樹
   脂層２、ポリアミド系ホツトメルト樹脂層３が、
   順次熱融着されていることを特徴とする熱収縮性
   スリーブ。