JPH056121Y2 - - Google Patents

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JPH056121Y2
JPH056121Y2 JP1988117482U JP11748288U JPH056121Y2 JP H056121 Y2 JPH056121 Y2 JP H056121Y2 JP 1988117482 U JP1988117482 U JP 1988117482U JP 11748288 U JP11748288 U JP 11748288U JP H056121 Y2 JPH056121 Y2 JP H056121Y2
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polyvinyl chloride
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chloride resin
laminated
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は床材、詳しくは柄模様を有するポリ塩
化ビニル樹脂主体の床材に関する。
〔従来の技術〕
従来、柄模様を有するポリ塩化ビニル樹脂主体
の床材では、ポリ塩化ビニル樹脂よりなる基材層
とその表面に所望の模様を形成するように散在さ
せたポリ塩化ビニル樹脂ペレツトとを所定の温度
で熱圧着させて一体化することにより柄模様を現
出させていた。ポリ塩化ビニル樹脂ペレツトの代
わりに無機質素材を用いて柄模様を現出させる場
合もあつた。また、ポリ塩化ビニル樹脂の透明フ
イルムに所定の柄模様を印刷したものを基材に積
層一体化したものもあつた。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかし、従来の床材において、表面をフラツト
にした場合、ポリ塩化ビニル樹脂ペレツトは熱圧
着工程で基材層に溶融一体化して基材層の表面と
面一になり、柄模様が平面的にしか視覚されず、
立体感のある柄模様を現出させることが困難であ
つた。無機質素材により柄模様を現出させるもの
については、熱圧着工程で無機質素材が基材層に
喰い込んで基材層の表面と面一になり、やはり柄
模様が平面的に視覚されるに過ぎなかつた。
また、従来の床材は、ポリ塩化樹脂ペレツトや
無機質素材を基材層の上に散在させるか、あるい
は印刷されたフイルムを基材層に積層して熱圧着
するという製造方法を採つていたため、微細な柄
模様、たとえば糸をより合わせたり組み合わせた
りかがつたりして透し模様に編んだレースのよう
な微細な柄模様を現出させることが困難で、床材
に付される柄模様としては大まかな模様、たとえ
ば幾何学図形や点、線などが規則的あるいは無秩
序に並べられた模様や写真で表現できる模様に限
られていた。また、立体感のある柄模様はエンボ
ス加工により表面に凹凸を付ける方法で表現され
ていたが、それによつても深みのある柄模様を表
現することはできなかつた。
本考案は以上の事情に鑑みてなされたもので、
レースやその他のプリント柄を施した布地などを
基材層の上に積層一体化することによつて、レー
スの透し模様や布地のプリント柄のような微細な
模様が立体感を持つたまま現出される床材を提供
することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本考案の床材は、ポリ塩化ビニル樹脂100部に
対し高無機質充填材配合の基材層と柄模様を有す
る布にポリ塩化ビニル樹脂と相溶性のある透明の
合成樹脂を含浸させた柄模様層とが積層され、柄
模様層の表面にポリ塩化ビニル樹脂100部に対し
10〜25倍の可塑剤を含む透明の合成樹脂フイルム
よりなる保護層が積層されていると共に、基材層
の裏面に無機質充填材の配合割合が基材層のそれ
よりも少ないバランス層が積層され、上記基材
層、柄模様層、保護層およびバランス層が熱圧着
により一体化されているものである。
〔作用〕
上記床材において、柄模様を有する布は基材層
と保護層との間に介在されているため布が基材層
に喰い込んでおらず、しかも布に含浸されている
ポリ塩化ビニル樹脂は透明であるから、保護層と
柄模様層の透明なポリ塩化ビニル樹脂を透して見
える布の柄模様にはその布自体が持つている立体
感がそのまま現れる。したがつて、たとえば布と
してレースを用いた場合にはそのレースに特有の
立体感のある微細な柄模様がそのまま現出され
る。さらに、ポリ塩化ビニル樹脂の層にそれとは
異質で相溶性を有しない布が積層された積層体を
熱圧着することによつて製造される本考案の床材
は、布と布の両側のポリ塩化ビニル樹脂層との間
に界面剥離を生じない。
ところで、厚みや組成の異なる合成樹脂層の積
層体を所定温度で熱圧着して一体化すると、それ
ぞれの層の熱伸縮率の差異により一体化物の反り
を生じることがわかつている。また、熱可塑性樹
脂よりなるフイルムにおいては、可塑剤の配合量
が多くなるほど熱収縮率が大きくなることがわか
つている。したがつて、基材層の無機質充填材を
リツチにして熱圧着温度では柔軟化しにくいよう
にしておいても、熱収縮率の大きな熱可塑性樹脂
よりなるフイルムをその上に積層して熱圧着する
と、フイルムをその上に積層して熱圧着すると、
フイルムの熱収縮によつて基材層に反りが生じ
る。
そこで、本考案の床材では、基材層の無機質充
填をリツチにしてその熱による柔軟化を抑制する
と同時に、基材層の表面側に積層される保護層の
可塑剤の配合割合と基材層の裏面側に積層される
バランス層の無機質充填材の配合割合を適度に限
定することにより熱圧着時における保護層の熱収
縮率とバランス層の収縮率とをバランスさせ、熱
圧着に伴う床材の反りの発生を防止している。
〔実施例〕
図面は本考案の実施例による床材の断面の状態
を示す説明図で、Aは基材層、Bは保護層、Cは
バランス層、Dは柄模様層をそれぞれ示してい
る。
基材層Aはポリ塩化ビニル樹脂に可塑剤、無機
質充填材、顔料などの成形材料としてのポリ塩化
ビニル樹脂に一般的に配合される添加物を配合し
てシート状に成形したものである。無機質充填材
の配合割合はポリ塩化ビニル樹脂の加熱による柔
軟化の難易性に影響し、その配合割合が多いほど
加熱により柔軟になりにくく、熱収縮率も小さく
なる。本考案の床材において、無機質充填材はポ
リ塩化ビニル樹脂100部に対し350部以上配合され
ており、この程度の配合割合であると、後述する
熱圧着によつて加えられる熱によつて基材層Aが
柔軟にならず、手で反り返らせようとして容易に
反り返らない程度の比較的大きな剛性を保つ。な
お、無機質充填材にはたとえば炭酸カルシウム粉
末が選ばれる。
保護層Bは透明なポリ塩化ビニル樹脂に可塑剤
などの一般的添加物を配合してフイルム状に成形
したものであり、可塑剤はポリ塩化ビニル樹脂
100部に対し10〜25部配合されている。可塑剤の
配合割合は熱収縮性に影響を及ぼし、可塑剤の配
合割合が多いほど熱収縮率が増大する。そして、
可塑剤が10〜25倍程度配合されていると、熱収縮
率がそれほど大きくならず、しかも床材の保護層
Bに要求される可塑性が十分に満たされる。可塑
材が10部より少ないと、熱収縮率が小さく抑えら
れるが、その反面で十分な可塑性が得られず、ま
た、強度も大きくなりすぎ、その反面で25部より
多いと、可塑性は増大するが熱収縮率が大きくな
りすぎて実用に向かない。
バランス層Cは基材層Aと同様の添加物が配合
されたポリ塩化ビニル樹脂をシート状に成形した
ものであるが、無機質充填材の配合割合は基材層
Aのそれよりも少なくなつている。そのため、バ
ランス層Cは基材層Aよりも熱圧着時の加熱によ
つて柔軟化しやすく、熱収縮性も大きい。このバ
ランス層Cは上記保護層Bの熱収縮率および収縮
時の強度と同程度の熱収縮率および強度を持つて
いることが要求され、その要求を満足できる無機
質充填材(たとえば炭酸カルシウム)の配合割合
は具体的にはポリ塩化ビニル樹脂100部に対し100
〜170部程度であり、可塑剤の量は収縮率と強度
のバランスのとれる量に設定される。
柄模様層Dは柄模様を有する布1に透明のポリ
塩化ビニル樹脂ペーストあるいはポリ塩化ビニル
樹脂と相溶性のある透明の合成樹脂を含浸させて
一定の厚みのシート状に成形したもので、シート
の状態では表裏両面とも平滑であり、かつ柔軟で
ある。この柄模様層Dについては、合成樹脂層の
内部に熱伸縮性に乏しい布1が介在された構成で
あるため、布1が合成樹脂層の熱収縮を抑制する
作用を発揮する。したがつて、含浸樹脂の熱伸縮
性はそれほど問題にならない。布1には、織布、
不織布を問わず、麻、木綿などの天然繊維やレー
ヨンなどの化繊、その他どのような布であつても
使用できる。布1は柄模様を有することが必要
で、その柄模様にはレース編みや刺繍により現出
された柄模様のみならず、プリント柄であつても
よく、柄の大きさも幾何学模様などの大まかなも
のに限らず、写実的な花柄模様のように微細な模
様であつても差し支えない。
上記基材層A、保護層B、バランス層C、柄模
様層Dは積層して熱圧着することにより一体化さ
れる。すなわち、基材層Aと柄模様層Dとを積層
したものを中央にして柄模様層Dの上に保護層
B、基材層Aの裏面にバランス層Cをそれぞれ積
層し、その積層体を各層A,B,C,Dの熱融着
温度である160〜210℃程度に加熱して熱圧着し、
各層A,B,C,Dの境界を相溶させて一体化す
る。この熱圧着工程において、保護層Bとバラン
ス層Cの熱収縮率が基材層Aと挾んでバランス
し、熱圧着に伴う反りの発生が防止されるので、
合成樹脂とは異質の布1が介在されているもので
あるにもかかわらず、上記布1がその両側の合成
樹脂に対して界面剥離を生じず、しかも合成樹脂
に対して熱収縮率の小さい布によつて製品の寸法
安定性が高められる。
こうして得られる床材では、布1が本来的に持
つている立体感のある柄模様が保護層Bと柄模様
層Dの透明な合成樹脂を透してそのまま現出され
る。したがつて、布としてレースが用いられてい
る床材については微細なレース模様が立体感を持
つてそのまま見えるフアツシヨン性の豊かな床材
になる。
以上説明した床材において、基材層A、保護層
B、バランス層Cおよび柄模様層Dのそれぞれの
厚みは床材全体の厚みや、それぞれの層の果たす
役割などを考慮して適宜選定されるべきものであ
る。たとえば会議室や事務所に用いられる最も汎
用的な床材の場合には、全体の厚みを3.0mm、基
材層Aの厚みを1.0mm、保護層Bの厚みを0.4mm、
バランス層Cの厚みを0.6mm、柄模様層Dの厚み
を1.0mm程度にしておくと取扱性や施工性が従来
の床材と同等になる。
〔考案の効果〕
本考案の床材は、柄模様を有する布に透明のポ
リ塩化ビニル樹脂を含浸させた柄模様層が基材層
に積層一体化され、柄模様層の上に透明の合成樹
脂フイルムよりなる保護層が積層一体化されてい
るので、布が本来的に持つている立体感のある柄
模様が保護層と柄模様層の透明な合成樹脂を透し
てそのまま現出される。したがつて、布としてレ
ースやプリント柄が施された布地などの微細な柄
模様を有するものを用いた場合には、その微細な
柄模様が立体感を持つてそのまま見えるフアツシ
ヨン性の豊かな床材になる。
また、本考案の床材は、合成樹脂の積層体の中
に合成樹脂とは異質の布が介在されているもので
あるにもかかわらず、保護層とバランス層の熱収
縮率がバランスして熱圧着に伴う反りの発生が防
止されるので、上記布がその両側の合成樹脂に対
して界面剥離を生じず、しかも合成樹脂に対して
熱収縮率の小さい布が床材自体の寸法安定性を高
めることに役立つ。
【図面の簡単な説明】
図は本考案の実施例による床材の断面の状態を
示す説明図である。 A……基材層、B……保護層、C……バランス
層、D……柄模様層、1……布。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. ポリ塩化ビニル樹脂100部に対し高無機質充填
    材配合の基材層と柄模様を有する布にポリ塩化ビ
    ニル樹脂と相溶性のある透明の合成樹脂を含浸さ
    せた柄模様層とが積層され、柄模様層の表面にポ
    リ塩化ビニル樹脂100部に対し10〜25倍の可塑剤
    を含む透明の合成樹脂フイルムよりなる保護層が
    積層されていると共に、基材層の裏面に無機質充
    填材の配合割合が基材層のそれよりも少ないバラ
    ンス層が積層され、上記基材層、柄模様層、保護
    層およびバランス層が熱圧着により一体化されて
    いることを特徴とする床材。
JP1988117482U 1988-09-07 1988-09-07 Expired - Lifetime JPH056121Y2 (ja)

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JPH0240529U JPH0240529U (ja) 1990-03-20
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006299598A (ja) * 2005-04-19 2006-11-02 Tajima Inc 耐光性床材

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