JPH0561074U - 防水構造体 - Google Patents
防水構造体Info
- Publication number
- JPH0561074U JPH0561074U JP117692U JP117692U JPH0561074U JP H0561074 U JPH0561074 U JP H0561074U JP 117692 U JP117692 U JP 117692U JP 117692 U JP117692 U JP 117692U JP H0561074 U JPH0561074 U JP H0561074U
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- Japan
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- sheet
- clay layer
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 優れた通気性や透湿性を有し、かつ人為的に
あるいは自然災害的に穴が開けられた場合でも、その穴
からの漏水を阻止し得る防水性を兼ね備えた防水シート
を提供することを目的とする。 【構成】 本発明の防水構造体1は、不織布シート2と
この不織布シート2の一面に積層して設けられた水膨潤
性コロイド粘土層3とから構成されている。この不織布
シート2は、ポリエチレンのプレクシフィラメント・フ
ィルム−フィブリル・ストランドからなるものである。
水膨潤性コロイド粘土層3はベントナイトを顆粒状と
し、これを上記不織布シート2の一面上に積層して設け
られたものである。
あるいは自然災害的に穴が開けられた場合でも、その穴
からの漏水を阻止し得る防水性を兼ね備えた防水シート
を提供することを目的とする。 【構成】 本発明の防水構造体1は、不織布シート2と
この不織布シート2の一面に積層して設けられた水膨潤
性コロイド粘土層3とから構成されている。この不織布
シート2は、ポリエチレンのプレクシフィラメント・フ
ィルム−フィブリル・ストランドからなるものである。
水膨潤性コロイド粘土層3はベントナイトを顆粒状と
し、これを上記不織布シート2の一面上に積層して設け
られたものである。
Description
【0001】
本考案は、建築構造材に使用可能な防水構造体に関するものである。
【0002】
従来より、建築構造材としての防水シートにはアスファルト系、ゴム系および 天然粘土系のものが上市されており、それぞれの目的に応じて使用されている。 例えば、住宅の外装材の内側にはアスファルトフェルトが用いられている。
【0003】 しかしながら、これら従来の防水シートは通気性や透湿性の機能を全く有して いないか、あるい当該機能が不足しているため、次のような不都合が生じていた 。
【0004】 すなわち、使用中の冬季の建築物の室内は室外に比べて高温多湿状態に維持さ れることが多いから、建築構造材の一部に上記防水シートを用いていると、湿気 が室内に留まってしまい、建築構造材間の結合金具等が腐食し易くなると共に、 上記防水シートの内面が結露するため、防水シートの内表面に黴が発生し易くな るなど種々の不都合が生じていた。
【0005】 このため、特に、快適住環境を追求する昨今の情勢の中で、上記の不都合を発 生させない通気性工法が寒冷地を皮切りに普及し、浸透し始めている。このよう な通気性工法を実効あらしめるためにも、建築構造材として十分な通気性や透湿 性を具備する防水シートの開発が求められている。
【0006】 このような通気性や透湿性をも有する防水シートとしては、ポリエチレンのフ ィルム−フィブリルのプレクシフィラメント−ストランドの不織布シート(例え ば、イー・アイ・デュポン社製のタイヴェック(Tyvek):登録商標,スパ ンドンディッド・オレフィン)が好適である。ちなみに、この不織布シートは上 記アスファルトフェルトより約40倍優れた透湿性を有するものであり、このシ ートを上記通気性工法に用いることによって上述した結露を確実に防止すること ができる。
【0007】 しかしながら、上記通気性工法では、壁や床部分への使用には問題はないもの の、屋根部分について上記不織布シートを使用すると、瓦の釘止めにより不織布 シートに釘穴が開くことがあり、その部分から水漏れが発生する不都合が生じる おそれがあった。このため、現在での通気性工法では、屋根部分については上記 不織布シートの代わりに例外的に従来通りのアスファルトフェルトを用いざるを 得ない状況であった。
【0008】
本考案の目的は、上述した技術的課題を解消し、優れた通気性や透湿性を有し 、かつ人為的にあるいは自然災害的に穴が開けられた場合でも、その穴からの漏 水を阻止し得る防水性を兼ね備えた防水シートとして使用可能な防水構造体を提 供することにある。
【0009】
上記目的を達成するために、本考案の防水構造体は、ポリエチレンのプレクシ フィラメント・フィルム−フィブリル・ストランドからなる不織布シートと、該 不織布シートに設けられた水膨潤性コロイド粘土層とを含むことを特徴とする。
【0010】
本考案の防水構造体においては、通常の使用時では、ポリエチレンのプレクシ フィラメント・フィルム−フィブリル・ストランドからなる不織布シートにより 通気性や透湿性、さらには防水性も十分に確保される。特に、穴が開いた緊急時 には、その穴からの漏水により水膨潤性コロイド粘土層の当該箇所の周囲部分が 膨潤し、穴の中心部に向けて体積膨張し、速やかに穴は塞がれる。その後、乾燥 状態へ移行した場合には、その乾燥状態に伴って、膨潤した粘土層からその粘土 層により吸収された水分が徐々に不織布シートを通じて外部へ放出される。この 水分の放出により、不織布シートの通気性や透湿性が再び確保される。
【0011】
以下、図面を参照して本考案の実施例を詳しく説明する。
【0012】 図1は、本考案の一実施例の防水構造体の構造を示す縦断面図である。図1に おいて符号1はシート状の防水構造体である。本実施例の防水構造体1は、不織 布シート2とこの不織布シート2の一面に積層して設けられた水膨潤性コロイド 粘土層3とから構成されている。
【0013】 上記の不織布シート2は、ポリエチレンのプレクシフィラメント・フィルム− フィブリル・ストランドからなるもので、このシート2としては例えばイー・ア イ・デュポン社製のポリエチレン不織布のタイヴェック(登録商標)が好適であ る。このタイヴェック(登録商標)はフラッシュ紡糸法により高密度ポリエチレ ンを紡糸し、これを熱圧着してフィラメントを熱融着させることにより得られた 不織布である。この不織布は、軽量で、引裂強度に優れ、かつ耐水圧、通気性、 さらには前述した従来より建築構造材として使用されているアスファルトフェル トに比べて約40倍優れた透湿性を示す機能性素材である。上記防水構造体1が 屋外でかつ長時間使用される用途に供される場合には、上記不織布シート2とし て対紫外線安定化剤含有のタイヴェック(登録商標)を用いれば、タイヴェック 本来の上記の諸機能を高水準に維持することが可能である。ここで、対紫外線安 定化剤としては、例えばチヌビン622LD(チバガイギ製)などを挙げること ができる。
【0014】 上記水膨潤性コロイド粘土層3はベントナイトを顆粒状とし、これを上記不織 布シート2の一面上に積層して設けられたものである。上記ベントナイトとして は、Na−あるいはCa−ベントナイトが用いられ、特に高膨潤性のNa−ベン トナイトが望ましい。また、上記粘土層3には、群馬県産、山形県産、宮城県産 などの日本産のベントナイトよりも米国ワイオミング産のベントナイトの方が適 している。ベントナイトの見掛け密度は0.4〜0.8g/cm2 の範囲とされ 、この範囲の見掛け密度を防水シートとしての使用目的に合わせて任意に選択す ることができる。粘土層3の厚さは1〜5mmの範囲とされ、特に2〜4mmの 範囲であることが望ましい。
【0015】 上記不織布シート2上への上記水膨潤性コロイド粘土層3の積層には、ベント ナイトの顆粒間を、またはこれら顆粒と不織布シート2表面との間を結合させる ための結着剤が適宜必要である。この結着剤としては、合成ゴム系、粘着剤、例 えばポリイソブチレンベースの合成樹脂などが使用可能である。
【0016】 また、上記水膨潤性コロイド粘土層3のベントナイト顆粒の結合力を高めて自 然脱離を防止するためには、適当な繊維、例えばポリエチレン等のポリオレフィ ンのフィラメントをベントナイト中に分散させることができる。
【0017】 次に、図2を参照して上記防水構造体1の一部に穴が開いた場合の作用につい て説明する。図2の(a)は、防水構造体1により、水4を収容した水槽5の底 部を塞いでいる状態を示している。ここで、防水構造体1に穴6が人為的に開け られた場合、漏水wが穴6を通じて流出する。この穴6は、不織布シート2の穴 2aと粘土層3の穴3aとから構成される。次に、図2の(b)に示すように、 上記漏水wにより、穴3aの内面部分の粘土層3は急速に膨潤し、穴3aの内側 に向けて体積膨張する。この体積膨張により、図2の(c)に示すように、穴3 aが完全に塞がれ、止水が完了する。粘土層3に高膨潤性Na−ベントナイトを 使用した場合には、ベントナイトの体積膨張により穴3aの閉塞に止まらず、さ らに穴2aの閉塞も十分可能である。また、図2の(c)に示すように、水槽5 内に水4が収容されている限り、粘土層3の水膨潤による体積膨張は維持され、 穴6からの漏水は確実に防止される。
【0018】 その後、上記防水構造体1を水槽5から取りはずして乾燥状態へ移行させれば 、その乾燥状態に伴って、膨潤した粘土層3からその粘土層3により吸収された 水分が徐々に不織布シート2を通じて外部へ放出される。この水分の放出により 、不織布シート2の通気性や透湿性が再び確保されることになる。
【0019】 なお、上記の実施例では、不織布シート2の一面上にのみ粘土層3を設けたが 、用途に応じて必要であれば不織布シート2の両面に粘土層3を設けることもで き、また不織布シート2の一面の全面に粘土層3を設けず、必要な箇所に例えば 島状に点在させて設けることもできる。後者の場合には、釘打ちを必要とする、 例えば建築構造内の桟や梁に対応させた位置に粘土層3を設けることも可能であ る。
【0020】
以上説明したように、本考案の防水構造体は、穴が開いた緊急時であっても、 水膨潤性コロイド粘土層の部分的な水膨潤による体積膨張により、その穴を速や かに塞ぐことができる自己修復性機能を有し、かつ不織布シートの本来の優れた 通気性や透湿性をも兼ね備えたものであるので、釘やタッカーの使用に対しても 支障がなくなったことから、屋根、壁、床等の防水シートなどの建築構造材とし て好適なものとなる。
【図1】本考案の一実施例の防水構造体の構造を示す縦
断面図である。
断面図である。
【図2】本考案の一実施例の防水構造体による止水作用
を経時変化的に示す縦断面図であって、(a)は水槽の
底部材としての防水シートに開けられた穴から水槽内の
水が流出している状態を示し、(b)は流水により穴近
傍の水膨潤性コロイド粘土層が体積膨張している状態を
示し、(c)は水膨潤性コロイド粘土層の体積膨張によ
り穴が閉塞され、止水が完了した状態を示すものであ
る。
を経時変化的に示す縦断面図であって、(a)は水槽の
底部材としての防水シートに開けられた穴から水槽内の
水が流出している状態を示し、(b)は流水により穴近
傍の水膨潤性コロイド粘土層が体積膨張している状態を
示し、(c)は水膨潤性コロイド粘土層の体積膨張によ
り穴が閉塞され、止水が完了した状態を示すものであ
る。
1 防水構造体 2 不織布シート 2a 穴 3 水膨潤性コロイド粘土層 4 水 5 水槽 w 漏水
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリエチレンのプレクシフィラメント・
フィルム−フィブリル・ストランドからなる不織布シー
トと、該不織布シートに設けられた水膨潤性コロイド粘
土層とを含むことを特徴とする防水構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992001176U JP2601365Y2 (ja) | 1992-01-16 | 1992-01-16 | 防水構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992001176U JP2601365Y2 (ja) | 1992-01-16 | 1992-01-16 | 防水構造体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0561074U true JPH0561074U (ja) | 1993-08-10 |
JP2601365Y2 JP2601365Y2 (ja) | 1999-11-15 |
Family
ID=11494136
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992001176U Expired - Lifetime JP2601365Y2 (ja) | 1992-01-16 | 1992-01-16 | 防水構造体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2601365Y2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008035679A (ja) * | 2006-07-31 | 2008-02-14 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 常温収縮型チューブユニットおよびケーブル接続構造 |
JP2008104331A (ja) * | 2006-10-20 | 2008-05-01 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 常温収縮型チューブユニットおよびケーブル接続構造 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04247113A (ja) * | 1990-12-17 | 1992-09-03 | American Colloid Co | 粘土・繊維マットから形成された防水材 |
-
1992
- 1992-01-16 JP JP1992001176U patent/JP2601365Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04247113A (ja) * | 1990-12-17 | 1992-09-03 | American Colloid Co | 粘土・繊維マットから形成された防水材 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008035679A (ja) * | 2006-07-31 | 2008-02-14 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 常温収縮型チューブユニットおよびケーブル接続構造 |
JP2008104331A (ja) * | 2006-10-20 | 2008-05-01 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 常温収縮型チューブユニットおよびケーブル接続構造 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2601365Y2 (ja) | 1999-11-15 |
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