JPH0559711A - 防舷材 - Google Patents
防舷材Info
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- JPH0559711A JPH0559711A JP3221470A JP22147091A JPH0559711A JP H0559711 A JPH0559711 A JP H0559711A JP 3221470 A JP3221470 A JP 3221470A JP 22147091 A JP22147091 A JP 22147091A JP H0559711 A JPH0559711 A JP H0559711A
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- Japan
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- fender
- rubber
- molecular weight
- weight polyethylene
- ultra
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A30/00—Adapting or protecting infrastructure or their operation
- Y02A30/30—Adapting or protecting infrastructure or their operation in transportation, e.g. on roads, waterways or railways
Landscapes
- Vibration Prevention Devices (AREA)
- Vibration Dampers (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 頻繁な日常点検が不要で、かつ、使用寿命が
長く、さらに、船体側部を黒く汚染することのない、そ
の船体接触部が耐摩耗性が高く摩擦係数の低い材料で構
成された防舷材の開発。 【構成】 ゴム防舷材表面の少なくとも船体と接触する
部分に、該防舷材を構成するゴムと一体的に設けられた
重量平均分子量が50万以上の超高分子量ポリエチレン
層を有することを特徴とする防舷材。
長く、さらに、船体側部を黒く汚染することのない、そ
の船体接触部が耐摩耗性が高く摩擦係数の低い材料で構
成された防舷材の開発。 【構成】 ゴム防舷材表面の少なくとも船体と接触する
部分に、該防舷材を構成するゴムと一体的に設けられた
重量平均分子量が50万以上の超高分子量ポリエチレン
層を有することを特徴とする防舷材。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長期に亘って使用可能
な防舷材に関する。
な防舷材に関する。
【0002】
【従来の技術】船体が接岸する際等の衝撃を吸収し、船
体を保護するために、ゴムを主構成要素とする防舷材が
広く使用されている。そのような防舷材として、図1
(c)に示すもの(固定型)や図2および図3(b)に
示すもの(浮遊型)等が知られている。また、タイヤの
古材が用いられることもある。
体を保護するために、ゴムを主構成要素とする防舷材が
広く使用されている。そのような防舷材として、図1
(c)に示すもの(固定型)や図2および図3(b)に
示すもの(浮遊型)等が知られている。また、タイヤの
古材が用いられることもある。
【0003】上記の防舷材のうち、図1(c)に、岸壁
1にアンカーボルト2で固定された状態を部分断面模式
図で示した固定型防舷材10は、耐候性、耐海水性およ
び反発弾性に優れる、天然ゴムやスチレン・ブタジエン
ゴム等のゴムとカーボンブラック等とを含有するゴム組
成物の加硫物3からなり、そのゴム弾性により、衝突時
の運動エネルギーを吸収している。なお、4は、アンカ
ーボルト2で固定される部分の補強のための埋め込み鉄
板である。
1にアンカーボルト2で固定された状態を部分断面模式
図で示した固定型防舷材10は、耐候性、耐海水性およ
び反発弾性に優れる、天然ゴムやスチレン・ブタジエン
ゴム等のゴムとカーボンブラック等とを含有するゴム組
成物の加硫物3からなり、そのゴム弾性により、衝突時
の運動エネルギーを吸収している。なお、4は、アンカ
ーボルト2で固定される部分の補強のための埋め込み鉄
板である。
【0004】一方、図2にその1/2体の部分断面平面
図を示すと共に、図3(b)に膜15部分の部分断面図
を示す浮遊型防舷材20は、少なくとも一層のゴム組成
物の加硫物からなる膜15が袋状に成形されてなるもの
であり、主に膜15内部の空気の弾力によって、衝突時
の運動エネルギーを吸収している。なお、9は口金、6
は内層ゴム、7は補強層、8は外層ゴムである。
図を示すと共に、図3(b)に膜15部分の部分断面図
を示す浮遊型防舷材20は、少なくとも一層のゴム組成
物の加硫物からなる膜15が袋状に成形されてなるもの
であり、主に膜15内部の空気の弾力によって、衝突時
の運動エネルギーを吸収している。なお、9は口金、6
は内層ゴム、7は補強層、8は外層ゴムである。
【0005】このような従来から使用されている防舷材
には、次のような欠点がある。 船体との接触によりゴムが摩耗する。 防舷材を構成する加硫ゴムには、大量のカーボンブ
ラックが含有されているため、接触した船体側部を黒く
汚染する。 ゴムと船体との間の摩擦係数が大きいため、固定型
防舷材の場合は、船体が接岸する際、アンカーボルトに
大きな外力が加わり、アンカーボルトを損傷する。 浮遊型防舷材の場合は、口金に大きな外力が加わ
り、口金を損傷する。 とあるいはとの理由により、頻繁な日常点
検が必要であり、かつ、使用寿命が短い。
には、次のような欠点がある。 船体との接触によりゴムが摩耗する。 防舷材を構成する加硫ゴムには、大量のカーボンブ
ラックが含有されているため、接触した船体側部を黒く
汚染する。 ゴムと船体との間の摩擦係数が大きいため、固定型
防舷材の場合は、船体が接岸する際、アンカーボルトに
大きな外力が加わり、アンカーボルトを損傷する。 浮遊型防舷材の場合は、口金に大きな外力が加わ
り、口金を損傷する。 とあるいはとの理由により、頻繁な日常点
検が必要であり、かつ、使用寿命が短い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術に鑑みてなされたものであり、頻繁な日常点検
が不要で、かつ、使用寿命が長く、さらに、船体側部を
黒く汚染することのない、その船体接触部が耐摩耗性が
高く摩擦係数の低い材料で構成された防舷材の提供を目
的とする。
従来技術に鑑みてなされたものであり、頻繁な日常点検
が不要で、かつ、使用寿命が長く、さらに、船体側部を
黒く汚染することのない、その船体接触部が耐摩耗性が
高く摩擦係数の低い材料で構成された防舷材の提供を目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ゴム防舷材表
面の少なくとも船体と接触する部分に、該防舷材を構成
するゴムと一体的に設けられた重量平均分子量が50万
以上の超高分子量ポリエチレン層を有することを特徴と
する防舷材を提供するものである。
面の少なくとも船体と接触する部分に、該防舷材を構成
するゴムと一体的に設けられた重量平均分子量が50万
以上の超高分子量ポリエチレン層を有することを特徴と
する防舷材を提供するものである。
【0008】以下に、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明の防舷材のゴム部分の表面に設けら
れた超高分子量ポリエチレン層に用いる超高分子量ポリ
エチレンは、粘度法による重量平均分子量(Mw)が5
0万以上であるものであり、Mwが100万以上のもの
が好ましく、200万ないし300万の範囲内のものが
さらに好ましい。粘度法による重量平均分子量(Mw)
が50万以上の超高分子量ポリエチレンを用いることに
より、汎用の高密度ポリエチレンにはみられない耐摩耗
性、低摩擦係数、耐候性が発現されるだけでなく、後記
するゴム部分との一体的接着性も優れることとなる。
れた超高分子量ポリエチレン層に用いる超高分子量ポリ
エチレンは、粘度法による重量平均分子量(Mw)が5
0万以上であるものであり、Mwが100万以上のもの
が好ましく、200万ないし300万の範囲内のものが
さらに好ましい。粘度法による重量平均分子量(Mw)
が50万以上の超高分子量ポリエチレンを用いることに
より、汎用の高密度ポリエチレンにはみられない耐摩耗
性、低摩擦係数、耐候性が発現されるだけでなく、後記
するゴム部分との一体的接着性も優れることとなる。
【0010】ところで、本発明では、後記するように、
超高分子量ポリエチレン層の形成に超高分子量ポリエチ
レンのシート状成形品を用いるが、現在、そのような超
高分子量ポリエチレンのシート状成形品として、超高分
子量ポリエチレンのロッドから切削法で得られるいわゆ
るスカイブドフィルムと、超高分子量ポリエチレン粉末
を特定の溶剤で膨潤させ、これを押出機によって薄いシ
ート状に押し出し、必要に応じてカレンダー処理した後
に脱気して得られるポーラスなフィルムが知られてい
る。本発明では、いずれの超高分子量ポリエチレンフィ
ルムも用いることが出来るが、成形後により平滑な表面
となる、後者のポーラスなフィルムを用いることが好ま
しい。
超高分子量ポリエチレン層の形成に超高分子量ポリエチ
レンのシート状成形品を用いるが、現在、そのような超
高分子量ポリエチレンのシート状成形品として、超高分
子量ポリエチレンのロッドから切削法で得られるいわゆ
るスカイブドフィルムと、超高分子量ポリエチレン粉末
を特定の溶剤で膨潤させ、これを押出機によって薄いシ
ート状に押し出し、必要に応じてカレンダー処理した後
に脱気して得られるポーラスなフィルムが知られてい
る。本発明では、いずれの超高分子量ポリエチレンフィ
ルムも用いることが出来るが、成形後により平滑な表面
となる、後者のポーラスなフィルムを用いることが好ま
しい。
【0011】なお、本発明では、これらのフィルムとし
て、超高分子量ポリエチレン単独の成形品を用いること
が好ましいが、少量の可塑剤、着色剤等を含有するもの
でもよい。
て、超高分子量ポリエチレン単独の成形品を用いること
が好ましいが、少量の可塑剤、着色剤等を含有するもの
でもよい。
【0012】また、本発明では、これらのフィルムとし
て、通常、その厚さが20μm以上のものを用いるが、
摩耗寿命や柔軟性の観点から、50μm〜10mmのも
のが好ましく、50μm〜5mmのものがさらに好まし
い。
て、通常、その厚さが20μm以上のものを用いるが、
摩耗寿命や柔軟性の観点から、50μm〜10mmのも
のが好ましく、50μm〜5mmのものがさらに好まし
い。
【0013】このような超高分子量ポリエチレン製フィ
ルム(厚さ:350μm)の代表的な機械物性を例示す
れば、破断強度は約450Kg/cm2、破断伸びは約
370%、硬度(JIS D)は約63である。
ルム(厚さ:350μm)の代表的な機械物性を例示す
れば、破断強度は約450Kg/cm2、破断伸びは約
370%、硬度(JIS D)は約63である。
【0014】本発明の防舷材のゴム部分は、耐海水性、
耐候性および反発弾性に優れる、天然ゴム(NR)、ス
チレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(B
R)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン・プロピレ
ン三元共重合ゴム(EPDM)等の未加硫ゴムうちの1
種以上を主成分とするゴム組成物の加硫物で構成され
る。なお、このゴム組成物は、加硫剤、カーボンブラッ
ク、シリカ、クレー等の充填剤、老化防止剤、加工助
剤、軟化剤等、一般に用いられるゴム用配合剤も含有す
る。
耐候性および反発弾性に優れる、天然ゴム(NR)、ス
チレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(B
R)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン・プロピレ
ン三元共重合ゴム(EPDM)等の未加硫ゴムうちの1
種以上を主成分とするゴム組成物の加硫物で構成され
る。なお、このゴム組成物は、加硫剤、カーボンブラッ
ク、シリカ、クレー等の充填剤、老化防止剤、加工助
剤、軟化剤等、一般に用いられるゴム用配合剤も含有す
る。
【0015】また、本発明の防舷材のゴム部分が多層構
造になっている場合は、各層を形成するために用いられ
るゴム組成物は、互いに同じであっても異なっていても
よい。
造になっている場合は、各層を形成するために用いられ
るゴム組成物は、互いに同じであっても異なっていても
よい。
【0016】さらに、本発明の防舷材のゴム部分が補強
材部分あるいは補強層を有する場合、それらはどのよう
な材料で形成されていてもよいが、一般的には、ポリエ
ステル、ナイロン等を用い、加圧時に形状変化が最も少
なくなるように形成される。
材部分あるいは補強層を有する場合、それらはどのよう
な材料で形成されていてもよいが、一般的には、ポリエ
ステル、ナイロン等を用い、加圧時に形状変化が最も少
なくなるように形成される。
【0017】本発明の防舷材は、該防舷材表面の少なく
とも船体と接触する部分に、該防舷材のゴム部分と一体
的に設けられた前記超高分子量ポリエチレン層を有する
ものである。
とも船体と接触する部分に、該防舷材のゴム部分と一体
的に設けられた前記超高分子量ポリエチレン層を有する
ものである。
【0018】ここで、防舷材表面の少なくとも船体と接
触する部分について、図面に基づいて説明する。
触する部分について、図面に基づいて説明する。
【0019】図1(a)および(b)は、岸壁1にアン
カーボルト2で固定された、本発明の固定型防舷材10
の一例の部分断面模式図を示すものである。また、図2
は、本発明の浮遊型防舷材20の一例の1/2体の部分
断面平面図を示すものであるが、その膜15は、図3
(a)に断面図で示す状態となっている。
カーボルト2で固定された、本発明の固定型防舷材10
の一例の部分断面模式図を示すものである。また、図2
は、本発明の浮遊型防舷材20の一例の1/2体の部分
断面平面図を示すものであるが、その膜15は、図3
(a)に断面図で示す状態となっている。
【0020】図1(a)に示す固定型防舷材10では、
船体と接触すると考えられる部分は、主にその先端部で
あり、他に、側面の一部(先端部側)についても船体と
接触する可能性があるので、その表面であって、その先
端部から側面の一部にかけて、超高分子量ポリエチレン
層5が設けられている。また、図1(b)に示す固定型
防舷材10では、船体と接触すると考えられる部分だけ
でなく、その表面全体に超高分子量ポリエチレン層5が
設けられている。すなわち、このような形状の固定型防
舷材10では、防舷材表面の船体と接触する部分とは、
ほぼ、図1(a)における超高分子量ポリエチレン層5
が設けられている部分であるから、少なくとも図1
(a)における超高分子量ポリエチレン層5が設けられ
ている部分相当部分に超高分子量ポリエチレン層5が設
けられているものが、本発明のゴム防舷材である。
船体と接触すると考えられる部分は、主にその先端部で
あり、他に、側面の一部(先端部側)についても船体と
接触する可能性があるので、その表面であって、その先
端部から側面の一部にかけて、超高分子量ポリエチレン
層5が設けられている。また、図1(b)に示す固定型
防舷材10では、船体と接触すると考えられる部分だけ
でなく、その表面全体に超高分子量ポリエチレン層5が
設けられている。すなわち、このような形状の固定型防
舷材10では、防舷材表面の船体と接触する部分とは、
ほぼ、図1(a)における超高分子量ポリエチレン層5
が設けられている部分であるから、少なくとも図1
(a)における超高分子量ポリエチレン層5が設けられ
ている部分相当部分に超高分子量ポリエチレン層5が設
けられているものが、本発明のゴム防舷材である。
【0021】一方、図2に示す浮遊型防舷材20の場合
は、該防舷材20の膜15の外側ほぼ全面が船体と接触
する可能性を有するので、図3(a)に示すように、膜
15の最外層が、超高分子量ポリエチレン層5となって
いるのである。
は、該防舷材20の膜15の外側ほぼ全面が船体と接触
する可能性を有するので、図3(a)に示すように、膜
15の最外層が、超高分子量ポリエチレン層5となって
いるのである。
【0022】ところで、本発明の防舷材では、前記超高
分子量ポリエチレン層は、該防舷材のゴム部分と一体的
に設けられているが、ここで、「一体的」とは、超高分
子量ポリエチレン層がゴム部分に単に貼り合わされたも
のではなく、超高分子量ポリエチレン層とゴム部分の界
面が明確ではなくなる程度に、相互に部材が拡散し、強
固に接着している状態を意味する。より具体的には、両
者が加熱圧着されることにより、界面で両層のマトリッ
クス空隙への相互の浸透、拡散が起こり、冷却後に両面
が強固に固定された状態である。このような接着状態
は、溶融接着(ヒュージョンボンディング)と呼ばれる
ものであり、「カウチューク ウンツ グミー クンス
トストッフェ(Kautschuk+Gummi Kunststoffe )、34
巻、8頁、1981年」で既に公知である。具体的に
は、後記の方法で達成されるものである。
分子量ポリエチレン層は、該防舷材のゴム部分と一体的
に設けられているが、ここで、「一体的」とは、超高分
子量ポリエチレン層がゴム部分に単に貼り合わされたも
のではなく、超高分子量ポリエチレン層とゴム部分の界
面が明確ではなくなる程度に、相互に部材が拡散し、強
固に接着している状態を意味する。より具体的には、両
者が加熱圧着されることにより、界面で両層のマトリッ
クス空隙への相互の浸透、拡散が起こり、冷却後に両面
が強固に固定された状態である。このような接着状態
は、溶融接着(ヒュージョンボンディング)と呼ばれる
ものであり、「カウチューク ウンツ グミー クンス
トストッフェ(Kautschuk+Gummi Kunststoffe )、34
巻、8頁、1981年」で既に公知である。具体的に
は、後記の方法で達成されるものである。
【0023】本発明では、ゴム防舷材表面の少なくとも
船体と接触する部分に超高分子量ポリエチレン層を配
し、該超高分子量ポリエチレン層を、ゴム部分と一体的
としている。その結果、耐摩耗性に優れ、摩擦係数が小
さいという超高分子量ポリエチレンの特性が充分に活か
され、かつ、超高分子量ポリエチレン層とゴム部分とが
強固に接着しているために、耐久性に優れる防舷材が得
られたのである。ちなみに、ゴムと船体との間の摩擦係
数は約0.5であるが、超高分子量ポリエチレンと船体
との間の摩擦係数は約0.2である。また、超高分子量
ポリエチレン層とゴム部分との界面の剥離強度は、通常
5kgf/25mm以上、条件によっては10kgf/
25mm以上、さらには20kgf/25mm以上とも
なっている。
船体と接触する部分に超高分子量ポリエチレン層を配
し、該超高分子量ポリエチレン層を、ゴム部分と一体的
としている。その結果、耐摩耗性に優れ、摩擦係数が小
さいという超高分子量ポリエチレンの特性が充分に活か
され、かつ、超高分子量ポリエチレン層とゴム部分とが
強固に接着しているために、耐久性に優れる防舷材が得
られたのである。ちなみに、ゴムと船体との間の摩擦係
数は約0.5であるが、超高分子量ポリエチレンと船体
との間の摩擦係数は約0.2である。また、超高分子量
ポリエチレン層とゴム部分との界面の剥離強度は、通常
5kgf/25mm以上、条件によっては10kgf/
25mm以上、さらには20kgf/25mm以上とも
なっている。
【0024】本発明の防舷材の製造方法は、特に限定さ
れないが、通常は次のような工程を採用する。まず、固
定型防舷材の場合であるが、従来のゴム防舷材と同様の
方法で、未加硫状態における成形までを行なった後、超
高分子量ポリエチレン製フィルムを所定の位置に貼りつ
け、成形金型内で加熱加圧加硫を行なうというものであ
る。この際の加硫条件は、ゴム組成物の配合組成による
が、例えば典型的なNR/SBRの混合ゴムを主成分と
するゴム組成物を用いる場合は、温度130℃ないし1
50℃、圧力5ないし20kgf/cm2 で、30ないし12
0分間程度である。
れないが、通常は次のような工程を採用する。まず、固
定型防舷材の場合であるが、従来のゴム防舷材と同様の
方法で、未加硫状態における成形までを行なった後、超
高分子量ポリエチレン製フィルムを所定の位置に貼りつ
け、成形金型内で加熱加圧加硫を行なうというものであ
る。この際の加硫条件は、ゴム組成物の配合組成による
が、例えば典型的なNR/SBRの混合ゴムを主成分と
するゴム組成物を用いる場合は、温度130℃ないし1
50℃、圧力5ないし20kgf/cm2 で、30ないし12
0分間程度である。
【0025】浮遊型防舷材の場合は、まず、超高分子量
ポリエチレン製フィルムと未加硫のゴム組成物、さら
に、必要に応じ、補強層を構成する織布等を用いて、そ
の1/2体の未加硫状態における成形までを行なった
後、成形金型内で加熱加圧加硫を行なう。この際の加硫
条件は、ゴム組成物の配合組成による。ついで、得られ
た1/2体の加硫物2個を用いて、通常の方法により、
浮遊型防舷材を成形する。
ポリエチレン製フィルムと未加硫のゴム組成物、さら
に、必要に応じ、補強層を構成する織布等を用いて、そ
の1/2体の未加硫状態における成形までを行なった
後、成形金型内で加熱加圧加硫を行なう。この際の加硫
条件は、ゴム組成物の配合組成による。ついで、得られ
た1/2体の加硫物2個を用いて、通常の方法により、
浮遊型防舷材を成形する。
【0026】
【実施例】以下に、実施例により、本発明を具体的に説
明する。
明する。
【0027】表1に示す原料(未加硫)ゴムを主成分と
し、同じく表1に示す加硫剤を含有するゴム組成物を用
意した。その他の配合剤については記載しないが、一般
的なものを用いた。各ゴム組成物を2.5mm厚のシー
ト状に成形し、150mm×150mm×2.5mmの
未加硫ゴムサンプルを得、2枚の未加硫ゴムサンプル間
に、80μm厚あるいは350μm厚の超高分子量ポリ
エチレン(分子量:約250万)製フィルムを配し、表
1に示す加硫条件で、面圧20kgf/cm2 でプレス加硫を
行ない、接着試験サンプルを得た。これらのサンプルの
一方のシート状ゴムと超高分子量ポリエチレン製フィル
ムとの間を引き剥し、接着力を測定すると共に、剥離状
態を目視観察した。結果は表2に示した。
し、同じく表1に示す加硫剤を含有するゴム組成物を用
意した。その他の配合剤については記載しないが、一般
的なものを用いた。各ゴム組成物を2.5mm厚のシー
ト状に成形し、150mm×150mm×2.5mmの
未加硫ゴムサンプルを得、2枚の未加硫ゴムサンプル間
に、80μm厚あるいは350μm厚の超高分子量ポリ
エチレン(分子量:約250万)製フィルムを配し、表
1に示す加硫条件で、面圧20kgf/cm2 でプレス加硫を
行ない、接着試験サンプルを得た。これらのサンプルの
一方のシート状ゴムと超高分子量ポリエチレン製フィル
ムとの間を引き剥し、接着力を測定すると共に、剥離状
態を目視観察した。結果は表2に示した。
【0028】表2から明らかなように、NR、SBR、
EPDM、IIR、Cl−IIR等を主成分とするゴム
組成物の加硫物は、超高分子量ポリエチレン製フィルム
と強固に接着していた。従って、これらのゴム組成物
は、本発明の防舷材に有用である。
EPDM、IIR、Cl−IIR等を主成分とするゴム
組成物の加硫物は、超高分子量ポリエチレン製フィルム
と強固に接着していた。従って、これらのゴム組成物
は、本発明の防舷材に有用である。
【0029】
【0030】
【0031】(発明の効果)本発明により、頻繁な日常
点検が不要で、かつ、使用寿命が長く、さらに、船体側
部を黒く汚染することのない、その船体接触部が耐摩耗
性が高く摩擦係数の低い材料で構成された防舷材が提供
される。本発明により提供される防舷材では、そのゴム
部分の外層表面で、かつ、船体と接触する部分に、超高
分子量ポリエチレン層がゴム部分と一体的に設けられて
いる。この超高分子量ポリエチレン層は、超高分子量ポ
リエチレンの有する低摩擦係数および耐摩耗性をよく発
現しているので、防舷材自体の摩耗が著しく抑えられる
と共に、その低摩擦係数のために、固定型防舷材では、
固定するアンカーボルトにかかる力を小さくすることが
出来るので、その損傷を抑制することが出来、同様に、
浮遊型防舷材においては、口金部に大きな力がかかるの
を防ぐことが出来る。これらにより、防舷材の頻繁な日
常点検が不要となり、かつ、その寿命が著しく長くなっ
たものである。さらに、カーボンブラックを大量に含有
する防舷材のゴム部分と船体との直接の接触が防止され
る結果、船体の防舷材による汚染も防止できるようにな
ったものである。
点検が不要で、かつ、使用寿命が長く、さらに、船体側
部を黒く汚染することのない、その船体接触部が耐摩耗
性が高く摩擦係数の低い材料で構成された防舷材が提供
される。本発明により提供される防舷材では、そのゴム
部分の外層表面で、かつ、船体と接触する部分に、超高
分子量ポリエチレン層がゴム部分と一体的に設けられて
いる。この超高分子量ポリエチレン層は、超高分子量ポ
リエチレンの有する低摩擦係数および耐摩耗性をよく発
現しているので、防舷材自体の摩耗が著しく抑えられる
と共に、その低摩擦係数のために、固定型防舷材では、
固定するアンカーボルトにかかる力を小さくすることが
出来るので、その損傷を抑制することが出来、同様に、
浮遊型防舷材においては、口金部に大きな力がかかるの
を防ぐことが出来る。これらにより、防舷材の頻繁な日
常点検が不要となり、かつ、その寿命が著しく長くなっ
たものである。さらに、カーボンブラックを大量に含有
する防舷材のゴム部分と船体との直接の接触が防止され
る結果、船体の防舷材による汚染も防止できるようにな
ったものである。
【図1】固定型防舷材を岸壁に固定した状態を示す部分
断面模式図である。
断面模式図である。
【図2】浮遊型防舷材の1/2体を示す部分断面平面図
である。
である。
【図3】図2の膜15の部分断面図である。
1 岸壁 2 アンカーボルト 3 ゴム部分 4 埋め込み鉄板 5 超高分子量ポリエチレン層 6 内層ゴム 7 補強層 8 外層ゴム 9 口金 10 固定型防舷材 15 膜 20 浮遊型防舷材
Claims (1)
- 【請求項1】ゴム防舷材表面の少なくとも船体と接触す
る部分に、該防舷材を構成するゴムと一体的に設けられ
た重量平均分子量が50万以上の超高分子量ポリエチレ
ン層を有することを特徴とする防舷材。
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