JP3322863B2 - 防舷材 - Google Patents

防舷材

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JP3322863B2
JP3322863B2 JP2000086931A JP2000086931A JP3322863B2 JP 3322863 B2 JP3322863 B2 JP 3322863B2 JP 2000086931 A JP2000086931 A JP 2000086931A JP 2000086931 A JP2000086931 A JP 2000086931A JP 3322863 B2 JP3322863 B2 JP 3322863B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船舶等の接岸時ま
たは係留時の緩衝材として用いられる防舷材に関する。
【0002】
【従来の技術】港湾の岸壁に船舶を接岸する際、あるい
は接岸した船舶を岸壁に係留する際などに生じる衝撃や
摩擦等から船舶と岸壁の双方を保護することを目的とし
て、一般に、岸壁と船体の両方または一方には防舷材が
設置される。上記防舷材は、船舶や車両に対して十分な
緩衝作用を示すことが必要であるため、その主要な構成
材料としてゴムが広く用いられている。さらに、最近で
は、このゴム防舷材のゴム表面と船舶とが直接、接触し
ないように、当該ゴム防舷材の受衝面を他の材料で保護
する処理が施されている。
【0003】その目的は、(i) ゴム防舷材本体の表面を
覆うことによって船舶と防舷材本体との直接接触を避け
てゴムの磨耗を防ぎ、防舷材自体の寿命を長くするこ
と、(ii)ゴム防舷材本体の表面に摩擦係数が小さく、耐
衝撃性に優れた樹脂層を設けることで、船舶の接岸時に
かかる圧縮力や係留時にかかる摩擦力を分散・軽減させ
て、防舷材を岸壁に固定するボルト部分に過大な圧力が
かかって防舷材自体に破損が生じてしまうのを防止する
こと、(iii) 防舷材本体のゴム中に充填材として含有さ
れるカーボンブラック等によって、当該ゴムと接触する
船体を黒く汚すことのないようにすること、等にある。
【0004】上記処理が施された防舷材の具体例とし
て、特開平5−59711号公報には、ゴム防舷材表面
の少なくとも船体と接触する部分に、該防舷材を構成す
るゴムと一体的に設けられた重量平均分子量が50万以
上の超高分子量ポリエチレン(以下、「UHMW−P
E」という。)の層を有する防舷材が開示されている。
しかしながら、上記公報において、ゴムとUHMW−P
Eとを接着するには5〜20kgf/cm2 の加圧下、
130〜150℃もの高温で加硫することが要求されて
いるのに対し、防舷材のような大型の部材を製造する場
合には、UHMW−PEのゴム防舷材との接着部分全て
を上記の温度にするのが困難であるという問題を有する
ため、必然的にゴム防舷材とUHMW−PE層との接合
強度や耐久性が低くなる問題があった。
【0005】なお、ゴムとUHMW−PEとの接着方法
を開示する特開平7−100931号公報においても、
両者の接着には、10〜30kgf/cm2 の加圧下、
145〜155℃もの高温で加硫することを要求してい
る。また、上記の接着に要求される温度はUHMW−P
Eの融点を超えるものであることから、防舷材の製造時
にUHMW−PEが変形してしまい、外観不良を招く原
因となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、特開平11−9
3141号公報には、上記課題の解決を目的とする防舷
材であって、ゴム防舷材と、該ゴム防舷材の外面の少な
くとも一部に設けられたUHMW−PE等の高摺動性合
成樹脂板とを有し、該高摺動性合成樹脂板の裏面にゴム
層が融着され、該ゴム層がゴム防舷材に接合されている
ことを特徴とする防舷材が開示されている。
【0007】かかる防舷材によれば、上記ゴム層がUH
MW−PE層に比べて極めて薄いことから、たとえ製造
する防舷材が大型のものであっても、ゴム製の防舷材
と、前記ゴム層を有する高摺動性合成樹脂板との接合界
面全体を145℃以上に加熱することで、当該接合界面
全体を110℃以上に加熱することができ、それゆえ、
両者を全面に亘って強固に接合することができる。しか
しながら、上記公報に開示の方法では、UHMW−PE
を板状に成形したものにあらかじめ薄いゴム板を加硫接
着する工程が必要となる。すなわち、UHMW−PE層
自体の成形工程と、前記ゴム層とUHMW−PE層の接
着成形工程、との2工程が必要となるため、製造工程が
煩雑になったり、製造コストが増大するという問題があ
る。
【0008】なお、上述のように、ゴム製防舷材の受衝
面をUHMW−PE等の摩擦係数が低い他の材料で保護
することにより、当該防舷材に対する衝撃緩和等の目的
をある程度達成することができるものの、岸壁に固定さ
れた防舷材は、接岸あるいは係留する船舶から圧縮を繰
り返し受けるために、その使用寿命には自ずと限度があ
る。従って、防舷材の耐久性を少しでも向上させること
は、この技術分野における常に重要な課題である。
【0009】本発明の目的は、超高分子ポリエチレン等
の、防舷材本体を構成するゴムよりも摩擦係数の低い合
成樹脂からなる層が、簡易な工程でもって、かつ、強固
にゴム防舷材本体に接着された防舷材を提供することで
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明
者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結
果、ゴム防舷材本体と、当該ゴム防舷材本体を構成する
ゴムよりも摩擦係数の低い合成樹脂からなる表面層と
を、当該合成樹脂よりも融点が低く、かつ前記合成樹脂
と前記ゴム防舷材本体との両方に対して親和性を有する
中間層を介して加硫接着したときは、前記表面層の厚み
を大きくしても接着不良を生じることなく、表面層とゴ
ム防舷材本体とを強固に接合させることができるという
新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明に係る防舷材は、ゴム防
舷材本体と、当該ゴム防舷材本体の少なくとも受衝面に
配置された表面層と、を備えており、前記表面層が、前
記ゴム防舷材本体を構成するゴムよりも摩擦係数が低い
第1の合成樹脂からなる厚さ2mm以上の層であって、
前記ゴム防舷材本体との間に、前記第1の合成樹脂と同
種の樹脂であり、融点が135℃以下でかつ前記第1の
合成樹脂の融点よりも2℃以上低い第2の合成樹脂から
なる中間層を介して、加硫接着されたものであることを
特徴とする。
【0012】上記本発明によれば、ゴム防舷材本体の少
なくとも受衝面に上記第1の合成樹脂からなる摩擦係数
の低い表面層が設けられていることにより、(i) ゴムの
磨耗を防いで防舷材自体の寿命を長くすることができ
(耐久性・耐磨耗性の向上)、(ii)船舶等の接岸時に係
る圧縮力や係留時に係る摩擦力を分散・軽減させること
ができ、(iii) ゴム防舷材中の配合物による船体の汚染
を防止することができ、さらに、(a) 比較的融点が低い
第2の合成樹脂からなる中間層を介して、前記表面層と
ゴム防舷材本体とを接着することから、接着面全体が極
めて高い温度になるまで加熱する必要がなく、特開平5
−59711号公報に開示の技術よりも低い温度で、接
着不良を生じることなく、表面層とゴム防舷材本体とを
強固に接着させることができ、かつ、(b) 特開平11−
93141号公報に開示の防舷材のように、受衝面(高
摺動性合成樹脂板)の形成に2段階の工程を経る必要が
なく、前記表面層と前記中間層とをゴム防舷材本体とと
もに一度に加硫接着することで、防舷材を成形すること
ができることから、前記簡易な工程でもって、かつ、ゴ
ム防舷材本体に表面層を強固に接着させた防舷材を得る
ことができる。
【0013】上記本発明の防舷材によれば、前述のよう
に製造工程が簡易であることに起因して、製造コストを
低減できるという利点を得ることもできる。上記本発明
の防舷材における表面層は、その摩擦係数がゴム防舷材
本体を構成するゴムよりも低いことのほか、比較的大き
な変位に耐えることができ、しかも割れたり、塑性変形
したりすることのない材料であることが求められる。従
って、前記表面層を構成する第1の合成樹脂には、重量
平均分子量100万以上の超高分子量ポリエチレンが好
適に用いられる。一般的に摩擦係数が低い超高分子量ポ
リエチレン(UHMW−PE)の中でも、特にその分子
量が大きなものを用いることによって、表面層自体の耐
久性、耐衝撃性等を向上させることができる。
【0014】上記本発明の防舷材における中間層を構成
する第2の合成樹脂は、前記第1の合成樹脂と同種の樹
脂からなり、表面層に対してだけでなくゴム防舷材本体
に対しても親和性を有するものであって、その融点が1
35℃以下であり、かつ前記第1の合成樹脂の融点より
も2℃以上低いものであるのが好ましい。かかる観点か
ら、上記第2の合成樹脂としては、重量平均分子量50
万以上、300万未満の超高分子量ポリエチレンが好適
に用いられる。
【0015】重量平均分子量が上記範囲にあるUHMW
−PEであって、融点が上記範囲にあるものを中間層と
して用いることにより、比較的低い温度で加硫接着を実
現することができ、かつ、表面層およびゴム防舷材本体
のいずれとも良好な接着を実現することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の防舷材は、例えば図1に
その断面図を示すように、一対の脚部18およびフラン
ジ部20を有する断面略U字(V字)状のゴム防舷材本
体12と、当該ゴム防舷材12の少なくとも受衝面に配
置された表面層14とを備えたものであって、ゴム防舷
材本体12と表面層14とが、その間に中間層16を介
して加硫接着されたものである。
【0017】表面層14および中間層16は、図1に示
すように、ゴム防舷材本体12の受衝面だけに設けられ
ているだけでなく、ゴム防舷材本体12の表面全体に設
けられていてもよい。防舷材10は、通常、一対のフラ
ンジ部20に設けられたボルト孔(図示せず)にボルト
を挿通させて、防舷材10を岸壁等に固定することによ
って使用される。
【0018】以下、本発明の防舷材について詳細に説明
する。 〔表面層〕本発明の防舷材における表面層は、前述のよ
うに、摩擦係数の低い合成樹脂(第1の合成樹脂)から
なる層である。表面層の摩擦係数は、ASTM D 1
894の規定に基づいて測定した動摩擦係数μが0.3
以下であって、好ましくは0.2以下である。
【0019】表面層を構成する合成樹脂(第1の合成樹
脂)の材質としては、結晶性ポリオレフィン樹脂が好ま
しく、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分
子量ポリエチレン(UHMW−PE)、低密度ポリエチ
レン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLD
PE)等のポリエチレン系樹脂や、ポリプロピレン(P
P)、アイオノマー、メタロセン触媒重合ポリエチレ
ン、メタロセン触媒重合ポリプロピレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合樹脂(EVA)等が挙げられる。上記結
晶性ポリオレフィン樹脂は単独で用いてもよく、2種以
上をブレンドして用いてもよい。
【0020】上記結晶性ポリオレフィン樹脂の中でも、
HDPEまたはUHMW−PEを用いるのが好ましく、
さらにその中でも、耐磨耗性、耐衝撃性、耐候性等に優
れるという観点から、粘度法による重量平均分子量が5
0万以上であるUHMW−PEを用いるのが好ましい。
表面層の耐衝撃性等をより一層優れたものとするために
は、UHMW−PEの重量平均分子量は、上記範囲の中
でも300万以上であるのが最適である。
【0021】表面層を構成する合成樹脂(第1の合成樹
脂)の融点は特に限定されるものではないが、後述する
中間層とともにゴム防舷材本体に加硫接着させる際の作
業性を考慮すると、前記中間層を構成する第2の合成樹
脂に対して融点が2℃以上、好ましくは5℃以上高いも
のであるのが好ましい。表面層を構成する合成樹脂(第
1の合成樹脂)には、通常、樹脂加工物に添加されるよ
うな配合剤を含有していてもよい。かかる配合剤として
は、例えば架橋材、軟化剤、老化防止剤、加工助剤、紫
外線劣化防止剤等が挙げられ、これらは従来公知の種々
のものを用いることができる。
【0022】〔中間層〕本発明の防舷材における中間層
は、前述のように、融点が130℃以下で、ゴム防舷材
本体と表面層との両方に対して親和性を有する合成樹脂
(第2の合成樹脂)からなる層である。中間層の融点が
上記範囲を超えると、防舷材が極めて大型の構造物であ
ることから、加硫成形時に中間層全体を十分に加熱する
ことができなくなり、その結果、接着不良を生じて、ゴ
ム防舷材本体とUHMW−PE層との接合強度が低下し
たり、防舷材自体の耐久性が低下したりする問題を招
く。
【0023】表面層を構成する合成樹脂(第1の合成樹
脂)の材質としては、結晶性ポリオレフィン樹脂が好ま
しく、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分
子量ポリエチレン(UHMW−PE)、低密度ポリエチ
レン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLD
PE)等のポリエチレン系樹脂や、ポリプロピレン(P
P)、アイオノマー、メタロセン触媒重合ポリエチレ
ン、メタロセン触媒重合ポリプロピレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合樹脂(EVA)等が挙げられる。上記結
晶性ポリオレフィン樹脂は単独で用いてもよく、2種以
上をブレンドして用いてもよい。
【0024】前記表面層としてUHMW−PEを用いる
場合には、中間層を構成する合成樹脂(第2の合成樹
脂)としてもUHMW−PEを用いるのが好ましい。中
間層を構成する合成樹脂(第2の合成樹脂)の融点は、
130℃以下であって、前記第1の合成樹脂の融点より
も2℃以上低いほかは特に限定されるものではない。前
記第1の合成樹脂の融点との差が2℃を下回ると、中間
層を前記表面層とともにゴム防舷材本体に加硫接着させ
る際の作業性が低下する。
【0025】従って、前記表面層として重量平均分子量
が300万以上のUHMW−PEを用いる場合には、中
間層用のUHMW−PEとして、重量平均分子量が50
万以上300万未満のものを用いるのが好ましい。かか
るUHMW−PEの融点は、通常120〜130℃であ
る。中間層を構成する合成樹脂(第2の合成樹脂)に
は、通常、樹脂加工物に添加されるような配合剤を含有
していてもよい。かかる配合剤としては、例えば架橋
材、軟化剤、老化防止剤、加工助剤、紫外線劣化防止剤
等が挙げられ、これらは従来公知の種々のものを用いる
ことができる。
【0026】〔防舷材本体〕本発明の防舷材におけるゴ
ム製の防舷材本体は、常法により、天然ゴム(NR)あ
るいは合成ゴムの中から、単独もしくはブレンドしたも
のを用いて製造される。合成ゴムとしては、スチレン−
ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(BR)、クロ
ロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレン三元共重
合ゴム(EPDM)等が挙げられる。
【0027】このゴム組成物は、通常、添加されるよう
なゴム用配合剤を含有していてもよく、その例として
は、加硫剤、加硫促進剤等の加硫系薬剤や、充填剤(例
えば、カーボンブラック、シリカ、クレー等)、軟化
剤、老化防止剤、加工助剤等が挙げられる。上記加硫剤
としては、例えば粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄等の
硫黄のほか、例えばアルキルフェノール−ホルムアルデ
ヒド樹脂、熱反応性フェノール樹脂、アルキル−フェノ
ールホルムアルデヒド樹脂、臭素化アルキルフェノール
−ホルムアルデヒド樹脂等の樹脂加硫剤を用いることが
できる。
【0028】加硫促進剤には、従来公知の種々のものが
使用可能である。他の添加剤としては、例えば着色剤等
があげられる。 〔防舷材の製造方法〕次に、本発明に係る防舷材の製造
方法の一例を、図2を参照しつつ説明する。本発明の防
舷材10を製造するにあたっては、まず、防舷材の形状
に応じて成型された金型30の、防舷材の受衝部11に
相当する底部32に、表面層14を形成するための第1
の合成樹脂からなるシート24を敷き詰め、次に、その
表面に中間層16を形成するための第2の合成樹脂から
なるシート26と、ゴム防舷材本体12を形成するため
のゴムシート22とをこの順で敷き詰めて、さらに防舷
材10の脚部18およびフランジ部20に相当する箇所
にゴム防舷材本体12用ゴムシート22を敷き詰める。
なお、符号14,16,18は図1に示すとおりであ
る。
【0029】こうして防舷材10の原型を作製し、次い
で、これを缶加硫機やプレス加硫機34により加硫し
て、冷却後、脱型することによって、防舷材10が得ら
れる。ここで、加硫機34によって前記原型を加硫する
際には、中間層16の融点が比較的低いことから、当該
中間層16の全体が十分に加熱されて、ゴム防舷材本体
12と表面層14との間に接着不良を生じることなく、
両者を強固に接着させることができる。
【0030】上記の防舷材10の製造にて用いられる表
面層14用のシート24と、中間層16用のシート26
とは、いずれも前記の合成樹脂に適宜配合剤を加えて混
練した後、押出成型、射出成型等の種々の方法によっ
て、作業上適当な大きさのシートに成型することによっ
て得られる。また、ゴム防舷材本体用のゴムシート22
は、前記のゴム材料を素練りし、これに加硫剤、加硫促
進剤および必要に応じてカーボンブラック等の添加剤を
ゴム防舷材に求められる特性に適した組成比にて配合
し、混練した後、作業上適当な大きさのシートに成形す
ることによって得られる。
【0031】上記の製造方法によれば、防舷材本体12
と中間層16と表面層14とを、1回の工程で一体成形
することができる。表面層14の厚みは特に限定されな
いが、通常2mm以上、とりわけ5mm以上であるのが
好ましい。また防舷材本体10の頂部11および両脚部
18の厚みに対して10%以下とするのが好ましい。中
間層16の厚みは特に限定されないが、あまり厚くなる
と中間層全体を十分に加熱させることができなくなるた
め、通常2mm以下、とりわけ0.5〜1.5mmであ
るのが好ましい。
【0032】〔他の実施形態〕本発明の防舷材は、図1
に示す断面略U字(V字)状の、いわゆるラムダ(λ)
型の防舷材10であるほか、例えば図3に示すように、
頂部が円盤状の、いわゆるカッパ(κ)型の防舷材40
であってもよい。かかる防舷材40は、有底略円筒状の
台座42の頂部に、前記第2の合成樹脂からなる中間層
46を介して、前記第1の合成樹脂からなる表面層44
を形成したものである。
【0033】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
説明する。 実施例1 表面層には、ASTM D 1894の規定による動摩
擦係数μが0.2、粘度法により測定された重量平均分
子量MW が500万、融点が135℃の超高分子量ポリ
エチレン(UHMW−PE,第1の合成樹脂)を使用し
た。また、中間層には、粘度法により測定された重量平
均分子量MW が100万、融点が125℃のUHMW−
PE(第2の合成樹脂)を使用した。
【0034】上記第1の合成樹脂の粉末と第2の合成樹
脂の粉末とを同時にプレスすることにより一体化して、
表面層14および中間層16のシート24を得た。ゴム
防舷材本体を形成するゴムには、天然ゴム(NR)とス
チレンゴム(SBR)とを50:50の重量比で混合
し、板状に成形したもの(未加硫の防舷材本体用ゴム
板)を使用した。防舷材10用の金型30における防舷
材受衝部11に該当する箇所(金型30の底部32)に
上記表面層14および中間層16のシート24を敷き詰
め、次に、その表面(中間層16側の表面26)にゴム
防舷材本体12用のゴムシート22を敷き詰めて、さら
に防舷材10の脚部18およびフランジ部20に相当す
る箇所にゴム防舷材本体12用のゴムシート22を敷き
詰めた。
【0035】次いで、こうして得られた防舷材10の原
型を缶加硫機34により145℃で10時間加硫すると
ともに、表面層、中間層およびゴム防舷材本体を接着さ
せた(図2参照)。ここで、加硫温度は、加硫缶内の温
度は上記のとおり145℃であって、中間層16とゴム
防舷材本体12との層間到達最高温度は130℃であっ
た。加硫後、冷却、脱型することによって、図1に示す
断面形状を有する防舷材10を得た。得られた防舷材1
0の各部の寸法は次のとおりである(図1および図2参
照)。
【0036】防舷材10の全高(H):800mm, 受衝部11の幅(W0 ):920mm, 底部32の幅(W):1900mm, 表面層14および中間層16全体の厚み:50mm, 表面層14の厚み:48mm, 中間層16の厚み:2mm. 上記防舷材10から、表面層14と中間層16との界
面、および中間層16とゴム防舷材本体12との界面を
含む部分を測定用サンプルとして取り出し、JIS K
6256「加硫ゴムの接着試験方法」に準じて前記界
面を剥離させる実験を行った。
【0037】その結果、界面剥離が生じることはなく、
ゴム防舷材本体12、表面層14または中間層16のい
ずれかの層自体が破壊する、材料破壊が生じた。従っ
て、ゴム防舷材本体12と表面層14とが強固に接着さ
れたことが分かった。 比較例1 ゴム防舷材本体の受衝面に中間層を設けずに、直接表面
層を設けたほかは、図1と同様にして防舷材の製造を行
った。
【0038】すなわち、表面層用のUHMW−PE(第
1の合成樹脂)からなるシートと、ゴム防舷材本体用の
ゴムシートには、実施例1で使用したものと同じものを
用い、防舷材用の金型における防舷材受衝部に該当する
箇所(金型の底部)に、表面層用のUHMW−PEのシ
ートを敷き詰め、次に、その表面に直接、ゴム防舷材本
体用のゴムシートを敷き詰めて、防舷材の原型を得た。
次いで、こうして得られた防舷材の原型を缶加硫機によ
り145℃で10時間加硫するとともに、表面層とゴム
防舷材本体とを接着させた。加硫時における表面層とゴ
ム防舷材本体との層間到達最高温度は130℃であっ
た。
【0039】加硫後、冷却、脱型することによって、中
間層を有しないほかは実施例1と同様の形状を有する防
舷材を得た。得られた防舷材の各部の寸法は次のとおり
である。 防舷材の全高(H):800mm, 受衝部の幅(W0 ):920mm, 底部の幅(W):1900mm, 表面層の厚み:50mm 上記防舷材から表面層とゴム防舷材本体との界面を含む
部分を測定用サンプルとして取り出し、実施例1と同様
にして前記界面を剥離させる実験を行った。
【0040】その結果、接着が不十分な箇所や、完全に
接着不良となっている箇所が多数見られたため、材料破
壊よりも前に前記界面の破壊が発生した。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は本発明に係る防舷材の一実施形態を示す
断面図であって、(b) はその部分拡大図である。
【図2】本発明の防舷材の製造方法を示す模式図であ
る。
【図3】(a) は本発明に係る防舷材の他の実施形態を示
す断面図であって、(b) はその斜視図である。
【符号の説明】
10 防舷材 12 防舷材本体 14 表面層 16 中間層

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴム防舷材本体と、当該ゴム防舷材本体の
    少なくとも受衝面に配置された表面層と、を備えてお
    り、 前記表面層が、前記ゴム防舷材本体を構成するゴムより
    も摩擦係数が低い第1の合成樹脂からなる厚さ2mm以
    上の層であって、 前記ゴム防舷材本体との間に、前記第1の合成樹脂と同
    種の樹脂であり、融点が135℃以下でかつ前記第1の
    合成樹脂よりも融点が2℃以上低い第2の合成樹脂から
    なる中間層を介して、加硫接着されたものであることを
    特徴とする防舷材。
  2. 【請求項2】前記表面層の動摩擦係数μが0.3以下で
    ある請求項1記載の防舷材。
  3. 【請求項3】前記第1の合成樹脂が、重量平均分子量1
    00万以上の超高分子量ポリエチレンである請求項1ま
    たは2記載の防舷材。
  4. 【請求項4】前記第2の合成樹脂が、重量平均分子量5
    0万以上、300万未満の超高分子量ポリエチレンであ
    る請求項1または2記載の防舷材。
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