JPH0558861U - エンジン構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 通常のラダーフレーム付エンジンより更にエ
ンジン騒音が小さいエンジンを提供する。 【構成】 クランクケースの左右スカート部の下端に当
接される左右の側壁と夫々の両端部を上記側壁に固着さ
れてクランク軸線に対し横方向に延在する複数の横部材
とからなるラダーフレームを、上記クランクケースの左
右スカート部下端に装着したエンジンにおいて、上記ラ
ダーフレームの側壁外側に、クランク軸線方向に延在す
る３個以上の横リブとクランク軸線に対し横方向に延在
する複数の縦リブとを設けると共に、上記クランクケー
スの左右スカート部の外側に、上記ラダーフレームの縦
リブに略連続してクランク軸線に対し横方向に延在する
複数の縦リブを設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、振動及び騒音を効果的に低減し得るようにしたエンジン構造に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、エンジンの運転中にシリンダ内で生起する燃焼ガス圧力の変動によって 発生する振動及びピストン等の往復質量に基づいて発生する共振、その他種々の 原因によって発生する振動が、ピストンからコネクティングロッド及びクランク 軸を経てクランク軸軸受部に伝達され、更にこの振動が上記軸受部とクランクケ ースのスカート部とを連結するクランクケース内の隔壁を経て同スカート部に伝 達され、スカート部及びこれに固着されたオイルパンに振動が励起されてエンジ ン騒音の有力な原因となっていた。

【０００３】 そこで、エンジン騒音を効果的に低減させるために、クランクケースの左右ス カート部の下端に当接する左右の側壁と、夫々の両端部を上記側壁に固着されて クランク軸線に対し横方向に延在し、クランクケース内の隔壁に設けられた軸受 部と協働してクランク軸を支持する複数の横部材とからなる梯子状のフレーム、 即ちラダーフレーム又はアンダーフレームを、クランクケースの下端に装着する ことによって、上記軸受部及びスカート部の振動、更にオイルパンに伝達される 振動を抑制するようにしたラダーフレーム付エンジンが既に提案されている。

【０００４】 上記従来のラダーフレーム付エンジンにおいては、クランクケースのスカート 部下端の振動変位がラダーフレームによって抑止されるため、可成の騒音低減効 果を得ることができるが、上記スカート部の中間壁部分（即ちシリンダブロック に接続されるスカート上端部と上記ラダーフレームに当接されるスカート下端部 との間の中間壁部分）及びラダーフレームの上記側壁自体の振動が十分に抑制さ れないため、なお一層のエンジン騒音低減を図る余地があることが認められた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記事情に鑑み創案されたもので、従来のラダーフレーム付エンジ ンより更にエンジン騒音が小さいエンジンを提供することを目的とするものであ る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案は、クランクケースの左右スカート部の下端 に当接される左右の側壁と夫々の両端部を上記側壁に固着されてクランク軸線に 対し横方向に延在する複数の横部材とからなるラダーフレームを、上記クランク ケースの左右スカート部下端に装着してなるものにおいて、上記ラダーフレーム の側壁外側に、クランク軸線方向に延在する３個以上の横リブとクランク軸線に 対し横方向に延在する複数の縦リブとを設けると共に、上記クランクケースの左 右スカート部の外側に、上記ラダーフレームの縦リブに略連続してクランク軸線 に対し横方向に延在する複数の縦リブを設けたことを特徴とするエンジン構造を 提案するものである。

【０００７】

【実施例】

以下本考案の実施例を添付図面について具体的に説明する。図中符号１０は総 括的に自動車用の多気筒エンジンを示し、同エンジン１０は、クランクケース１ ２と、同クランクケース１２のスカート部１４の下端に装着されたラダーフレー ム１６と、同ラダーフレーム１６の下端に装着されたオイルパン１８と、上記ク ランクケース１２の上端に装架されたシリンダヘッド２０とを具えている。

【０００８】 上記ラダーフレーム１６は、クランク軸線方向に延在する左右の側壁２２と、 クランク軸線に対し横方向に配置され夫々の両端を上記左右の側壁２２に連結さ れた複数の横部材２４とから構成されている。上記横部材２４の中央部分には、 クランクケース１２内に、上記各横部材２４に対応してクランク軸線に対し横方 向に配置された隔壁部（図示せず）に形成された軸受部と協働してクランク軸を 軸支する軸受部２６が設けられている。

【０００９】 横部材２４の軸受部２６の両側に、ラダーフレーム１６をクランクケース１２ に対し固着する主締付ボルトを挿通させるボルト孔２８が設けられ、また横部材 ２４と側壁２２との接続部分には、上記主締付ボルトと協働してラダーフレーム １６をクランクケース１２に固着する補助ボルトを挿通させるボルト孔３０が穿 設されている。

【００１０】 またラダーフレーム１６の側壁２２の上端フランジ部３２と、上記クランクケ ーススカート部１４の下端フランジ部３４とは、上記主締付ボルト及び補助ボル トを締付けることによって、液体ガスケット等適宜のシール部材を介し当接され る。 上記ラダーフレーム側壁２２の下端に形成されたフランジ部３６に、上記オイ ルパン１８の上端フランジ３８が多数の取付ボルトによって装着される。

【００１１】 ラダーフレーム側壁２２の外側に、高さ方向において好ましくは略中央付近に クランク軸線方向に延在し断面形状が略台形をなす横リブ４０が設けられると共 に、クランク軸線に対し横方向に複数（この実施例の場合４個）の縦リブ４２が 設けられている。 上記上端フランジ３２及び下端フランジ３６は、上記中央の横リブ４０と共に 合計３個の横リブを形成する。また、上記縦リブ４２は、図２によく示されてい るように、なるべくは横部材２６相互の一般に振動し易い略中央部分における側 壁２２の外側に突設されることが好ましい。

【００１２】 一方、クランクケーススカート部１４の外側には、上記縦リブ４２の略延長線 上に位置して、即ち縦リブ４２に略連続して縦リブ４４が突設されている。上記 のように縦リブ４２が横部材２４相互間の中央部分に配設された場合、その延長 線上に配置された縦リブ４４は、クランクケース１２内の隔壁相互の中央部分、 即ちスカート部１４の一般に最も振動し易い外壁部分に配置されることとなる。

【００１３】 上記構成によれば、エンジンの運転中に、前述した事情により振動し易いクラ ンクケーススカート部１４の下端にラダーフレーム１６が装着されることによっ て、従来のラダーフレーム付エンジンと同様に、エンジン騒音が効果的に低減さ れる。 更に、上記ラダーフレーム１６の側壁２２の外側に、上下のフランジ部３２， ３６及び中間の横リブ４０、都合３個の横リブが配設され、また複数即ち図示の 場合４個の縦リブ４２が配設されているので、ラダーフレーム１６自体の剛性が 全体として著しく増強され、特に振動し易い側壁２２の横部材２４相互間の振動 が抑制されるので、エンジン騒音が一層効果的に低減される。 なおまた、振動し易いクランクケーススカート部の中間壁部分（前述したよう にシリンダブロック部分から下端フランジ３４までの中間壁部分）に縦リブ４４ が突設されているので、クランクケーススカート部１４の振動が有効に抑制され 、エンジン騒音がなお一層低減されることとなる。更に、上記横リブ４０及び縦 リブ４２，４４は夫々クランクケース１２及びラダーフレーム１６の鋳造時に形 成することができるので、従来の同種エンジンと略同等のコストで安価に製造す ることができる。

【００１４】 上記実施例では、ラダーフレーム１６の側壁２２に、上下のフランジ部３２及 び３６を含み３個の横リブが設けられているが、必要に応じ４個以上の横リブを 設け得ることは勿論である。また、図示の実施例では、縦リブ４２及び４４が、 ラダーフレームの横部材２４間の中央部及びクランクケース内の上記横部材２４ に対応する隔壁相互の中央部に配設されているが、これら縦リブ４２及び４４が クランク軸線方向に多少ずれて配置されてもそれなりの制振効果を発揮し得るこ とは明らかであり、極端な場合、上記縦リブがたとえ横部材２４及び上記隔壁と 同一面上に配設されても、クランクケーススカート部１４及びラダーフレーム側 壁２２の剛性向上による制振効果は当然に生起される。更に図示の実施例では、 横リブ４０及び縦リブ４２，４４が夫々直線的に形成されているが、クランクケ ース外側に取付けられる他の部品との関係で一部わん曲して形成されることもあ る。

【００１５】

【考案の効果】

叙上のように、本考案に係るエンジン構造は、クランクケースの左右スカート 部の下端に当接される左右の側壁と夫々の両端部を上記側壁に固着されてクラン ク軸線に対し横方向に延在する複数の横部材とからなるラダーフレームを、上記 クランクケースの左右スカート部下端に装着してなるものにおいて、上記ラダー フレームの側壁外側に、クランク軸線方向に延在する３個以上の横リブとクラン ク軸線に対し横方向に延在する複数の縦リブとを設けると共に、上記クランクケ ースの左右スカート部の外側に、上記ラダーフレームの縦リブに略連続してクラ ンク軸線に対し横方向に延在する複数の縦リブを設けたことを特徴とし、従前の ラダーフレーム付エンジンより更にエンジン騒音が小さいエンジンを安価に提供 し得る利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すエンジン全体の側面図
である。

【図２】図１に示したエンジンのラダーフレームを示す
平面図である。

【図３】図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿う部分的拡大断面
図である。

【符号の説明】

１０…エンジン、１２…クランクケース、１４…スカー
ト部、１６…ラダーフレーム、２２…側壁、２４…横部
材、４０…横リブ、４２及び４４…縦リブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 クランクケースの左右スカート部の下端
   に当接される左右の側壁と夫々の両端部を上記側壁に固
   着されてクランク軸線に対し横方向に延在する複数の横
   部材とからなるラダーフレームを、上記クランクケース
   の左右スカート部下端に装着してなるものにおいて、上
   記ラダーフレームの側壁外側に、クランク軸線方向に延
   在する３個以上の横リブとクランク軸線に対し横方向に
   延在する複数の縦リブとを設けると共に、上記クランク
   ケースの左右スカート部の外側に、上記ラダーフレーム
   の縦リブに略連続してクランク軸線に対し横方向に延在
   する複数の縦リブを設けたことを特徴とするエンジン構
   造。