JPH0558736A - 高靱性・高強度の炭窒化チタン焼結体の製造法 - Google Patents
高靱性・高強度の炭窒化チタン焼結体の製造法Info
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- JPH0558736A JPH0558736A JP3254726A JP25472691A JPH0558736A JP H0558736 A JPH0558736 A JP H0558736A JP 3254726 A JP3254726 A JP 3254726A JP 25472691 A JP25472691 A JP 25472691A JP H0558736 A JPH0558736 A JP H0558736A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 炭窒化チタン焼結体の靭性や強度等の物性の
向上を図る。 【構成】 95〜70重量%の炭窒化チタン粉体に対し
て、5〜30重量%の原子番号21〜29の遷移金属粉
末を均一に混合して、目的とする形状に成形した後、そ
の成形物を非酸化性雰囲気中において1200℃〜20
00℃の温度で焼結する。
向上を図る。 【構成】 95〜70重量%の炭窒化チタン粉体に対し
て、5〜30重量%の原子番号21〜29の遷移金属粉
末を均一に混合して、目的とする形状に成形した後、そ
の成形物を非酸化性雰囲気中において1200℃〜20
00℃の温度で焼結する。
Description
【0001】
【技術分野】本発明は、高靭性・高強度の炭窒化チタン
焼結体の製造法に係り、特に原料粉体と金属とを相互固
溶せしめて、得られる焼結体の靭性や強度等の特性を高
める技術に関するものである。
焼結体の製造法に係り、特に原料粉体と金属とを相互固
溶せしめて、得られる焼結体の靭性や強度等の特性を高
める技術に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来より、TiC(炭化チタン)及びTi
N(窒化チタン)は、それぞれ、それ単味では、焼結し
難く、高温下においても緻密化が困難であるとされてき
た。このため、それらの化合物は、現在、サーメットと
して使用されているが、それら化合物と金属の膨張係数
と弾性率には大きな差があるために、それらの粒界に発
生する熱応力により粒界の強度が弱く、高強度のものが
得られず、そのために、その用途は限られていた。
N(窒化チタン)は、それぞれ、それ単味では、焼結し
難く、高温下においても緻密化が困難であるとされてき
た。このため、それらの化合物は、現在、サーメットと
して使用されているが、それら化合物と金属の膨張係数
と弾性率には大きな差があるために、それらの粒界に発
生する熱応力により粒界の強度が弱く、高強度のものが
得られず、そのために、その用途は限られていた。
【0003】
【解決課題】ところで、そのような化合物と金属の複合
体においては、その粒界の強度を上げることが可能とな
れば、高靭性・高強度の材料を得ることが可能となる。
而して、そのためには、それらの化合物と金属との間の
化学反応により、粒界に、該化合物より膨張係数が大き
く、金属のそれよりも小さい化合物を形成させるか、ま
たはそれら化合物と金属間の相互固溶によって粒界の熱
膨張係数の差を減少させることにより、生ずる熱応力を
軽減せしめ、以て上記の問題点を解決することが考えら
れる。
体においては、その粒界の強度を上げることが可能とな
れば、高靭性・高強度の材料を得ることが可能となる。
而して、そのためには、それらの化合物と金属との間の
化学反応により、粒界に、該化合物より膨張係数が大き
く、金属のそれよりも小さい化合物を形成させるか、ま
たはそれら化合物と金属間の相互固溶によって粒界の熱
膨張係数の差を減少させることにより、生ずる熱応力を
軽減せしめ、以て上記の問題点を解決することが考えら
れる。
【0004】そこで、本発明は、TiCやTiNより金
属を固溶し易いTiCx N1-x (但し、0<x<1)に
て表わされる炭窒化チタン粉体を原料とし、これに特定
の金属粉体を混合して、焼結せしめることにより、原料
粉体に金属を、また金属に原料粉体を、相互に固溶させ
て、得られる炭窒化チタン焼結体の靭性や強度等の物性
の向上を図ることを、その目的とするものである。
属を固溶し易いTiCx N1-x (但し、0<x<1)に
て表わされる炭窒化チタン粉体を原料とし、これに特定
の金属粉体を混合して、焼結せしめることにより、原料
粉体に金属を、また金属に原料粉体を、相互に固溶させ
て、得られる炭窒化チタン焼結体の靭性や強度等の物性
の向上を図ることを、その目的とするものである。
【0005】
【解決手段】そして、本発明は、かかる課題解決のため
に、95〜70重量%の炭窒化チタン粉末に対して、5
〜30重量%の原子番号21〜29の遷移金属粉末を均
一に混合せしめて、目的とする形状に成形した後、その
成形物を非酸化性雰囲気中において1200℃〜200
0℃の温度で焼結せしめることを特徴とする高靭性・高
強度の炭窒化チタン焼結体の製造法を、その要旨とする
ものである。
に、95〜70重量%の炭窒化チタン粉末に対して、5
〜30重量%の原子番号21〜29の遷移金属粉末を均
一に混合せしめて、目的とする形状に成形した後、その
成形物を非酸化性雰囲気中において1200℃〜200
0℃の温度で焼結せしめることを特徴とする高靭性・高
強度の炭窒化チタン焼結体の製造法を、その要旨とする
ものである。
【0006】
【具体的構成・作用】ところで、このような本発明にお
いて、原料として用いられる炭窒化チタン粉末は、上記
したように、一般に、TiCx N1-x (但し、0<x<
1)にて表わされるものであるが、中でも本発明にあっ
ては、xが0.2〜0.8の範囲内、特に0.3〜0.
7の範囲内にある炭窒化チタン粉末が有利に用いられる
こととなる。
いて、原料として用いられる炭窒化チタン粉末は、上記
したように、一般に、TiCx N1-x (但し、0<x<
1)にて表わされるものであるが、中でも本発明にあっ
ては、xが0.2〜0.8の範囲内、特に0.3〜0.
7の範囲内にある炭窒化チタン粉末が有利に用いられる
こととなる。
【0007】因みに、TiCx N1-x において、xが
0,0.3,0.5,0.7,または1.0である粉末
原料を用いて得られた成形体を1900℃×1時間の条
件下で焼結した時の、理論密度に対する相対密度の値
が、図1に示されているが、この図1から明らかなよう
に、TiC及びTiNは、何れも焼結性が不良であっ
て、相対密度を充分に高めることは困難であるが、炭窒
化物のx=0.3,x=0.5,x=0.7の組成の原
料を用いた場合にあっては、何れも相対密度は約95%
以上となり、その焼結性が良好であるのである。
0,0.3,0.5,0.7,または1.0である粉末
原料を用いて得られた成形体を1900℃×1時間の条
件下で焼結した時の、理論密度に対する相対密度の値
が、図1に示されているが、この図1から明らかなよう
に、TiC及びTiNは、何れも焼結性が不良であっ
て、相対密度を充分に高めることは困難であるが、炭窒
化物のx=0.3,x=0.5,x=0.7の組成の原
料を用いた場合にあっては、何れも相対密度は約95%
以上となり、その焼結性が良好であるのである。
【0008】また、それら得られた焼結体の四点曲げ強
度を測定した結果が図2に示されているが、それからも
明らかなように、x=0.3〜0.7の組成の炭窒化チ
タン原料を用いた場合にあっては、何れも約400MP
a以上の強度を有しているのである。
度を測定した結果が図2に示されているが、それからも
明らかなように、x=0.3〜0.7の組成の炭窒化チ
タン原料を用いた場合にあっては、何れも約400MP
a以上の強度を有しているのである。
【0009】さらに、それら得られた焼結体のIS(In
dentationStrength) 法による破壊靭性値を測定した結
果が、図3に示されているが、この図3からも明らかな
ように、xが0.3〜0.7の範囲の原料を用いて得ら
れた焼結体にあっては、何れも3.5MNm-2/3の破壊
靭性値を有しているのである。
dentationStrength) 法による破壊靭性値を測定した結
果が、図3に示されているが、この図3からも明らかな
ように、xが0.3〜0.7の範囲の原料を用いて得ら
れた焼結体にあっては、何れも3.5MNm-2/3の破壊
靭性値を有しているのである。
【0010】従って、これらの結果からすると、炭窒化
チタン粉末原料としては、高密度、高強度、高靭性値を
与える焼結体を得る上において、x=0.7前後の原料
を用いることが好ましいものと判断される。
チタン粉末原料としては、高密度、高強度、高靭性値を
与える焼結体を得る上において、x=0.7前後の原料
を用いることが好ましいものと判断される。
【0011】ところで、このような炭窒化チタン粉末原
料には、金属粉体として、Ni粉末やFe粉末等の、原
子番号21〜29の遷移金属(Sc,V,Ti,Cr,
Mn,Fe,Co,Ni,Cu)粉末が均一に混合さ
れ、そして焼結によって、それら両者が相互に固溶させ
られることによって、粒界の熱膨張係数の差の減少が図
られるのであるが、そのような遷移金属粉末は、5〜3
0重量%となるような割合において、炭窒化チタン原料
粉末に均一に混合せしめられる必要がある。
料には、金属粉体として、Ni粉末やFe粉末等の、原
子番号21〜29の遷移金属(Sc,V,Ti,Cr,
Mn,Fe,Co,Ni,Cu)粉末が均一に混合さ
れ、そして焼結によって、それら両者が相互に固溶させ
られることによって、粒界の熱膨張係数の差の減少が図
られるのであるが、そのような遷移金属粉末は、5〜3
0重量%となるような割合において、炭窒化チタン原料
粉末に均一に混合せしめられる必要がある。
【0012】例えば、x=0.7の組成の炭窒化チタン
原料粉末、即ちTiC0.7 N0.3 組成の原料粉体に対し
て、各種割合で遷移金属粉末としてのNi粉体を添加し
て、成形された成形体を、1500℃または1600℃
で1時間の条件下に焼結することによって得られる焼結
体について、それぞれの相対密度を測定した結果が図4
に示されているが、この図4の結果から明らかなよう
に、遷移金属粉末たるNi粉末の添加量を5重量%以上
とすることにより、相対密度は、何れも90%以上とな
り、良好な緻密化を図ることが出来るのである。また、
それら得られた焼結体の四点曲げ強度が図5に示されて
いるが、この図5から明らかなように、1600℃の焼
結温度の場合において、Ni粉末の添加量が5重量%以
上のものにあっては、何れも900〜1000MPaの
高強度を示している。更に、それらの焼結体のIS法に
よる破壊靭性値を図6に示すが、この図6から明らかな
ように、Ni粉末の添加量を5重量%以上とすることに
より、破壊靭性値として、約10〜14MNm-2/3の高
靭性値を実現することが出来るのである。
原料粉末、即ちTiC0.7 N0.3 組成の原料粉体に対し
て、各種割合で遷移金属粉末としてのNi粉体を添加し
て、成形された成形体を、1500℃または1600℃
で1時間の条件下に焼結することによって得られる焼結
体について、それぞれの相対密度を測定した結果が図4
に示されているが、この図4の結果から明らかなよう
に、遷移金属粉末たるNi粉末の添加量を5重量%以上
とすることにより、相対密度は、何れも90%以上とな
り、良好な緻密化を図ることが出来るのである。また、
それら得られた焼結体の四点曲げ強度が図5に示されて
いるが、この図5から明らかなように、1600℃の焼
結温度の場合において、Ni粉末の添加量が5重量%以
上のものにあっては、何れも900〜1000MPaの
高強度を示している。更に、それらの焼結体のIS法に
よる破壊靭性値を図6に示すが、この図6から明らかな
ように、Ni粉末の添加量を5重量%以上とすることに
より、破壊靭性値として、約10〜14MNm-2/3の高
靭性値を実現することが出来るのである。
【0013】また、本発明者が、かかる遷移金属粉末た
るNi粉末の添加による高強度、高靭性化の原因を追求
するために、得られる焼結体のX線回折と電子顕微鏡に
よる微細構造の検討を種々行なったところ、次のような
事実が判明した。
るNi粉末の添加による高強度、高靭性化の原因を追求
するために、得られる焼結体のX線回折と電子顕微鏡に
よる微細構造の検討を種々行なったところ、次のような
事実が判明した。
【0014】すなわち、x=0.7組成の炭窒化チタン
原料粉末に10重量%の割合のNi粉末を添加し、成形
して得られた成形体を、1600℃で1時間の条件で焼
結することによって得られた焼結体について、その粉末
X線回折線を測定し、その結果を図7に示すが、それか
ら明らかなように、NiとTiC0.7 N0.3 以外の回折
線は出現していないので、そのような焼結体には結晶性
反応物は存在しないものと考えられるのである。なお、
TiC0.7 N0.3 による回折線は焼結により低角度側に
シフトし、一方Niによる回折線は高角度側にシフトし
ている。このことは、TiC0.7 N0.3 とNi粒子との
間で相互に溶解が惹起されて固溶体を形成することを意
味し、以て粒界の強度が、熱膨張係数の差の減少による
熱応力の減少によって強められることとなるのである。
原料粉末に10重量%の割合のNi粉末を添加し、成形
して得られた成形体を、1600℃で1時間の条件で焼
結することによって得られた焼結体について、その粉末
X線回折線を測定し、その結果を図7に示すが、それか
ら明らかなように、NiとTiC0.7 N0.3 以外の回折
線は出現していないので、そのような焼結体には結晶性
反応物は存在しないものと考えられるのである。なお、
TiC0.7 N0.3 による回折線は焼結により低角度側に
シフトし、一方Niによる回折線は高角度側にシフトし
ている。このことは、TiC0.7 N0.3 とNi粒子との
間で相互に溶解が惹起されて固溶体を形成することを意
味し、以て粒界の強度が、熱膨張係数の差の減少による
熱応力の減少によって強められることとなるのである。
【0015】さらに、焼結体の破面の電子顕微鏡観察か
ら、Ni粉末の添加量が20重量%までは比較的薄いN
i固溶体の粒界に存在する相のため、金属相の塑性変形
による破壊エネルギーの増加が寄与して、破壊靭性値は
大きくなるが、これ以上のNi粉末の添加量では、Ni
固溶体は厚い層を形成し、強固となり、クラックは粒界
Ni相を進展せずに、残留応力の存在する粒界に近いT
iC0.7 N0.3 粒子内を進展するようになり、粒界Ni
固溶層の塑性変形による破壊エネルギー増加の効果は薄
れ、破壊靭性値の増加が減少することとなる。従って、
Ni粉末の如き遷移金属粉末の添加量の上限は、30重
量%程度であり、30重量%を超えて添加しても、高強
度、高靭性の焼結体を得ることは困難なのである。
ら、Ni粉末の添加量が20重量%までは比較的薄いN
i固溶体の粒界に存在する相のため、金属相の塑性変形
による破壊エネルギーの増加が寄与して、破壊靭性値は
大きくなるが、これ以上のNi粉末の添加量では、Ni
固溶体は厚い層を形成し、強固となり、クラックは粒界
Ni相を進展せずに、残留応力の存在する粒界に近いT
iC0.7 N0.3 粒子内を進展するようになり、粒界Ni
固溶層の塑性変形による破壊エネルギー増加の効果は薄
れ、破壊靭性値の増加が減少することとなる。従って、
Ni粉末の如き遷移金属粉末の添加量の上限は、30重
量%程度であり、30重量%を超えて添加しても、高強
度、高靭性の焼結体を得ることは困難なのである。
【0016】そして、このようにして、炭窒化チタン原
料粉末に所定の遷移金属粉末が所定割合で添加され、均
一に混合されてなる混合粉末は、従来と同様な成形手法
に従って、目的とする焼結体形状に対応した形状に成形
され、更にその成形物が、Ar、窒素等の公知の非酸化
性雰囲気中において、1200℃〜2000℃の温度
で、一般に無加圧状態下において、焼結せしめられる。
なお、実際の焼結温度は、上記の如き温度範囲内におい
て、遷移金属粉末の種類に応じて焼結に最も有利な温度
範囲において適宜に選定されるものであるが、この焼結
温度が、1200℃よりも低いと、緻密化に非常に長時
間を要し、また2000℃よりも高くなると、添加物た
る遷移金属粉末の蒸発が顕著となり、好ましい結果が得
難くなるのである。
料粉末に所定の遷移金属粉末が所定割合で添加され、均
一に混合されてなる混合粉末は、従来と同様な成形手法
に従って、目的とする焼結体形状に対応した形状に成形
され、更にその成形物が、Ar、窒素等の公知の非酸化
性雰囲気中において、1200℃〜2000℃の温度
で、一般に無加圧状態下において、焼結せしめられる。
なお、実際の焼結温度は、上記の如き温度範囲内におい
て、遷移金属粉末の種類に応じて焼結に最も有利な温度
範囲において適宜に選定されるものであるが、この焼結
温度が、1200℃よりも低いと、緻密化に非常に長時
間を要し、また2000℃よりも高くなると、添加物た
る遷移金属粉末の蒸発が顕著となり、好ましい結果が得
難くなるのである。
【0017】かくして得られる炭窒化チタン焼結体は、
炭窒化チタン化合物と遷移金属との間の相互固溶によ
り、粒界の熱膨張係数の差が効果的に減少せしめられ得
て、生ずる熱応力が軽減され、以て高靭性、高強度等の
優れた特性を備えたものとなるのである。
炭窒化チタン化合物と遷移金属との間の相互固溶によ
り、粒界の熱膨張係数の差が効果的に減少せしめられ得
て、生ずる熱応力が軽減され、以て高靭性、高強度等の
優れた特性を備えたものとなるのである。
【0018】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、
修正、改良等を加え得るものであることが理解されるべ
きである。なお、以下の実施例中の百分率は、特に断わ
りのない限り、何れも重量基準によって示されるもので
ある。
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、
修正、改良等を加え得るものであることが理解されるべ
きである。なお、以下の実施例中の百分率は、特に断わ
りのない限り、何れも重量基準によって示されるもので
ある。
【0019】実施例 1 先ず、xが1,0.7,0.5,0.3,または0のT
iCx N1-x 原料粉体に、Ni粉体を0〜30%の割合
において添加、配合せしめ、そしてその配合物を、湿式
ボールミルを用いてエチルアルコール中で24時間混合
せしめて、均一化した。次いで、この得られたスラリー
を100℃で24時間乾燥した後、粉砕し、それを30
MPaで5分間、一軸加圧成形した後、得られた成形物
を、300MPaで5分間、冷間静水圧プレスし、その
後、窒素雰囲気中において、1400℃〜1700℃の
各種温度下において1時間焼結した。
iCx N1-x 原料粉体に、Ni粉体を0〜30%の割合
において添加、配合せしめ、そしてその配合物を、湿式
ボールミルを用いてエチルアルコール中で24時間混合
せしめて、均一化した。次いで、この得られたスラリー
を100℃で24時間乾燥した後、粉砕し、それを30
MPaで5分間、一軸加圧成形した後、得られた成形物
を、300MPaで5分間、冷間静水圧プレスし、その
後、窒素雰囲気中において、1400℃〜1700℃の
各種温度下において1時間焼結した。
【0020】かくして得られた種々なる焼結体の焼結密
度:D(理論密度に対する%)、曲げ強度:S(MP
a)並びに破壊靭性値:KIC(MNm-2/3)を測定し、
その結果を、下記表1及び表2に示した。なお、x=0
の原料粉体を用いた場合にあっては、得られた焼結体の
相対密度が極めて低く、S値やKIC値は極めて低い値で
あったり、測定不能であった。また、焼結温度が130
0℃の場合には、焼結速度が極端に遅く、更に1800
℃以上では、Ni金属の気散が大きいことが認められ
た。
度:D(理論密度に対する%)、曲げ強度:S(MP
a)並びに破壊靭性値:KIC(MNm-2/3)を測定し、
その結果を、下記表1及び表2に示した。なお、x=0
の原料粉体を用いた場合にあっては、得られた焼結体の
相対密度が極めて低く、S値やKIC値は極めて低い値で
あったり、測定不能であった。また、焼結温度が130
0℃の場合には、焼結速度が極端に遅く、更に1800
℃以上では、Ni金属の気散が大きいことが認められ
た。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】これら表1、表2の結果から明らかなよう
に、本発明に従って、炭窒化チタン原料粉末を用い、こ
れに、遷移金属粉末として、所定量のNi粉末を配合せ
しめることによって、高密度で、高靭性及び高強度の焼
結体を得ることが出来るのである。これに対し、x=1
の原料粉末(炭化チタン粉末)を用いた場合にあって
は、そのような粉末と金属間の固溶は小さく、S値やK
IC値が小さいことが認められる。
に、本発明に従って、炭窒化チタン原料粉末を用い、こ
れに、遷移金属粉末として、所定量のNi粉末を配合せ
しめることによって、高密度で、高靭性及び高強度の焼
結体を得ることが出来るのである。これに対し、x=1
の原料粉末(炭化チタン粉末)を用いた場合にあって
は、そのような粉末と金属間の固溶は小さく、S値やK
IC値が小さいことが認められる。
【0024】実施例 2 TiC0.7 N0.3 原料粉体に、Fe粉体を20%の割合
において添加、配合せしめ、そしてその配合物を、湿式
ボールミルを用いてエチルアルコール中で24時間混合
せしめて、均一化した。次いで、この得られたスラリー
を100℃で24時間乾燥した後、粉砕し、更にそれを
成形した後、その成形物に対して、Ar雰囲気中におい
て、1600℃×1時間の焼結を行なった。かくして得
られた焼結体は、曲げ強度(S)が1001MPa、破
壊靭性値(KIC)が13.2MNm-2/3なる特性を有す
るものであった。
において添加、配合せしめ、そしてその配合物を、湿式
ボールミルを用いてエチルアルコール中で24時間混合
せしめて、均一化した。次いで、この得られたスラリー
を100℃で24時間乾燥した後、粉砕し、更にそれを
成形した後、その成形物に対して、Ar雰囲気中におい
て、1600℃×1時間の焼結を行なった。かくして得
られた焼結体は、曲げ強度(S)が1001MPa、破
壊靭性値(KIC)が13.2MNm-2/3なる特性を有す
るものであった。
【0025】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従って、炭窒化チタン原料粉末に対して所定量の遷移
金属粉末を混合して、所望の形状に成形してなる成形物
を、所定の条件下に焼結せしめることによって、特に靭
性や強度等の特性に優れた炭窒化チタン焼結体を得るこ
とが出来るのである。
に従って、炭窒化チタン原料粉末に対して所定量の遷移
金属粉末を混合して、所望の形状に成形してなる成形物
を、所定の条件下に焼結せしめることによって、特に靭
性や強度等の特性に優れた炭窒化チタン焼結体を得るこ
とが出来るのである。
【図1】TiCx N1-x におけるx値の異なる粉末を用
いて得られる焼結体の相対密度を示すグラフである。
いて得られる焼結体の相対密度を示すグラフである。
【図2】TiCx N1-x におけるx値の異なる粉末を用
いて得られる焼結体の曲げ強度を示すグラフである。
いて得られる焼結体の曲げ強度を示すグラフである。
【図3】TiCx N1-x におけるx値の異なる粉末を用
いて得られる焼結体の破壊靭性値(KIC)示すグラフで
ある。
いて得られる焼結体の破壊靭性値(KIC)示すグラフで
ある。
【図4】TiC0.7 Ni0.3 原料粉末に対して、遷移金
属粉末としてのNi粉末を各種割合で混合して得られる
成形物の焼結体における相対密度を示すグラフである。
属粉末としてのNi粉末を各種割合で混合して得られる
成形物の焼結体における相対密度を示すグラフである。
【図5】TiC0.7 Ni0.3 原料粉末に対して、遷移金
属粉末としてのNi粉末を各種割合で混合して得られる
成形物の焼結体の曲げ強度を示すグラフである。
属粉末としてのNi粉末を各種割合で混合して得られる
成形物の焼結体の曲げ強度を示すグラフである。
【図6】TiC0.7 Ni0.3 原料粉末に対して、遷移金
属粉末としてのNi粉末を各種割合で混合して得られる
成形物の焼結体の破壊靭性値(KIC)を示すグラフであ
る。
属粉末としてのNi粉末を各種割合で混合して得られる
成形物の焼結体の破壊靭性値(KIC)を示すグラフであ
る。
【図7】TiC0.7 Ni0.3 原料粉末の90重量%と遷
移金属粉末たるNi粉末の10重量%との混合物からな
る成形物を焼結して得られる焼結体の粉末X線回折結果
を示すグラフである。
移金属粉末たるNi粉末の10重量%との混合物からな
る成形物を焼結して得られる焼結体の粉末X線回折結果
を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 95〜70重量%の炭窒化チタン粉末に
対して、5〜30重量%の原子番号21〜29の遷移金
属粉末を均一に混合せしめて、目的とする形状に成形し
た後、その成形物を非酸化性雰囲気中において1200
℃〜2000℃の温度で焼結せしめることを特徴とする
高靭性・高強度の炭窒化チタン焼結体の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3254726A JPH0558736A (ja) | 1991-09-05 | 1991-09-05 | 高靱性・高強度の炭窒化チタン焼結体の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3254726A JPH0558736A (ja) | 1991-09-05 | 1991-09-05 | 高靱性・高強度の炭窒化チタン焼結体の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0558736A true JPH0558736A (ja) | 1993-03-09 |
Family
ID=17269001
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3254726A Pending JPH0558736A (ja) | 1991-09-05 | 1991-09-05 | 高靱性・高強度の炭窒化チタン焼結体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0558736A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112441586A (zh) * | 2020-11-26 | 2021-03-05 | 中铭富驰(苏州)纳米高新材料有限公司 | 非化学计量比碳化钛TiCx粉体的制备方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5010809A (ja) * | 1973-06-04 | 1975-02-04 | ||
JPS6134130A (ja) * | 1984-07-26 | 1986-02-18 | Mitsubishi Metal Corp | 耐欠損性の優れた高強度炭窒化チタン基サーメットの製造方法 |
-
1991
- 1991-09-05 JP JP3254726A patent/JPH0558736A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5010809A (ja) * | 1973-06-04 | 1975-02-04 | ||
JPS6134130A (ja) * | 1984-07-26 | 1986-02-18 | Mitsubishi Metal Corp | 耐欠損性の優れた高強度炭窒化チタン基サーメットの製造方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112441586A (zh) * | 2020-11-26 | 2021-03-05 | 中铭富驰(苏州)纳米高新材料有限公司 | 非化学计量比碳化钛TiCx粉体的制备方法 |
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