JPH054870A - 高靱性炭化珪素質焼結体 - Google Patents

高靱性炭化珪素質焼結体

Info

Publication number
JPH054870A
JPH054870A JP3151659A JP15165991A JPH054870A JP H054870 A JPH054870 A JP H054870A JP 3151659 A JP3151659 A JP 3151659A JP 15165991 A JP15165991 A JP 15165991A JP H054870 A JPH054870 A JP H054870A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
type
sintered compact
crystal
toughness
silicon carbide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3151659A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2828523B2 (ja
Inventor
Shoji Kosaka
祥二 高坂
Kenichi Tajima
健一 田島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP3151659A priority Critical patent/JP2828523B2/ja
Publication of JPH054870A publication Critical patent/JPH054870A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2828523B2 publication Critical patent/JP2828523B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 焼結体を3C型、6H型および15R型の炭
化珪素結晶相から構成するとともに、該3C型結晶相を
全量中20〜80体積%の割合で存在させ、且つ相対密
度を95%に制御する。 【効果】 強度を低下させることなく、靱性を向上させ
ることができ、炭化珪素質焼結体の用途をさらに拡大す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】本発明は、靱性に優れた炭化珪素質
焼結体に関し、各種の高強度高靱性が要求される各種の
摺動部材やその他の構造用材料に好適な焼結体に関す
る。
【0002】
【従来技術】従来、炭化珪素質焼結体は、窒化珪素質焼
結体と共に、耐熱性、耐蝕性および高温強度に優れた材
料として注目され、ガスタービン用部品等の高温構造材
料の他、種々の用途への応用が試みられている。この炭
化珪素質焼結体は、窒化珪素質焼結体に比較して高温で
の強度劣化が小さいことから特に高温材料として有望視
されるものの、靱性が劣るためにその利用分野が限定さ
れており、その高靱性化が望まれている。
【0003】そこで、従来より炭化珪素質焼結体の靱性
を向上させるために各種の方法が提案されている。その
具体例としては、炭化珪素の焼結助剤として酸化アルミ
ニウムや酸化イットリウム等の周期律表第3a族元素酸
化物を用いて焼成時に液相を生成させて焼成することに
より高アスペクト比の組織を生成することにより靱性を
高める方法が特開昭57−4277号等に提案されてい
る。
【0004】また、炭化珪素に対して炭化珪素と熱膨張
率の異なるTiCやTiB2 等を添加し、粒子間の熱膨
張差に起因する残留応力を焼結体中に作用させることに
より靱性を高める方法等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、酸化
アルミニウムや酸化イットリウム等を添加し、液相焼結
する方法では焼結体の炭化珪素結晶粒の粒界に焼結助剤
成分から構成される低融点相の存在により高温、特に1
400℃以上での急激な強度劣化をきたすという問題が
ある。また、熱膨張差による残留応力を利用する方法で
はTiC等の成分の添加により焼結性が低下するために
焼成方法がホットプレス法に限定されるとともに、特性
的にも耐酸化性が極めて劣化するために好ましい方法と
はいえない。
【0006】よって、これまでの従来技術では常圧焼成
可能な系での靱性を向上させることはほとんど不可能で
あった。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は上記の問
題点に対して検討を加えた結果、炭化珪素として存在す
る各種の結晶形のうち、3C型結晶、6H型結晶および
15R型結晶の各量を特定の量で存在させることによ
り、従来品に比較して高強度を維持しつつ、飛躍的に靱
性が向上することを見出し、本発明に至った。
【0008】即ち、本発明の炭化珪素質焼結体は、結晶
相が主として3C型結晶と6H型結晶および15R型結
晶から構成されるもので、これらの結晶の焼結体中での
構成比率が3C型結晶が20〜80体積%、6H型結晶
と15R型結晶との合計量が80〜20体積%からなる
ことを特徴とするものである。
【0009】以下、本発明を詳述する。炭化珪素には、
その結晶形として、2H型、3C型、4H型、6H型、
15R型、33R型等が存在することが知られている
が、一般に炭化珪素質焼結体ではβ型とも言われる3C
型と、α型とも言われる4H型、6H型および15R型
が検出される。この炭化珪素の各結晶形は、結晶自体の
結晶構造および積層周期の違いにより分類されるもので
あるが、それらの結晶構造的相違により結晶同士の特性
に違いがあることも報告されている。例えば、J.A
m,Ceram.Soc.,70,P445〜448
(1987)によれば、3C型と、4H型や6H型間で
はab軸方向への熱膨張率が異なることが報告されてい
る。
【0010】そこで、本発明は3C型結晶と、3C型か
ら容易に転移することのできる6H型とを複合化するこ
とにより熱膨張率の差に起因する残留応力を焼結体内に
作用させ、焼結体の靱性を向上させたものである。
【0011】本発明の炭化珪素質焼結体は、結晶相とし
て3C型、6H型および15R型から構成されるが、特
に3C型と6H型が主として存在するものであり、15
R型は極力少ない方が望ましい。本発明によれば、上記
結晶相のうち、3C型結晶が20〜80体積%、特に4
0〜60体積%の割合で存在することが重要であり、一
方、6H型と15R型結晶が合計量で80〜20体積
%、特に60〜40体積%の割合で存在するものであ
る。
【0012】かかる結晶相を上記の範囲に限定したの
は、この範囲を逸脱すると焼結体中に高靱性化に及ぼす
程度の残留応力が発生しないために靱性の向上が見られ
ないからである。しかしながら、結晶相の割合が上記の
範囲であっても相対密度が低いと抗折強度の低下が顕著
となる。そのため、焼結体の相対密度が95%、特に9
7%以上であることも重要である。
【0013】さらに、本発明の炭化珪素質焼結体は、高
密度化等を達成するために焼結助剤として炭素および/
または硼素を含有することができ、その場合炭素成分は
焼結体中0.1〜3重量%、硼素が0.3〜3重量%の
割合で添加含有される。
【0014】本発明の炭化珪素質焼結体を作成する方法
としては、まず、原料粉末として3C型結晶からなり、
平均粒径が0.1〜1.0μmのβ型SiC粉末あるい
は6H型からなるα型SiC粉末を準備する。次にこれ
に焼結助剤として炭素粉末や焼成により炭素を生成する
フェノール樹脂や尿素樹脂、シリコン樹脂等、さらにB
4 CやAlB2 等の硼素化合物を添加混合する。
【0015】得られた混合物を公知の成形方法、例え
ば、プレス成形、押出成形、鋳込み成形、射出成形、冷
間静水圧成形などの成形手段により所望の形状に成形す
る。
【0016】次に、上記の方法で得られた成形体をアル
ゴン等の不活性雰囲気中または真空中で1800℃〜2
200℃の温度で焼成する。また、場合によっては、ア
ルゴンガス等の不活性ガス500〜2000気圧の高圧
下で1900〜2100℃で熱間静水圧焼成することも
できる。
【0017】本発明によれば、この焼結過程において3
C型結晶相を6H型結晶に相転移させることが必要であ
る。そこで3C型結晶のみを出発原料として用いると、
焼結過程で、原料の3C型結晶の約40%が6H型や1
5R型結晶に相転移するが、この出発原料中にα型炭化
珪素原料を僅かな量で添加すると、焼結過程中にα型結
晶が核となり3C型結晶から6H型や15R型結晶への
相転移が促進されるが、α型結晶を9%も添加すれば、
2100℃で焼成する場合、3C型結晶のほとんどが6
Hあるいは15R型結晶に相変態されてしまい、本発明
の効果が得られない。よって、本発明によれば、焼成条
件等を考慮してもα型原料の含有量は、10%以下に抑
えることが望ましい。
【0018】また、焼成条件としては、特に、3C型結
晶から6H型、15R型結晶への転移を促進する条件と
しては焼成温度を1900℃〜2100℃に設定するこ
とにより3Cより6H型への相変態を生ぜしめることが
できる。
【0019】
【作用】本発明によれば、炭化珪素質焼結体中に3C型
結晶と、6H型や15R型結晶を特定の割合で共存させ
ると、3C型と、6H型や15R型とのab軸方向への
熱膨張率が異なるために焼結過程において、両者の結晶
粒子間に熱膨張差に起因する応力が残存することにより
焼結体全体の靱性を高めることができる。
【0020】
【実施例】原料粉末として、多形体積比で3C型が10
0体積%で平均粒径が0.5μmのβ型炭化珪素粉末
と、6H型を85%以上含有する平均粒径が0.5μm
のα型炭化珪素粉末を準備し、これらの2種の炭化珪素
粉末を表1の割合で秤量混合した。かかる炭化珪素粉末
混合体に対して、焼結助剤としてB4 C粉末を0.5重
量%、炭素成分としてフェノール樹脂を残留炭素3重量
%相当分を添加し充分に混合した。この混合粉末をプレ
ス成形し、表1の焼成温度で0.2torr以下の真空
雰囲気で1時間焼成した。
【0021】得られた焼結体の多形体積比は、焼結体を
粉砕した試料を用いた粉末X線回折における各ポリタイ
プの回折線の強度よりMineralogical Journal,4,333(19
65)に基づく河村の式にて求めた。
【0022】また、焼結体の靱性をIF法により新原の
式で求めた。さらに、得られた焼結体の抗折強度をJI
SR1601に基づき測定を行い、相対密度をアルキメ
デス法に基づき算出した。結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1の結果によれば、焼結体の結晶構成に
おいて3C型結晶量が80%を超える場合、また20%
を下回る場合では、いずれも靱性は3.0MPa・m
1/2 以下であるのに対して、本発明に基づき3C型結晶
量を20%〜80%に制御したものはいずれも3.4M
Pa・m1/2 以上の特性を示した。また、相対密度が9
5%より小さいと、靱性は比較的高くできるが、抗折強
度が低下することが理解される。
【0025】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明の炭化珪素
質焼結体によれば、強度を低下させることなく、靱性を
向上させることができる。これにより、炭化珪素質焼結
体の用途をさらに拡大することができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 3C型、6H型および15R型の炭化珪
    素結晶相から構成され、該3C型結晶相が全量中20〜
    80体積%の割合で存在するとともに相対密度が95%
    以上であることを特徴とする高靱性炭化珪素質焼結体。
JP3151659A 1991-06-24 1991-06-24 高靱性炭化珪素質焼結体 Expired - Fee Related JP2828523B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3151659A JP2828523B2 (ja) 1991-06-24 1991-06-24 高靱性炭化珪素質焼結体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3151659A JP2828523B2 (ja) 1991-06-24 1991-06-24 高靱性炭化珪素質焼結体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH054870A true JPH054870A (ja) 1993-01-14
JP2828523B2 JP2828523B2 (ja) 1998-11-25

Family

ID=15523411

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3151659A Expired - Fee Related JP2828523B2 (ja) 1991-06-24 1991-06-24 高靱性炭化珪素質焼結体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2828523B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1045476A (ja) * 1996-08-01 1998-02-17 Toshiba Ceramics Co Ltd 半導体ウエハ処理具
KR100867961B1 (ko) * 2007-12-14 2008-11-10 주식회사 월덱스 알파형 에스아이씨- 베타형 에스아이씨 결합형 반응소결에스아이씨 소재와 제조 방법 및 그 소재를 이용한 이체형플라즈마 챔버 캐소드
JP2016008167A (ja) * 2014-06-26 2016-01-18 京セラ株式会社 窒化珪素質焼結体およびこれを備える耐衝撃磨耗性部材

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1045476A (ja) * 1996-08-01 1998-02-17 Toshiba Ceramics Co Ltd 半導体ウエハ処理具
KR100867961B1 (ko) * 2007-12-14 2008-11-10 주식회사 월덱스 알파형 에스아이씨- 베타형 에스아이씨 결합형 반응소결에스아이씨 소재와 제조 방법 및 그 소재를 이용한 이체형플라즈마 챔버 캐소드
JP2016008167A (ja) * 2014-06-26 2016-01-18 京セラ株式会社 窒化珪素質焼結体およびこれを備える耐衝撃磨耗性部材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2828523B2 (ja) 1998-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4978645A (en) Silicon nitride sintered body
JP2828523B2 (ja) 高靱性炭化珪素質焼結体
JP3454993B2 (ja) 窒化珪素質焼結体およびその製造方法
JP2736386B2 (ja) 窒化珪素質焼結体
JP3034100B2 (ja) 窒化珪素質焼結体およびその製造方法
JP3426823B2 (ja) 窒化珪素質焼結体およびその製造方法
JP2892246B2 (ja) 窒化珪素質焼結体およびその製造方法
JP3124863B2 (ja) 窒化珪素質焼結体及びその製法
JP2746761B2 (ja) 窒化珪素−炭化珪素質複合焼結体の製造方法
JPH09157028A (ja) 窒化珪素質焼結体およびその製造方法
JPH03177361A (ja) β―サイアロン―窒化硼素系複合焼結体の製造方法
JP3124867B2 (ja) 窒化珪素質焼結体及びその製造方法
JP2534213B2 (ja) 窒化珪素質焼結体の製造方法
JP3124864B2 (ja) 窒化珪素質焼結体及びその製法
JP2708136B2 (ja) 窒化珪素質焼結体およびその製造方法
JPH078746B2 (ja) 窒化ケイ素質セラミツクス及びその製造方法
JPH06287066A (ja) 窒化珪素質焼結体及びその製法
JP2801447B2 (ja) 窒化珪素質焼結体の製造方法
JP3034099B2 (ja) 窒化珪素質焼結体およびその製造方法
JP2783711B2 (ja) 窒化珪素質焼結体
JP3124862B2 (ja) 窒化珪素質焼結体の製造方法
JP3207065B2 (ja) 窒化珪素質焼結体
JPH0524926A (ja) 窒化珪素−炭化珪素質複合焼結体の製造方法
JPS59182275A (ja) 高強度窒化ケイ素焼結体の製造法
JPH10212167A (ja) 窒化珪素質複合焼結体およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees