JPH0558614A - 含炭素組成物 - Google Patents

含炭素組成物

Info

Publication number
JPH0558614A
JPH0558614A JP3204289A JP20428991A JPH0558614A JP H0558614 A JPH0558614 A JP H0558614A JP 3204289 A JP3204289 A JP 3204289A JP 20428991 A JP20428991 A JP 20428991A JP H0558614 A JPH0558614 A JP H0558614A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon
metal oxide
containing composition
decomposable
dispersion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3204289A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2916303B2 (ja
Inventor
Takeshi Yasutake
武 剛 安
Hideaki Miyashita
下 英 晃 宮
Tadashi Yoshino
野 正 芳
Nobuyuki Sudo
藤 信 行 須
Fumio Nakamura
村 文 男 中
Hiroshi Masuda
田 宏 増
Sadaichi Kohara
原 定 一 菰
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP3204289A priority Critical patent/JP2916303B2/ja
Publication of JPH0558614A publication Critical patent/JPH0558614A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2916303B2 publication Critical patent/JP2916303B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属炭化物を製造するに適した金属酸化
物と単体炭素からなる含炭素組成物。 【構成】 分解性炭素化合物に金属酸化物粉体を混
合、分散して、分散液とし、該分散液を熱ガス中に装入
し、該分解性炭素化合物を熱分解し、該金属酸化物粉体
と分散質を生成せしめ、生成した該分散質を捕集せしむ
る含炭素組成物。 【効果】 金属酸化物粉体を用いるため工業的に安
全に目的の含炭素組成物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属炭化物を製造するに
適した、微細で、均一に混合された、金属酸化物と単体
炭素からなる含炭素組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】金属炭化物の製造方法としては、 金属酸化物の炭素による還元炭化 金属の直接炭化 分解性金属化合物と炭化水素との気相反応 等が挙げられるが、工業的には経済上の面から上記の
方法が最も一般的である。
【0003】これらの金属炭化物粉末(粉体)は、微細
であり、かつ粒径分布がシャープである程、これを焼
結、加工することによって得られる成形体の強度が高
く、かつ焼結速度が速いという性質(以下、易焼結性と
略記する)がある。従って、易焼結性の金属炭化物を製
造するためには、必然的にその中間体である金属酸化物
と、炭素との混合物の混合形態に、その反応機構を考慮
しつつ操作を施すことが求められる。ここでいう操作と
は、可能な限り金属酸化物と炭素との均一、かつ微細な
混合物を造ることにほかならないが、従来技術ではこれ
を達成する方法として、既に微細な金属酸化物と炭素と
をニーダーやミキサー等で機械的に混合することが一般
的である。
【0004】しかしながら該方法では、微細な粉末を用
いるため、粉塵が激しく作業環境が悪いことや、機械的
摩耗により不純物を混入し易いという問題点がある。更
にはミクロンサイズの微細な金属酸化物や炭素の粉体は
通常二次凝集体を形成しており、このような凝集体の凝
集力は微細であるほど強固であるため、いくら機械の撹
拌動力をあげても容易に単一粒子に分離して、均一に混
合されることは困難である。加えて金属酸化物と炭素と
の密度差があるため、機械的混合では "微細”は達成さ
れても "均一”な混合物を得ることはかなり難しいとい
う本質的な問題点がある。
【0005】このために更に改良された方法として、特
公昭61-30613号公報に記載されている如く、分解性金属
化合物と分解性炭素化合物を水蒸気を含む熱ガス中に装
入、分解して、気相で目的の中間原料を製造する方法が
公知である。該方法によれば、確かに微細な金属酸化物
と炭素が均一に混合された中間原料を得ることが出来、
また該中間原料を用いることにより、微細、かつ粒径分
布のシャープな金属炭化物を製造出来ることも著者らは
確認している。
【0006】しかしながら、この方法に使用される分解
性金属化合物は化学的に活性が高く、このため取扱が極
めて困難である。例えば、引火点の低い易燃性物質であ
り燃焼により有毒ガスを生成する、或は大気中の水分と
反応して金属酸化物のミストを生成する等の物性例が挙
げられる。従ってこれらの物質を安全に使用するために
は、防爆設備、耐火構造、窒素封入等の付帯設備が必要
となる。
【0007】さらに分解性金属化合物は高価である。そ
の中でも比較的安価に入手できるものは、例えば、TiCl
4 やSiCl4 或いはその一部が炭化水素基で置換されたも
のなどのように、一般的に塩素を含んでいる。従って、
目的の含炭素組成物を得るための反応の副生成物として
塩酸を、或は反応の形態によっては塩素を生成する。こ
のため、中間原料に腐食性分が微量ながら混入し、後工
程の機器を激しく腐食する。さらに最終的に易焼結性の
金属炭化物粉末を製造する際には致命的となる量の不純
物の混入を伴うという問題点がある。
【0008】これらを防ぐためには、反応副生成物の処
理の際の腐食成分除去装置等の付帯設備や、その後工程
では耐食性の高級材質が必要となる。即ち、いずれにせ
よ易焼結性の金属炭化物を製造するのに適した中間原料
を提供することは可能であるが、工業的に安全にかつ安
価に製造するのは困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ニーダーや
ミキサーの様な粉塵の発生や、中間原料への不純物への
混入を伴う機械的混合操作を全く行なうことなしに得ら
れる、炭素と金属酸化物との微細、かつ均一な含炭素組
成物を提供することにある。
【0010】さらに、本発明は特公昭61-30613号公報に
記された如き、中間体を分解性金属酸化物と分解性炭素
化合物との混合物を気相で分解して、分散質を製造する
方法により得られる含炭素組成物と同等或はそれ以上の
微細組織を有する含炭素組成物を連続的に生産性よく、
安全にかつ安価に製造する方法を提供することにある。
【0011】本発明者等は、上記従来技術の得失を充分
に検討した結果、物性の優れた金属炭化物を得るために
は、構成粒子の粒度の細かい炭素と金属酸化物が極めて
微細にかつ均一に混合された含炭素組成物を得る必要が
あり、これを加熱処理することにより目的が達成される
ことを見出した。さらに、該含炭素組成物を安価に、連
続的に生産性よく製造するには、金属酸化物を得る原料
として高価で取扱が困難な分解性金属化合物を用いず、
一般的に安価で化学的にも安定な金属酸化物をそのまま
用いることにより目的が達成されることを見出し、本発
明を完成するに至ったのである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記状況に
鑑み、分解性炭素化合物に金属酸化物粉体を混合して分
散し、熱ガス中に装入することにより、微細な金属酸化
物と炭素が均一に混合された含炭素組成物を得ることが
でき、また、該含炭素組成物を加熱することにより微細
で、かつ粒径分布がシャープな金属炭化物を得、該金属
炭化物を焼結、加工することによって得られる焼結体の
強度が高いことを見出した。
【0013】即ち、分解性炭素化合物に金属酸化物粉体
を混合、分散し、分散液とし、該分散液を熱ガス中に装
入し、該分解性炭素化合物を熱分解し、該金属酸化物粉
体と分散質を生成せしめ、生成した該分散質を捕集する
ことを特徴とする含炭素組成物に関する。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
含炭素組成物とは、金属酸化物粉体を分解性炭素化合物
中に分散した分散液を、熱ガス中に装入することによ
り、金属酸化物と単体炭素との分散質を生成させて、該
分散質を捕集して得ることにより特徴づけられ、金属酸
化物および単体炭素の微粒子が均一に混合しているもの
を言い、見掛け上は混合粉となっているものである。
【0015】本発明の実施に用いる分解性炭素化合物と
は、熱ガス中に装入された場合、容易に分解して、単体
炭素を生成しうるようなもので、そのままで液相状態
か、昇温や冷却により容易に液相状態になり得るものが
好適に使用可能である。例えば、ガソリン、燃料油、灯
油、軽油、重油、などの石油製品類、ベンゼン、スチレ
ン、C9留分混合物、エチレンボトムなどの石油化学製品
類、タール、ピッチ、クレオソート、ナフタレンなどの
タール製品類、アマニ油、ステアリン酸、オレイン酸な
どの油脂類が好ましいものとしてあげられるが、勿論こ
れに限られるものではない。
【0016】本発明の実施に使用可能な金属酸化物は、
広範囲に選択可能であるが、金属酸化物を分解性炭素化
合物に分散するため、かかる金属酸化物は分散媒の分解
性炭素化合物に不溶であることが好ましい。また分散液
を熱ガス中に装入し、少なくとも 600℃以上、好ましく
は 700℃以上、より好ましくは 800℃以上の温度で、該
分解性炭素化合物を熱分解、炭化せしめるため、金属酸
化物はかかる温度において安定に存在しうるものである
ことが、金属酸化物の物性として基本的に要求される。
【0017】このような物性を有する金属酸化物として
は例えば、CaO、Fe2O3 、MgO 、MoO3、MnO2、SiO2、TiO
2などが挙げられるが、上記の物性を有する金属酸化物
であれば、勿論これに限られるものではない。
【0018】また、特に耐熱、耐蝕性セラミック材料で
あるケイ素、チタン、タングステン、ホウ素、アルミニ
ウム、ジルコニウム、モリブデン、クロム、バナジウム
等の金属の炭化物の焼結体用原料粉末を製造することを
目的とした含炭素組成物を得るためには、SiO2、TiO2
WO3 、B2O3、Al2O3 、ZrO2、MoO3、Cr2O3 、VO2 などの
金属酸化物が好適に使用可能である。かかる金属酸化物
は、分解性炭素化合物中に混合、分散され、分散液とす
る。該分散を行なうには、通常の撹拌機による方法でも
何ら問題はないが、ホモミキサーのように撹拌混合能力
の高い撹拌機を用いる方がより好ましい。
【0019】金属酸化物と分解性炭素化合物の混合比率
は最終的に生成する含炭素組成物の組成、炭素/金属酸
化物(モル−炭素/モル−金属酸化物=以下モル比と略
記する)に直接影響するため配慮を要する。例えば、得
られた含炭素組成物から金属炭化物を製造しようとする
場合の具体例をSiC 、TiC で示すと、その金属炭化物の
生成反応式は、 SiO2 + 3C → SiC + 2CO TiO2 + 3C → TiC + 2CO であるから、含炭素組成物のモル比が少なくとも3以
上、好ましくは4〜6となるよう混合比率を制御する必
要がある。
【0020】分解性炭素化合物の何%が単体炭素として
得られるかは、該分解性炭素化合物の種類、反応条件、
装置特性に左右されるので断定はできないが、おおむね
炭化率10〜40%と考えられる。
【0021】ここで装入される金属酸化物の粒子径につ
いて詳細に説明する。本発明の含炭素組成物を加熱して
金属炭化物を得る際の金属酸化物と炭素との反応は、固
相反応ではない。金属酸化物は第1段の反応で、金属炭
化物を生成する温度よりも低い温度で融解あるいは蒸
発、あるいは部分的に炭素で還元され、気体もしくは液
体となる。その後第2段の反応でこの気体もしくは液体
が炭素と反応して金属炭化物を生成する。即ち、金属炭
化物の生成反応は固相反応ではなく、固体−気体反応も
しくは固体−液体反応である。したがって、易燒結性の
金属炭化物を得るために含炭素組成物に求められる条件
として、金属酸化物の粒子径はさほど重要な因子とはな
らない。
【0022】この現象を炭化珪素の生成反応を例にとっ
て更に詳細に説明する。含炭素組成物はこの場合、二酸
化珪素と炭素の微細混合物であるが、この組成物を加熱
すると1400〜1500℃で、SiO2が部分的に炭素で還元され
SiOガスを生成する(下記A反応式)。 SiO2 + C → SiO(gas) + CO (A反応式) その後1500℃以上の温度で該SiOガスと炭素とが反応し
て炭化珪素を生成する(下記B反応式)。 SiO(gas) + 2C → SiC + 2CO (B反応式) 上記の如く、炭化珪素の生成反応はSiO2と炭素の固相反
応ではなく固体−気体反応である。したがって、含炭素
組成物中のSiO2の粒子径はさほ重要な因子とはならない
のである。
【0023】即ち、分散液とする際の金属酸化物の粒径
は、得られる含炭素組成物の構造には影響しにくいた
め、むしろ金属酸化物の種類、価格、純度、分散の母体
となる分解性炭素化合物の比重や粘度に起因する分散性
等により決定されるべきである。このため特定はできな
いが、概ね、0.5 〜50μm程度のものが良好な原料金属
酸化物として用いられる。
【0024】また、金属酸化物粉体を分解性炭素化合物
中に均一に分散せしめるため、超音波を利用するなどの
物理的方法や、分散剤を分解性炭素化合物中に添加する
などの、化学的方法を併用してもなんら本発明の妨げに
ならない。
【0025】本発明の実施には反応炉が用いられる。加
熱装置としては、燃焼バーナーや通電発熱体などが、ま
た、反応炉本体としては分散液の装入用ノズルと熱ガス
装入用ダクト、分散質排出ダクトとを備えて耐火物で囲
まれた装置が好適に用いられる。
【0026】本発明では、反応炉内に少なくとも 600℃
以上、好ましくは 700℃以上、より好ましくは 800℃以
上の温度が保持可能な空間領域がなければならない。上
記温度以上であれば分解性炭素化合物は分解して単体炭
素を生成するのである。 なお、反応炉内温度が2000℃
以上では、通常熱ロスを招くだけであるため好ましくな
い。
【0027】分解性炭素化合物と金属酸化物の分散液は
上記の炉内に装入される。そして上記の温度以上に保た
れた空間領域に於て金属酸化物が不均一核となり、単体
炭素が選択的に金属酸化物粉体の表面上に析出し、分散
質を生成する。装入する分散液中の金属酸化物の種類に
よっては、含炭素組成物を形成する際に熱ガス中で一旦
溶解、蒸発、あるいは昇華により、液相あるいは/及び
気相を経由し、生成した含炭素組成物中に存在する金属
酸化物の粒子径が装入前のものよりも明らかに細かくな
るものがある。
【0028】即ち、分散液とする段階で粒子径が10μm
サイズの金属酸化物を用いても得られる含炭素組成物
は、サブミクロンサイズの炭素と金属酸化物が極めて微
細にかつ、均一に混合された構造となることを意味す
る。この現象が金属酸化物の融点に起因するのか、分解
性炭素化合物との反応に起因するのか等の機構は明らか
にし得ないが、これまでに金属酸化物としてSiO2とTiO2
を用いた際にこの現象が起こり極めて微細な混合組織を
有する含炭素組成物が得られることを発明者らは実験的
に確認している。
【0029】熱ガスを得る方法としては、通電発熱方式
や高周波誘導加熱方式も挙げられるがメタン、エタン、
プロパン、灯油、ガソリンなどの可燃性物質を空気で燃
焼させる方式の方が装置上簡便であり、また熱効率の面
からも経済的である。このようにして得られた熱ガスの
温度、流量及び酸素濃度は、最終的に得られる含炭素組
成物の粒径、比表面積及び嵩密度、並びに単体炭素−金
属酸化物のモル比を決定する重要な因子となる。
【0030】本発明では熱ガスが非酸化性である場合、
完全に分解し得なかった分解性炭素化合物中の油分が、
炉内の低温部に析出し流れを疎外することがあるので、
分解性炭素化合物の一部は燃焼し、残りを単体炭素とし
て析出せしめることが好ましい。 熱ガス中の流量と酸
素濃度は、酸素の流量ひいては酸素/分解性炭素化合物
の比率( kg-酸素/kg-分解性炭素化合物)にほかならな
いが、前述の分解性炭素化合物の燃焼量を決定する因子
として、また温度は熱分解速度を決定する因子として重
要である。
【0031】分解性炭素化合物の熱分解機構の詳細は明
らかにはしえないが、熱ガス中の分解性炭素化合物流量
に対する酸素流量の比の増加に伴い、含炭素組成物の比
表面積が上昇し、得られた含炭素組成物の嵩密度が小さ
くなること、また熱ガスの温度の上昇が含炭素組成物の
物性に対し酸素流量の上昇と同様な傾向を与えることを
発明者らは実験的に確認している。
【0032】かくして得られた熱ガス中の含炭素組成物
分散質は、炉の外に誘導した後、含まれる固形物をバグ
フィルター、サイクロン、電気集塵機などの公知の集塵
装置で捕集するが、捕集装置での熱負荷を軽減するため
には、予め冷却することが好ましい。冷却の方法として
は熱交換器を用いる方法やあるいは水を直接注入しても
よい。
【0033】捕集された本発明の含炭素組成物は、その
ままで種々の用途に、あるいは必要により窒素やアルゴ
ンなどの不活性ガスを使用し、非酸化性雰囲気下で1200
℃〜2000℃程度に強熱することにより、金属炭化物、複
合金属炭化物粉末とすることができる。以下、実施例に
より本発明を、より具体的に説明する。
【0034】
【実施例】
実施例1 図1に示す反応炉(内径600mm 、長さ3m)を用いて、ダ
クト2より空気を100Nm3/hで連続的に装入し、また燃焼
バーナー3よりプロパンガスを1.8Nm3/hで連続的に供
給、燃焼して1100〜1500℃の熱ガス流を発生させた。次
に金属酸化物として平均粒子径(遠心沈降法による重量
累積粒度分布平均粒子径、D50 以下同じ)5.1 μm のシ
リカ粉(純度99.5%)をA重油に重量比でSiO2:A重油
=1:3の割合で撹拌機で混合、分散せしめた分散液を
ノズル4より40kg/hで炉内に供給した。分散液を供給
し、熱分解して生成した分散質を冷却後、バグフィルタ
ーで捕集し、本発明の含炭素組成物を得た。得られた組
成物の二酸化ケイ素に対する炭素のモル比(mol-C/mol-S
iO2 をいう。以下同じ)は5.2 であることが酸化重量法
により確認された。また得られた含炭素組成物中の炭素
を燃焼除去し、シリカ粉の比表面積を測定したところ、
380m2/g であった。
【0035】実施例2 実施例1と同様の条件で熱ガス流を発生させ、金属酸化
物として平均粒子径 3.5μm のチタニア粉(純度99.0
%)をA重油に重量比でTiO2:A重油=1:2.8の割合
で混合、分散せしめた分散液を40kg/hで炉内に供給し、
熱分解して本発明の含炭素組成物を得た。得られた組成
物の二酸化チタンに対する炭素のモル比は6.0であっ
た。また、得られた含炭素組成物中の炭素を燃焼除去
し、チタニア粉の比表面積を測定したところ332m2/g で
あった。
【0036】参考例1 実施例1で得られた含炭素組成物を高周波加熱炉を用い
て、アルゴン雰囲気中で1800℃、2時間加熱し、一旦冷
却後空気中で 800℃に加熱し、余剰の単体炭素を燃焼、
除去して粉末状の炭化ケイ素を得た。炭化ケイ素粉の比
表面積(窒素吸着法による BET比表面積以下同じ)は1
2.4m2/gであり、結晶形状は立方晶であることが粉末X
線回折法によって確認された。
【0037】比較例1 SiO2粉末(比表面積 380m2/g)と炭素粉末(比表面積 1
20.4m2/g)とをモル比5の割合でボールミルを用いて5
時間混合し原料粉を得た。参考例1と同様に高周波加熱
炉を用いてアルゴン雰囲気中で1800℃、2時間加熱し、
一旦冷却後、空気中で 800℃に加熱し、余剰の単体炭素
を燃焼除去して炭化ケイ素粉を得た。炭化ケイ素粉の比
表面積は 4.5m2/gであり、結晶形状は立方晶であった。
以上より明らかなように、実施例1で得られた含炭素組
成物を使用して金属炭化物を製造した場合は、何ら機械
的粉砕を行わないにもかかわらず、比較例1で得られた
ものよりも比表面積の極めて大きい金属炭化物を得るこ
とができた。
【0038】比較例2 特公昭61-30613号公報に記載の方法に準じ、分解性金属
化合物としてSiCl4 を分解性炭素化合物としてA重油を
使用し、それぞれ25kg/h、20kg/hの流量とし、その他は
実施例1と同様の条件で本発明で使用する反応炉内に供
給し、含炭素組成物を得た。含炭素組成物中のSiO2粉の
比表面積は 470m2/gであり、また、含炭素組成物中のケ
イ素に対する炭素のモル比は 4.9であった。
【0039】得られた含炭素組成物を用いて、参考例1
と同様の方法により、高周波加熱炉でアルゴン雰囲気中
1800℃で2時間加熱し、一旦冷却後空気中で 800℃に加
熱、余剰の炭素を焼結除去して粉末状の炭化ケイ素を得
た。炭化ケイ素の比表面積は 9.6m2/gと、若干低かっ
た。
【0040】比較例3 特公昭61-30613号公報に記載の方法に準じ、分解性金属
化合物としてSiCl4 を分解性炭素化合物としてA重油を
使用し、それぞれ20kg/h、25kg/hの流量とし、その他は
実施例1と同様の条件で本発明で使用する反応炉内に供
給し、含炭素組成物を得た。含炭素組成物中のSiO2粉の
比表面積は 477.2m2/gであり、また、含炭素組成物中の
ケイ素に対する炭素のモル比は 7.5であった。得られた
含炭素組成物を用いて、参考例1と同様の方法により、
高周波加熱炉でアルゴン雰囲気中1800℃で2時間加熱
し、一旦冷却後空気中で800℃に加熱、余剰の炭素を焼
結除去して粉末状の炭化ケイ素を得た。炭化ケイ素の比
表面積は13.4m2/gでった。
【0041】実施例1と比較例2、3から明らかなよう
に本発明では分解性金属化合物を用いず、安価で安定な
金属酸化物粉末を用いるのみで、加熱により良好な物性
を有する金属炭化物を得るに適した含炭素組成物を製造
することができるのである。
【0042】
【発明の効果】以上詳細に説明した如く、本発明では、
金属酸化物を分解性炭素化合物に混合、分散し、分散液
とし、該分散液を熱ガス中で熱分解し、選択的に金属酸
化物表面上に単体炭素を析出せしめる極めて効率の良い
方法である。熱分解により生成する含炭素組成物の性質
は、従来法のような機械的に炭素粉と金属酸化物とを混
合して得られるものよりも、不純物のない、均一な組成
物が得られるという特徴を有している。
【0043】また、従来技術による分解性金属化合物と
分解性炭素化合物を水蒸気を含む熱ガス中に装入、熱分
解して含炭素組成物を得る方法は、使用する分解性金属
化合物が化学的に活性であるため取扱が困難であり、ま
た高価であるという欠点を有している。しかしながら、
本発明では金属酸化物粉末をそのまま用いるため、工業
的に安全に安価にかつ効率的に目的の含炭素組成物を得
ることができるという特徴を有している。
【0044】また、含炭素組成物を加熱して反応せし
め、一旦冷却後、余剰の単体炭素を燃焼除去して得られ
た、金属炭化物粉末は焼結速度が速く、緻密な焼結体が
得られるという大きな特徴を有している。
【0045】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施に使用する反応炉を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 反応炉、 2 ダクト、 3 燃焼バーナー、 4 ノズル、 5 ダクト、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中 村 文 男 大阪府高石市西取石三丁目3番8号 (72)発明者 増 田 宏 山口県下関市彦島迫町七丁目1番1号 三 井東圧化学株式会社内 (72)発明者 菰 原 定 一 山口県下関市彦島迫町七丁目1番1号 三 井東圧化学株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分解性炭素化合物に金属酸化物粉体
    を混合、分散し、分散液とし、該分散液を熱ガス中に装
    入し、該分解性炭素化合物を熱分解し、該金属酸化物粉
    体と分散質を生成せしめ、生成した該分散質を捕集する
    ことを特徴とする含炭素組成物。
JP3204289A 1990-08-24 1991-08-14 含炭素組成物 Expired - Fee Related JP2916303B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3204289A JP2916303B2 (ja) 1990-08-24 1991-08-14 含炭素組成物

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22105390 1990-08-24
JP15687591 1991-06-27
JP2-221053 1991-06-27
JP3-156875 1991-06-27
JP3204289A JP2916303B2 (ja) 1990-08-24 1991-08-14 含炭素組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0558614A true JPH0558614A (ja) 1993-03-09
JP2916303B2 JP2916303B2 (ja) 1999-07-05

Family

ID=27321069

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3204289A Expired - Fee Related JP2916303B2 (ja) 1990-08-24 1991-08-14 含炭素組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2916303B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0587888A1 (en) * 1992-04-06 1994-03-23 MITSUI TOATSU CHEMICALS, Inc. Process for producing carbonaceous composition

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0587888A1 (en) * 1992-04-06 1994-03-23 MITSUI TOATSU CHEMICALS, Inc. Process for producing carbonaceous composition
EP0587888A4 (en) * 1992-04-06 1995-04-26 Mitsui Toatsu Chemicals METHOD FOR PRODUCING A CARBON COMPOSITION.

Also Published As

Publication number Publication date
JP2916303B2 (ja) 1999-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6569397B1 (en) Very high purity fine powders and methods to produce such powders
WO1983004188A1 (en) Process for manufacturing metal carbides and their precursors
US5340417A (en) Process for preparing silicon carbide by carbothermal reduction
EP3676335A1 (en) Particle systems and methods
JP4129970B2 (ja) 高ストラクチャーカーボンブラックの製造方法
JP2916303B2 (ja) 含炭素組成物
JPS6130613B2 (ja)
JPS6332724B2 (ja)
JPH0640711A (ja) 含炭素組成物の製造方法
JP2875925B2 (ja) 含炭素組成物の製造方法
US6395245B1 (en) Method for preparing carbon-containing composition
EP0587888B1 (en) Process for producing a carbonaceous composition
JPS62132718A (ja) 新規含炭素組成物
JPS61111909A (ja) 金属炭化物の新規な製造法
JPH06115919A (ja) 炭化珪素粉末の製造方法
JP3285640B2 (ja) 含炭素組成物の製造方法
JPS5983922A (ja) 炭化ケイ素粉の製造法
JP2929815B2 (ja) 炭化物粉末の製造方法
JPS62278166A (ja) 複合金属炭化物焼結体の製造方法
JPH03358B2 (ja)
JPS63225508A (ja) サイアロン粉末の製造法
JPS6016809A (ja) 炭化珪素ウイスカ−の製造方法
JPS59102871A (ja) 新規含炭素混合物粉末
JPS6330368A (ja) 新規な複合炭化物
JP2004203957A (ja) カーボンブラックの製造設備及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees