JPH0557655A - タイル群の目地拡げ方法及び目地拡げ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 目地間隙を有するタイル群を形成する際の省
力化。 【構成】 複数のタイル列（Ａ）と複数のタイル行
（Ｂ）からなるタイル群（Ｃ−１）の外側面を幅寄せ装
置（２）で押圧してタイル（Ｔ，Ｔ）同志を突き合わせ
る第１工程と、タイル群（Ｃ−１）の各タイル列（Ａ）
を吸引具（４）で吸引保持して行方向へ移動させて、隣
接するタイル列（Ａ，Ａ）の間に目地間隙（Ｗ）を形成
する第２工程と、タイル群（Ｃ−２）の各タイル行
（Ｂ）を吸引具（４）で吸引保持して列方向へ移動させ
て、隣接するタイル行（Ｂ，Ｂ）の間に目地間隙（Ｗ）
を形成する第３工程とを、この順序で行うか、又は上記
第１工程後に第３工程および第２工程の順序で行うこと
により、タイル相互間に目地間隙（Ｗ）を設けたタイル
群（Ｃ−４）を形成すること。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、列方向および行方向へ
複数枚のタイルが配列されたタイル群におけるタイル相
互間に目地間隙を形成するためのタイル群の目地拡げ方
法及び目地拡げ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ビルの外壁等には、コンクリート板等か
らなる基板へ複数枚のタイルを貼着したタイルパネルが
用いられている。このタイルパネルの製造は、基板にセ
メントモルタル等からなる接着剤を塗布し、目地間隙を
有するタイル群を接着剤層の上に貼着し、接着剤を硬化
してタイルパネルを得ていた。

【０００３】上記目地間隙を有するタイル群を形成する
には、格子状のタイル整列具を準備し、このタイル整列
具の各タイル挿入凹部内へ、手作業でタイルを一枚づづ
挿入して行つていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、大型のタイ
ルパネル（例えば、長さ４，５００ｍｍで幅１，８００
ｍｍ）を製造するには、目地間隙を有するタイル群を形
成するに際して、相当枚数のタイル（例えば、上記タイ
ルパネルの大きさで４３２枚程度）を大型のタイル整列
具に手作業で挿入するため、作業工数が非常に多くなる
問題点があつた。

【０００５】本発明は、上記問題を解決するために、目
地間隙を有するタイル群を形成する際の省力化が図れ
る、タイル群の目地拡げ方法及び目地拡げ装置の提供を
目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明が採用した第１の
手段は、複数のタイル列と複数のタイル行からなるタイ
ル群の外側面を幅寄せ装置で押圧してタイル同志を突き
合わせる第１工程と、タイル群の各タイル列を吸引具で
吸引保持して行方向へ移動させて、隣接するタイル列の
間に目地間隙を形成する第２工程と、タイル群の各タイ
ル行を吸引具で吸引保持して列方向へ移動させて、隣接
するタイル行の間に目地間隙を形成する第３工程とを、
この順序で行うか、又は上記第１工程後に第３工程およ
び第２工程の順序で行うことにより、タイル相互間に目
地間隙を設けたタイル群を形成することを特徴とするタ
イル群の目地拡げ方法である。

【０００７】本発明が採用した第２の手段は、下面側の
長手方向に沿つてタイル用吸盤を所定間隔毎に設けた吸
引具の複数が、並列され且つ並列間隔を調節できるよう
に列横断方向へ移動自在に設けられた吸引装置と、各吸
引具を列横断方向へ移動させる間隔調節装置とを備えた
ことを特徴とするタイル群の目地拡げ装置である。

【０００８】

【作用】第１の手段にあつては、第１工程において、タ
イル群の外側面を幅寄せ装置で押圧してタイル同志を突
き合わせると、目地間隙のないタイル群の基本形態が形
成される。第２工程において、各タイル列を吸引具で移
動させると、隣接するタイル列の間に目地間隙を有する
タイル群が形成される。第３工程において、各タイル行
を吸引具で移動させると、隣接するタイル行の間に目地
間隙を有するタイル群が形成される。第２工程及び第３
工程を経ると、行・列方向に目地間隙を有するタイル群
が形成される。

【０００９】第２の手段にあつては、各吸引具のタイル
用吸盤でタイル列又はタイル行を吸引し、各吸引具を列
横断方向へ間隔調節装置で移動させると、タイル列又は
タイル行に沿つた目地間隙を有するタイル群が形成され
る。タイル列専用又はタイル行専用の目地拡げ装置を夫
々備えることにより、行・列方向に目地間隙を有するタ
イル群を形成することができる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
詳述するに際して、先ず、本発明に係るタイル群の目地
拡げ方法（以下「本発明方法」と言う）を図１に示す第
１実施例に基づいて詳述した後、本発明に係るタイル群
の目地拡げ装置（以下「本発明装置」と言う）を図１乃
至図４の第２実施例及び図５，６の第３，４実施例に基
づいて詳述する。

【００１１】（第１実施例）本発明方法は、図１に示す
如く、三つの工程からなる。第１工程は、タイル載置具
１上の幅寄せ作業位置ＥにタイルＴの複数を載置し、複
数のタイル列Ａ，Ａ…と複数のタイル行Ｂ，Ｂ…からな
るタイル群Ｃ−１（同図（Ｂ）参照）を形成した後、タ
イル群Ｃ−１の外側面Ｃ−１ａ，Ｃ−１ａ…を幅寄せ装
置２の押圧具２ａ，２ａ…で内側へ押圧して、隣接する
タイルＴ，Ｔ同志を突き合わせることである。

【００１２】第２工程は、目地拡げ作業位置Ｆへ移送さ
れたタイル群Ｃ−１の各タイル列Ａ，Ａ…を、後述する
目地拡げ装置３（図２乃至図４参照）の吸引具４，４…
で吸引保持して行方向（Ｙ方向）へ移動させて、隣接す
るタイル列Ａ，Ａの間に目地間隙Ｗを有するタイル群Ｃ
−２（同図（Ｃ）参照）を形成することである。

【００１３】第３工程は、目地拡げ作業位置Ｇへ移送さ
れたタイル群Ｃ−２の各タイル行Ｂ，Ｂ…を、後述する
目地拡げ装置３（図２乃至図４参照）の吸引具４，４…
吸引保持して列方向（Ｘ方向）へ移動させて、隣接する
タイル行Ｂ，Ｂの間に目地間隙Ｗを有するタイル群Ｃ−
３（同図（Ｄ）参照）を形成することである。

【００１４】前記工程の順序は、第１工程と第２工程と
第３工程とを、この順序で行うか、又は第１工程後に第
３工程および第２工程の順序で行う。最終工程が終了す
ると、タイルＴ，Ｔ相互間に目地間隙Ｗを設けたタイル
群Ｃ−４（同図（Ｄ）参照）が形成される。

【００１５】前記タイル載置具１は、搬送可能な台車又
は表面が平坦なベルトコンベア等からなる。前記第１工
程において、タイル載置具１の上に複数のタイルＴを載
置する方法としては、図示は省略したが、複数枚のタイ
ルからなる小タイル群を段積みした容器から小タイル群
を１段づつ吸盤付き移載装置で取り出して、タイル載置
具１上の幅寄せ作業位置Ｅへ移載して行う。

【００１６】前記第１工程で用いる幅寄せ装置２は、離
接自在に対向配設した押圧具２ａ，２ａの２組と、各押
圧具２ａを移動操作するエアーシリンダー等からなる操
作具２ｂ，２ｂ…とからなる。

【００１７】前記最終工程で得られたタイル群Ｃ−４
は、最終工程で用いられる目地拡げ装置３（図２乃至図
４参照）の吸引具４，４…で吸引保持された状態のま
ま、又は別異の吸引移載装置（図示は省略）で吸引保持
されて、次の充填工程の充填作業位置Ｈへ移送される。

【００１８】この充填作業位置Ｈには、格子状のタイル
整列仕上具６（同図（Ｅ）参照）が配設されている。タ
イル整列仕上具６は、タイルパネル一枚分のタイル群を
成形することができる整列用枡目６ａ，６ａ…が形成さ
れいる。タイル整列仕上具６の所定位置まで移送されて
きたタイル群Ｃ−４の各タイルＴ，Ｔ…は、吸引具から
離脱して整列用枡目６ａ，６ａ…に嵌挿する。

【００１９】整列用枡目６ａ，６ａ…に嵌挿しているタ
イルＴ，Ｔ…は、タイル吸着移動装置（図示は省略）で
次のタイル貼着工程へ移動し、基板７に塗布済の接着剤
層８上ヘタイルパネル一枚分のタイル群として貼着され
る（同図（Ｆ）参照）。貼着したタイルＴ，Ｔ…は、所
定の目地間隙Ｗが正確に形成されている。

【００２０】（第２実施例）図２乃至図４は、本発明装
置を示す第２実施例である。本発明装置３は、上方の支
持枠体１０と、支持枠体１０の下方に昇降装置１４を介
して配設した昇降枠体１１と、昇降枠体１１の内側に配
設した吸引装置１２と、吸引装置１２の上方に架設した
間隔調節装置１３とからなる。

【００２１】上記支持枠体１０は、図４に示す如く、両
側にコロ１５，１５…が軸支され、案内レール１６，１
６に案内されて移動（例えば、図１の目地拡げ作業位置
Ｇから充填作業位置Ｈまで移動）できるように構成され
るか、又は所定位置（例えば、図１の目地拡げ作業位置
Ｆ）に固定される。

【００２２】前記昇降装置１４は、下方の昇降枠体１１
に立設したラツク１７，１７…と、上方の支持枠体１０
に軸支されたピニオン１８，１８…と、ピニオン１８，
１８…を同期回転させる駆動シヤフト１９とからなる。

【００２３】前記吸引装置１２は、図２及び図３に示す
如く、移動自在に並列配置された吸引具４の複数と、各
吸引具４を矢符Ｊ方向へ案内するレール２１，２１と、
吸引配管２２とからなる。各吸引具４は、長尺の吸引箱
２３と、吸引箱２３の下面側の長手方向に沿つて所定ピ
ツチＰ毎に配置されたタイル用吸盤２４の複数とからな
る。この所定ピッチＰとは、図１（Ｂ）のタイル群Ｃ−
１のタイル間隔Ｐ−１又は図１（Ｃ）のタイル群Ｃ−２
のタイル間隔Ｐ−２を言う。

【００２４】上記吸引箱２３は、両端にコロ軸受け２
５，２５が取付けられ、上記レール２１，２１にコロ軸
受け２５，２５を摺動自在に挿着することにより、矢符
Ｊ方向へ円滑に移動できるようになつている。

【００２５】各タイル用吸盤２４は、吸引箱２３の内部
及び電磁開閉弁（図示は省略）を介して吸引配管２２に
接続され、タイルＴを吸着する負圧状態と、タイルＴを
離脱する大気圧状態となるように構成されている。

【００２６】前記間隔調節装置１３は、等長のリンク２
７の複数をピン２８，２９…で連結してなるパントグラ
フ機構２６の２組と、各パントグラフ機構２６の両端に
連結されたエアーシリンダー等からなる伸縮操作具３０
の複数とからなる。各パントグラフ機構２６は、ピン２
８，２８…を吸引具４の吸引箱２３に連結し、中央のピ
ン２９，２９を昇降枠体１１にブラケツト３１を介して
連結してある。

【００２７】前記間隔調節装置１３は、パントグラフ機
構２６を伸縮操作具３０で伸ばすと、隣接するピン２
８，２８の間隔が伸びて、隣接する吸引箱２３，２３の
間に目地間隙Ｗ（図１参照）に相当する間隔を形成す
る。逆に、間隔調節装置１３は、パントグラフ機構２６
を伸縮操作具３０で縮ますと、隣接するピン２８，２８
の間隔が縮んで、隣接する吸引箱２３，２３の間に目地
間隙を形成しない。

【００２８】次に、本発明装置３の動作を説明する。本
発明装置３は、図１に示す目地拡げ作業位置Ｆ及びＧの
上方の所定位置に、各１台づつが配置される。目地拡げ
作業位置Ｆに配置される本発明装置３は、吸引箱２３の
長手方向がタイル列Ａと平行となるように配置され、隣
接するタイル用吸盤２４，２４のピッチＰがタイル間隔
Ｐ−１に相当するものが用いられる。目地拡げ作業位置
Ｇに配置される本発明装置３は、吸引箱２３の長手方向
がタイル行Ｂと平行となるように配置され、隣接するタ
イル用吸盤２４，２４のピッチＰがタイル間隔Ｐ−２に
相当するものが用いられる。

【００２９】次に、本発明装置３は、昇降枠体１１が降
下すると、各タイル用吸盤２４がタイル群Ｃ−１（又は
Ｃ−２）の対応するタイルＴ上に接近する。そして、吸
引配管２２で各タイル用吸盤２４を負圧状態にしてタイ
ルＴを吸引する。続けて、昇降枠体１１を若干上昇させ
た後、間隔調節装置１３の各伸縮操作具３０を同期作動
させてパントグラフ機構２６，２６の両端間を伸ばす
と、隣接するピン２８，２８の間隔が伸びて吸引箱２３
同志を離反させ、隣接する吸引箱２３，２３の間に目地
間隙Ｗに相当する間隔を形成する。

【００３０】最後に、昇降枠体１１を降下させた後、各
タイル用吸盤２４を大気圧状態して、各タイル用吸盤２
４からタイルＴを離反させて、図１に示す如く、タイル
列Ａ，Ａ間（又はタイル行Ｂ，Ｂ）に目地間隙Ｗを有す
るタイル群Ｃ−２（又はＣ−３）を形成する。

【００３１】（第３実施例）図５は、本発明装置を示す
第３実施例である。本実施例の本発明装置３３が前記第
２実施例の本発明装置３と異なる所は、各吸引箱２３の
両端にピニオン３５，３５を配設し、ラツクからなる案
内レール３６にピニオン３５，３５を介して各吸引箱２
３を支持し、各吸引箱箱２３の両端に配設したサーボモ
ータ４０で間隔調節装置４３を構成した点である。その
他の構成は、前記第２実施例の本発明装置３と実質的に
同一である。

【００３２】本発明装置３３は、各サーボモータ４０で
ピニオン３５を強制回転して吸引箱２３同志を離反（同
図（Ｂ）参照）させ、隣接する吸引箱２３，２３の間に
目地間隙Ｗに相当する間隔を形成させる。

【００３３】（第４実施例）図６は、本発明装置を示す
第４実施例である。本実施例の本発明装置５３が前記第
２実施例の本発明装置３と異なる所は、各吸引箱２３の
両端にコロ５５，５５を配設し、案内レール５６にコロ
５５，５５を介して各吸引箱２３を支持し、端の吸引箱
２３を昇降枠体１１に固定すると共に隣接する吸引箱２
３，２３同志を引張りバネ５７で連結し、長手方向へ前
後移動する突起棒６０で間隔調節装置６３を構成した点
である。その他の構成は、前記第２実施例の本発明装置
３と実質的に同一である。

【００３４】間隔調節装置６３の突起棒６０は、突起６
０ａ，６０ａ…の突設間隔Ｒ１，Ｒ２…を、コロ押圧方
向（矢符Ｋ方向）へ行く程に、目地間隙Ｗに相当する寸
法づつ大きくなるようにしてある。間隔調節装置６３
は、突起棒６０の先端をエアーシリンダー等で引張つて
矢符Ｋ方向ヘ移動させると、突起６０ａ，６０ａ…で各
吸引箱２３のコロ５５を引張りバネ５７に抗して後押
し、吸引箱２３同志を強制的に離反（同図（Ｂ）参照）
させ、隣接する吸引箱２３，２３の間に目地間隙Ｗに相
当する間隔を形成させる。

【００３５】

【発明の効果】本発明は、行・列方向に目地間隙を有す
るタイル群を形成することができる。その結果、本発明
は、目地間隙を有するタイル群を形成する際の省力化が
図れる、作業工数を飛躍的に低下させることができる優
れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明方法の第１実施例を示す平面図と斜視図
である。

【図２】本発明装置の第２実施例を示す平面図である。

【図３】図２の（３）−（３）線で断面した状態を拡大
して示すもので、中間省略した右側面図である。

【図４】図２の（４）−（４）線で断面した状態を拡大
して示すもので、中間省略した正面図である。

【図５】本発明装置の第３実施例の要部を示す右側面図
であつて、（Ａ）はタイルの吸引状態を示すもの、
（Ｂ）はタイル相互間に目地間隙を形成した状態を示す
ものである。

【図６】本発明装置の第４実施例の要部を示す右側面図
であつて、（Ａ）はタイルの吸引状態を示すもの、
（Ｂ）はタイル相互間に目地間隙を形成した状態を示す
ものである。

【符号の説明】

２…幅寄せ装置 ４…吸引具 ４…吸引具 １２
…吸引装置 １３（４３，５３）…間隔調節装置 ２４…タイル用
吸盤 Ａ…タイル列 Ｂ…タイル行 Ｃ…タイル群 Ｗ
…目地間隙

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のタイル列と複数のタイル行からな
   るタイル群の外側面を幅寄せ装置で押圧してタイル同志
   を突き合わせる第１工程と、タイル群の各タイル列を吸
   引具で吸引保持して行方向へ移動させて、隣接するタイ
   ル列の間に目地間隙を形成する第２工程と、タイル群の
   各タイル行を吸引具で吸引保持して列方向へ移動させ
   て、隣接するタイル行の間に目地間隙を形成する第３工
   程とを、この順序で行うか、又は上記第１工程後に第３
   工程および第２工程の順序で行うことにより、タイル相
   互間に目地間隙を設けたタイル群を形成することを特徴
   とするタイル群の目地拡げ方法。
2. 【請求項２】 下面側の長手方向に沿つてタイル用吸盤
   を所定間隔毎に設けた吸引具の複数が、並列され且つ並
   列間隔を調節できるように列横断方向へ移動自在に設け
   られた吸引装置と、各吸引具を列横断方向へ移動させる
   間隔調節装置とを備えたことを特徴とするタイル群の目
   地拡げ装置。