JPH0556709U - パーキングブレーキ操作装置 - Google Patents

パーキングブレーキ操作装置

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JPH0556709U
JPH0556709U JP11365491U JP11365491U JPH0556709U JP H0556709 U JPH0556709 U JP H0556709U JP 11365491 U JP11365491 U JP 11365491U JP 11365491 U JP11365491 U JP 11365491U JP H0556709 U JPH0556709 U JP H0556709U
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JP
Japan
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pole
link
axis
ratchet
knob
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JP11365491U
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Inventor
修治 小浜
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Toyoda Iron Works Co Ltd
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Toyoda Iron Works Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ノブの押込み操作に対する反発力やそのスト
ロークを小さくすることなく、ポールのラチェットに対
する噛合い荷重を小さくして、制動操作に伴ってポール
およびラチェット間で発生する打撃音を低減させる。 【構成】 両端がレリーズロッド34とポール26とに
回動可能に連結された第1リンク36を配設するととも
に、一端がレリーズロッド34と第1リンク36との第
1連結点O1 に連結され、他端が、付勢力Fの作用線L
を境に第1リンク36とポール26との第2連結点O2
と反対側で第1連結点O1 を通る作用線Lと直角な線M
よりも第2連結点O2 側においてピン40まわりの回動
可能に操作レバー16に連結された第2リンク38を配
設した。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はパーキングブレーキ操作装置に係わり、特にその操作時においてポー ルがラチェットの歯を乗り越えつつ移動する際に発生する打撃音を低減させる技 術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パーキングブレーキ操作装置の一種に、(a)パーキングブレーキ作動部に機 械的に連結された操作レバーと、(b)その操作レバーを第1軸まわりの回動可 能に支持するとともにその第1軸を中心とする円弧形状に沿ってラチェットが形 成されたセクタと、(c)前記操作レバーに前記第1軸と平行な第2軸まわりの 回動可能に取り付けられて前記ラチェットと噛み合わされるポールと、(d)前 記操作レバーの先端に押込み可能に設けられたノブと、(e)そのノブに一端部 が連結され、そのノブが押込み操作されることにより前記ポールを前記第2軸ま わりに回動させて前記ラチェットとの噛合いを解除するレリーズロッドと、(f )常には前記ノブが前記操作レバーの先端から突き出し且つ前記ポールが前記ラ チェットと噛み合うように付勢するスプリングとを備えたものがある。実開平3 −108572号公報に記載された装置はその一例である。
【0003】 このようなパーキングブレーキ操作装置においては、操作レバーが予め定めら れた原位置から例えばその操作レバーに連結されたブレーキケーブルが引き締め られる制動位置まで回動操作されることにより、パーキングブレーキ作動部が作 動させられるが、このとき、ポールがスプリングにより付勢されたままラチェッ トの歯を乗り越えつつ移動することにより、操作レバーの制動位置へ向かう回動 が許容されるとともに、そのポールが上記制動位置においてスプリングの付勢力 によりラチェットと噛み合わされることにより、操作レバーの原位置へ向かう方 向の回動が阻止されてパーキングブレーキ作動部の作動状態が維持される。また 、ノブがスプリングの付勢力に抗して押込み操作されることによりポールとラチ ェットとの噛合いが解除されると、操作レバーの制動位置から原位置へ向かう方 向の回動が許容されて操作レバーが原位置まで戻され、パーキングブレーキ作動 部の作動が解除される。
【0004】 このような形式のパーキングブレーキ操作装置においては、一般に、上記ノブ が意図せず不用意に押し込まれることによりポールとラチェットとの噛合いが解 除されてパーキングブレーキ作動部の作動状態が解除されることを防止するため 、軽い接触ではノブが押し込まれないように、押込みに対する反発力が予め定め られた一定値以上となるように上記スプリングの強さが設定されているのが普通 である。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、このように前記ノブの押込みに対する反発力、すなわちノブを 突き出すように付勢する力を一定以上の強さに維持するために前記スプリングの 付勢力が大きめに設定されると、同時にこのスプリングを利用して付与される前 記ポールの歯先における前記ラチェットに対する噛合い荷重が大きくなるため、 操作レバーが原位置から制動位置へ回動操作されるのに伴って、ポールがラチェ ットの歯を乗り越えつつ移動する際に大きな打撃音を発生するという問題があっ た。
【0006】 これに対し、ポールのレバー比、すなわち、前記第2軸からポールの歯先まで の長さに対する前記スプリングによる付勢力が付与される作用点からその第2軸 までの長さの割合、を小さくしてポールの歯先における噛合い荷重を低くするこ とが考えられる。しかし、このようにすると、上記レバー比を小さくしたことに 対応してポールとラチェットとの噛合いが解除されるまでのノブのストロークが 小さくなり、僅かなノブの押込みでも誤ってパーキングブレーキが解除され易く なるため、レバー比を小さくして噛合い荷重を低くするにも限界があった。
【0007】 本考案は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、 ノブの押込み操作に対する反発力やそのストロークを小さくすることなく、ポー ルの歯先における噛合い荷重を小さくして、制動操作に伴ってポールおよびラチ ェット間で発生する打撃音を低減させることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本考案の要旨とするところは、前記(a)操作レ バーと、(b)セクタと、(c)ポールと、(d)ノブと、(e)レリーズロッ ドと、(f)スプリングとを備えたパーキングブレーキ操作装置において、(g )一端が前記レリーズロッドに前記第1軸と平行な軸心まわりの回動可能に連結 されるとともに、他端が前記ポールに上記第1軸と平行な軸心まわりの回動可能 に連結された第1リンクと、(h)一端が、前記第1リンクと前記レリーズロッ ドとが連結された第1連結点においてそれら第1リンクおよびレリーズロッドの それぞれに対して相対回動可能に連結されるとともに、他端が、その第1連結点 における前記スプリングによる付勢力の作用方向を含む一直線を挟んで上記第1 リンクと前記ポールとが連結された第2連結点と反対側であって且つその作用方 向において上記第1連結点よりもその第2連結点側の位置において、前記第1軸 と平行な第3軸まわりの回動可能に前記操作レバーに連結された第2リンクとを 有することにある。
【0009】
【作用】
上記パーキングブレーキ操作装置においては、第1リンクと共に第1連結点に おいてレリーズロッドに連結された第2リンクの回動中心である第3軸が、第1 連結点におけるスプリングによる付勢力の作用方向を含む一直線を挟んで第2連 結点と反対側であって、且つその作用方向において第1連結点よりも第2連結点 側にあることから、スプリングによる付勢力がレリーズロッドから上記第1連結 点を介してそれ等第1リンクおよび第2リンクの双方に作用する。
【0010】 具体的には、上記パーキングブレーキ操作装置の一例における要部概略図を示 す図4のように、ノブAおよびレリーズロッドBを図において左方向に付勢する スプリングCの付勢力Fは、それぞれの反力が釣り合いの条件を満たす大きさの 2方向の力f1 およびf2 に分かれて第1リンクDおよび第2リンクHにそれぞ れ作用する。ここで、それ等の力f1 およびf2 の付勢力Fの方向の分力である f1Pおよびf2Pは、その付勢力Fの方向や第1連結点O1 に対する第2連結点O 2 および第3軸Gの軸心O3 の位置関係により幾何学的に定まり、それ等の和は 付勢力Fと等しい。また、その付勢力Fと直角な方向の分力f1Vおよびf2Vも同 様に上記位置関係から定まるとともに、それ等は大きさが等しく互いに方向が逆 である。このため、例えばこの図のように、ポールEの回動中心(第2軸の軸心 )O4 と第2連結点O2 とを結んだ直線が付勢力Fの方向と直角である場合、第 1リンクDを介してポールEに作用する回動中心O4 まわりの接線方向の力、す なわち上記分力f1Pは、第2リンクHを介して第3軸Gにより受け止められる分 力f2Pを付勢力Fから差し引いた大きさとなり、それに比例してポールEの歯先 Jにおける噛合い荷重Ftが小さくされる。
【0011】
【考案の効果】
このように、本考案のパーキングブレーキ操作装置によれば、ノブの押込み操 作に対する反発力やそのストロークを小さくすることなく、ポールのラチェット に対する噛合い荷重を小さくできるため、パーキングブレーキの誤解除に対する 安全機能を確保しつつ制動操作に伴ってポールおよびラチェット間で発生する打 撃音を低減させることが可能となる。
【0012】
【実施例】
以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】 図1において、パーキングブレーキ操作装置10は図示しない車体のフロアに 固定されるセクタ12と、そのセクタ12に第1軸としてのピン14まわりの回 動可能に支持された操作レバー16などを備えて構成される。操作レバー16は 、その基端側に設けられたケーブルガイド18を介してブレーキケーブル20の 一端が図示しないケーブル係止部に連結されるとともに、先端側に樹脂製のグリ ップ22が嵌着されており、そのグリップ22が把持されて図1においてピン1 4の右まわりに回動操作されることにより、ブレーキケーブル20が引き締めら れてそのブレーキケーブル20の他端が連結された図示しないパーキングブレー キ作動部が作動させられるようになっている。セクタ12にはピン14を中心と する円弧形状に沿ってラチェット24が形成されている一方、操作レバー16に は、そのラチェット24に噛み合わされるポール26がピン14と平行な第2軸 としてのピン28まわりの回動可能に取り付けられている。図1は操作レバー1 6がその原位置にある状態を示しており、この状態から操作レバー16が図にお ける右まわりに所定角度以上回動操作されることにより、上記ポール26がラチ ェット24と噛み合う。なお、操作レバー16には、セクタ12に当接すること により原位置を規定するストッパ56が設けられている。
【0014】 グリップ22の先端には、その内部に介挿された圧縮コイルスプリング30の 付勢力に抗して押込み可能にノブ32が設けられているとともに、そのノブ32 にはレリーズロッド34の一端部が一体的に連結されている。圧縮コイルスプリ ング30は、その一端がノブ32に当接しているとともに他端が操作レバー16 の先端側円筒部において内側に曲げ起こされた図示しない係止部に当接しており 、ノブ32およびレリーズロッド34をノブ32がグリップ22から突き出す方 向、すなわち図における左方向へ付勢している。そして、レリーズロッド34の 他端部には、第1リンク36の一端および第2リンク38の一端が互いに相対回 動可能に連結されている。その第1リンク36の他端はポール26に連結されて いる一方、その第2リンク38の基端側はピン14と平行な第3軸としてのピン 40まわりの回動可能に操作レバー16に連結されており、それら第1リンク3 6および第2リンク38が圧縮コイルスプリング30の付勢力に基づく引張力を 受けている。
【0015】 上記グリップ22からポール26までの互いに連結された各要素を拡大して図 2に示すとともに、その図2における III矢視図をさらに拡大して図3に示す。 それらの図から判るように、レリーズロッド34の他端側には、その端末が組付 時においてピン14と平行となるように鉤型に曲成されたピン部42が設けられ ている一方、第1リンク36および第2リンク38のそれぞれの一端側にはその ピン部42に軸嵌合する嵌合孔44および46がそれぞれ設けられている。また 、第1リンク36の他端側にはその嵌合孔44の軸心と平行な軸心を有するボス 48が設けられている一方、ポール26にはそのボス48と軸嵌合する嵌合孔5 0が設けられている。また、第2リンク38の基端側には、上記嵌合孔46と軸 心が平行でピン40と軸嵌合する嵌合孔52が設けられている。上記のように各 軸嵌合要素の軸心が嵌合状態では互いに平行となるため、グリップ22からポー ル26までの各要素は、操作レバー16へ組み付けられた状態においてそれぞれ 前記ピン14の軸心と直角な平面内を移動および回動させられる。本実施例では 、上記ピン部42の軸心O1 が第1連結点に相当し、上記ボス48の軸心O2 が 第2連結点に相当する。また、第3軸であるピン40の配設位置は、第1連結点 O1 における圧縮コイルスプリング30による付勢力Fの作用方向を含む一直線 Lを挟んで第2連結点O2 と反対側であって、且つその作用方向において第1連 結点O1 よりも第2連結点O2 側、言い換えれば第1連結点O1 を通る上記一直 線Lに直角な直線Mよりも第2連結点O2 側に定められている。なお、本実施例 におけるポール26は、ピン28の軸心O4 から歯先54までの長さに対する嵌 合孔50の軸心O2 からピン28の軸心O4 までの長さの割合、すなわちレバー 比が、従来のパーキングブレーキ操作装置において一般に用いられているポール と同程度とされているものである。
【0016】 従って、ノブ32が圧縮コイルスプリング30の付勢力に抗して押込み操作さ れていない通常の状態においては、その圧縮コイルスプリング30の予め定めら れた大きさの付勢力F0 に基づいて、レリーズロッド34および第1リンク36 を介してポール26をピン28の左まわりに回動させる力が作用させられ、ポー ル26の歯先54が前記ラチェット24に噛み合うよう付勢される。また、上記 のような連結関係から、ノブ32のグリップ22からの突出し量は、このポール 26とラチェット24との噛合いによって規定される。一方、圧縮コイルスプリ ング30の付勢力に抗してノブ32が押込み操作されると、レリーズロッド34 のピン部42がピン40の左まわりに回動させられつつそのレリーズロッド34 および第1リンク36が操作レバー16の基端側へ移動させられ、ポール26が ピン28の右まわりに回動させられてラチェット24との噛合いが解除される。
【0017】 また、ポール26とラチェット24との噛合いは、前記したようにそれらが噛 み合うようにポール26が付勢された状態において、操作レバー16が図1にお いてピン14の右まわりに回動操作される場合には、上記付勢力に抗して噛合い が外れる方向にポール26が回動することによりポール26がラチェット24の 歯を乗り越えてラチェット24上を移動することを許容するが、ポール26およ びラチェット24が一旦噛み合ったあとに操作レバー16が左まわりに回動操作 されようとする場合には、前記噛合いが維持されて操作レバー16の回動を阻止 するようになっている。なお、ポール26およびラチェット24は、それらの噛 合いによってパーキングブレーキ作動部の作動状態を維持し、且つ、相互のぶつ かり合いに耐えうる強度を備えるため、一般には、その素材に金属が用いられて いる。
【0018】 上記のように構成されたパーキングブレーキ操作装置10においては、操作レ バー16が図1の状態である原位置からピン14の右まわりに制動位置まで回動 操作されることにより、ブレーキケーブル20が引き締められてパーキングブレ ーキ作動部が作動させられる。このとき、その回動操作に伴い圧縮コイルスプリ ング30の付勢力に抗してポール26がラチェット24の歯を乗り越えつつ移動 させられ、回動操作が停止させられた時点で噛み合っているラチェット24の歯 とそのポール26とが噛合いを維持することによってパーキングブレーキ作動部 の作動状態が維持される。一方、ノブ32が圧縮コイルスプリング30の付勢力 に抗して押込み操作されてポール26とラチェット24との噛合いが解除され、 その状態で操作レバー16が左まわりに回動操作されて原位置まで戻されること により、上記パーキングブレーキ作動部の作動が解除される。
【0019】 ここで、上記圧縮コイルスプリング30の付勢力は、ポール26とラチェット 24との噛合いによりパーキングブレーキ作動部が作動状態とされている場合に 、不用意にノブ32が押し込まれることによりそれ等ポール26とラチェット2 4との噛合いが解除されることがないように、ノブ32に軽く接触した程度では ノブ32が容易に押し込まれないような一定値以上の強さに設定されている。ま た、その付勢力に基づいてポール26とラチェット24との噛合い荷重は定まる が、ポール26の歯先54における噛合い荷重Ftは、以下に説明する計算式に よって圧縮コイルスプリング30の付勢力F0 から求められる。
【0020】 図2において、圧縮コイルスプリング30がノブ32およびレリーズロッド3 4を図における略左方向へ付勢する力F0 の作用点をOS とすると、その作用点 OS と前記第1連結点としての軸心O1 とを結んだ直線Lの方向が、圧縮コイル スプリング30によるレリーズロッド34の第1連結点O1 における付勢力Fの 作用方向である。この方向における付勢力Fの大きさは、ノブ32の突出し方向 に作用する前記付勢力F0 を、グリップ22の挿通孔58に作用する上記突出し 方向と直角な方向の力FG とに分解して得られたものであり、次式(1)によっ て表される。なお、(1)式におけるθG はノブ32の突出し方向と付勢力Fの 方向とがなす角度である。
【0021】
【数1】 F=F0 / cosθG ・・・(1)
【0022】 上記付勢力Fとその付勢力Fによりピン部42が第1リンク36および第2リ ンク38にそれぞれ作用する力f1 とf2 との間には、静力学上の平衡条件から 次式(2)および(3)に示す関係がある。これらの関係に基づいて第1リンク 36に作用する力f1 を付勢力Fで表した式が(4)である。この(4)式を導 くにあたっては、次式(5)に示す三角関数の加法定理を用いている。なお、角 度θ1 は付勢力Fと力f1 との交差角度で、角度θ2 は付勢力Fと力f2 との交 差角度である。
【0023】
【数2】 F=f1 ・ cosθ1 +f2 ・ cosθ2 ・・・(2) f1 ・ sinθ1 =f2 ・ sinθ2 ・・・(3) f1 =F・ sinθ2 / sin(θ1 +θ2 ) ・・・(4) sin(θ1 +θ2)= sinθ1 cosθ2 + cosθ1 sinθ2 ・・・(5)
【0024】 この力f1 により第1リンク36がポール26をピン28の左まわりに回動さ せようとするボス48の軸心O2 の位置における接線方向の力f3 は、軸心O1 と軸心O2 とを結んだ直線と力f3 との交差角度をθ3 とすると、次式(6)で 表される。
【0025】
【数3】 f3 =f1 ・ cosθ3 =F・ sinθ2 cosθ3 / sin(θ1 +θ2 ) ・・・(6)
【0026】 ここで、例えば、上記3つの角度θ1 、θ2 、θ3 にそれぞれ25゜、27゜ 、34゜を代入して計算すると、f3 =0.478Fとなり、前記角度θG を5゜ とすると、f3 =0.479F0 となる。
【0027】 これに対し、図5に示すように、レリーズロッド35の端末が直接ポール26 に連結されている従来の装置の場合では、詳しい計算式は省略するが、ポール2 6をピン28の左まわりに回動させようとする上記f3 に相当する接線方向の力 f3bは0.985F0 である。
【0028】 従って、本実施例においては、ポール26に加えられる回動モーメントが図5 に示す従来の装置の場合に比べて1/2以下の値に小さくされ、このため、その ポール26の歯先54におけるラチェット24に対する噛合い荷重Ftも、従来 の場合における噛合い荷重Ftbに対して半減させられる。ここで、上記3つの角 度θ1 、θ2 、θ3 は、ノブ32の押込みストロークやポール26の噛合い代等 の設定条件により適宜変更されるが、上記(6)式の関係から判る傾向としては 、角度θ1 およびθ3 を大きくするとともに角度θ2 を小さくするほど、上記接 線方向の力f3 を圧縮コイルスプリング30の付勢力F0 に対して小さくするこ とが可能である。
【0029】 このように、本実施例のパーキングブレーキ操作装置10においては、圧縮コ イルスプリング30によって比較的大きい力でノブ32が突き出すように付勢さ れる一方、レリーズロッド34およびポール26間に設けられた第1リンク36 および第2リンク38の作用により比較的小さい噛合い荷重Ftが通常のレバー 比を有してラチェット24と噛み合うポール26の歯先54に付与される。この ため、本実施例によれば、ノブ32の押込み操作に対する反発力や押込み操作に よりポール26とラチェット24との係合が解除されるまでのストロークを従来 と同程度に維持してパーキングブレーキの誤解除に対する安全性を確保しつつ、 操作レバー16の回動操作に伴ってポール26がラチェット24の歯を乗り越え つつ移動する際に発生する打撃音を低減することができるのである。
【0030】 以上、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本考案は他の態 様で実施することもできる。
【0031】 例えば、前述の実施例における圧縮コイルスプリング30は、操作レバー16 の先端部において直接的にノブ32を付勢する状態で介挿されていたが、これに 替えて、ポール26や第1リンク36等を直接的に付勢する他のスプリングが介 挿されても良い。この場合、例えば所望の比較的小さい噛合い荷重を得るように ポール26にスプリング部材を配設した場合には、第1リンク36および第2リ ンク38の倍力作用によってレリーズロッド34に大きな付勢力が作用させられ るので、ノブ32側において充分に大きい押込み操作に対する反発力が得られる 。
【0032】 また、前述の実施例においては、角度θ1 、θ2 、θ3 、およびθG がそれぞ れ25゜、27゜、34゜、5゜とされて、ポール26に作用する力(f3 )が 圧縮コイルスプリング30の付勢力F0 の略1/2まで小さくされていたが、上 記4つの角度は、ノブ32やポール26に要求される機能的な条件を満足する範 囲内で第1リンク36および第2リンク38の形状や配設位置により適宜変更さ れ得る。
【0033】 また、前述の実施例においては、第2連結点であるポール26の嵌合孔50の 位置や第3軸であるピン40の位置が、図2において第1連結点であるレリーズ ロッド34のピン部42の位置の右側にあって第1リンク36および第2リンク 38がそれぞれ引張力を受ける構成とされていたが、ピン部42の左側に第2連 結点および第3軸が共に位置するような構成とすることもできる。その場合には 、第1リンクおよび第2リンクが圧縮力を受ける形となる。
【0034】 また、前述の実施例においては、レリーズロッド34と第1リンク36とが、 或いは第1リンク36とポール26とがピン部42やボス48を介して相対回動 可能に連結されていたが、ノブ32が押込み操作されたときの初期の押込み量に 対するポール26の非作動範囲を設定するために、第1リンク36の嵌合孔44 やポール26の嵌合孔50を長穴とするとともに、ポール26を噛合い方向に単 独に付勢する他のスプリングを設けて、それぞれの部品間での相対移動を許容す るアイドルストロークを設けても良い。
【0035】 その他一々例示はしないが、本考案は当業者の知識に基づいて種々の変更,改 良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例であるパーキングブレーキ操
作装置を、その一部を切り欠いて示す正面図である。
【図2】図1の装置の一部を詳細に示すとともに各部に
作用する力の状態を表す図である。
【図3】図2における III矢視図である。
【図4】本考案のパーキングブレーキ操作装置の一例に
おける要部概略図であり、その作用効果を説明する図で
ある。
【図5】従来のパーキングブレーキ操作装置の一例を示
す図である。
【符号の説明】
10:パーキングブレーキ操作装置 12:セクタ 14:ピン(第1軸) 16:操作レバー 24:ラチェット 26:ポール 28:ピン(第2軸) 30:圧縮コイルスプリング 32:ノブ 34:レリーズロッド 36:第1リンク 38:第2リンク 40:ピン(第3軸) 42:ピン部(第1連結点) 48:ボス(第2連結点)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パーキングブレーキ作動部に機械的に連
    結された操作レバーと、該操作レバーを第1軸まわりの
    回動可能に支持するとともに該第1軸を中心とする円弧
    形状に沿ってラチェットが形成されたセクタと、前記操
    作レバーに前記第1軸と平行な第2軸まわりの回動可能
    に取り付けられて前記ラチェットと噛み合わされるポー
    ルと、前記操作レバーの先端に押込み可能に設けられた
    ノブと、該ノブに一端部が連結され、該ノブが押込み操
    作されることにより前記ポールを前記第2軸まわりに回
    動させて前記ラチェットとの噛合いを解除するレリーズ
    ロッドと、常には前記ノブが前記操作レバーの先端から
    突き出し且つ前記ポールが前記ラチェットと噛み合うよ
    うに付勢するスプリングとを備えたパーキングブレーキ
    操作装置において、 一端が前記レリーズロッドに前記第1軸と平行な軸心ま
    わりの回動可能に連結されるとともに、他端が前記ポー
    ルに該第1軸と平行な軸心まわりの回動可能に連結され
    た第1リンクと、 一端が、前記第1リンクと前記レリーズロッドとが連結
    された第1連結点において該第1リンクおよびレリーズ
    ロッドのそれぞれに対して相対回動可能に連結されると
    ともに、他端が、該第1連結点における前記スプリング
    による付勢力の作用方向を含む一直線を挟んで該第1リ
    ンクと前記ポールとが連結された第2連結点と反対側で
    あって且つ該作用方向において該第1連結点よりも該第
    2連結点側の位置において、前記第1軸と平行な第3軸
    まわりの回動可能に前記操作レバーに連結された第2リ
    ンクとを有することを特徴とするパーキングブレーキ操
    作装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013028249A (ja) * 2011-07-28 2013-02-07 Honda Motor Co Ltd パーキングブレーキ装置

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JP2013028249A (ja) * 2011-07-28 2013-02-07 Honda Motor Co Ltd パーキングブレーキ装置

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