JPH0556692A - ステツピングモータの制御装置 - Google Patents

ステツピングモータの制御装置

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JPH0556692A
JPH0556692A JP20682191A JP20682191A JPH0556692A JP H0556692 A JPH0556692 A JP H0556692A JP 20682191 A JP20682191 A JP 20682191A JP 20682191 A JP20682191 A JP 20682191A JP H0556692 A JPH0556692 A JP H0556692A
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signal
transistor
current command
motor
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JP20682191A
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English (en)
Inventor
Kazunobu Nagai
一信 永井
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 モータ巻線に流れる電流値を指令するための
電流指令信号が急激に減少する場合でも、その電流指令
信号に対するモータ巻線電流の追従性を良好に保つ。 【構成】 電流方向信号Ad のレベルに応じて、トラン
ジスタ6、9を能動化した状態とトランジスタ7、8を
能動化した状態が選択され、トランジスタ6、7はPW
M信号発生回路19からのPWM信号によりチョッパ駆
動されてモータ巻線2、3の通電位相を制御する。例え
ばトランジスタ6、9を能動化した状態において、モー
タ巻線2の断電時には巻線の蓄積電力に伴う循環電流が
トランジスタ9、電流検出用抵抗10、環流ダイオード
11を介して流れる。電流指令信号Ai による指令値の
減少率が設定値を越えたときには、演算回路24からの
演算信号S1 によって、トランジスタ9を非飽和領域で
動作させてそのインピーダンスが高める。これにより上
記循環電流がトランジスタ9を通じて流れる期間にはモ
ータ巻線2の電気的時定数が等価的に小さくなり、モー
タ巻線2に流れる電流の電流指令信号Ai に対する追従
性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振動が少ない安定した
回転と可変速運転とが要求される用途、例えば乾式複写
機やプリンタのキャリッジを駆動する場合などに好適す
るステッピングモータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、乾式複写機における光学系スキ
ャナ部は、露光ランプ及び反射ミラーを搭載したキャリ
ッジを、モータによりベルト伝達機構を介して往復移動
させる構成となっている。この場合に利用されるモータ
には、キャリッジを往移動させ行う露光時のように低速
回転される領域において、複写画質の向上のために回転
振動並びに回転むらが極力少ないという安定した回転特
性が要求され、また、複写倍率を変えるために可変速運
転できるものが要求される。
【0003】このような要求を満たすために、従来では
ステッピングモータが利用されている。つまり、ステッ
ピングモータにあっては、そのモータ巻線に対する通電
タイミングを一定周波数のクロック信号に基づいて制御
することによって定速回転させ得るものであり、そのク
ロック信号の周波数を変化させることにより可変速運転
を行い得るという性質がある。また、ステッピングモー
タは、各相モータ巻線に流れる電流の比を細かく調整す
るという所謂マイクロステップ駆動を行うことによっ
て、振動が少ない滑らかな回転を得ることができるもの
であり、これにより安定した回転特性を得ることができ
る。
【0004】図5には斯様なステッピングモータをバイ
ポーラ駆動するための制御装置の一例が示されている。
この図5において、ステッピングモータ1の2相のモー
タ巻線2、3は、各々独立した制御回路装置4、5によ
り制御されるようになっているが、これらの装置4、5
は同一の構成であるから、一方の制御回路装置4につい
てのみ具体的に示している。
【0005】即ち、主スイッチング素子としてのpnp
形トランジスタ6、7は、エミッタがプラス電位の制御
用電源端子Vccに接続され、各コレクタが夫々モータ巻
線2の両端に接続される。補助スイッチング素子として
のnpn形トランジスタ8、9は、各コレクタが夫々モ
ータ巻線2の両端に接続され、エミッタが電流検出手段
として設けられた抵抗10を介してグランド端子に接続
される。また、トランジスタ8、9の各コレクタとグラ
ンド端子との間には、モータ巻線2の電流遮断時に発生
する巻線の蓄積電力を循環電流として流すための環流ダ
イオード11、12が接続されている。
【0006】尚、上記抵抗10からは、モータ巻線2に
流れる電流Iaの絶対値|Ia|のレベルに応じた電圧
値の検出信号Sdが出力される。
【0007】トランジスタ6、7の各ベースには、NA
ND回路13、14からの各出力が夫々ベース抵抗6
a、7aを介して与えられ、トランジスタ8、9の各ベ
ースにはバッファ回路15、16の各出力が夫々ベース
抵抗8a、9aを介して与えられる。NAND回路13
の一方の入力端子並びにバッファ回路16の入力端子に
は、信号発生器17から出力される電流方向信号Ad が
直接的に与えられ、NAND回路14の一方の入力端子
並びにバッファ回路15の入力端子には、上記電流方向
信号Ad がインバータ18を介して与えられる。また、
上記各NAND回路13、14の他方の入力端子には、
信号発生手段たるPWM信号発生回路19からのPWM
信号(パルス幅制御信号)Smが与えられるようになっ
ている。尚、電流方向信号Ad は、「H」、「L」の二
値で表される論理信号である。
【0008】前記信号発生器17は、クロック発生器2
0からのクロックパルスに基づいて、前述した電流方向
信号Ad を発生すると共に、モータ巻線2に流れる電流
値を指令するための電流指令信号Ai を発生するように
なっており、この場合、上記電流指令信号Ai は、電流
方向信号Ad に同期して周期的に変化する電圧信号とし
て出力されるものであり、その波形に応じてモータ巻線
2に流れる電流の波形が決定される。
【0009】前記PWM信号発生回路19は、信号発生
器17から出力される電流指令信号Ai と前記抵抗10
からの検出信号Sdとを比較し、Ai >Sdの状態時に
は、その差に従ってPWM信号Smのオン時間幅を増加
させ、Ai <Sdの状態時には、その差に従ってPWM
信号Smのオン時間幅を減少させるように制御する。
尚、PWM信号Smは、「H」、「L」の二値間で変化
する論理信号として取り扱われるものであり、「H」レ
ベルの出力期間がオン時間幅に相当する。
【0010】しかして、上記構成による作用は次に述べ
る通りである。即ち、モータ巻線2に正弦波電流を流す
場合には、信号発生器17から図6(a)、(b)に示
すような電流方向信号Ad 及び電流指令信号Ai が出力
される。
【0011】上記電流方向信号Ad が「H」レベルの状
態では、インバータ18及びNAND回路14の働きに
よりトランジスタ7、8がオフ状態に保持されると共
に、トランジスタ9がバッファ回路16を通じてオン状
態に保持される。また、NAND回路13の働きによ
り、PWM信号発生回路19からのPWM信号Smが
「H」レベルにあるときのみトランジスタ6がオンされ
るようになる。
【0012】このため、PWM信号Smが「H」レベル
にある期間には、電源端子Vccからトランジスタ6、モ
ータ巻線2、トランジスタ9、抵抗10を順に介してグ
ランド端子に至る通電路が形成されて、モータ巻線2に
図5中矢印方向の電流Iaが流れる。また、PWM信号
Smが「L」レベルにある期間には、トランジスタ6の
オフに伴うモータ巻線2の電流遮断時に発生する逆起電
力により、モータ巻線2、トランジスタ9、抵抗10、
環流ダイオード11を循環する電流が流れる。このよう
にトランジスタ6がPWM信号Smによりチョッパ駆動
されることによって、モータ巻線2に流れる電流Iaが
制御されるものであり、その電流Iaの大小は、PWM
信号Smによるトランジスタ6のオンデューティ比に応
じたものとなる。
【0013】一方、電流方向信号Ad が「L」の状態で
は、トランジスタ8がインバータ18、バッファ回路1
5を通じてオン状態に保持されると共に、トランジスタ
7がPWM信号発生回路19からのPWM信号Smによ
りNAND回路14を通じてオンオフされるようにな
り、そのオンに応じてモータ巻線2に前述の場合と逆方
向の電流Iaが流れる。また、トランジスタ7のオフに
伴うモータ巻線2の電流遮断時の逆起電力に応じた循環
電流は、モータ巻線2、トランジスタ8、抵抗10、環
流ダイオード12を介して流れる。勿論、この場合にお
いても、モータ巻線2に流れる電流Iaの大小は、PW
M信号Smによるトランジスタ7のオンデューティ比に
応じたものとなる。
【0014】以上のような通電時において、抵抗10の
一端側からは、モータ巻線2に流れる電流Iaの絶対値
|Ia|のレベルに応じた電圧値の検出信号Sdが出力
されるものであり、PWM信号発生回路19は、斯かる
検出信号Sdと電流指令信号Ai との差に基づいて、P
WM信号Smのオン時間幅を連続的に制御し、|Ia|
=Ai となる状態を作り出す。これにより、モータ巻線
2に正弦波の電流Ia(図6(c)参照)が供給される
ものである。尚、図6(d)には検出信号Sdの波形を
示した。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】近年、乾式複写機やプ
リンタなどにおいては、その画質を一層向上させること
が課題となっており、この課題解決のためには、キャリ
ッジ駆動用のステッピングモータにおける回転むらを低
減することが重要になってくる。ところが、上述したよ
うな従来構成のステッピングモータの制御装置では、電
流指令信号Ai による指令値が減少方向にあってその時
間変化が大きくなった場合には、モータ巻線2(或は
3)に流れる電流が上記指令値に追従しなくなることが
あり、これがステッピングモータ1の回転むらの原因に
なる虞があった。
【0016】具体的には、このような回転むらは、以下
に説明するような現象によって発生する。即ち、図7に
は、タイミングt0 にて電流指令信号Ai がレベルI1
から零レベルへ変化した状態を想定し、このときにモー
タ巻線2に流れる電流Iaの追従波形を示している。こ
の場合、電流指令信号Ai が零レベルに変化したタイミ
ングt0 でPWM信号Smも「L」レベルとなりトラン
ジスタ6はオフ状態になる。しかし、このときには、図
5の一部を抽出した図8中に点線で示すように、モータ
巻線2の電流遮断時に発生する巻線の蓄積電力による循
環電流が暫くの期間流れる。このときの循環電流Iao
は、トランジスタ9、ダイオード11、抵抗10による
影響を無視すると、タイミングt0 以降の経過時間tと
の関係において次式で示される。但し、次式において、
L及びRは夫々モータ巻線2のインダクタンス及び抵抗
値である。
【0017】Iao=I1 ・exp(−Rt/L) 従って、循環電流Iaoの傾きは、次式で示される。
【0018】 d(Iao)/dt=−(R/L)・I1 ・exp(−Rt/L) これにより、タイミングt0 (t=0)での循環電流I
aoの傾きは、次式で示される。
【0019】d(Iao)/dt=−R・Ii /L つまり、電流指令信号Aiが減少方向へ変化する場合、
図5に示したような従来構成の制御装置では、モータ巻
線2に流れる電流Iaを電流指令信号Ai に追従させ得
る範囲に限界があり、その限界点はモータ巻線2の電気
的時定数τ(=L/R)に依存していることを示してい
る。
【0020】図9は、点線で示す正弦波状の電流指令信
号Ai が与えられた場合に、モータ巻線2に流れる電流
Iaの絶対値|Ia|(検出信号Sdの波形に相当)の
変化を実線で表わしている。同図(a)に示すように、
電流指令信号Ai の周波数が低い場合(ステッピングモ
ータ1の回転数が低い場合)には、電流Iaの電流指令
信号Ai に対する追従応答が適正に行われる。しかし、
同図(b)に示すように、電流指令信号Ai の周波数が
高い場合(ステッピングモータ1の回転数が高い場合)
には、電流Iaが電流指令信号Ai に追従できなくなる
ため、これに起因してステッピングモータ1の回転むら
の増大を来たすようになる。また、ステッピングモータ
1の電流−トルク特性に合わせて図10に示すような急
峻な変化を示す電流指令信号Ai が与えられたときに
は、その電流指令信号Ai の周波数が低い場合でも同様
の現象が引き起こされる。
【0021】このような現象を抑止するためには、モー
タ巻線2或はダイオード11、12と直列に抵抗を挿入
してモータ巻線2の抵抗値Rを等価的に増加させること
により、その電気的時定数τ(=L/R)を減少させる
ことが考えられるが、このような手段を採用した場合に
は、その挿入抵抗での損失が常時生ずることになるた
め、モータ駆動効率の低下を招いてしまう。しかも、こ
のような挿入抵抗を設ける場合には、図5に示す制御回
路装置4、5の集積化が困難になるため、装置全体の小
形化が実現不可能になる。
【0022】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、モータ巻線に流れる電流値を指令す
るための電流指令信号が急激に減少する場合でも、その
電流指令信号に対するモータ巻線電流の追従性を常時に
おいて良好に保つことができて、回転むらの少ない安定
した回転特性が得られると共に、モータ駆動効率の低下
を伴う虞がなくなるなどの効果を奏するステッピングモ
ータの制御装置を提供するにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、複数相のモータ巻線の通電率を主スイッチ
ング素子により制御すると共に、モータ巻線の蓄積電力
を補助スイッチング素子及び環流ダイオードを通じた循
環電流として流すように構成されたステッピングモータ
の制御装置において、前記モータ巻線に流れる電流レベ
ルに応じた検出信号を発生する電流検出手段、この電流
検出手段からの検出信号と前記モータ巻線に流れる電流
値を指令するための電流指令信号との差に基づいて前記
主スイッチング素子をチョッパ駆動するためのPWM信
号を出力する信号発生手段を設けた上で、前記電流指令
信号による指令値の減少率を演算する演算手段、及びそ
の演算減少率が設定値を越えた状態で前記補助スイッチ
ング素子を非飽和領域で動作させる動作制御手段を設け
る構成としたものである。
【0024】
【作用】信号発生手段は、モータ巻線に流れる電流レベ
ルを示す検出信号とモータ巻線に流れる電流値を指令す
るための電流指令信号との差に基づいてPWM信号を出
力するようになり、主スイッチング素子は、このPWM
信号によりチョッパ駆動されてモータ巻線の通電位相を
制御する。主スイッチング素子のオフに伴うモータ巻線
の断電時には、そのモータ巻線の蓄積電力が補助スイッ
チング素子及び環流ダイオードを通じた循環電流として
流れる。このような循環電流が流れる時間は、モータ巻
線のインダクタンスL及び抵抗値Rに依存した電気的時
定数(R/L)により決定される。この時定数はモータ
巻線に固有の値であるから、電流指令信号による指令値
が急激に減少する場合には、上記循環電流の影響によっ
て、モータ巻線電流が電流指令信号に追従できなくなる
ことがあり、このような場合にはステッピングモータの
回転むらが増大する。
【0025】しかし、電流指令信号による指令値の減少
率は演算手段により演算されており、電流指令信号によ
る指令値が急激に減少してその減少率が設定値を越えた
状態となったときには、動作制御手段が、上記演算手段
の演算内容に基づいて補助スイッチング素子を非飽和領
域で動作させるようになるため、その補助スイッチング
素子のインピーダンスが高くなり、これにより上述した
循環電流が補助スイッチング素子を通じて流れる期間に
はモータ巻線の電気的時定数が等価的に小さくなる。こ
の結果、モータ巻線電流の電流指令信号に対する追従性
が向上するようになり、ステッピングモータの回転むら
が抑制されることになる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の第1実施例について図1、図
2を参照しながら説明するに、特に図1に関しては前記
図5と同一部分に同一符号を付すことによりその説明を
省略することにする。
【0027】即ち、図1において、トランジスタ8のベ
ースは、ベース抵抗8aを介して動作制御手段たるオペ
アンプ21の出力端子に接続されると共に、npn形ト
ランジスタ22のコレクタ・エミッタ間を介してグラン
ド端子に接続されている。上記トランジスタ22のベー
スには、信号発生器17からの電流方向信号Ad が、イ
ンバータ18、23、ベース抵抗22aを介して与えら
れるようになっている。この場合、オペアンプ21にあ
っては、その非反転入力端子(+)がトランジスタ8の
コレクタに接続され、反転入力端子(−)が後述する演
算手段としての演算回路24の出力端子に接続されてい
る。
【0028】トランジスタ9のベースは、ベース抵抗9
aを介して動作制御手段たるオペアンプ25の出力端子
に接続されると共に、npn形トランジスタ26のコレ
クタ・エミッタ間を介してグランド端子に接続されてい
る。上記トランジスタ26のベースには、信号発生器1
7からの電流方向信号Ad が、インバータ27、ベース
抵抗26aを介して与えられるようになっている。この
場合、オペアンプ25にあっては、その非反転入力端子
(+)がトランジスタ9のコレクタに接続され、反転入
力端子(−)が演算回路24の出力端子に接続されてい
る。
【0029】さて、演算回路24は、信号発生器17か
らの電流指令信号Aiを入力とする微分回路28及び積
算回路29と、これら微分回路28、積算回路29の各
出力を受ける増幅率Kの差動増幅回路30とを含んで構
成されており、その差動増幅出力電圧に対応した演算信
号S1 を前記オペアンプ21、25の各反転入力端子
(−)に与えるようになっている。尚、上記増幅率K
は、電源電圧及びモータ巻線2の抵抗値に応じて適宜な
値に調整されるものである。
【0030】次に、上記構成の本実施例の作用のうち、
本発明の要旨に関係した部分について説明する。
【0031】オペアンプ21の各入力端子(+)及び
(−)に対しては、トランジスタ8のコレクタ電圧Vc1
及び演算回路24からの演算信号S1 が夫々与えられ
る。このとき、S1 >Vc1の状態にある場合には、オペ
アンプ21の出力電圧V21が下降するためトランジスタ
8のコレクタ電圧Vc1が上昇し、S1 <Vc1の状態にあ
る場合には、オペアンプ21の出力電圧V21が上昇する
ためトランジスタ8のコレクタ電圧Vc1が下降するもの
であり、このようなオペアンプ21の動作が行われるこ
とにより、S1 =Vc1となるように制御される。つま
り、演算信号S1 のレベルに応じてトランジスタ8のベ
ースバイアス量を連続的に変化させ、以てそのトランジ
スタ8を飽和領域及び非飽和領域で動作させることが可
能になるものである。
【0032】尚、トランジスタ22は、信号発生器17
からの電流方向信号Ad が「H」レベルであった場合に
オンするものであり、そのオンによりオペアンプ21の
出力を無効化してトランジスタ8を強制的にオフさせ
る。
【0033】一方、オペアンプ25の各入力端子(+)
及び(−)に対しては、トランジスタ9のコレクタ電圧
Vc2及び演算回路24からの演算信号S1 が夫々与えら
れ、上述と同様の作用によりS1 =Vc2となるように制
御されるものであり、演算信号S1 のレベルに応じてト
ランジスタ9を飽和領域及び非飽和領域で動作させるこ
とが可能になる。また、トランジスタ26は、信号発生
器17からの電流方向信号Ad が「L」レベルであった
場合にオンし、そのオンによりオペアンプ25の出力を
無効化してトランジスタ9を強制的にオフさせる。
【0034】演算回路24から出力される演算信号S1
は、電流指令信号Ai に基づいて次式のような演算によ
り得られるものである。但し、次式において、L及びR
は夫々モータ巻線2のインダクタンス及び抵抗値であ
り、これらの定数は、予め測定して演算回路24に設定
しておく値である。
【0035】 S1 =K(−d(Ai )/dt−R(Ai )/L) ここで、演算信号S1 は、電流指令信号A1 による指令
値の減少方向の傾き(つまり、その減少率)が、予め設
定された追従可能な傾きを示す値を越えたときに、その
越えた量に比例した信号として出力されるものである。
【0036】しかして、図2には、電流方向信号Ad 、
正弦波状の電流指令信号Ai 、この電流指令信号Ai を
受けたときの微分回路29の出力信号(−dAi /d
t)及び演算回路24からの演算信号S1 、この演算信
号Si に応じたトランジスタ9のコレクタ電圧Vc2及び
モータ巻線2に流れる電流Iaの各波形の一例が示され
ている。
【0037】この例のように、電流方向信号Ad が
「H」レベルにある場合には、トランジスタ6、9が能
動化された状態となる。ここで、演算信号S1 は、負の
状態時に零レベルの信号として出力されるようになって
おり、図2に示す範囲wで、電流指令信号Ai に対する
追従限界を越えて正レベルに立ち上がった信号となって
いる。このため、この演算信号S1 を受けるオペアンプ
25が、前述したように、トランジスタ9のコレクタ電
圧Vc2を演算信号S1 と等しくなるレベルまで高めるよ
うに機能し、そのトランジスタ9が非飽和領域で動作さ
れるようになる。
【0038】これにより、トランジスタ9のオン状態に
おけるインピーダンスが高くなり、トランジスタ6のオ
フに伴いトランジスタ9、抵抗10、ダイオード11を
通じて循環電流が流れる期間には、モータ巻線2の電気
的時定数が等価的に小さくなって、モータ巻線2に流れ
る電流Iaの電流指令信号Ai に対する追従性が向上す
るようになる。勿論、トランジスタ7、8が能動化され
た状態においても、モータ巻線2に流れる電流Iaの電
流指令信号Ai に対する追従性が上述同様に向上するよ
うになる。
【0039】以上要するに、上記した本実施例の構成に
よれば、電流指令信号Ai による指令値が急激に減少し
た場合には、トランジスタ8或は9が非飽和領域で動作
させるようになって、モータ巻線2に流れる電流Iaの
上記指令値に対する追従性が大幅に向上するものであ
り、これによりステッピングモータ1の回転むらが効果
的に抑制されて、振動が少ない安定した回転特性が得ら
れるようになる。
【0040】従って、本実施例の構成を例えば複写機に
おける光学系スキャナ部のキャリッジ駆動用モータに適
用した場合には、鮮明な複写画像を得ることが可能とな
り、拡大複写を行うときの画質向上も期待できる。ま
た、本実施例の構成を、被複写画面のスキャニングを複
数回行う構成のカラー複写機に適用した場合には色ずれ
防止効果を高めることができ、プリンタのキャリッジ駆
動用モータに適用した場合にも正確な印字出力を期待で
きるようになる。
【0041】また、本実施例では、電流指令信号Ai に
よる指令値が急激に減少した場合のみトランジスタ8或
は9が非飽和領域で動作される構成となっているから、
トランジスタ8、9での損失は、モータ巻線2或はダイ
オード11、12と直列に抵抗を挿入する従来構成に比
べて大幅に少なくなり、モータ駆動効率の低下を来す虞
がなくなる。しかも、本実施例では、従来のような挿入
抵抗が不要になるから制御回路装置4、5の集積化でき
るようになり、以て装置全体の小形化が可能になるもの
である。
【0042】尚、上記実施例では、トランジスタ8、9
のベースバイアス量を電流指令信号Ai の変化量に応じ
て連続的に変化させる構成としたが、図3に示す本発明
の第2実施例のような簡略な構成を採用することもでき
るものであり、以下においては、この第2実施例につい
て第1実施例と異なる部分のみ説明する。
【0043】即ち、図3において、演算手段たる演算回
路31は、電流指令信号Ai を入力とする微分回路3
2、所定の比較値N33を記憶して成る定数記憶部33、
微分回路32及び定数記憶部33の各出力を比較するコ
ンパレータ34を含んで構成されている。上記比較値N
33は、モータ巻線2の電気的時定数、電源電圧、電流指
令信号Ai の波形などに応じて予め設定される値であ
り、コンパレータ34は、微分回路32の出力信号(つ
まり電流指令値Ai の傾きを示す信号)が比較値N33を
越えたときに「H」レベルの信号S2 を出力する。
【0044】トランジスタ8のベースは、ベース抵抗8
b、8c及びpnp形トランジスタ35のエミッタ・コ
レクタ間を介して電源端子Vccに接続されている。この
場合、トランジスタ8のベース抵抗8b、8cの各抵抗
値は、ベース抵抗8bのみを通じてベース電流が流れた
ときにトランジスタ8を飽和領域で動作させ、ベース抵
抗8b、8cを通じてベース電流が流れたときにトラン
ジスタ8を非飽和領域で動作させるような値に設定され
ている。尚、上記トランジスタ35は、信号発生器17
からの電流方向信号Ad が「L」レベルのときにベース
抵抗35aを通じてオンされる構成となっている。
【0045】上記ベース抵抗8cには、動作制御手段た
るpnp形トランジスタ36のエミッタ・コレクタ間が
並列に接続されており、このトランジスタ36のオンオ
フ状態に応じて前記トランジスタ8のベース電流の切換
が行われる。尚、上記トランジスタ36は、演算回路3
1から信号S2 (「H」レベル)が出力されていない状
態ではベース抵抗36aを通じてオンされ、信号S2 が
出力されたときにオフされる。
【0046】このような構成によれば、トランジスタ3
5が電流方向信号Adによりオンされた状態において、
演算回路31から信号S2 が出力されていない場合に
は、トランジスタ36がオンされているから、トランジ
スタ8のベース電流がベース抵抗8bのみを通じて供給
され、そのトランジスタ8は飽和領域でオンされる。ま
た、トランジスタ35のオン状態において、演算回路3
1から信号S2 が出力された場合、つまり電流指令信号
Ai の傾きが比較値N33を越えた場合には、トランジス
タ36がオフされるから、トランジスタ8のベース電流
がベース抵抗8b、8cを通じて供給され、そのトラン
ジスタ8は非飽和領域で動作されるようになる。従っ
て、本実施例によっても前記第1実施例と同様の効果を
奏することができる。
【0047】尚、上記した各実施例では、ステッピング
モータ1をバイポーラ駆動する例について述べたが、ユ
ニポーラ駆動されるステッピングモータを同様に制御す
ることも可能であり、この場合には図4のように構成す
れば良い。
【0048】即ち、本発明の第3実施例を示す図4にお
いて、ステッピングモータが有する4相のモータ巻線3
7〜40は、各一端が主スイッチング素子たるpnp形
トランジスタ41を共通に介して電源42のプラス側に
接続され、各他端が補助スイッチング素子たるnpn形
トランジスタ43〜46を個別に介して電流検出手段た
る抵抗47の一端に接続されており、この抵抗47の他
端は電源42のマイナス側に接続されている。また、前
記トランジスタ41のコレクタと電源42のマイナス側
との間には図示極性の環流ダイオード48が接続され、
各モータ巻線37〜40と並列にスナバ回路37a〜4
0aが接続されている。
【0049】以上のように、本発明は、ステッピングモ
ータの駆動方法及び相数の如何に拘らず適用可能となる
ものである。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば以上の説明によって明ら
かなように、モータ巻線に流れる電流値を電流指令信号
により指令するようにしたステッピングモータの制御装
置において、上記電流指令信号による指令値の減少率が
設定値を越えた状態では、モータ巻線で発生する逆起電
力を環流ダイオードを通じて循環させるための補助スイ
ッチング素子を非飽和領域で動作させる構成としたか
ら、電流指令信号に対するモータ巻線電流の追従性を常
時において良好に保つことができて、回転むらの少ない
安定した回転特性が得られるようになるものであり、ま
た、上記補助スイッチング素子での損失を低く押さえる
ことができてモータ駆動効率の低下を抑制できると共
に、全体の小形化が可能になるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す電気的構成図
【図2】作用説明用の波形図
【図3】本発明の第2実施例を示す要部の電気的構成図
【図4】本発明の第3実施例を示す概略電気的構成図
【図5】従来例を示す電気的構成図
【図6】作用説明用の波形図その1
【図7】作用説明用の波形図その2
【図8】作用説明用に図5から一部抽出した電気的構成
【図9】作用説明用の波形図その3
【図10】作用説明用の波形図その4
【符号の説明】
図中、1はステッピングモータ、2、3はモータ巻線、
4、5は制御回路装置、6、7はトランジスタ(主スイ
ッチング素子)、8、9はトランジスタ(補助スイッチ
ング素子)、10は抵抗(電流検出手段)、11、12
は環流ダイオード、17は信号発生器、19はPWM信
号発生回路(信号発生手段)、21、25はオペアンプ
(動作制御手段)、24は演算回路(演算手段)、28
は微分回路、29は積算回路、30は差動増幅器、31
は演算回路(演算制御手段)、32は微分回路、33は
定数記憶部、34はコンパレータ、36はトランジスタ
(動作制御手段)、37〜40はモータ巻線、41はト
ランジスタ(主スイッチング素子)、43〜46はトラ
ンジスタ(補助スイッチング素子)、47は抵抗(電流
検出手段)、48は環流ダイオードを示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数相のモータ巻線の通電率を制御する
    ための主スイッチング素子と、前記モータ巻線の蓄積電
    力を環流ダイオードを通じた循環電流として流すための
    補助スイッチング素子と、前記モータ巻線に流れる電流
    レベルに応じた検出信号を発生する電流検出手段と、こ
    の電流検出手段からの検出信号と前記モータ巻線に流れ
    る電流値を指令するための電流指令信号との差に基づい
    て前記主スイッチング素子をチョッパ駆動するためのP
    WM信号を出力する信号発生手段とを備えたステッピン
    グモータの制御装置において、前記電流指令信号による
    指令値の減少率を演算する演算手段と、この演算手段に
    より得られる前記指令値の減少率が設定値を越えた状態
    で前記補助スイッチング素子を非飽和領域で動作させる
    動作制御手段を設けたことを特徴とするステッピングモ
    ータの制御装置。
JP20682191A 1991-08-19 1991-08-19 ステツピングモータの制御装置 Pending JPH0556692A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010091160A (ja) * 2008-10-07 2010-04-22 Hitachi Appliances Inc 空気調和機

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010091160A (ja) * 2008-10-07 2010-04-22 Hitachi Appliances Inc 空気調和機

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