JPH0554971B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は水栓を備えた洗面化粧台に関する。

〔従来の技術〕

洗面器や洗濯流し及びキツチンのシンク等には
給水用の単水栓又は給水・給湯用の湯水混合栓等
が設けられ、これら単水栓及び湯水混合栓は、用
途及び据付け位置に応じて最適に使用できるよう
に様々な仕様の製品が製作されている。

たとえば、単水栓であれば、壁から少し突き出
るような一般型のものから、長い吐水管を旋回で
きるようにして吐水位置を自由に変更できるよう
にしたもの等が広く使用されている。また、湯水
混合栓も単水栓と同様に吐水管を旋回できるよう
にし、湯と水の専用のハンドルを備えるタイプや
流量及び温度の設定が同時に行えるシングルレバ
ー式のもの等が一般に利用されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところで、このような水周り製品における共通
の問題点として、狭い空間を如何に有効に活用す
るかという点が挙げられる。

近年の住宅事情の悪さ、特に宅地の不足から、
建築される建物はより狭いものとなりつつあり、
このため、洗面所、浴室、台所等の空間を、使用
勝手を損なうことなく如何に有効活用するかが緊
急の課題となつている。

このような観点から、洗面化粧台に設けられる
水栓は、吐水管を本体周りに旋回させて吐水位置
を変えられるようにしたり、あるいは吐水管を伸
縮自在なものとして、吐水位置を更に広い範囲で
変えるよにうしている。

しかしながら従来の洗面化粧台は、水栓を使用
することきには吐水口を洗面器の上部に位置さ
せ、また不使用のときには吐水口を洗面器の平面
領域から退避させ、洗面器の使用時には水栓が支
障とならないにようにするものであるに過ぎな
い。

したがつて、吐水管を洗面器の平面領域から退
避させた状態、すなわち、洗面器の外部から水栓
を使用することはできず、洗面器の有効活用とい
う目的を充分に達成したものとは言いえない。

本発明は、洗面化粧台におけるかかる問題点を
解消するもので、吐水口を洗面器から退避させた
状態でも水栓を使用可能とし、かかる洗面化粧台
のさらなる有効利用を図ることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の洗面化粧台は、以上の目的を達成する
ために、給水又は給湯源に接続された配管を内嵌
した台座を洗面器の奥側に立ち上げ、該台座の立
ち上がり軸周りに吐水管を旋回可能に設け、前記
吐水管の先端開口部にブツシユを固定すると共
に、同ブツシユの先端部にシールスリーブを螺合
し、更に接続管及び同接続管の先端に設けられた
断熱キヤツプとからなり周面に吐水口を設けた吐
水ヘツドの前記接続管を、前記シールスリーブを
挿通して前記吐水管内に差し込み、前記シールス
リーブの前面を前記断熱キヤツプの受面として前
記吐水ヘツドをその軸線方向へ移動可能且つ軸線
周りに回転可能に接続した水栓を備えたことを特
徴とする。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例により本発明の特徴を
具体的に説明する。

第１図は、本発明の一実施例である洗面化粧台
の斜視図である。

図にいおて、洗面化粧台のキヤビネツトＡの上
にカウンターＢが配置され、その下部に洗面器Ｃ
が組み込まれている。吐水ヘツド７は、洗面器Ｃ
の中央から左に少し偏つた位置にあり、台座１が
カウンターＣを貫通して固定されている。また、
右側には給湯用の湯水混合栓Ｄが配置され、ハン
ドルｄの操作により吐水管２へ水又は湯を供給す
る。

第２図は、第１図に示す洗面化粧台に取付けら
れたスパウトの縦断面図である。

台座１は前記したように、洗面器の近傍のカウ
ンター部分を貫通して固定され、この台座１に吐
水管２が旋回可能に連結されている。台座１は、
下端に逆止弁１ａを備えて湯水混合栓等との間に
配管１ｂが接続されている。そして、内部流路１
ｃを上に向けて形成し、上端部にはフランジ３を
設けている。このフランジ３は、吐水管２の基端
部が嵌まり込む受座３ａを内部流路１ｃと同軸上
に形成し、その外周には雄ネジ３ｂを設けてい
る。雄ネジ３ｂには、吐水管２が挿通するスリー
ブ４が螺合され、更にこのスリーブ４にはカバー
５が一体化されている。

また、受座３ａの内周には吐水管２の周面をシ
ールするＵ字状断面のパツキン６ａが配置され、
その上部には吐水管２の脱落を防ぐ補助パツキン
６ｂがスリーブ４によつて固定保持されている。
この補助パツキン６ｂは、吐水管２の周面に設け
た凹溝２ａに嵌まり込み、その嵌合力によつて吐
水管２を拘束する。

このような吐水管２と台座１との連接構造によ
つて、吐水管２の基端部はその中心周りに旋回可
能である。すなわち、従来の一般の水栓等と同様
に吐水管２はパツキン６ａ及び補助パツキン６ｂ
によつてその周面をシール・拘束されているだけ
なので、これらのパツキン６ａ，６ｂのシール圧
を適正値としておけば、軽い操作力で吐水管２を
回すことができる。

吐水管２は、基端部側が鉛直になる姿勢として
台座１に連結され、図示のように緩やかに屈曲し
て僅かに上向きの傾斜を持つて延びた略Ｌ字形で
ある。そして、先端には吐水位置及び方向を自在
に変えることのできる吐水ヘツド７を備えてい
る。この吐水ヘツド７は、吐水管２の中に二重管
状に入り込む一端開口の接続管８及びその先端に
一体化した断熱キヤツプ９とから構成される。接
続管８が吐水管２の中に入り込んだ開口側の端部
には鍔部８ａが形成され、先端の閉じた側の周壁
には孔を開けてこれに直交する方向に吐水キヤツ
プ１０を嵌め込んでいる。この吐水キヤツプ１０
は、断熱キヤツプ９と接続管８に一体化されるも
ので、ネジ接合によつてこの断熱キヤツプ９に連
結される。また、接続管８の周面に凹部８ｂを設
け、この中にパツキン８ｃを取り付けて断熱キヤ
ツプ９と接続管８との間をシールする。

更に、吐水管２の先端には吐水ヘツド７接続用
のブツシユ１１及びシールスリーブ１２が一体化
される。ブツシユ１１はネジ接合によつて吐水管
２の内部に嵌め込み固定され、シールスリーブ１
２も同様にネジ接合によつてブシツユ１１の先端
側の外周に嵌め込んで固定されている。そして、
シールスリーブ１２の内周にはシールリング１２
ａを設け、これによつて接続管８の外周面をシー
ルしている。

ここで、ブツシユ１１の内径は接続管８の外径
よりも僅かに大きく、接続管８は自在に回転及び
軸線方向の移動が可能である。また、シールスリ
ーブ１２は、シールリング１２ａを設けた部分が
接続管８の外周に緩くフイツトする程度の内径を
持ち、これによつて接続管８の姿勢がぐらつかな
いように支持している。そして、接続管８には、
シールリング１２ａによるシール圧のみが実質的
な外力として作用するような構成とする。

このような接続管８に対するブツシユ１１及び
シールスリーブ１２の支持構造により、接続管８
はシールリング１２ａのシール圧に抗して軸線方
向への移動及び軸線周りの回転が可能となる。つ
まり、図示の状態から鍔部８ａがブシツユ１１の
端部に突き当たる位置まで接続管８は移動でき、
吐水ヘツド７はこの分だけ前側に突き出すことが
できる。また、断熱ヘツド９を指先で持つて回せ
ば接続管８も回転し、吐水キヤツプ１０の向きを
変えることができる。なお、シールスリーブ１２
とブツシユ１１とのネジ接合を緩めるように取り
扱い、接続管８の引出しや回転が軽く行えるよう
にする。そして、吐水するときはネジ接合を締め
れば、水圧によつて接続管８が移動したり回転姿
勢が崩れることもない。

以上のように、吐水ヘツド７は吐水管２の先端
から引き出せると共に吐水キヤツプ１０の姿勢も
変えることができる。このため、吐水管２の旋回
動作による吐水位置の軌跡は線であるのに対し、
吐水ヘツド７の引き出しによつて或る範囲の二次
元的な領域の中で変更できる。また、吐水キヤツ
プ１０の向きにより、吐水位置はこの領域を越え
た範囲まで及ぼすことができる。つまり、図示の
ように吐水キヤツプ１０が真下を向く場合では、
吐水領域は吐水ヘツド７を引き出したときの平面
的な範囲に含まれるが、吐水キヤツプ１０が領域
の外側を向く姿勢であれば水はこの領域よりも外
に放出されるので、吐水領域が拡大することにな
る。

第３図は洗面器Ｃ部分の平面図であり、吐水管
２は前正面へ向けて突き出している。そして、吐
水ヘツド７は洗面器Ｃの真上に位置し、この位置
から矢印方向に旋回させれば、図中の破線の軌跡
を吐水キヤツプ１０が描く。また吐水ヘツド７を
前側に最大量引き出した位置を一点鎖線とすると
き、この引き出しによる吐水領域は図中の一点鎖
線で示す範囲となる。また、第１図のように、吐
水キヤツプ１０が上を向く姿勢とすれば、前記の
ようにこの一点鎖線の吐水領域よりも広い範囲に
水を放出することができる。

更に、第４図は吐水管２を奥側に退避させた場
合を示す平面図である。このように吐水ヘツド７
を含めて吐水管２を奥側へ移動させることによつ
て、洗面器Ｃの上を開放することができ、洗面や
洗髪だけでなく、たとえばバケツ等の容器を使つ
て洗い物等の作業が行える。また、図示のように
吐水キヤツプ１０が洗面器Ｃを向くように横向き
の姿勢を採らせると、吐水管２は洗面器Ｃの外部
にあつても、水を洗面器Ｃに向けて放出できる。
このため、洗面器Ｃの全体を使つて何かの作業を
する場合でも、給水しながら作業できる。

〔発明の効果〕

本発明によつて以下の効果を奏することができ
る。

(1) 吐水管を回転して吐水部をカウンタ上に位置
させ、斜め方向に吐水するようにすれば、洗面
器の外側から洗面器に給水できる。そのため、
水栓を用いての洗髪時や、汚れものの洗濯時に
水栓が邪魔になることがない。

(2) 吐水管を斜め上方に向け吐水すれば、吐水の
軌跡が弧を描くようになる。したがつて、背の
高い花瓶に水をさしたり、バケツのような大型
容器に水を組むことも可能になつた。また、水
栓からの直接吐水で洗顔出来るようになる。

(3) 吐水方向を後方に向ければ、洗面台のバツク
ガードにも直接吐水でき、清掃もし易くなる。

(4) シールスリーブの前面を、吐水ヘツドの断熱
キヤツプの受面としたことにより、接続管が吐
水管にぶつかつて生じる管の変形等による、漏
水や摺動不良が防止できる。

(5) 吐水ヘツドを接続管ブツシユとシールスリー
ブで受けるので、ぐらつくことなく吐水ヘツド
を摺動させることができ、良好な操作性が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の洗面化粧台の一実施例を示す
斜視図、第２図は第１図の洗面化粧台に備えたス
パウトの縦断面図、第３図は第１図に示す洗面化
粧台の洗面器部分の平面図、第４図は吐水管を洗
面器から退避させたときの平面図である。 １……台座、１ａ……逆止弁、１ｂ……配管、
１ｃ……内部流路、２……吐水管、２ａ……凹
溝、３……フランジ、３ａ……受座、３ｂ……雄
ネジ、４……スリーブ、５……カバー、６ａ……
パツキン、６ｂ……補助パツキン、７……吐水ヘ
ツド、８……接続管、８ａ……鍔部、８ｂ……凹
部、８ｃ……パツキン、９……断熱キヤツプ、１
０……吐水キヤツプ、１１……ブシツユ、１２…
…シールスリーブ、１２ａ……シールリング、Ａ
……キヤビネツト、Ｂ……カウンター、Ｃ……洗
面器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 給水又は給湯源に接続された配管１ｂを内嵌
   した台座１を洗面器Ｃの奥側に立ち上げ、該台座
   １の立ち上がり軸周りに吐水管２を旋回可能に設
   け、前記吐水管２の先端開口部にブツシユ１１を
   固定すると共に、同ブツシユ１１の先端部にシー
   ルスリーブ１２を螺合し、更に接続管８及び同接
   続管８の先端に設けられた断熱キヤツプ９とから
   なり周面に吐水口１０を設けた吐水ヘツド７の前
   記接続管８を、前記シールスリーブ１２を挿通し
   て前記吐水管２内に差し込み、前記シールスリー
   ブ１２を前面を前記断熱キヤツプ９の受面として
   前記吐水ヘツド７をその軸線方向へ移動可能且つ
   軸線周りに回転可能に接続した水栓を備えたこと
   を特徴とする洗面化粧台。