JPH0237885Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「考案の目的」 （産業上の利用分野） 本考案は、洗面化粧台等の台上に設置するハン
ドシヤワーに関するものである。

（従来の技術） 近来、第３図に示す如く洗面化粧台にハンドシ
ヤワーが取り付けられたものがある。これは、起
床後やスポーツ後等に手軽に洗髪できるように考
慮されたものであり、ケガ等のため入浴できない
時は非常に便利である。

上記ハンドシヤワーの構成は、シヤワーヘツド
１とホース２と載置台３と湯水混合水栓４とから
なる。前記載置台３は洗面器６ａの上面に立設さ
れており、その形状は洗面台６の手前側へ向かう
ように折曲した立筒管状に形成されている。また
該載置台３の筒内部へ前記シヤワーヘツド１の基
端部１ａ（二点鎖線で示す）が挿し込まれるよう
になつており、該載置台３に対するシヤワーヘツ
ド１の着脱が可能となつている。そして該シヤワ
ーヘツド１の基端部１ｂにはホース２が接続され
ており、該ホース２の他端側が、載置台３及び洗
面器６ａの周辺部を貫通して洗面台６内から湯水
混合水栓４の出湯口（図示省略）に接続されてい
る。一方、図示は省略するが、前記載置台３と湯
水混合水栓４とが一体形成されたものである。

このハンドシヤワーを使用するときは、まず、
シヤワーヘツド１から噴出する混合湯水の湯温及
び水勢を調節する。湯温及び水勢の調節は、混合
水栓４における湯の操作ハンドル４ａ及び水の操
作ハンドル４ｂを適宜操作して行う。そして載置
台３にシヤワーヘツド１を挿し込んだまま、シヤ
ンプー等し、頭髪をゆすぐ時等に載置台３からシ
ヤワーヘツド１を引き出すようにする。

（考案が解決しようとする問題点） シヤワーヘツド１を載置台３から引き出すと、
該シヤワーヘツド１から噴出する湯水がホース２
の周面に付着する。そしてシヤワーヘツド１を載
置台３へ挿し込むと、ホース２に付着した湯水が
そのまま洗面台６の内部へ浸入する。従つて洗面
台６の内部壁面等は、腐蝕したり、カビが生えた
り、害虫が発生したりする。また、上記ハンドシ
ヤワーは、シヤワーヘツド１を引き出すときに、
ホース２が洗面台６内に立設配管された排水管７
等に引つ掛かるという欠点も有していた。

ところで、上記欠点を解消するために、ホース
２を洗面器６ａ上に露出した構造にすればよいと
いう構想は容易に思いつく。しかし、そのような
構造を実現するには重大な問題点があり、ホース
露出型のハンドシヤワーは末だ開発されていな
い。その問題点とは、シヤワーヘツド１を洗面器
６ａへ向けたまま載置保持できないとうことであ
る。なぜならば、洗面台６等における前後方向の
上面スペースは、ハンドシヤワー取付位置から洗
面台６のバツク面（背部立上り面６ｂ）までの距
離が充分に取れない（おおよそ65mm程度しかな
い）からである。つまり、一般にホース２は硬質
な素材によつて形成されているため、曲成すると
きの曲率半径には限度があり、前記の如き狭隘な
上面スペース内には納められない。また、シヤワ
ーヘツド１の外形状は握り易さを設計の基本とし
ているため、湯水の供給構造のみに焦点をあてた
安易な形状変更はできない。のみならず、ホース
２を露出する構造には次の如き条件が付される。
つまり、湯又は水の操作ハンドル４ａ，４ｂを開
放操作すると、湯水の流通圧力によつてホース２
が踊り現象を起こすが、この踊り現象の影響によ
つてシヤワーヘツド１が首振りしないように載置
保持しなければならない。シヤワーヘツド１が首
振りすると、辺りの床面までもが濡らされてしま
うからである。

本考案は上記の如き要請を総て満足させて、台
上にホースを露出させたまま、しかもシヤワーヘ
ツドの首向き方向を所定方向へ固定して載置保持
することを可能とした新規な台上設置型ハンドシ
ヤワーを提供することを目的とする。

「考案の構成」 （問題点を解決するための手段） 本案ハンドシヤワーの要旨とするとおろは、洗
面化粧台等の台上に設置され湯及び／又は水の供
給管と接続されたシヤワーヘツド用の載置台と、
該載置台上に首振りを阻止して着脱自在に載置保
持されるシヤワーヘツドと、前記供給管に通ずる
載置台の外面通口から前記シヤワーヘツドに接続
されたホースとからなり、該ホースの前記シヤワ
ーヘツド側接続端部は該シヤワーヘツドの軸線に
対して回転自在になされていると共に、その回転
方向の全周にわたつて湯及び／又は水の送給が可
能となつていることである。

（作用） シヤワーヘツドは載置台に対してその首振りを
阻止するように載置保持される。従つてシヤワー
ヘツドを載置台に置くだけで、その位置付け（載
置台に対するシヤワーヘツドの首向き方向）が所
定のものとなり、ホースの踊り現象等に対しても
シヤワーヘツドの載置状態が固定されるようにな
つている。また、ホースにおけるシヤワーヘツド
側の接続端部は、該シヤワーヘツドの軸線に対し
て回転自在となつている。しかも、該ホースの接
続端部は、その回転方向の全周にわたつて湯及
び／又は水をシヤワーヘツドへ送給することが可
能となつている。従つて、前記シヤワーヘツドを
載置台に置いたときは、該シヤワーヘツドの首向
き方向に関係なく、前記ホースを洗面台等の側方
へ延出させることができる。勿論、ホースをどの
ような方向へ延出させようとも、湯水混合水栓に
おける操作ハンドルを操作しないかぎりはシヤワ
ーヘツドへの湯及び／又は水の送給が断たれるこ
とはない。また、ホースは台上に露出しているも
のであるから、当然の如く、洗面台の内部に湯水
が浸入することはなく、また洗面台内部の排水管
等にホースが引つ掛かることもない。

（実施例） 以下本考案を、その実施例を示す図面に基づい
て説明すると次の通りである。

第１図は、洗面化粧台に本案ハンドシヤワーが
設置された状況を示す斜視図であり、第２図は本
案ハンドシヤワーを示す側断面図である。第１図
に示すように、本案ハンドシヤワーの構成は、載
置台８とシヤワーヘツド９とホース２と湯の供給
管１０（第２図参照）及び水の供給管（図示省
略）とからなる。そして前記ホース２は洗面器６
ａの上面に露出している。

本実施例に示す載置台８は、湯水混合水栓５に
おける湯の操作ハンドル５ａと水の操作ハンドル
５ｂとの間に一体的に隆起する如く形成されい
る。前記湯水混合水栓５は洗面器６ａ上に設置さ
れており、第２図に示すようにその下面側から湯
の供給管１０及び水の供給管（図示省略）が接続
されるようになつている。またこれら各供給管か
ら湯水混合水栓５内へ流入する湯及び水は、
夫々、給湯室、給水室（図示省略）を経て混合室
５ｃ内へ至り、載置台８の背面に設けられた外面
通口８ｂへ通ずるようになつている。また、前記
混合室５ｃと外面通口８ｂとの間には開閉弁１２
が設けられており、混合室５ｃからの混合湯水を
流通又は停止させるようになつている。つまり、
第１図に示す如き湯水混合水栓５において、湯の
操作ハンドル５ａ及び水の操作ハンドル５ｂを適
宜操作して、シヤワーヘツド９から噴出する湯温
を予め調節しておけば、前記開閉弁１２の開閉ハ
ンドル１５を操作するだけで適温湯を即座に流出
させたり、又は停止させたりすることができる。
また、前記載置台８の外面通口８ｂにはエルボ１
１（図面奥方に向かつて曲折してある）が螺合さ
れており、二点鎖線で示すように該エルボ１１を
介してホース２が接続されるようになつている。
また、該載置台８の上部には、仮想円柱状の嵌入
凹部８ａが穿設形成されいると共に、該嵌入凹部
８ａ内には平面形状が六角形の突起１３が突設さ
れている。また該突起１３の中央部には、後述す
るシヤワーヘツド９の載置保持状態を弾性的に係
止するＯリング１４が嵌着されている。

シヤワーヘツド９は、把手部１６と回転継手部
１７とからなる。

把手部１６は噴水用の分配口１６ａ及び給水用
の軸端部１６ｂを備え、これら両者の位置関係
が、逆形の“く”の字状となるように曲折形成さ
れている。軸端部１６ｂは有底円筒状になされ、
その筒内部は、前記噴水用の分配口１６ａに通ず
る流通路１６ｄとなされている。そして該流通路
１６ｄには、前記軸端部１６ｂの中央部から二方
又は四方に向かう流入孔１６ｃが穿設されてい
る。また該軸端部１６ｂの下端部には平面形状が
六角形で、前記載置台８の突起１３と合致する穴
１６ｅが穿設されている。

回転継手部１７は短い円筒状になされており、
その筒内部に前記把手部１６の軸端部１６ｂが回
転可能に嵌合するようになつている。また該把手
部１６の軸端部１６ｂにはＯリング１８，１８が
嵌着されており、回転継手部１７との嵌合が水密
的に行われるようになつている。そして該回転継
手部１７の筒内面には、前記把手部１６における
軸端部１６ｂの流入孔１６ｃと対応する位置に環
状ポート１７ａが周設されている。また、該回転
継手部１７の外周面には、その内部の環状ポート
１７ａに通じる通口１７ｂが突出されており、該
通口１７ｂによつてホース２と接続されるように
なつている。また、前記把手部１６における軸端
部１６ｂの下端部には、短い筒状をした押具１９
が螺着されており、前記回転継手部１７が把手部
１６から脱落しないようになつている。該押具１
９は、外形寸法及び高さ寸法が前記載置台８の嵌
入凹部８ａに丁度嵌まり込む大きさとなつてい
る。尚、該押具１９を軸端部１６ｂへ取り付ける
構造としては、押具１９の筒面部に管軸方向のス
リツトを形成しておけば、恰も割リングの如く把
手部１６に対して嵌着することもできる。

上記した構成により自明なように、シヤワーヘ
ツド９を載置台８上に置けば、該載置台８に対し
てシヤワーヘツド９の首振りが阻止されるように
なり、ホース２は回転自在のままとなつている。
つまり、シヤワーヘツド９は、把手部１６におけ
る押具１９が載置台８の嵌入凹部８ａ内に挿入さ
れるようになると共に、把手部１６における軸端
部１６ｂの穴１６ｅが載置台８の突起１３に嵌合
するようになる。またホース２は、シヤワーヘツ
ド９における軸端部１６ｂの軸線に対して回転自
在な回転継手部１７を介して接続されているた
め、前記シヤワーヘツド９の首向き固定とは関係
なく、所望の向きに回転できるようになつてい
る。また、シヤワーヘツド９の軸端部１６ｂに穿
設された流入孔１６ｂは、回転継手部１７の環状
ポート１７ａによつて囲まれるようになつている
ため、混合湯水の送給も、前記シヤワーヘツド９
の首向き方向とは関係なく、その全周において送
給可能となつている。なお、前記載置台８の突起
１３に嵌着されているＯリング１４は、該突起１
３と、シヤワーヘツド９の穴１６ｅとの嵌合を隙
間なく整合させるために必要なものである。ま
た、前記載置台８の嵌入凹部８ａ内には、洗面器
６ａ（第１図参照）に向かう水抜き孔８ｂを穿設
しておくことが望ましい。

（別態様の検討） 本案ハンドシヤワーは、洗面化粧台に設置する
ことが限定されるものではなく、例えば浴室の物
置台（配管スペースをカバーして形成されるも
の）等の上面に設置してもよい。この場合につい
ても、ホースの取り扱いが容易であり、洗髪時に
シヤワーヘツドの首向き方向を所定の方向に固定
することができるという多くの利点を有してい
る。また、シヤワーヘツドとホースとの接続構
造、シヤワーヘツドと載置台との結合構造等は、
上記実施例に何等限定されるものではない。そし
て、シヤワーヘツドにおける噴水用の分配口は、
回転ベゼル９ａを回転させることでシヤワーと流
動水とが切り換えられるようにしておくと便利で
ある。なお、第３図に示す如く載置台と湯水混合
水栓とが別体に形成されたものであつても勿論よ
い。但し、この場合は、載置台に接続される供給
管も、湯水混合水栓からシヤワーヘツドへ混合湯
水を送給するものだけとなる。このように、本案
ハンドシヤワーの構成及び形状は、実施の態様に
応じて適宜変更可能である。

「考案の効果」 以上の説明で明らかなように、本考案に係る台
上設置型ハンドシヤワーによれば、従来における
種々の要請を総て満たしたうえで、ホース露出型
とすることが可能となつている。また、ホースに
おけるシヤワーヘツド側の接続端部は、該シヤワ
ーヘツドの軸心に対して回転自在となつている。
従つて頭髪をゆすぐとき等において、シヤワーヘ
ツドに無理な力が作用しない。つまり、従来のハ
ンドシヤワーにおいては、ホースとシヤワーヘツ
ドとが一体的に接続されているために、シヤワー
ヘツドの動きにホースが追従することによつて、
該ホースが自ら曲がろうとしてシヤワーヘツドの
動きに無理な力が働く。しかし、本案シヤワーヘ
ツドでは、ホースにおけるシヤワーヘツド側の接
続端部が、ホースの曲がろうとする力を、シヤワ
ーヘツドに対して緩和、吸収する向きに自然に回
転する。このためシヤワーヘツドをスムーズに使
用することができる等、優れた利点を有してい
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は洗面化粧台に設置された本案ハンドシ
ヤワーを示す斜視図、第２図は本案ハンドシヤワ
ーを示す側断面図、第３図は洗面化粧台に設置さ
れた従来のハンドシヤワーを示す斜視図である。 １……シヤワーヘツド（従来）、２……ホース、
６……洗面台、８……載置台、９……シヤワーヘ
ツド（本案）、１０……供給管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗面化粧台等の台上に設置され湯及び／又は水
   の供給管と接続されたシヤワーヘツド用の載置台
   と、該載置台上に首振りを阻止して着脱自在に載
   置保持されるシヤワーヘツドと、前記供給管に通
   ずる載置台の外面通口から前記シヤワーヘツドに
   接続されたホースとからなり、該ホースの前記シ
   ヤワーヘツド側接続端部は該シヤワーヘツドの軸
   線に対して回転自在になされていると共に、その
   回転方向の全周にわたつて湯及び／又は水の送給
   が可能となつていることを特徴とする台上設置型
   ハンドシヤワー。