JPH0553632U - 走行式便座 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 病人、身障者或いは老人が用便に伴う労力を
軽減できるようにする。 【構成】 便器を跨ぐ程度の幅を有する枠体５を作る。
枠体５の下端部には走行輪１１を備えると共に、その上
面に便座７が装着されている。 【効果】 便座に着座したまま便所まで移動でき、その
まま便器上に移動して用便できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、病人、身障者或いは老人等が用便を楽に済ませることが出来るよう にした走行式便座に関する。

【０００２】

【従来の技術】

洋式便器は便器本体の上端部に腰掛け可能な便座を備える一方、和式便器はこ のような便座を備えておらず便器を跨いだ状態で用便を行うものであるため、病 人、身障者或いは老人等にとって洋式便器の方が便利であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、これら老人等にとっては便座に着座することのみならず、便所 へ到達するまでの歩行が苦痛であることが多い。これに対し、移動用の車椅子を 利用して便所に到達することも考えられるが、車椅子から便座に着座する動作が 煩わしいばかりか、一般家庭内での車椅子による移動も住宅事情を考えると、屋 外一般道路での走行を配慮した車椅子での移動走行は非現実的と言える状況であ る。

【０００４】 本考案は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は用便時における 移動動作および離着動作を省略化することにより、老人等が容易に用便を行うこ とができる走行式便座を提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の走行式便座は、便器を跨ぐ程度の幅で組 まれた枠体の上面に便座を備えると共に、その下端部には走行輪を設けてなるこ とを特徴とする。

【０００６】

【作用】 寝室や居間、或いは病院の病室等にて枠体の便座に着座し、その状態で便所ま で壁等を手で伝いながら走行移動し便器を跨ぐ位置にて停止する。用便が終了す ると、同様に所望の場所に容易に移動することができる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の好適な実施例について図面を参照にして詳細に説明する。図１ に本考案の走行式便座１と従来からの既存の便器３の側面を示す。走行式便座１ は、便器３の幅よりも若干広い幅で該便器３を跨ぐように枠組されたパイプ体等 からなる枠体５と、この枠体５の上端面部に水平状に備えられたＵ状或いはＯ状 の便座７と、枠体５の後端部から僅かに斜め後方へ傾斜立設された背もたれ９と を備えると共に、枠体５の四下端部には回転自在なキャスター１１が装着されて いる。さらに、枠体５の前部には前方に向って水平方向に突設した足載せ板１３ が折り畳み可能に設けられている。この場合、枠体５は、洋式便器３の便座１５ が後方へ撥ね上げた状態でも、そのままの状態でも便器３を跨ぐことができるよ うな幅寸法を有している方がよいことはいうまでもない。

【０００８】 本考案に係る走行式便座１の使用に際しては、寝室や居間、或いは病院の病室 等にて便座７に着座したならば、他の人に便器３を跨ぐまで便座１を走行案内し てもらうか、自分で壁などを伝わって便器３を跨ぐ位置まで走行停止させる。用 便が終了すると、同様に所望の場所に容易に移動することができる。このように 走行式便座１はキャスター１１によって容易に走行する。回転軸を持つキャスタ ーならば方向の転換も円滑である。このようにして、枠体５が便器３を跨ぐよう にしながら便座７を便器３上に移動させ、用便をすることができる。

【０００９】 なお、この考案に係るキャスタ−１１の走行方向への回転を阻止するストッパ を、それぞれのキャスタ−１１或いはいずれかのキャスタ−１１に設ければ用便 時に不用意に走行することを防止することができる。キャスタ−１１は前輪のみ を垂直軸を中心として回転自在としてもよいし、前後輪をこの軸を中心として回 転自在としてもよい。この場合、垂直軸を中心とした回転の有無を切り替えるよ うな機構をそれぞれのキャスタ−１１に付加してもよいことはいうまでもない。 本考案に係る走行式便座と既存の便器３との間にロック装置を付加することによ り用便時の安全性が高まることは勿論である。便座７を枠体５から着脱可能とす れば汚損時に便座７を交換することができる。また、枠体５の前部或いは側部に 手摺を設けることによっても便座１への離着動作が容易となり、枠体５の前部或 いは後部に介添え者が走行時に握る把持棒を設けることが好ましい。

【００１０】

【考案の効果】

以上、詳細に説明したように本考案の走行式便座によれば、便器を跨ぐ程度の 幅で組まれた枠体の下端部に走行輪が設けられているので、目的位置まで自由に 走行移動させることが可能である。また、枠体の上面に便座を備えているので用 便できる状態のまま所定位置に移動し、そのまま目的を達することが出来るので 、病人、身障者或いは老人が容易に用便できることは勿論、看護に従事する人達 にとってもこれらの人を便所へ連れて行くことが容易になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の走行式便座の好適な実施例を示す側面
図である。

【図２】図１の使用時における平面図である。

【符号の説明】 １ 便座 ３ 便器 ５ 枠体 ７ 便座 ９ 背もたれ １１ キャスター １３ 足載せ板 １５ 便座

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 便器を跨ぐ程度の幅で組まれた枠体の上
   面に便座を備えると共に、その下端部には走行輪を設け
   てなることを特徴とする走行式便座。