JPH0553044U - 飽和ポリエステル樹脂発泡絶縁ケーブル - Google Patents

飽和ポリエステル樹脂発泡絶縁ケーブル

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JPH0553044U
JPH0553044U JP106198U JP10619891U JPH0553044U JP H0553044 U JPH0553044 U JP H0553044U JP 106198 U JP106198 U JP 106198U JP 10619891 U JP10619891 U JP 10619891U JP H0553044 U JPH0553044 U JP H0553044U
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JP
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saturated polyester
polyester resin
cable
resin foam
foam
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JP106198U
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English (en)
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昭 株本
聡 小野
正康 伊藤
清 中山
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THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Original Assignee
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
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Abstract

(57)【要約】 【目的】機械的強度が大きく、膜厚の非常に薄い絶縁層
を有し、かつ信号伝送速度の速い飽和ポリエステル樹脂
発泡絶縁ケーブルを提供する。 【構成】ケーブルを構成する導体2上に形成される発泡
絶縁層1として、平均気泡径20μm以下の気泡を含有
し、気泡率が80%以上である飽和ポリエステル樹脂発
泡体を用いる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はコンピュータなどの高速通信ケーブルなどに用いられる飽和ポリエス テル樹脂発泡絶縁ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータに代表される電子機器の発展に伴い、これらの機器に使用 されるケーブルなどに関して、信号伝送速度の高速化またはケーブルの高密度化 が要求されている。信号伝送速度の高速化を達成するためには、ケーブルの絶縁 層として誘電率の小さいフッ素系の樹脂を用い、かつできるだけ誘電率を下げる ために気泡率を高くする必要がある。また、ケーブルの高密度化のためには、絶 縁層の薄膜化も非常に重要である。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
これらの要求を達成するために、例えば特開昭63−250027号公報には 、臨界せん断速度を50sec-1に規定したフッ素樹脂を発泡させながら、それ を導体に被覆する方法が開示されている。この方法では、絶縁層の厚さが0.3 mmで、気泡率が65〜74%という良好な発泡絶縁ケーブルが得られている。
【0004】 しかし、この方法は、発泡剤を含浸させたフッ素樹脂を押し出し機から大気中 (常圧)に押し出す方法を用いているため、最小の気泡径でも100μm程度に なってしまう。絶縁層の厚さが0.3mm程度の場合、厚み方向に気泡が2〜3 個しか存在せず、かつ気泡分散が不均一になるため、非常に変形しやすい。また 、この方法では、樹脂が発泡する際に発泡が3次元的に進行するため、導体と樹 脂との間に隙間が生じたり、発泡によってケーブル全体の寸法が大きく変形する ため、寸法の制御が困難であるという問題が生じる。したがって、この方法によ り気泡径が20μm以下の微細な気泡を含有する発泡絶縁ケーブルを製造するこ とは非常に困難である。
【0005】 一方、特許第1216843号には、延伸によるフッ素樹脂発泡テープの製造 方法が開示されている。
【0006】 しかし、この方法でも、樹脂中に含有される気泡の大きさおよび形状が不均一 なため、テープを導体上に巻回するかまたはラミネートしてケーブルを製造した 後に変形などの問題が生じる。
【0007】 前述したように、信号伝送速度を高速化するためには、通常、発泡樹脂として 誘電率の低いポリエチレン樹脂やフッ素樹脂が使用されている。ただし、誘電率 がフッ素樹脂よりも大きい樹脂であっても、気泡率をより高くすることができれ ば、信号伝送速度の高速化は可能である。さらに、発泡体の機械的強度がフッ素 樹脂の機械的強度よりも大きくなれば、高密度化のための発泡絶縁体の薄膜化に も大きく寄与でき、製造後の変形もほとんどない。
【0008】 本考案は、高速通信用ケーブルの絶縁層として発泡体の機械的強度が優れた飽 和ポリエステル発泡体を用い、さらにその発泡体における気泡率を大きくするこ とにより、機械的強度が大きく、膜厚の非常に薄い絶縁層を有し、かつ信号伝送 速度の速い飽和ポリエステル樹脂発泡絶縁ケーブルを提供することを目的とする 。
【0009】
【課題を解決するための手段と作用】
本考案の飽和ポリエステル樹脂発泡絶縁ケーブルは、導体上に絶縁体として飽 和ポリエステル樹脂発泡体を形成した絶縁ケーブルにおいて、前記飽和ポリエス テル樹脂発泡体が平均気泡径20μm以下の気泡を含有し、その気泡率が80% 以上であることを特徴とするものである。
【0010】 本考案において、平均気泡径を20μm以下と規定したのは、平均気泡径が2 0μm、特に50μmを超えると、機械的強度が低下してケーブルの変形が生じ やすくなるためである。平均気泡径が10〜20μmの発泡体では、未発泡体と 比較しても、機械的強度はあまり低下しない。
【0011】 本考案において、平均気泡径が20μm以下で気泡率が80%以上の飽和ポリ エステル樹脂発泡フィルムを製造するには、例えば米国特許第4,473,66 5号に開示された方法を用いる。この方法は、厚さ0.1〜0.2mmのシート 状またはフィルム状のプラスチックに60kg/cm2 の加圧ガスを含浸させた 後、大気圧に戻して気泡の核を多数生成させ、この状態を保ったままシートまた はフィルムを軟化点(70〜130℃)まで加熱し発泡させるものである。この 方法は、バッチ法で行ってもよいし、連続成形法で行ってもよい。この方法では 、平均気泡径が20μm以下、気泡率が80%で、非常に均一な気泡を含有する 発泡フィルムを得ることができる。
【0012】 本考案の飽和ポリエステル樹脂発泡絶縁ケーブルは、このようにして製造され た飽和ポリエステル樹脂発泡体フィルムを、導体とフィルムとの間に隙間ができ ないように導体上に巻き回すか、導体を挟んで2枚またはそれ以上の枚数のフィ ルムを隙間なく密着させることにより製造することができる。
【0013】 また、本考案の飽和ポリエステル樹脂発泡絶縁ケーブルは、未発泡の飽和ポリ エステルフィルムを、導体とフィルムとの間に隙間ができないように導体上に巻 き回すか、導体を挟んで2枚またはそれ以上の枚数のフィルムを隙間なく密着さ せてケーブルを作製し、次いで米国特許第4,473,665号に開示された方 法により、ガスを含浸させた後に、大気圧に戻して気泡の核を多数生成させ、こ の状態を保ったままケーブルを樹脂の軟化点まで加熱し発泡させることにより製 造することができる。
【0014】 さらに、本考案の飽和ポリエステル樹脂発泡絶縁ケーブルは、押出機などによ り溶融押出しされた飽和ポリエステルを導体に被覆することによりケーブルを作 製し、次いで米国特許第4,473,665号に開示された方法により、ガスを 含浸させた後に、大気圧に戻して気泡の核を多数生成させ、この状態を保ったま まケーブルを樹脂の軟化点まで加熱し発泡させることにより製造することができ る。なお、押出機の途中からガスを注入することにより、溶融飽和ポリエステル 樹脂にガスを含浸させ、このガスを含んだ溶融飽和ポリエステルを導体に被覆す ることによりケーブルを作製し、このケーブルを樹脂の軟化点まで加熱し発泡さ せてもよい。
【0015】 本考案の飽和ポリエステル樹脂発泡絶縁ケーブルは、樹脂の発泡工程と発泡絶 縁層の被覆工程とを分離させた方法を用いて製造されているため、気泡が不均一 に分散したり、発泡樹脂が変形するなどの問題がなく、気泡径が小さく、気泡率 が高い飽和ポリエステル樹脂発泡体フィルムからなる絶縁層を有し、製造後の変 形がなく、しかも比誘電率が低いため信号伝送速度が速い。
【0016】
【実施例】
以下、本考案の実施例を説明する。
【0017】 実施例1 飽和ポリエステル樹脂として厚さ0.2mm、幅10mmのポリエチレンテレ フタレート(ユニチカ製、SAグレード)のフィルムを用い、加圧ガスを含浸さ せた後、大気圧に戻して、フィルムを軟化点まで加熱し発泡させた。このフィル ムの気泡率は87%であり、平均気泡径は14μmであった。
【0018】 図1に示すように、このフィルムからなる発泡絶縁層1を、外径が0.05〜 0.1mmの銅またはアルミニウムなどからなる金属導体線2の周りに、1/3 ラップで隙間なく螺旋状に巻回して発泡絶縁ケーブルを製造した。これをケーブ ル(1)とする。
【0019】 また、図2に示すように、金属導体線2を2mm間隔で平行に複数本並べ、こ れらの上下両面から発泡絶縁層1を隙間なく密着させてフラットケーブル状の発 泡絶縁ケーブルを製造した。これをケーブル(2)とする。
【0020】 実施例2 飽和ポリエステル樹脂としてポリエチレンテレフタレート(ユニチカ製、SA グレード)のペレットを用い、このペレットを押出機にて溶融させ、この溶融樹 脂を発泡絶縁層1として金属導体線2に被覆した。このようにして作製したケー ブルに加圧ガスを含浸させた後、大気圧に戻して、ケーブルを軟化点まで加熱し 発泡させた(図3)。このときの絶縁層の気泡率は82%であり、平均気泡径は 17μmであった。これをケーブル(3)とする。
【0021】 実施例3 飽和ポリエステル樹脂としてポリエチレンテレフタレート(ユニチカ製、SA グレード)のペレットを用い、このペレットを押出機にて溶融させ、押出機の途 中からガスを注入することによりガスを含浸させた後、発泡を抑制しながらガス を含有した溶融樹脂を発泡絶縁層1として金属導体線2に被覆した。このように して作製したケーブルを軟化点まで加熱し発泡させた(図3)。このときの絶縁 層の気泡率は85%であり、平均気泡径は15μmであった。これをケーブル( 4)とする。
【0022】 また、比較のために樹脂発泡体の平均気泡径および気泡率を変化させた発泡絶 縁ケーブルを製造した。
【0023】 表1に平均気泡径とケーブルの常温変形率との関係、表2に気泡率と比誘電率 との関係をそれぞれ示す。なお、表1の常温変形率は、JIS−C3005の加 熱変形試験に従って、試験温度23℃、荷重280g、荷重時間10分で測定し た。また、表2の比誘電率は、JIS−K6161の誘電率測定方法に従って測 定した。
【0024】
【表1】
【表2】
【0025】
【考案の効果】
以上説明したように本考案の飽和ポリエステル樹脂発泡絶縁ケーブルは、製造 後の変形がなく、しかも比誘電率が低いため信号伝送速度が速い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る発泡絶縁ケーブルの斜視図。
【図2】本考案に係る他の発泡絶縁ケーブルの斜視図。
【図3】本考案に係るさらに他の発泡絶縁ケーブルの斜
視図。
【符号の説明】
1…発泡絶縁層、2…金属導体線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 中山 清 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体上に絶縁体として飽和ポリエステル
    樹脂発泡体を形成した絶縁ケーブルにおいて、前記飽和
    ポリエステル樹脂発泡体が平均気泡径20μm以下の気
    泡を含有し、その気泡率が80%以上であることを特徴
    とする飽和ポリエステル樹脂発泡絶縁ケーブル。
JP106198U 1991-12-24 1991-12-24 飽和ポリエステル樹脂発泡絶縁ケーブル Pending JPH0553044U (ja)

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