JPH0553016A - 液晶表示素子用補償板の製造法 - Google Patents
液晶表示素子用補償板の製造法Info
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- JPH0553016A JPH0553016A JP3236789A JP23678991A JPH0553016A JP H0553016 A JPH0553016 A JP H0553016A JP 3236789 A JP3236789 A JP 3236789A JP 23678991 A JP23678991 A JP 23678991A JP H0553016 A JPH0553016 A JP H0553016A
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- polymer
- substrate
- crystal display
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 液晶ディスプレイの着色を解消し、表示を白
黒化するのに有用な液晶表示素子用補償板を提供する。 【構成】 フィラー含有量1.0重量%で、かつラビン
グ処理したプラスチックフィルムである配向基板上に形
成された液晶性高分子よりなる層を、透光性基板上に転
写することにより液晶表示素子用補償板を製造する。 【効果】 本発明により、完全に白黒表示を可能とする
液晶表示素子用補償板が低コストで得られ、しかも該補
償板は軽量であり、さらに透光性基板の選択の幅がきわ
めて広く様々な性能および形態の補償板とすることがで
きる。
黒化するのに有用な液晶表示素子用補償板を提供する。 【構成】 フィラー含有量1.0重量%で、かつラビン
グ処理したプラスチックフィルムである配向基板上に形
成された液晶性高分子よりなる層を、透光性基板上に転
写することにより液晶表示素子用補償板を製造する。 【効果】 本発明により、完全に白黒表示を可能とする
液晶表示素子用補償板が低コストで得られ、しかも該補
償板は軽量であり、さらに透光性基板の選択の幅がきわ
めて広く様々な性能および形態の補償板とすることがで
きる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶ディスプレイの着色
を解消し表示を白黒化するために有用な液晶表示素子用
補償板の製造法に関する。
を解消し表示を白黒化するために有用な液晶表示素子用
補償板の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイは低電圧駆動、軽量、
低コストなどの特徴の故に、ディスプレイ分野において
大きな地位を占めている。たとえば単純マトリクス駆動
方式のスーパーツィステッドネマチック(以下STNと
略す)液晶ディスプレイはマルチプレックス駆動ドット
マトリクス方式で大画面表示が可能で、従来のツイステ
ッドネマチック(TN)型液晶ディスプレイに比べてコ
ントラストが高くまた視野角が広いなどの特徴があるた
め、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサー、各
種データターミナルなど大画面表示を必要とする液晶デ
ィスプレイの分野で広く用いられている。しかしながら
STN方式は、複屈折効果により表示を行うため、黄色
や青の着色が避けられなかった。この着色モードによる
表示は使用する側から好まれないばかりでなく、カラー
化に対応できないという重大な欠点を有する。
低コストなどの特徴の故に、ディスプレイ分野において
大きな地位を占めている。たとえば単純マトリクス駆動
方式のスーパーツィステッドネマチック(以下STNと
略す)液晶ディスプレイはマルチプレックス駆動ドット
マトリクス方式で大画面表示が可能で、従来のツイステ
ッドネマチック(TN)型液晶ディスプレイに比べてコ
ントラストが高くまた視野角が広いなどの特徴があるた
め、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサー、各
種データターミナルなど大画面表示を必要とする液晶デ
ィスプレイの分野で広く用いられている。しかしながら
STN方式は、複屈折効果により表示を行うため、黄色
や青の着色が避けられなかった。この着色モードによる
表示は使用する側から好まれないばかりでなく、カラー
化に対応できないという重大な欠点を有する。
【0003】またアクティブマトリクス駆動方式の代表
例である薄膜トタンジスタ(以下TFTと略す)使用液
晶ディスプレイにおいてもその製造の困難さ以外に、応
答速度の向上、視角特性の向上などを目的としてセルギ
ャップを薄くしようとすると、同じく着色が生じるとい
う重大な欠点が発生する。
例である薄膜トタンジスタ(以下TFTと略す)使用液
晶ディスプレイにおいてもその製造の困難さ以外に、応
答速度の向上、視角特性の向上などを目的としてセルギ
ャップを薄くしようとすると、同じく着色が生じるとい
う重大な欠点が発生する。
【0004】着色モードを白黒モードに変換するため
に、本来の表示用STN液晶セルの上に、同じセルギャ
ップでねじれ角を逆にしたもう一層の補償用液晶セルを
配置することによって補償するいわゆる2層セル方式が
実用化されている。またより簡便な方法として表示用セ
ルに合わせて複屈折特性のみを調節したポリカーボネー
ト延伸フィルムなどの補償用フィルム(位相差フィル
ム)が開発され一部実用化されている。しかしながら2
層セル方式はかなり品位の高い白黒表示を実現できるも
のの、コストが高い、重い、厚いなどの大きな欠点を有
する。一方位相差フィルム補償方式は安い、軽い、薄い
等の長所を持つが、ねじれ構造を持たない一軸延伸フィ
ルムであるために位相差のみの補償で旋光分散の補償が
できず、肝心の補償性能が不十分で疑似白黒表示が得ら
れるにすぎず、コントラストも2層方式に比べるとかな
り低い。
に、本来の表示用STN液晶セルの上に、同じセルギャ
ップでねじれ角を逆にしたもう一層の補償用液晶セルを
配置することによって補償するいわゆる2層セル方式が
実用化されている。またより簡便な方法として表示用セ
ルに合わせて複屈折特性のみを調節したポリカーボネー
ト延伸フィルムなどの補償用フィルム(位相差フィル
ム)が開発され一部実用化されている。しかしながら2
層セル方式はかなり品位の高い白黒表示を実現できるも
のの、コストが高い、重い、厚いなどの大きな欠点を有
する。一方位相差フィルム補償方式は安い、軽い、薄い
等の長所を持つが、ねじれ構造を持たない一軸延伸フィ
ルムであるために位相差のみの補償で旋光分散の補償が
できず、肝心の補償性能が不十分で疑似白黒表示が得ら
れるにすぎず、コントラストも2層方式に比べるとかな
り低い。
【0005】本発明者らはこの両方式の欠点を補うもの
として、ねじれネマチック構造を固定化した高分子液晶
フィルムより成る液晶表示素子用補償板を先に提案し
(特開平3−87720)、さらにこの液晶表示素子用
補償板の製造法として、配向基板上に形成された液晶性
高分子よりなる層を、透光性基板上に転写してなる新規
な方法を提案した(特開平2−166833)。この転
写法よりなる製造法は簡便で大量生産に向いた工業的に
価値の大きな方法であったが、この方法で得られた補償
板は液晶ディスプレイに用いたときコントラストが2層
方式に比べてやや低くなる傾向があった。
として、ねじれネマチック構造を固定化した高分子液晶
フィルムより成る液晶表示素子用補償板を先に提案し
(特開平3−87720)、さらにこの液晶表示素子用
補償板の製造法として、配向基板上に形成された液晶性
高分子よりなる層を、透光性基板上に転写してなる新規
な方法を提案した(特開平2−166833)。この転
写法よりなる製造法は簡便で大量生産に向いた工業的に
価値の大きな方法であったが、この方法で得られた補償
板は液晶ディスプレイに用いたときコントラストが2層
方式に比べてやや低くなる傾向があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは高分子液
晶よりなる補償層を透光性基板上に転写してなる液晶表
示素子用補償板の製造法の前記問題点を解決する手段に
ついて鋭意検討した結果、コントラスト値の変動が配向
基板として用いるプラスチックフィルム中のフィラー含
有量と相関のあることを見出し、ついに本発明を完成し
た。
晶よりなる補償層を透光性基板上に転写してなる液晶表
示素子用補償板の製造法の前記問題点を解決する手段に
ついて鋭意検討した結果、コントラスト値の変動が配向
基板として用いるプラスチックフィルム中のフィラー含
有量と相関のあることを見出し、ついに本発明を完成し
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、配
向基板上に形成された液晶性高分子よりなる層を、透光
性基板に転写してなる液晶表示素子用補償板の製造法に
おいて、該配向基板としてフィラー含有量が1.0重量
%以下で、かつ表面をラビング処理されたプラスチック
フィルムを用いることを特徴とする液晶表示素子用補償
板の製造方法に関する。
向基板上に形成された液晶性高分子よりなる層を、透光
性基板に転写してなる液晶表示素子用補償板の製造法に
おいて、該配向基板としてフィラー含有量が1.0重量
%以下で、かつ表面をラビング処理されたプラスチック
フィルムを用いることを特徴とする液晶表示素子用補償
板の製造方法に関する。
【0008】また、本発明は、かかる液晶性高分子が液
晶状態ではねじれネマチック配向し、液晶転移点以下の
温度ではガラス状態となる液晶性高分子であることを特
徴とする液晶表示素子用補償板の製造方法、前記透光性
基板がプラスチックフィルムであることを特徴とする液
晶表示素子用補償板の製造方法、前記透光性基板が偏光
フィルムであることを特徴とする液晶表示素子用補償板
の製造方法、及び前記透光性基板が液晶表示セルの上面
または/および下面のガラス基板であることを特徴とす
る液晶表示素子用補償板の製造方法に関する。
晶状態ではねじれネマチック配向し、液晶転移点以下の
温度ではガラス状態となる液晶性高分子であることを特
徴とする液晶表示素子用補償板の製造方法、前記透光性
基板がプラスチックフィルムであることを特徴とする液
晶表示素子用補償板の製造方法、前記透光性基板が偏光
フィルムであることを特徴とする液晶表示素子用補償板
の製造方法、及び前記透光性基板が液晶表示セルの上面
または/および下面のガラス基板であることを特徴とす
る液晶表示素子用補償板の製造方法に関する。
【0009】次に本発明の製造法の概略を図1で説明す
る。本発明においてはまず高分子液晶を配向さす能力を
有する配向基板(11)として、フィラー含有量が1.
0重量%以下の表面をラビング処理されたプラスチック
フィルムを用い、その上に高分子液晶を塗布する。次に
所定の温度で熱処理を行い高分子液晶を配向させた後冷
却して配向構造を固定化して補償層(12)を形成させ
る。次にこの補償層の上に接着剤または粘着剤(13)
を介して透光性基板(14)を貼り付ける。次に補償層
を配向基板と補償層との界面で剥離して、補償層を透光
性基板側に転写することにより本発明の液晶表示素子用
補償板(15)を製造することができる。
る。本発明においてはまず高分子液晶を配向さす能力を
有する配向基板(11)として、フィラー含有量が1.
0重量%以下の表面をラビング処理されたプラスチック
フィルムを用い、その上に高分子液晶を塗布する。次に
所定の温度で熱処理を行い高分子液晶を配向させた後冷
却して配向構造を固定化して補償層(12)を形成させ
る。次にこの補償層の上に接着剤または粘着剤(13)
を介して透光性基板(14)を貼り付ける。次に補償層
を配向基板と補償層との界面で剥離して、補償層を透光
性基板側に転写することにより本発明の液晶表示素子用
補償板(15)を製造することができる。
【0010】本発明で用いられる配向性基板は、フィラ
ー含有量が1.0重量%以下の表面をラビング処理され
たプラスチックフィルムが最も好ましい。用いられるプ
ラスチックフィルムの例としては、ポリイミド、ポリエ
ーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエー
テルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリフェニレン
サルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフトエートなどを
挙げることができる。これらの中でもポリイミド、ポリ
エーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等
が特に好ましい。
ー含有量が1.0重量%以下の表面をラビング処理され
たプラスチックフィルムが最も好ましい。用いられるプ
ラスチックフィルムの例としては、ポリイミド、ポリエ
ーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエー
テルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリフェニレン
サルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフトエートなどを
挙げることができる。これらの中でもポリイミド、ポリ
エーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等
が特に好ましい。
【0011】これらのフィルムには通常機械的強度の向
上、帯電防止、ハンドリング性の向上、ブロッキング防
止、あるいは搬送、巻きとり時の走行性の向上などを目
的として、シリカ、カーボン、炭化カルシウムなどに代
表される各種無機フィラーが加えられている。本発明で
用いられる配向用基板としてはこれらの含有フィラー量
が1.0重量%以下、特に0.5重量%以下のフィルム
が好ましい。本発明においては、上で述べたプラスチッ
クフィルムの表面を布でこするいわゆるラビング処理す
ることによって配向基板とするが、その際フィラー量が
1.0%より多いと表面が均一にラビングされない場合
がある。ラビング不均一のフィルムを用いて高分子液晶
を配向させると、液晶の配向に一部欠陥が生じ結果とし
て補償性能を損なうので好ましくない。
上、帯電防止、ハンドリング性の向上、ブロッキング防
止、あるいは搬送、巻きとり時の走行性の向上などを目
的として、シリカ、カーボン、炭化カルシウムなどに代
表される各種無機フィラーが加えられている。本発明で
用いられる配向用基板としてはこれらの含有フィラー量
が1.0重量%以下、特に0.5重量%以下のフィルム
が好ましい。本発明においては、上で述べたプラスチッ
クフィルムの表面を布でこするいわゆるラビング処理す
ることによって配向基板とするが、その際フィラー量が
1.0%より多いと表面が均一にラビングされない場合
がある。ラビング不均一のフィルムを用いて高分子液晶
を配向させると、液晶の配向に一部欠陥が生じ結果とし
て補償性能を損なうので好ましくない。
【0012】これらの配向基板上に液晶性高分子を塗
布、乾燥、熱処理し、均一でモノドメインなねじれネマ
チック構造を形成させたのち冷却して、液晶状態におけ
る配向を損なうことなく固定化することによりまず補償
層を配向基板上に形成する。本発明で用いられる液晶性
高分子は、均一でモノドメインなネマチック配向性を示
しかつその配向状態を容易に固定化できる高分子液晶に
所定量の光学活性化合物を加えた組成物、または均一で
モノドメインなねじれネマチック配向性を示しかつその
配向状態を容易に固定化できる高分子液晶である。
布、乾燥、熱処理し、均一でモノドメインなねじれネマ
チック構造を形成させたのち冷却して、液晶状態におけ
る配向を損なうことなく固定化することによりまず補償
層を配向基板上に形成する。本発明で用いられる液晶性
高分子は、均一でモノドメインなネマチック配向性を示
しかつその配向状態を容易に固定化できる高分子液晶に
所定量の光学活性化合物を加えた組成物、または均一で
モノドメインなねじれネマチック配向性を示しかつその
配向状態を容易に固定化できる高分子液晶である。
【0013】まず前者のネマチック液晶性高分子と光学
活性化合物よりなる組成物について説明すると、ベース
となる均一でモノドメインなネマチック配向性を示しか
つその配向状態を容易に固定化できる高分子液晶は、以
下のような性質を有することが必須である。ネマチック
配向の安定した固定化を行うためには、液晶の相系列で
みた場合、ネマチック相より低温部に結晶相を持たない
ことが重要である。これらの相が存在する場合固定化の
ために冷却するとき必然的にこれらの相を通過すること
になり、結果的に一度得られたネマチック配向が破壊さ
れてしまい、透明性、補償効果共に不満足なものになっ
てしまう。したがって本発明の補償板を作製するために
は、ネマチック相より低温部にガラス相を有する高分子
液晶を用いることが必須である。これらのポリマーに光
学活性化合物を加えることにより、液晶状態ではねじれ
ネマチック配向をし、液晶転移点以下ではガラス相をと
るために、ねじれネマチック構造を容易に固定化でき
る。用いられるポリマーの種類としては、液晶状態でネ
マチック配向し、液晶転移点以下ではガラス状態となる
ものはすべて使用でき、例えばポリエステル、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリエステルイミドなどの主鎖
型液晶ポリマー、あるいはポリアクリレート、ポリメタ
クリレート、ポリマロネート、ポリシロキサンなどの側
鎖型液晶ポリマーなどを例示することができる。なかで
も合成の容易さ、透明性、配向性、ガラス転移点などか
らポリエステルが好ましい。用いられるポリエステルと
してはオルソ置換芳香族単位を構成成分として含むポリ
マーが最も好ましいが、オルソ置換芳香族単位の代わり
にかさ高い置換基を有する芳香族、あるいはフッ素また
は含フッ素置換基を有する芳香族などを構成成分として
含むポリマーもまた使用することができる。本発明で言
うオルソ置換芳香族単位とは、主鎖をなす結合を互いに
オルソ位とする構造単位を意味する。具体的には次に示
すようなカテコール単位、サリチル酸単位、フタル酸単
位およびこれらの基のベンゼン環に置換基を有するもの
などをあげることができる。
活性化合物よりなる組成物について説明すると、ベース
となる均一でモノドメインなネマチック配向性を示しか
つその配向状態を容易に固定化できる高分子液晶は、以
下のような性質を有することが必須である。ネマチック
配向の安定した固定化を行うためには、液晶の相系列で
みた場合、ネマチック相より低温部に結晶相を持たない
ことが重要である。これらの相が存在する場合固定化の
ために冷却するとき必然的にこれらの相を通過すること
になり、結果的に一度得られたネマチック配向が破壊さ
れてしまい、透明性、補償効果共に不満足なものになっ
てしまう。したがって本発明の補償板を作製するために
は、ネマチック相より低温部にガラス相を有する高分子
液晶を用いることが必須である。これらのポリマーに光
学活性化合物を加えることにより、液晶状態ではねじれ
ネマチック配向をし、液晶転移点以下ではガラス相をと
るために、ねじれネマチック構造を容易に固定化でき
る。用いられるポリマーの種類としては、液晶状態でネ
マチック配向し、液晶転移点以下ではガラス状態となる
ものはすべて使用でき、例えばポリエステル、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリエステルイミドなどの主鎖
型液晶ポリマー、あるいはポリアクリレート、ポリメタ
クリレート、ポリマロネート、ポリシロキサンなどの側
鎖型液晶ポリマーなどを例示することができる。なかで
も合成の容易さ、透明性、配向性、ガラス転移点などか
らポリエステルが好ましい。用いられるポリエステルと
してはオルソ置換芳香族単位を構成成分として含むポリ
マーが最も好ましいが、オルソ置換芳香族単位の代わり
にかさ高い置換基を有する芳香族、あるいはフッ素また
は含フッ素置換基を有する芳香族などを構成成分として
含むポリマーもまた使用することができる。本発明で言
うオルソ置換芳香族単位とは、主鎖をなす結合を互いに
オルソ位とする構造単位を意味する。具体的には次に示
すようなカテコール単位、サリチル酸単位、フタル酸単
位およびこれらの基のベンゼン環に置換基を有するもの
などをあげることができる。
【0014】
【化1】
【0015】(Xは水素、Cl,Br等のハロゲン、炭
素数が1から4のアルキル基もしくはアルコキシ基また
はフェニル基を示す。またkは0〜2である。)これら
のなかでも特に好ましい例として次のようなものを例示
することができる。
素数が1から4のアルキル基もしくはアルコキシ基また
はフェニル基を示す。またkは0〜2である。)これら
のなかでも特に好ましい例として次のようなものを例示
することができる。
【0016】
【化2】
【0017】本発明で好ましく用いられるポリエステル
としては、(a)ジオール類より誘導される構造単位
(以下、ジオール成分という)およびジカルボン酸類よ
り誘導される構造単位(以下、ジカルボン酸成分とい
う)および/または(b)一つの単位中にカルボン酸と
水酸基を同時に含むオキシカルボン酸類より誘導される
構造単位(以下、オキシカルボン酸成分という)を構成
成分として含み、好ましくは、前記オルソ置換芳香族単
位を含むポリマーが例示できる。これらのうち、ジオー
ル成分としては次のような芳香族および脂肪族のジオー
ルを挙げることができる。
としては、(a)ジオール類より誘導される構造単位
(以下、ジオール成分という)およびジカルボン酸類よ
り誘導される構造単位(以下、ジカルボン酸成分とい
う)および/または(b)一つの単位中にカルボン酸と
水酸基を同時に含むオキシカルボン酸類より誘導される
構造単位(以下、オキシカルボン酸成分という)を構成
成分として含み、好ましくは、前記オルソ置換芳香族単
位を含むポリマーが例示できる。これらのうち、ジオー
ル成分としては次のような芳香族および脂肪族のジオー
ルを挙げることができる。
【0018】
【化3】
【0019】(Yは水素、Cl,Br等のハロゲン炭素
数1から4のアルキル基もしくはアルコキシまたはフェ
ニル基を示す。lは0〜2である。)
数1から4のアルキル基もしくはアルコキシまたはフェ
ニル基を示す。lは0〜2である。)
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】などが好ましく用いられる(式中、Meは
メチル基、Buはブチル基を示す。)またジカルボン酸
成分としては次のようなものを例示することができる。
メチル基、Buはブチル基を示す。)またジカルボン酸
成分としては次のようなものを例示することができる。
【0023】
【化6】
【0024】(Zは水素、Cl,Br等のハロゲン、炭
素数が1から4のアルキル基もしくはアルコキシ基また
はフェニル基を示す。mは0〜2である。)
素数が1から4のアルキル基もしくはアルコキシ基また
はフェニル基を示す。mは0〜2である。)
【0025】
【化7】
【0026】
【化8】
【0027】オキシカルボン酸成分としては、具体的に
は次のような単位を例示することができる。
は次のような単位を例示することができる。
【0028】
【化9】
【0029】ジカルボン酸とジオールのモル比は、一般
のポリエステルと同様、大略1:1である(オキシカル
ボン酸を用いている場合は、カルボン酸基と水酸基の割
合)、またポリエステル中に占めるオルソ置換芳香族単
位の割合は5モル%から40モル%の範囲が好ましく、
さらに好ましくは10モル%から30モル%の範囲であ
る。5モル%より少ない場合は、ネマチック相の下に結
晶相が現れる傾向があり好ましくない。また40モル%
より多い場合は、ポリマーが液晶性を示さなくなる傾向
があり好ましくない。代表的なポリエステルとしては次
のようなポリマーを例示することができる。
のポリエステルと同様、大略1:1である(オキシカル
ボン酸を用いている場合は、カルボン酸基と水酸基の割
合)、またポリエステル中に占めるオルソ置換芳香族単
位の割合は5モル%から40モル%の範囲が好ましく、
さらに好ましくは10モル%から30モル%の範囲であ
る。5モル%より少ない場合は、ネマチック相の下に結
晶相が現れる傾向があり好ましくない。また40モル%
より多い場合は、ポリマーが液晶性を示さなくなる傾向
があり好ましくない。代表的なポリエステルとしては次
のようなポリマーを例示することができる。
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】
【化12】
【0033】オルソ置換芳香族単位に変えて次に示すよ
うなかさ高い置換基を含む芳香族単位、あるいはフッ素
または含フッ素置換基を含む芳香族単位を構成成分とす
るポリマーもまた好ましく用いられる。
うなかさ高い置換基を含む芳香族単位、あるいはフッ素
または含フッ素置換基を含む芳香族単位を構成成分とす
るポリマーもまた好ましく用いられる。
【0034】
【化13】
【0035】
【化14】
【0036】これらのポリマーの分子量は、各種溶媒中
たとえばフェノール/テトラクロロエタン(60/40
重量比)混合溶媒中、30℃で測定した対数粘度が0.
05から3.0、が好ましく、さらに好ましくは0.0
7から2.0の範囲である。対数粘度が0.05より小
さい場合、得られた高分子液晶の強度が弱くなり好まし
くない。また3.0より大きい場合、液晶形成時の粘性
が高すぎて、配向性の低下や配向に要する時間の増加な
ど問題点が生じる。またこれらポリエステルのガラス転
移点も重要であり、配向固定化した後の配向の安定性に
影響を及ぼす。用途にもよるが、一般的には室温付近で
使用すると考えれば、ガラス転移点が30℃以上である
ことが望ましく、特に50℃以上であることが望まし
い。ガラス転移点が30℃よりも低い場合、室温付近で
使用すると一度固定化した液晶構造が変化する場合があ
り、液晶構造に由来する機能が低下してしまい好ましく
ない。
たとえばフェノール/テトラクロロエタン(60/40
重量比)混合溶媒中、30℃で測定した対数粘度が0.
05から3.0、が好ましく、さらに好ましくは0.0
7から2.0の範囲である。対数粘度が0.05より小
さい場合、得られた高分子液晶の強度が弱くなり好まし
くない。また3.0より大きい場合、液晶形成時の粘性
が高すぎて、配向性の低下や配向に要する時間の増加な
ど問題点が生じる。またこれらポリエステルのガラス転
移点も重要であり、配向固定化した後の配向の安定性に
影響を及ぼす。用途にもよるが、一般的には室温付近で
使用すると考えれば、ガラス転移点が30℃以上である
ことが望ましく、特に50℃以上であることが望まし
い。ガラス転移点が30℃よりも低い場合、室温付近で
使用すると一度固定化した液晶構造が変化する場合があ
り、液晶構造に由来する機能が低下してしまい好ましく
ない。
【0037】これらポリマーの合成法は特に制限される
ものではなく、当該分野で公知の重合法、例えば溶融重
合法あるいは対応するジカルボン酸の酸クロライドを用
いる酸クロライド法で合成される。溶融重合法で合成す
る場合、例えば対応するジカルボン酸と対応するジオー
ルのアセチル化物を、高温、高真空下で重合させること
によって製造でき、分子量は重合時間のコントロールあ
るいは仕込組成のコントロールによって容易に行える。
重合反応を促進させるためには、従来から公知の酢酸ナ
トリウムなどの金属塩を使用することもできる。また溶
液重合法を用いる場合は、所定量のジカルボン酸ジクロ
ライドとジオールとを溶媒に溶解し、ピリジンなどの酸
受容体の存在下に加熱することにより、容易に目的のポ
リエステルを得ることができる。
ものではなく、当該分野で公知の重合法、例えば溶融重
合法あるいは対応するジカルボン酸の酸クロライドを用
いる酸クロライド法で合成される。溶融重合法で合成す
る場合、例えば対応するジカルボン酸と対応するジオー
ルのアセチル化物を、高温、高真空下で重合させること
によって製造でき、分子量は重合時間のコントロールあ
るいは仕込組成のコントロールによって容易に行える。
重合反応を促進させるためには、従来から公知の酢酸ナ
トリウムなどの金属塩を使用することもできる。また溶
液重合法を用いる場合は、所定量のジカルボン酸ジクロ
ライドとジオールとを溶媒に溶解し、ピリジンなどの酸
受容体の存在下に加熱することにより、容易に目的のポ
リエステルを得ることができる。
【0038】これらネマチック液晶性ポリマーにねじれ
を与えるために混合される光学活性化合物について説明
すると、代表的な例としてまず光学活性な低分子化合物
をあげることができる。光学活性を有する化合物であれ
ばいずれも本発明に使用することができるが、ベースポ
リマーとの相溶性の観点から光学活性な液晶性化合物で
あることが望ましい。具体的には次のような化合物を例
示することができる。
を与えるために混合される光学活性化合物について説明
すると、代表的な例としてまず光学活性な低分子化合物
をあげることができる。光学活性を有する化合物であれ
ばいずれも本発明に使用することができるが、ベースポ
リマーとの相溶性の観点から光学活性な液晶性化合物で
あることが望ましい。具体的には次のような化合物を例
示することができる。
【0039】
【化15】
【0040】
【化16】
【0041】本発明で用いられる光学活性化合物とし
て、次に光学活性な高分子化合物をあげることができ
る。分子内に光学活性な基を有する高分子であればいず
れも使用することができるが、ベースポリマーとの相溶
性の観点から液晶性を示す高分子であることが望まし
い。例として光学活性な基を有する液晶性のポリアクリ
レート、ポリメタクリレート、ポリマロネート、ポリシ
ロキサン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエステルア
ミド、ポリカーボネート、あるいはポリペプチド、セル
ロースなどをあげることができる。なかでもベースとな
るネマチック液晶性ポリマーとの相溶性から、芳香族主
体の光学活性なポリエステルが最も好ましい。具体的に
は次のようなポリマーを例示することができる。
て、次に光学活性な高分子化合物をあげることができ
る。分子内に光学活性な基を有する高分子であればいず
れも使用することができるが、ベースポリマーとの相溶
性の観点から液晶性を示す高分子であることが望まし
い。例として光学活性な基を有する液晶性のポリアクリ
レート、ポリメタクリレート、ポリマロネート、ポリシ
ロキサン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエステルア
ミド、ポリカーボネート、あるいはポリペプチド、セル
ロースなどをあげることができる。なかでもベースとな
るネマチック液晶性ポリマーとの相溶性から、芳香族主
体の光学活性なポリエステルが最も好ましい。具体的に
は次のようなポリマーを例示することができる。
【0042】
【化17】
【0043】
【化18】
【0044】
【化19】
【0045】
【化20】
【0046】これらのポリマー中に占める光学活性な基
の割合は通常0.5モル%〜80モル%であり、好まし
くは5モル%〜60モル%が望ましい。また、これらの
ポリマーの分子量は、たとえばフェノール/テトラクロ
ロエタン中、30℃で測定した対数粘度が0.05から
5.0の範囲が好ましい。対数粘度が5.0より大きい
場合は粘性が高すぎて結果的に配向性の低下を招くので
好ましくなく、また0.05より小さい場合は組成のコ
ントロールが難しくなり好ましくない。
の割合は通常0.5モル%〜80モル%であり、好まし
くは5モル%〜60モル%が望ましい。また、これらの
ポリマーの分子量は、たとえばフェノール/テトラクロ
ロエタン中、30℃で測定した対数粘度が0.05から
5.0の範囲が好ましい。対数粘度が5.0より大きい
場合は粘性が高すぎて結果的に配向性の低下を招くので
好ましくなく、また0.05より小さい場合は組成のコ
ントロールが難しくなり好ましくない。
【0047】これらの組成物の調製は、ネマチック液晶
性ポリエステルと光学活性化合物を所定の割合で、固体
混合、溶液混合あるいはメルト混合などの方法によって
行える。組成物中に占める光学活性化合物の割合は、光
学活性化合物中の光学活性な基の比率、あるいはその光
学活性化合物のネマチック液晶にねじれを与えるときの
ねじれ力によって異なるが、一般的には0.1から50
wt%の範囲が好ましく、特に0.5から30wt%の範囲
が好ましい。0.1wt%より少ない場合はネマチック液
晶に十分なねじれを与えることができず、また50wt%
より多い場合は配向性に悪影響をおよぼす。
性ポリエステルと光学活性化合物を所定の割合で、固体
混合、溶液混合あるいはメルト混合などの方法によって
行える。組成物中に占める光学活性化合物の割合は、光
学活性化合物中の光学活性な基の比率、あるいはその光
学活性化合物のネマチック液晶にねじれを与えるときの
ねじれ力によって異なるが、一般的には0.1から50
wt%の範囲が好ましく、特に0.5から30wt%の範囲
が好ましい。0.1wt%より少ない場合はネマチック液
晶に十分なねじれを与えることができず、また50wt%
より多い場合は配向性に悪影響をおよぼす。
【0048】本発明の補償板はまた、他の光学活性化合
物を用いることなく自身で均一でモノドメインなねじれ
ネマチック配向をし、かつその配向状態を容易に固定化
できる高分子液晶を用いることによっても製造できる。
これらのポリマーは主鎖中に光学活性基を有し自身が光
学活性であることが必須であり、具体的には光学活性な
ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエ
ステルイミドなどの主鎖型液晶ポリマー、あるいはポリ
アクリレート、ポリメタクリレート、ポリシロキサンな
どの側鎖型液晶ポリマーなどを例示することができる。
なかでも合成の容易さ、配向性、ガラス転移点などから
ポリエステルが好ましい。用いられるポリエステルとし
てはオルソ置換芳香族単位を構成成分として含むポリマ
ーが最も好ましいが、オルソ置換芳香族単位の代わりに
かさ高い置換基を有する芳香族、あるいはフッ素または
含フッ素置換基を有する芳香族などを構成成分として含
むポリマーもまた使用することができる。これらの光学
活性なポリエステルは、今まで説明してきたネマチック
液晶性ポリエステルに、さらに光学活性なジオール、ジ
カルボン酸、オキシカルボン酸を用いて次に示すような
光学活性基を導入することにより得られる。(式中、*
印は光学活性炭素を示す)
物を用いることなく自身で均一でモノドメインなねじれ
ネマチック配向をし、かつその配向状態を容易に固定化
できる高分子液晶を用いることによっても製造できる。
これらのポリマーは主鎖中に光学活性基を有し自身が光
学活性であることが必須であり、具体的には光学活性な
ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエ
ステルイミドなどの主鎖型液晶ポリマー、あるいはポリ
アクリレート、ポリメタクリレート、ポリシロキサンな
どの側鎖型液晶ポリマーなどを例示することができる。
なかでも合成の容易さ、配向性、ガラス転移点などから
ポリエステルが好ましい。用いられるポリエステルとし
てはオルソ置換芳香族単位を構成成分として含むポリマ
ーが最も好ましいが、オルソ置換芳香族単位の代わりに
かさ高い置換基を有する芳香族、あるいはフッ素または
含フッ素置換基を有する芳香族などを構成成分として含
むポリマーもまた使用することができる。これらの光学
活性なポリエステルは、今まで説明してきたネマチック
液晶性ポリエステルに、さらに光学活性なジオール、ジ
カルボン酸、オキシカルボン酸を用いて次に示すような
光学活性基を導入することにより得られる。(式中、*
印は光学活性炭素を示す)
【0049】
【化21】
【0050】
【化22】
【0051】これら光学活性な基のポリマー中に占める
割合は、0.1から20モル%の範囲が好ましく、特に
0.5から10モル%の範囲が好ましい。光学活性な基
の割合が0.1%より少ない場合は補償板に必要なねじ
れ構造が得られず、また20モル%より多い場合はねじ
れ力が強すぎて補償効果の低下を来し好ましくない。こ
れらのポリマーの分子量は、各種溶媒中たとえばフェノ
ール/テトラクロロエタン(60/40)混合溶媒中、
30℃で測定した対数粘度が0.05から3.0が好ま
しく、さらに好ましくは0.07から2.0の範囲であ
る。対数粘度が0.05より小さい場合、得られた高分
子液晶の強度が弱くなり好ましくない。また3.0より
大きい場合、液晶形成時の粘性が高すぎて、配向性の低
下や配向に要する時間の増加など問題が生じる。これら
ポリエステルのガラス転移点は通常−10℃以上、好ま
しくは0℃以上であることが望ましく、さらに好ましく
は10℃以上であることが望ましい。ガラス転移点が−
10℃より低い場合、一度固定化した液晶構造が変化す
る場合があり、液晶構造に由来する機能が低下してしま
うことがある。
割合は、0.1から20モル%の範囲が好ましく、特に
0.5から10モル%の範囲が好ましい。光学活性な基
の割合が0.1%より少ない場合は補償板に必要なねじ
れ構造が得られず、また20モル%より多い場合はねじ
れ力が強すぎて補償効果の低下を来し好ましくない。こ
れらのポリマーの分子量は、各種溶媒中たとえばフェノ
ール/テトラクロロエタン(60/40)混合溶媒中、
30℃で測定した対数粘度が0.05から3.0が好ま
しく、さらに好ましくは0.07から2.0の範囲であ
る。対数粘度が0.05より小さい場合、得られた高分
子液晶の強度が弱くなり好ましくない。また3.0より
大きい場合、液晶形成時の粘性が高すぎて、配向性の低
下や配向に要する時間の増加など問題が生じる。これら
ポリエステルのガラス転移点は通常−10℃以上、好ま
しくは0℃以上であることが望ましく、さらに好ましく
は10℃以上であることが望ましい。ガラス転移点が−
10℃より低い場合、一度固定化した液晶構造が変化す
る場合があり、液晶構造に由来する機能が低下してしま
うことがある。
【0052】これらのポリマーの重合は前述した溶融重
縮合法、あるいは酸クロイド法を用いることによって行
うことができる。以上述べてきた本発明の液晶性高分子
の代表的な例としては、具体的には、
縮合法、あるいは酸クロイド法を用いることによって行
うことができる。以上述べてきた本発明の液晶性高分子
の代表的な例としては、具体的には、
【0053】
【化23】
【0054】Ch;コレステリル基、で示されるポリマ
ー(m/n=通常99.9/0.1〜80/20、好ま
しくは99.5/0.5〜90/10、さらに好ましく
は99/1〜95/5)
ー(m/n=通常99.9/0.1〜80/20、好ま
しくは99.5/0.5〜90/10、さらに好ましく
は99/1〜95/5)
【0055】
【化24】
【0056】で示されるポリマー(m/n=通常99.
9/0.1〜80/20、好ましくは99.5/0.5
〜90/10、さらに好ましくは99/1〜95/5)
9/0.1〜80/20、好ましくは99.5/0.5
〜90/10、さらに好ましくは99/1〜95/5)
【0057】
【化25】
【0058】で示されるポリマー(m/n=通常99.
9/0.1〜70/30、好ましくは99.5/0.5
〜90/10、さらに好ましくは99/1〜95/5、
p,q;2〜20の整数)
9/0.1〜70/30、好ましくは99.5/0.5
〜90/10、さらに好ましくは99/1〜95/5、
p,q;2〜20の整数)
【0059】
【化26】
【0060】で示されるポリマー(m/n=通常99.
9/0.1〜70/30、好ましくは99.5/0.5
〜90/10、さらに好ましくは99/1〜95/5、
p,q;2〜20の整数)
9/0.1〜70/30、好ましくは99.5/0.5
〜90/10、さらに好ましくは99/1〜95/5、
p,q;2〜20の整数)
【0061】
【化27】
【0062】で示されるポリマー(m/n=通常99.
9/0.1〜80/20、好ましくは99.5/0.5
〜90/10、さらに好ましくは99/1〜95/5)
9/0.1〜80/20、好ましくは99.5/0.5
〜90/10、さらに好ましくは99/1〜95/5)
【0063】
【化28】
【0064】で示されるポリマー(m/n=0.5/9
9.5〜10/90、好ましくは1/99〜5/95)
9.5〜10/90、好ましくは1/99〜5/95)
【0065】
【化29】
【0066】で示されるポリマー(k=l+m+n,k
/n=99.5/0.5〜90/10、好ましくは、9
9/1〜95/5、l/m=5/95〜95/5)
/n=99.5/0.5〜90/10、好ましくは、9
9/1〜95/5、l/m=5/95〜95/5)
【0067】
【化30】
【0068】で示されるポリマー(k=l+m+n,k
/n=99.5/0.5〜90/10、好ましくは、9
9/1〜95/5、l/m=5/95〜95/5)
/n=99.5/0.5〜90/10、好ましくは、9
9/1〜95/5、l/m=5/95〜95/5)
【0069】
【化31】
【0070】で示されるポリマー混合物((A)/
(B)=通常99.9/0.1〜80/20(重量
比)、好ましくは99.5/0.5〜85/5、さらに
好ましくは99/1〜95/5、k=l+m,l/m=
75/25〜25/75、p=q+r,p/q=80/
20〜20/80)
(B)=通常99.9/0.1〜80/20(重量
比)、好ましくは99.5/0.5〜85/5、さらに
好ましくは99/1〜95/5、k=l+m,l/m=
75/25〜25/75、p=q+r,p/q=80/
20〜20/80)
【0071】
【化32】
【0072】(B)コレステリルベンゾエートで示され
るポリマー混合物((A)/(B)=通常99.9/
0.1〜70/30重量比、好ましくは99.5/0.
5〜80/20、好ましくは99/1〜90/10、m
=k+l,k/l=80/20〜20/80)
るポリマー混合物((A)/(B)=通常99.9/
0.1〜70/30重量比、好ましくは99.5/0.
5〜80/20、好ましくは99/1〜90/10、m
=k+l,k/l=80/20〜20/80)
【0073】
【化33】
【0074】で示されるポリマー混合物((A)/
(B)=通常99.9/0.1〜70/30(重量比)
好ましくは99.5/0.5〜80/20、好ましくは
99/1〜90/10、k=l+m,l/m=25/7
5〜75/25、p=q+r,q/r=20/80〜8
0/20)(なお、*印は光学活性炭素を示す)などが
挙げられる。
(B)=通常99.9/0.1〜70/30(重量比)
好ましくは99.5/0.5〜80/20、好ましくは
99/1〜90/10、k=l+m,l/m=25/7
5〜75/25、p=q+r,q/r=20/80〜8
0/20)(なお、*印は光学活性炭素を示す)などが
挙げられる。
【0075】これらのポリマーの分子量は、各種溶媒中
たとえばテトラヒドロフラン、アセトン、シクロヘキサ
ノン、フェノール/テトラクロロエタン(60/40)
混合溶媒などで、30℃で測定した対数粘度が0.05
から3.0、が好ましく、さらに好ましくは0.07か
ら2.0の範囲である。対数粘度が0.05より小さい
場合、得られた高分子液晶の強度が弱くなり好ましくな
い。また3.0より大きい場合、液晶形成時の粘性が高
すぎて、配向性の低下や配向に要する時間の増加など問
題が生じる。
たとえばテトラヒドロフラン、アセトン、シクロヘキサ
ノン、フェノール/テトラクロロエタン(60/40)
混合溶媒などで、30℃で測定した対数粘度が0.05
から3.0、が好ましく、さらに好ましくは0.07か
ら2.0の範囲である。対数粘度が0.05より小さい
場合、得られた高分子液晶の強度が弱くなり好ましくな
い。また3.0より大きい場合、液晶形成時の粘性が高
すぎて、配向性の低下や配向に要する時間の増加など問
題が生じる。
【0076】次に配向基板上に補償層を形成する方法に
ついてさらに詳しく説明する。まず用いる液晶性高分子
の種類に応じて配向基板を選ばねばならない。すなわち
高分子液晶溶液を調整するために用いる溶媒に侵され
ず、熱処理するときの温度に耐えられる配向基板を選ぶ
必要がある。後の転写工程においては補償層をこの配向
基板から剥離するため適度な剥離性を有することが望ま
しい。またコントラストを低下させないためにフィラー
を含まないか、またはフィラー含有量が1.0重量%以
下、好ましくは0.5重量%以下のフィルムを用いるこ
とが望ましい。前述したようにたとえば直接ラビングし
たポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェ
ニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレートのフ
ィルムまたはシートなどがこれらの性質を満足させ好ま
しい。
ついてさらに詳しく説明する。まず用いる液晶性高分子
の種類に応じて配向基板を選ばねばならない。すなわち
高分子液晶溶液を調整するために用いる溶媒に侵され
ず、熱処理するときの温度に耐えられる配向基板を選ぶ
必要がある。後の転写工程においては補償層をこの配向
基板から剥離するため適度な剥離性を有することが望ま
しい。またコントラストを低下させないためにフィラー
を含まないか、またはフィラー含有量が1.0重量%以
下、好ましくは0.5重量%以下のフィルムを用いるこ
とが望ましい。前述したようにたとえば直接ラビングし
たポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェ
ニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレートのフ
ィルムまたはシートなどがこれらの性質を満足させ好ま
しい。
【0077】ネマチック液晶性ポリマーと光学活性化合
物よりなる組成物を用いる場合には、溶液混合の場合を
例にとると、まず両成分を所定の割合で溶媒に溶解し所
定濃度の溶液を調製する。また高分子液晶組成物の代わ
りに自身でねじれネマチック配向性を示す光学活性ポリ
マーを用いる場合は、単独で所定の溶媒に所定濃度で溶
解し溶液を調製する。また高分子液晶組成物の代わりに
自身でねじれネマチック配向性を示す光学活性ポリマー
を用いる場合は、単独で所定の溶媒に所定濃度で溶解し
溶液を調製する。この際の溶媒はポリマーの種類によっ
て異なるが、通常はクロロホルム、ジクロロエタン、テ
トラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロ
エチレン、オルソジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭
化水素、これらとフェノールとの混合溶媒、N−メチル
ピロリドン、ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどを用いる
ことができる。溶液の濃度はポリマーの粘性によって大
きく異なるが、通常は5から50%の範囲で使用され、
好ましくは10から30%の範囲である。この溶液を次
に配向基板上に塗布する。塗布法としては、スピンコー
ト法、ロールコート法、プリント法、カーテンコート
法、浸積引き上げ法などを採用できる。塗布後溶媒を乾
燥により除去し、所定温度で所定時間熱処理してモノド
メインなねじれネマチック配向を完成させる。界面効果
による配向を助ける意味でポリマーの粘性は低いほうが
良く、したがって温度は高いほうが好ましいが、あまり
温度が高いとコストの増大と作業性の悪化を招き好まし
くない。またポリマーの種類によっては、ネマチック相
より高温部に等方相を有するので、この温度域で熱処理
しても配向は得られない。以上のようにそのポリマーの
特性にしたがい、ガラス転移点以上で等方相への転移点
以下の温度で熱処理することが好ましく、一般的には5
0℃から300℃の範囲が好適で、特に100℃から2
50℃の範囲が好適である。配向膜上で液晶状態におい
て十分な配向を得るために必要な時間は、ポリマーの組
成、分子量によって異なり一概にはいえないが、10秒
から100分の範囲が好ましく、特に30秒から60分
の範囲が好ましい。10秒より短い場合は配向が不十分
となり、また100分より長い場合は得られる補償板の
透明性が低下することがある。またポリマーを溶融状態
で、配向基板上に塗布したのち熱処理をすることによっ
ても、同様の配向状態を得ることができる。本発明の高
分子液晶を用いてこれらの処理を行うことによって、ま
ず液晶状態で配向基板上全面にわたって均一なねじれネ
マチック配向を得ることができる。
物よりなる組成物を用いる場合には、溶液混合の場合を
例にとると、まず両成分を所定の割合で溶媒に溶解し所
定濃度の溶液を調製する。また高分子液晶組成物の代わ
りに自身でねじれネマチック配向性を示す光学活性ポリ
マーを用いる場合は、単独で所定の溶媒に所定濃度で溶
解し溶液を調製する。また高分子液晶組成物の代わりに
自身でねじれネマチック配向性を示す光学活性ポリマー
を用いる場合は、単独で所定の溶媒に所定濃度で溶解し
溶液を調製する。この際の溶媒はポリマーの種類によっ
て異なるが、通常はクロロホルム、ジクロロエタン、テ
トラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロ
エチレン、オルソジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭
化水素、これらとフェノールとの混合溶媒、N−メチル
ピロリドン、ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどを用いる
ことができる。溶液の濃度はポリマーの粘性によって大
きく異なるが、通常は5から50%の範囲で使用され、
好ましくは10から30%の範囲である。この溶液を次
に配向基板上に塗布する。塗布法としては、スピンコー
ト法、ロールコート法、プリント法、カーテンコート
法、浸積引き上げ法などを採用できる。塗布後溶媒を乾
燥により除去し、所定温度で所定時間熱処理してモノド
メインなねじれネマチック配向を完成させる。界面効果
による配向を助ける意味でポリマーの粘性は低いほうが
良く、したがって温度は高いほうが好ましいが、あまり
温度が高いとコストの増大と作業性の悪化を招き好まし
くない。またポリマーの種類によっては、ネマチック相
より高温部に等方相を有するので、この温度域で熱処理
しても配向は得られない。以上のようにそのポリマーの
特性にしたがい、ガラス転移点以上で等方相への転移点
以下の温度で熱処理することが好ましく、一般的には5
0℃から300℃の範囲が好適で、特に100℃から2
50℃の範囲が好適である。配向膜上で液晶状態におい
て十分な配向を得るために必要な時間は、ポリマーの組
成、分子量によって異なり一概にはいえないが、10秒
から100分の範囲が好ましく、特に30秒から60分
の範囲が好ましい。10秒より短い場合は配向が不十分
となり、また100分より長い場合は得られる補償板の
透明性が低下することがある。またポリマーを溶融状態
で、配向基板上に塗布したのち熱処理をすることによっ
ても、同様の配向状態を得ることができる。本発明の高
分子液晶を用いてこれらの処理を行うことによって、ま
ず液晶状態で配向基板上全面にわたって均一なねじれネ
マチック配向を得ることができる。
【0078】こうして得られた配向状態を、次に該高分
子液晶のガラス転移点以下の温度に冷却することによっ
て、配向を全く損なわずに固定化できる。一般的に液晶
相より低温部に結晶相を持っているポリマーを用いた場
合、液晶状態における配向は冷却することによって壊れ
てしまう。本発明の方法によれば、液晶相の下にガラス
相を有するポリマー系を使用するためにそのような現象
が生ずることなく、完全にねじれネマチック配向を固定
化することができる。
子液晶のガラス転移点以下の温度に冷却することによっ
て、配向を全く損なわずに固定化できる。一般的に液晶
相より低温部に結晶相を持っているポリマーを用いた場
合、液晶状態における配向は冷却することによって壊れ
てしまう。本発明の方法によれば、液晶相の下にガラス
相を有するポリマー系を使用するためにそのような現象
が生ずることなく、完全にねじれネマチック配向を固定
化することができる。
【0079】冷却速度は特に制限はなく、加熱雰囲気中
からガラス転移点以下の雰囲気中に出すだけで固定化さ
れる。また生産の効率を高めるために、空冷、水冷など
の強制冷却を行っても良い。固定化後の補償層の膜厚は
0.1μmから100μmまでの範囲が好ましく、特に
0.5μmから50μmまでの範囲が好ましい。膜厚が
0.1μmより小さいと、必要なねじれ角およびΔn・
dが得られず、100μmを超えると配向膜の効果も弱
くなり、均一な配向が得られにくくなる。
からガラス転移点以下の雰囲気中に出すだけで固定化さ
れる。また生産の効率を高めるために、空冷、水冷など
の強制冷却を行っても良い。固定化後の補償層の膜厚は
0.1μmから100μmまでの範囲が好ましく、特に
0.5μmから50μmまでの範囲が好ましい。膜厚が
0.1μmより小さいと、必要なねじれ角およびΔn・
dが得られず、100μmを超えると配向膜の効果も弱
くなり、均一な配向が得られにくくなる。
【0080】本発明の補償板が十分な補償効果を発揮
し、品質の高い白黒表示を得るためには、この補償層の
光学パラメータの厳密な制御が重要であり、補償層を構
成する分子が基板と垂直方向にらせん軸を有するらせん
構造をなし、そのねじれ角が70度から300度の範囲
にあり、該液晶性高分子より成る膜の複屈折Δnと膜厚
dの積Δn・dが0.1μmから3.0μmの範囲にあ
ることが必要である。特にTFT用の場合はねじれ角は
70度から150度、Δn・dは1.2から3.0μm
の範囲が好ましく、STN用の場合はねじれ角が150
度から300度、Δn・dが0.1から1.2μmの範
囲が好ましい。ねじれ角およびΔn・dの値がこの範囲
にないときは、目的とする色補償効果が不十分で、満足
できる白黒表示が得られない。補償層を構成する分子が
基板と垂直方向にらせん軸を有するらせん構造をとり、
かつ必要なねじれ角およびΔn・dをもつためには、上
記した配向基板上に前述した量の光学活性化合物をベー
スの高分子液晶にブレンドした組成物、または前述した
比率の光学活性基を分子内に有する高分子液晶を、上記
した方法により配向、固定化し所定の膜厚とすればよ
い。
し、品質の高い白黒表示を得るためには、この補償層の
光学パラメータの厳密な制御が重要であり、補償層を構
成する分子が基板と垂直方向にらせん軸を有するらせん
構造をなし、そのねじれ角が70度から300度の範囲
にあり、該液晶性高分子より成る膜の複屈折Δnと膜厚
dの積Δn・dが0.1μmから3.0μmの範囲にあ
ることが必要である。特にTFT用の場合はねじれ角は
70度から150度、Δn・dは1.2から3.0μm
の範囲が好ましく、STN用の場合はねじれ角が150
度から300度、Δn・dが0.1から1.2μmの範
囲が好ましい。ねじれ角およびΔn・dの値がこの範囲
にないときは、目的とする色補償効果が不十分で、満足
できる白黒表示が得られない。補償層を構成する分子が
基板と垂直方向にらせん軸を有するらせん構造をとり、
かつ必要なねじれ角およびΔn・dをもつためには、上
記した配向基板上に前述した量の光学活性化合物をベー
スの高分子液晶にブレンドした組成物、または前述した
比率の光学活性基を分子内に有する高分子液晶を、上記
した方法により配向、固定化し所定の膜厚とすればよ
い。
【0081】こうして得られた配向基板上の補償層と他
の透光性基板とを、接着剤または粘着剤を用いて貼り付
ける。次に配向基板と補償層の界面で補償層と透光性基
板を剥離し、補償層を透光性基板側に転写して本発明の
液晶表示素子用補償板が製造される。
の透光性基板とを、接着剤または粘着剤を用いて貼り付
ける。次に配向基板と補償層の界面で補償層と透光性基
板を剥離し、補償層を透光性基板側に転写して本発明の
液晶表示素子用補償板が製造される。
【0082】用いられる透光性基板の例としては、透明
性、光学的等方性を有するプラスチックフィルムが挙げ
られる。例えばポリメチルメタクリレート、ポリスチレ
ン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリ
フェニレンサルファイド、ポリアリレート、アモルファ
スポリオレフィン、トリアセチルセルロースあるいはエ
ポキシ樹脂などを用いることができる。なかでもポリメ
チルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエーテル
スルホン、ポリアリレート、アモルファスポリオレフィ
ン、トリアセチルセルロースなどが好ましく用いられ
る。また用いられる透光性基板の別な種類として偏光フ
ィルムを例示することができる。偏光フィルムは液晶デ
ィスプレイに必須な光学素子であり、透光性基板として
偏光フィルムを用いれば補償層と偏光フィルムが一体化
された光学素子とすることができきわめて好都合であ
る。また本発明で用いられる透光性基板の例として液晶
表示セルそのものを挙げることができる。液晶セルは上
下2枚の電極付きガラス基板を用いており、この上下い
ずれかあるいは両面のガラス上に補償層を転写すれば、
表示セルの基板ガラスそのものが補償板となる。
性、光学的等方性を有するプラスチックフィルムが挙げ
られる。例えばポリメチルメタクリレート、ポリスチレ
ン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリ
フェニレンサルファイド、ポリアリレート、アモルファ
スポリオレフィン、トリアセチルセルロースあるいはエ
ポキシ樹脂などを用いることができる。なかでもポリメ
チルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエーテル
スルホン、ポリアリレート、アモルファスポリオレフィ
ン、トリアセチルセルロースなどが好ましく用いられ
る。また用いられる透光性基板の別な種類として偏光フ
ィルムを例示することができる。偏光フィルムは液晶デ
ィスプレイに必須な光学素子であり、透光性基板として
偏光フィルムを用いれば補償層と偏光フィルムが一体化
された光学素子とすることができきわめて好都合であ
る。また本発明で用いられる透光性基板の例として液晶
表示セルそのものを挙げることができる。液晶セルは上
下2枚の電極付きガラス基板を用いており、この上下い
ずれかあるいは両面のガラス上に補償層を転写すれば、
表示セルの基板ガラスそのものが補償板となる。
【0083】透光性基板と補償層を貼りつける接着剤ま
たは粘着剤は光学グレードのものであれば特に制限はな
いが、アクリル系、エポキシ系、エチレン−酢ビ共重合
体系、ゴム系などを用いることができる。
たは粘着剤は光学グレードのものであれば特に制限はな
いが、アクリル系、エポキシ系、エチレン−酢ビ共重合
体系、ゴム系などを用いることができる。
【0084】補償層の透光性基板への転写は接着後配向
基板を補償層との界面で剥離することにより行える。剥
離の方法はロールなどを用いて機械的に剥離する方法、
構成材料すべてに対する貧溶媒に浸積したのち機械的に
剥離する方法、貧溶媒中で超音波を当てて剥離する方
法、配向基板と補償層との熱膨張係数の差を利用して温
度変化を与えて剥離する方法、配向基板そのものまたは
配向基板上の配向膜を溶解除去する方法などを例示する
ことができる。剥離性は用いる高分子液晶と配向基板と
の密着性によって異なるため、その系に最も適した方法
を採用するべきである。
基板を補償層との界面で剥離することにより行える。剥
離の方法はロールなどを用いて機械的に剥離する方法、
構成材料すべてに対する貧溶媒に浸積したのち機械的に
剥離する方法、貧溶媒中で超音波を当てて剥離する方
法、配向基板と補償層との熱膨張係数の差を利用して温
度変化を与えて剥離する方法、配向基板そのものまたは
配向基板上の配向膜を溶解除去する方法などを例示する
ことができる。剥離性は用いる高分子液晶と配向基板と
の密着性によって異なるため、その系に最も適した方法
を採用するべきである。
【0085】この様にして補償層、粘着剤(接着剤)層
および透光性基板の3層構造より成る本発明の液晶表示
素子用補償板が製造される。この補償板は、そのままで
使用しても良いし、表面保護のために透明プラスチック
の保護層を設けてもよい。また偏光フィルムなどの他の
光学素子と組み合わせた形で使用してもよい。
および透光性基板の3層構造より成る本発明の液晶表示
素子用補償板が製造される。この補償板は、そのままで
使用しても良いし、表面保護のために透明プラスチック
の保護層を設けてもよい。また偏光フィルムなどの他の
光学素子と組み合わせた形で使用してもよい。
【0086】以上のように本発明の製造方法によって製
造された液晶表示素子用補償板は完全な白黒表示を可能
にするばかりでなく、コストが安く薄くて軽い。さらに
透光性基板の選択の幅がきわめて広く様々な性能および
形態の補償板とすることができ、STN液晶ディスプレ
イ、TFT液晶ディスプレイなどに応用できる極めて工
業的な価値の大きなものである。
造された液晶表示素子用補償板は完全な白黒表示を可能
にするばかりでなく、コストが安く薄くて軽い。さらに
透光性基板の選択の幅がきわめて広く様々な性能および
形態の補償板とすることができ、STN液晶ディスプレ
イ、TFT液晶ディスプレイなどに応用できる極めて工
業的な価値の大きなものである。
【0087】
【実施例】以下に実施例を述べるが、本発明はこれらに
制限されるものではない。なお実施例で用いた各分析法
は以下の通りである。 (1)ポリマーの組成の決定 ポリマーを重水素化クロロホルムまたは重水素化トリフ
ルオロ酢酸に溶解し、400MHz の 1H−NMR(日本
電子製JNM−GX400)で測定し決定した。 (2)対数粘度の測定 ウベローデ型粘度計を用い、フェノール/テトラクロロ
エタン(60/40重量比)混合溶媒中、30℃で測定
した。 (3)液晶相系列の決定 DSC(DuPont990 Thermal Analizer)測定および光学顕
微鏡(オリンパス光学(株)製BH2偏光顕微鏡)観察
により決定した。 (4)ねじれ角およびΔn・dの決定 ねじれ角は偏光解析法により、またΔn・dはエリプソ
メーターにより測定したデータを解析処理して決定し
た。
制限されるものではない。なお実施例で用いた各分析法
は以下の通りである。 (1)ポリマーの組成の決定 ポリマーを重水素化クロロホルムまたは重水素化トリフ
ルオロ酢酸に溶解し、400MHz の 1H−NMR(日本
電子製JNM−GX400)で測定し決定した。 (2)対数粘度の測定 ウベローデ型粘度計を用い、フェノール/テトラクロロ
エタン(60/40重量比)混合溶媒中、30℃で測定
した。 (3)液晶相系列の決定 DSC(DuPont990 Thermal Analizer)測定および光学顕
微鏡(オリンパス光学(株)製BH2偏光顕微鏡)観察
により決定した。 (4)ねじれ角およびΔn・dの決定 ねじれ角は偏光解析法により、またΔn・dはエリプソ
メーターにより測定したデータを解析処理して決定し
た。
【0088】実施例1 式(1)の光学活性ポリマー(対数粘度0.20)の1
8wt%のトリクロロエタン溶液を調整した。別に15cm
×23cmの大きさで厚さが80μmのフィラーを実質的
に含まないポリエチレンテレフタレートフィルムの表面
を直接ラビング処理して配向基板を作製した。この上に
ポリマー溶液をダイレクトグラビアコート法により塗布
し乾燥したのち、100℃で20分熱処理を行い、次に
冷却固定化して補償層を形成した。この補償層のねじれ
角は−228°,Δn・dは0.83μmであった。こ
の補償層の上に、15cm×23cmの大きさで厚さが12
0μmの粘着剤付きポリエーテルスルフォンフィルムを
貼り付けた。これを−15℃で1時間放置したのち素早
く配向基板と補償層の界面を静かに引き剥がした。こう
して作製した補償板を、図2に示す配置にしたがい1/
200デューティー駆動のねじれ角が230°,Δn・
dは0.87μmのSTN液晶セルの上面に配置し、さ
らにその上に偏光板を貼付けて液晶セルを作製した。こ
の際の上下偏光板の方向、上下電極基板のラビング方
向、補償層の分子の配向方向は図3に示すとうりであ
る。上下偏光板の偏光軸のなす角度は90°、下偏光板
と下電極基板のラビング方向のなす角度は45°、上電
極基板ラビング方向と補償層の上電極基板と接する面の
分子の配向方向とのなす角度は90°、補償層の上偏光
板と接する面の分子の配向方向と上偏光板の透過軸のな
す角度は45°である。この液晶セルの表示色は完全な
白黒であり、コントラスト比は35、輝度は100cd/
m2で、高品位の表示が得られた。
8wt%のトリクロロエタン溶液を調整した。別に15cm
×23cmの大きさで厚さが80μmのフィラーを実質的
に含まないポリエチレンテレフタレートフィルムの表面
を直接ラビング処理して配向基板を作製した。この上に
ポリマー溶液をダイレクトグラビアコート法により塗布
し乾燥したのち、100℃で20分熱処理を行い、次に
冷却固定化して補償層を形成した。この補償層のねじれ
角は−228°,Δn・dは0.83μmであった。こ
の補償層の上に、15cm×23cmの大きさで厚さが12
0μmの粘着剤付きポリエーテルスルフォンフィルムを
貼り付けた。これを−15℃で1時間放置したのち素早
く配向基板と補償層の界面を静かに引き剥がした。こう
して作製した補償板を、図2に示す配置にしたがい1/
200デューティー駆動のねじれ角が230°,Δn・
dは0.87μmのSTN液晶セルの上面に配置し、さ
らにその上に偏光板を貼付けて液晶セルを作製した。こ
の際の上下偏光板の方向、上下電極基板のラビング方
向、補償層の分子の配向方向は図3に示すとうりであ
る。上下偏光板の偏光軸のなす角度は90°、下偏光板
と下電極基板のラビング方向のなす角度は45°、上電
極基板ラビング方向と補償層の上電極基板と接する面の
分子の配向方向とのなす角度は90°、補償層の上偏光
板と接する面の分子の配向方向と上偏光板の透過軸のな
す角度は45°である。この液晶セルの表示色は完全な
白黒であり、コントラスト比は35、輝度は100cd/
m2で、高品位の表示が得られた。
【0089】
【化34】
【0090】比較例1 式(1)の光学活性ポリマーを用い、フィラーを実質的
に含まないポリエチレンテレフタレートフィルムに替え
て、カーボンブラックを5重量%含む黒色で厚さが10
0μmのポリエチレンテレフタレートを使用したほかは
実施例1と同様にしてこのフィルムの上に補償層を作製
した。この補償層の上に、15cm×23cmの大きさで厚
さが120μmの粘着剤付きポリエーテルスルフォンフ
ィルムを貼り付けた。これを−15℃で1時間放置した
のち素早く配向基板と補償層の界面を静かに引き剥がし
た。この補償板の偏光顕微鏡観察を行ったところ全面に
わたって欠陥が多くモノドメインな配向は得られていな
かった。欠陥の出ていない部分のねじれ角は−225
°,Δn・dは0.82μmであった。この補償板の補
償性能を実施例1と同様にして調べた結果、白黒表示は
得られているものの、コントラスト比は20と低く、輝
度も80cd/m2と不十分であった。
に含まないポリエチレンテレフタレートフィルムに替え
て、カーボンブラックを5重量%含む黒色で厚さが10
0μmのポリエチレンテレフタレートを使用したほかは
実施例1と同様にしてこのフィルムの上に補償層を作製
した。この補償層の上に、15cm×23cmの大きさで厚
さが120μmの粘着剤付きポリエーテルスルフォンフ
ィルムを貼り付けた。これを−15℃で1時間放置した
のち素早く配向基板と補償層の界面を静かに引き剥がし
た。この補償板の偏光顕微鏡観察を行ったところ全面に
わたって欠陥が多くモノドメインな配向は得られていな
かった。欠陥の出ていない部分のねじれ角は−225
°,Δn・dは0.82μmであった。この補償板の補
償性能を実施例1と同様にして調べた結果、白黒表示は
得られているものの、コントラスト比は20と低く、輝
度も80cd/m2と不十分であった。
【0091】実施例2 式(2)の光学活性ポリマー(対数粘度0.15,Tg
=84℃)の20wt%N−メチルピロリドン溶液を調整
した。別に15cm×23cmの大きさで厚さが100μm
の表面を直接ラビング処理したフィラーを含まないポリ
エーテルエーテルケトンフィルムを配向基板として用意
した。この基板の上にポリマー溶液をスピンコート法に
より塗布し乾燥したのち、180℃で40分熱処理を行
い、次に冷却固定化して補償層を形成した。この補償層
の上に、15cm×23cmの大きさで厚さが120μmの
粘着剤付きポリカーボネートフィルムを貼り付けた。こ
れを水中に1時間浸積したのち、水中で配向基板と補償
層の界面を静かに引き剥がし乾燥した。この補償板のね
じれ角は−230°,Δn・dは0.83μmであっ
た。この補償板の補償層が液晶セル側になるように図2
の配置でテストセルを組立て、その際の各光学軸は図3
の配置になるようにした。この液晶セルの表示色は完全
な白黒であり、コントラスト比は33、輝度は105cd
/m2で、高品位の表示が得られた。
=84℃)の20wt%N−メチルピロリドン溶液を調整
した。別に15cm×23cmの大きさで厚さが100μm
の表面を直接ラビング処理したフィラーを含まないポリ
エーテルエーテルケトンフィルムを配向基板として用意
した。この基板の上にポリマー溶液をスピンコート法に
より塗布し乾燥したのち、180℃で40分熱処理を行
い、次に冷却固定化して補償層を形成した。この補償層
の上に、15cm×23cmの大きさで厚さが120μmの
粘着剤付きポリカーボネートフィルムを貼り付けた。こ
れを水中に1時間浸積したのち、水中で配向基板と補償
層の界面を静かに引き剥がし乾燥した。この補償板のね
じれ角は−230°,Δn・dは0.83μmであっ
た。この補償板の補償層が液晶セル側になるように図2
の配置でテストセルを組立て、その際の各光学軸は図3
の配置になるようにした。この液晶セルの表示色は完全
な白黒であり、コントラスト比は33、輝度は105cd
/m2で、高品位の表示が得られた。
【0092】
【化35】
【0093】実施例3 (3)式で示した混合ポリマー(ベースポリマーの対数
粘度0.17、光学活性ポリマーの対数粘度0.12)
を含む18wt%のフェノール/テトラクロロエタン(6
0/40重量比)溶液を調製した。この溶液を用いて、
15cm×23cmの大きさで厚さが75μmの表面をラビ
ング処理してあり、フィラーとして炭化カルシウム0.
1重量%含むポリフェニレンサルファイドフィルム上
に、スクリーン印刷機を用いてキャストしたのち乾燥
し、200℃×40分熱処理を行い、次に冷却して固定
化した。この補償層の上にアクリル系接着剤を用いて1
5cm×23cmの大きさで厚さが100μmのポリエーテ
ルスルフォンフィルムを貼り付けた。次にポリフェニレ
ンサルファイドフィルムと補償層の界面をロールを用い
て静かに引き剥がした。この補償板のねじれ角は−23
0°,Δn・dは0.84μmであった。この補償板の
補償層が液晶セル側になるように図2の配置でテストセ
ルを組立て、その際の各光学軸は図3の配置になるよう
にした。この液晶セルの表示色は完全な白黒であり、コ
ントラスト比は35、輝度は100cd/m2で、高品位の
表示が得られた。
粘度0.17、光学活性ポリマーの対数粘度0.12)
を含む18wt%のフェノール/テトラクロロエタン(6
0/40重量比)溶液を調製した。この溶液を用いて、
15cm×23cmの大きさで厚さが75μmの表面をラビ
ング処理してあり、フィラーとして炭化カルシウム0.
1重量%含むポリフェニレンサルファイドフィルム上
に、スクリーン印刷機を用いてキャストしたのち乾燥
し、200℃×40分熱処理を行い、次に冷却して固定
化した。この補償層の上にアクリル系接着剤を用いて1
5cm×23cmの大きさで厚さが100μmのポリエーテ
ルスルフォンフィルムを貼り付けた。次にポリフェニレ
ンサルファイドフィルムと補償層の界面をロールを用い
て静かに引き剥がした。この補償板のねじれ角は−23
0°,Δn・dは0.84μmであった。この補償板の
補償層が液晶セル側になるように図2の配置でテストセ
ルを組立て、その際の各光学軸は図3の配置になるよう
にした。この液晶セルの表示色は完全な白黒であり、コ
ントラスト比は35、輝度は100cd/m2で、高品位の
表示が得られた。
【0094】
【化36】
【0095】実施例4 フィラーとして炭化カルシウム0.3重量%含むポリフ
ェニレンサルファイドフィルムを用いたほかは実施例3
とまったく同様にして補償板を作製した。この補償板の
補償性能を実施例1と同様の方法で調べた。この場合液
晶セルの表示色は完全な白黒で、コントラスト比は3
0、輝度は95cd/m2であり、実施例3よりわずかに低
かったが、十分高品位な表示が得られた。
ェニレンサルファイドフィルムを用いたほかは実施例3
とまったく同様にして補償板を作製した。この補償板の
補償性能を実施例1と同様の方法で調べた。この場合液
晶セルの表示色は完全な白黒で、コントラスト比は3
0、輝度は95cd/m2であり、実施例3よりわずかに低
かったが、十分高品位な表示が得られた。
【0096】比較例2 フィラーとして炭化カルシウム1.2重量%含むポリフ
ェニレンサルファイドフィルムを用いたほかは実施例3
とまったく同様にして補償板を作製した。この補償板の
偏光顕微鏡観察を行ったところ、フィラー含量が多いた
めにラビングが均一になされなかったことが原因と思わ
れる欠陥が多く、モノドメインな配向は得られていなか
った。欠陥の出ていない部分のねじれ角は−228°,
Δn・dは0.83μmであった。この補償板の補償性
能を実施例1と同様にして調べた結果、白黒表示は得ら
れているものの、コントラスト比は19と低く、輝度も
85cd/m2と不十分であった。
ェニレンサルファイドフィルムを用いたほかは実施例3
とまったく同様にして補償板を作製した。この補償板の
偏光顕微鏡観察を行ったところ、フィラー含量が多いた
めにラビングが均一になされなかったことが原因と思わ
れる欠陥が多く、モノドメインな配向は得られていなか
った。欠陥の出ていない部分のねじれ角は−228°,
Δn・dは0.83μmであった。この補償板の補償性
能を実施例1と同様にして調べた結果、白黒表示は得ら
れているものの、コントラスト比は19と低く、輝度も
85cd/m2と不十分であった。
【0097】実施例5 式(4)の混合ポリマー(ベースポリマーの対数粘度
0.20,Tg=61℃、光学活性ポリマーの対数粘度
0.18)の20wt%ジメチルフォルムアミド溶液を調
製した。別に15cm×23cmの大きさで厚さが125μ
mの表面をラビング処理したフィラーを含まぬポリイミ
ドフィルムを配向基板として用意した。この上にポリマ
ー溶液をスピンコート法により塗布し乾燥したのち、1
50℃で20分熱処理を行い、次に冷却固定化して補償
層を形成した。この補償層の上に、15cm×23cmの大
きさで厚さが120μmの粘着剤付きトリアセチルセル
ロースフィルムを貼り付けた。1時間放置した後、配向
基板と補償層の界面をロールを用いて静かに引き剥がし
た。この補償板のねじれ角は−229°,Δn・dは
0.84μmであった。この補償板の補償層が液晶セル
側になるように図2の配置でテストセルを組立て、その
際の各光学軸は図3の配置になるようにした。この液晶
セルの表示色は完全な白黒であり、コントラスト比は3
3、輝度は105cd/m2で、高品位の表示が得られた。
0.20,Tg=61℃、光学活性ポリマーの対数粘度
0.18)の20wt%ジメチルフォルムアミド溶液を調
製した。別に15cm×23cmの大きさで厚さが125μ
mの表面をラビング処理したフィラーを含まぬポリイミ
ドフィルムを配向基板として用意した。この上にポリマ
ー溶液をスピンコート法により塗布し乾燥したのち、1
50℃で20分熱処理を行い、次に冷却固定化して補償
層を形成した。この補償層の上に、15cm×23cmの大
きさで厚さが120μmの粘着剤付きトリアセチルセル
ロースフィルムを貼り付けた。1時間放置した後、配向
基板と補償層の界面をロールを用いて静かに引き剥がし
た。この補償板のねじれ角は−229°,Δn・dは
0.84μmであった。この補償板の補償層が液晶セル
側になるように図2の配置でテストセルを組立て、その
際の各光学軸は図3の配置になるようにした。この液晶
セルの表示色は完全な白黒であり、コントラスト比は3
3、輝度は105cd/m2で、高品位の表示が得られた。
【0098】
【化37】
【0099】実施例6 (3)式で示した混合ポリマー(ベースポリマーの対数
粘度0.17、光学活性ポリマーの対数粘度0.12)
を含む18wt%のフェノール/テトラクロロエタン(6
0/40重量比)溶液を調製した。この溶液を用いて、
15cm×23cmの大きさで厚さが75μmの表面をラビ
ング処理してあり、フィラーとして炭化カルシウム0.
1重量%含むポリフェニレンサルファイドフィルム上
に、スクリーン印刷機を用いてキャストしたのち乾燥
し、200℃×40分熱処理を行い、次に冷却して固定
化した。この補償層の上にアクリル系接着剤を用いて1
5cm×23cmの大きさで厚さが100μmのポリエーテ
ルスルフォンフィルムを貼り付けた。次に実施例1で使
用したSTN液晶セルの上面ガラス上に粘着剤を均一に
塗布した。この粘着剤層の上に先に作製した補償層付き
ポリフェニレンサルファイドフィルムを補償層の面が粘
着剤層と接するようにして貼合わせた。1時間放置後ポ
リフェニレンサルファイドフィルムのみを静かに引き剥
し、補償層を液晶セル上面ガラス上に転写し、さらにそ
の上に偏光フィルムを貼付けた。この際の各光学軸は図
3のように設定した。こうして作製したテストセルの表
示は、完全に無彩色でありきれいな白黒表示が得られ
た。
粘度0.17、光学活性ポリマーの対数粘度0.12)
を含む18wt%のフェノール/テトラクロロエタン(6
0/40重量比)溶液を調製した。この溶液を用いて、
15cm×23cmの大きさで厚さが75μmの表面をラビ
ング処理してあり、フィラーとして炭化カルシウム0.
1重量%含むポリフェニレンサルファイドフィルム上
に、スクリーン印刷機を用いてキャストしたのち乾燥
し、200℃×40分熱処理を行い、次に冷却して固定
化した。この補償層の上にアクリル系接着剤を用いて1
5cm×23cmの大きさで厚さが100μmのポリエーテ
ルスルフォンフィルムを貼り付けた。次に実施例1で使
用したSTN液晶セルの上面ガラス上に粘着剤を均一に
塗布した。この粘着剤層の上に先に作製した補償層付き
ポリフェニレンサルファイドフィルムを補償層の面が粘
着剤層と接するようにして貼合わせた。1時間放置後ポ
リフェニレンサルファイドフィルムのみを静かに引き剥
し、補償層を液晶セル上面ガラス上に転写し、さらにそ
の上に偏光フィルムを貼付けた。この際の各光学軸は図
3のように設定した。こうして作製したテストセルの表
示は、完全に無彩色でありきれいな白黒表示が得られ
た。
【0100】実施例7 (式5)で示した混合ポリマー(ベースポリマーの対数
粘度0.15,Tg=70℃の18wt%テトラクロロエ
タン溶液を調整した。配向基板として10cm×10cmの
大きさの直接ラビングしたフィラーを含まぬポリイミド
フィルムを用い、この溶液をスピンコート法により塗布
した。塗布、乾燥後、150℃で30分熱処理し、冷却
固定化して補償層を形成した。補償層のねじれ角は−9
0度、Δndは0.52μmであった。この補償層の上
に粘着剤付き偏光フィルムを貼合わせた後、ポリイミド
フィルムと補償層の界面を静かに剥離し補償層を偏光フ
ィルム側に転写した。次にねじれ角90度、Δnd0.
56μmのツィステッドネマチック(TN)液晶セルの
上に、補償層がセル側になるようにしてこの補償板を配
置した。この際各光学軸の設定は、液晶セル上電極基板
のラビング方向と補償層の上電極基板に接する面の分子
の配向方向とがなす角度が90度、上下2枚の偏光フィ
ルムのなす角度が90度となるようにした。このテスト
セルの補償効果を調べた結果、補償板を用いないときに
比べて電圧印加時にはるかに完全な黒色が得られた。
粘度0.15,Tg=70℃の18wt%テトラクロロエ
タン溶液を調整した。配向基板として10cm×10cmの
大きさの直接ラビングしたフィラーを含まぬポリイミド
フィルムを用い、この溶液をスピンコート法により塗布
した。塗布、乾燥後、150℃で30分熱処理し、冷却
固定化して補償層を形成した。補償層のねじれ角は−9
0度、Δndは0.52μmであった。この補償層の上
に粘着剤付き偏光フィルムを貼合わせた後、ポリイミド
フィルムと補償層の界面を静かに剥離し補償層を偏光フ
ィルム側に転写した。次にねじれ角90度、Δnd0.
56μmのツィステッドネマチック(TN)液晶セルの
上に、補償層がセル側になるようにしてこの補償板を配
置した。この際各光学軸の設定は、液晶セル上電極基板
のラビング方向と補償層の上電極基板に接する面の分子
の配向方向とがなす角度が90度、上下2枚の偏光フィ
ルムのなす角度が90度となるようにした。このテスト
セルの補償効果を調べた結果、補償板を用いないときに
比べて電圧印加時にはるかに完全な黒色が得られた。
【0101】
【化38】
【0102】
【発明の効果】本発明の液晶表示素子用補償板の製造法
は配向基板としてフィラー量が1.0重量%以下のラビ
ング処理したプラスチックフィルムを用いたために、高
いコントラストの白黒表示が可能となり、TFTタイ
プ、STNタイプなどの各種液晶ディスプレイの高性能
化、軽量化、薄型化および低コスト化にきわめて有用で
ある。
は配向基板としてフィラー量が1.0重量%以下のラビ
ング処理したプラスチックフィルムを用いたために、高
いコントラストの白黒表示が可能となり、TFTタイ
プ、STNタイプなどの各種液晶ディスプレイの高性能
化、軽量化、薄型化および低コスト化にきわめて有用で
ある。
【図1】本発明の液晶表示素子用補償板の製造法を説明
する図である。
する図である。
【図2】本発明の実施例で使用した液晶セルの断面図で
ある。
ある。
【図3】本発明の実施例で用いた液晶セルを構成する材
料の各光学軸の相互の関係を示す。
料の各光学軸の相互の関係を示す。
11 配向基板 12 補償層(高分子液晶層) 13 粘着剤層 14 透光性基板 15 本発明の補償板 21 上偏光板 22 本発明の補償板 23 液晶セル 24 下偏光板 31 下偏光板透過軸 32 上偏光板透過軸 33 下電極基板ラビング方向 34 上電極基板ラビング方向 35 補償層の上電極基板と接している面の分子の配
向方向 36 補償層の上偏光板と接している面の分子の配向
方向 3a 液晶セル分子のねじれ角 3b 補償層の分子のねじれ角 3c 31と33のなす角度 3d 34と35のなす角度 3e 31と32のなす角度 3f 32と36のなす角度
向方向 36 補償層の上偏光板と接している面の分子の配向
方向 3a 液晶セル分子のねじれ角 3b 補償層の分子のねじれ角 3c 31と33のなす角度 3d 34と35のなす角度 3e 31と32のなす角度 3f 32と36のなす角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩崎 岩根 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日本石 油株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 伊藤 宏之 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日本石 油株式会社中央技術研究所内
Claims (5)
- 【請求項1】 配向基板上に形成された液晶性高分子よ
りなる層を、透光性基板上に転写してなる液晶表示素子
用補償板の製造法において、該配向基板がフィラー含有
量が1.0重量%以下で、かつ表面をラビング処理され
たプラスチックフィルムであることを特徴とする液晶表
示素子用補償板の製造方法。 - 【請求項2】 液晶性高分子が液晶状態ではねじれネマ
チック配向し、液晶転移点以下の温度ではガラス状態と
なる液晶性高分子であることを特徴とする請求項第1項
記載の製造法。 - 【請求項3】 透光性基板がプラスチックフィルムであ
ることを特徴とする請求項第1項記載の製造法。 - 【請求項4】 透光性基板が偏光フィルムであることを
特徴とする請求項第1項記載の製造法。 - 【請求項5】 透光性基板が液晶表示セルの上面または
/および下面のガラス基板であることを特徴とする請求
項第1項記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3236789A JPH0553016A (ja) | 1991-08-26 | 1991-08-26 | 液晶表示素子用補償板の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3236789A JPH0553016A (ja) | 1991-08-26 | 1991-08-26 | 液晶表示素子用補償板の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0553016A true JPH0553016A (ja) | 1993-03-05 |
Family
ID=17005822
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3236789A Pending JPH0553016A (ja) | 1991-08-26 | 1991-08-26 | 液晶表示素子用補償板の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0553016A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5601884A (en) * | 1994-04-22 | 1997-02-11 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Retardation film and production thereof |
CN100343737C (zh) * | 2003-01-23 | 2007-10-17 | 新日本石油株式会社 | 光学层叠体的制造方法和液晶显示装置 |
US7522238B2 (en) | 2004-04-26 | 2009-04-21 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Laminate polarizing plate, a method of producing the same and a liquid crystal display |
-
1991
- 1991-08-26 JP JP3236789A patent/JPH0553016A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5601884A (en) * | 1994-04-22 | 1997-02-11 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Retardation film and production thereof |
CN100343737C (zh) * | 2003-01-23 | 2007-10-17 | 新日本石油株式会社 | 光学层叠体的制造方法和液晶显示装置 |
US7522238B2 (en) | 2004-04-26 | 2009-04-21 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Laminate polarizing plate, a method of producing the same and a liquid crystal display |
US7920230B2 (en) | 2004-04-26 | 2011-04-05 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Laminate polarizing plate, a method of producing the same and a liquid crystal display |
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