JPH0552349U - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

Info

Publication number
JPH0552349U
JPH0552349U JP11175391U JP11175391U JPH0552349U JP H0552349 U JPH0552349 U JP H0552349U JP 11175391 U JP11175391 U JP 11175391U JP 11175391 U JP11175391 U JP 11175391U JP H0552349 U JPH0552349 U JP H0552349U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peripheral part
lubricant
outer peripheral
inner peripheral
reservoir space
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11175391U
Other languages
English (en)
Inventor
藤井  健次
康宏 清水
好美 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp filed Critical NTN Corp
Priority to JP11175391U priority Critical patent/JPH0552349U/ja
Publication of JPH0552349U publication Critical patent/JPH0552349U/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 グリース潤滑の軸受、特に工作機械など、広
範囲の回転数で使用される軸受に関する。溜まり部に封
入した潤滑剤を運転に伴って微量ずつ供給できて、潤滑
寿命の向上が図れ、かつ高速回転時に潤滑不足が生じな
いようにする。 【構成】 潤滑剤溜め空間7を内部に設けた内輪間座4
を、互いに締まり嵌めした内周部品4aおよび外周部品
4bで形成する。両部品4a、4bの嵌合面9は、潤滑
剤溜め空間7から転動体5の転走経路12付近に開通す
る潤滑剤流出路11の一部となる。外周部品4bは内周
部品4aに比べて、材料の比重γとヤング率Eとの比E
/γが小さな材質とする。潤滑剤溜め空間7の潤滑剤
は、嵌合面9から毛細管現象で滲み出し、さらに遠心力
で外径方向に流れる。高速回転時には、内周部品4aと
外周部品4bとの嵌合面9の隙間が、これらの部品に作
用する遠心力により、両部品4a,4bの前記の比E/
γの差によって広がり、そのため潤滑剤の供給量が増え
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、グリース潤滑の軸受、特に工作機械の主軸用軸受等のように、低 温度上昇で高速回転の部位に適する転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
グリース潤滑では、一般に軸受内部、すなわち転動体,内外輪,保持器等の各 部品間の隙間にグリースを封入して使用する。
【0003】 この場合、各部品間に保持されるグリースの量が少量であると、軸受の潤滑寿 命が短くなる。封入するグリース量をある程度多くすることは可能であるが、多 量のグリースを前記の部品間に封入した場合、運転初期においてグリースの攪拌 抵抗による発熱が大きくなるうえ、余分なグリースの排出やなじみを良くするた めの慣らし運転に要する時間が長くなるという問題点がある。また、封入するグ リース量を多くしておいても、回転中の遠心力によってグリース保持量は少なく なるため、このことからもグリース寿命を向上させることは困難である。 特に、工作機械に使用するような場合、軸受における発熱は加工精度に影響す るため、極力低下させる必要があり、しかも耐久性の向上も望まれる。
【0004】 このような問題点を解消したものとして、本出願人は、グリース等の潤滑剤を 内輪間座内に設けた溜まり部に封入して軸受の潤滑寿命を長くするものを提案し た(実願平3−49662号、実願平3−77609号)。これらの提案のもの では、嵌合面の面粗さの凹凸によって生じる微小隙間や、嵌合面に形成した微小 なスリットを潤滑剤流出路としており、溜まり部から転走面付近への潤滑剤の流 出は、潤滑剤流出路の微小隙間または微小スリットによる毛細管現象や、回転に よる遠心力を利用して行われる。 そのため、流出量の絞り効果が大きく、高速回転時においても潤滑剤を極微量 ずつ供給することができた。流出量の調整は、面粗さや、微小スリットの大きさ ,個数等で調整される。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかし反面、絞り効果が大きすぎるために、軸受回転数が広い範囲で使用され る工作機械主軸用の軸受等では、高速回転時に潤滑油供給量が不足することが懸 念される。軸受の潤滑油量は、回転数の増加に従って多く必要となるため、回転 数に応じて供給量が調節されることが望ましい。
【0006】 この考案の目的は、溜まり部に封入した潤滑剤を運転に伴って微量ずつ供給で きて、潤滑寿命の向上が図れ、かつ広い回転数範囲で使用する場合においても、 高速時に潤滑油の供給不足となることのない転がり軸受を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この考案の転がり軸受は、潤滑剤溜め空間を内部に設けた内輪間座を、互いに 内外に嵌合する内周部品および外周部品で形成し、前記外周部品を内周部品に比 べて、材料に比重γとヤング率Eとの比E/γが小さな材質としたものである。 内周部品と外周部品との嵌合面は、潤滑剤溜め空間から転動体の転走路付近に開 通する潤滑剤流出路の一部となる。
【0008】
【作用】
この構成によると、潤滑剤溜め空間内の潤滑剤またはその成分は、内輪間座の 内周部品と外周部品との嵌合面を通って、毛細管現象や内輪間座の回転に伴う遠 心力で転動体付近に補給される。したがって、少量ずつ長期間にわたって補給が 行われる。
【0009】 高速回転時において、内輪間座の内周部品および外周部品は、いずれも遠心力 によって弾性的に僅かに膨張するが、外周部品の方が材料の比重γとヤング率E との比E/γが小さな材質であるため、遠心力に伴う膨張量は外周部品の方が内 周部品よりも大きい。そのため、回転が高速になるに従って、内周部品と外周部 品との嵌合面の隙間が大きくなり、これによって潤滑剤の供給量が増える。
【0010】
【実施例】
この考案の一実施例を図1および図2に基づいて説明する。この実施例は、内 輪回転型の複列アンギュラ玉軸受に適用した例である。
【0011】 この複列軸受は、各列の軸受1,1の内輪2を個別に設け、外輪3を共用した ものであり、両内輪2,2間に内輪間座4が設けられる。転動体5は球状のもの であり、保持器6のポケットで保持される。内輪2は回転軸(図示せず)に固定 され、外輪3は静止部材であるハウジングに固定される。
【0012】 内輪間座4は、内外に嵌合させた内周部品4aと外周部品4bとの2部品から なり、内周部品4aの外径面に設けた円周溝と外周部品4bとの間で、潤滑剤溜 め空間7が形成される。内周部品4aの内径面には、潤滑剤溜め空間7に貫通し た負圧防止用の貫通孔8が設けてある。この孔8は必ずしも設けなくても良い。
【0013】 内周部品4aと外周部品4bとは締まり嵌め状態とするが、その嵌合面9に、 加工仕上げの面粗さ(例えば0.2〜10μm)による凹凸のために微小隙間が 形成される。外周部品4bは内周部品4aに比べて、材料の比重γとヤング率E との比E/γが小さな材質のものとする。
【0014】 図2に示すように、内輪間座4の外周部品4bの側端面と内輪2との間には、 わずかな幅dのスリット10が全周または部分的に設けられる。このスリット1 0と、前記嵌合面9とで、潤滑剤溜め空間7から転動体5の転走経路12に開通 する潤滑剤流出路11が構成される。
【0015】 軸受組立時において、転走経路12には潤滑剤の封入を行うが、一般に封入さ れるよりも少量とし、潤滑剤溜め空間7に可能なだけ潤滑剤を封入する。潤滑剤 溜め空間7に封入する潤滑剤としては、一般の半固体または固体状のグリースの 他に、液体状グリースや、含油樹脂、潤滑油を含ませた織布やフェルト等を使用 することができる。
【0016】 この構成によると、潤滑剤溜め空間7に封入された潤滑剤またはその成分は、 内輪間座4の内外部品4a,4bの嵌合面9から、毛細管現象で軸方向両側へ滲 み出す。この内輪間座4の側端面に滲み出た潤滑剤またはその成分は、内輪間座 4の回転に伴う遠心力により外径方向に流れ、転走経路12の軌道面に供給され る。潤滑剤が半固体状のグリースである場合は、主にグリース基油が増稠剤から 分離して流出する。
【0017】 この軸受は、このように潤滑剤溜め空間7に封入した潤滑剤またはその成分が 少量ずつ補給されるので、潤滑寿命が向上する。また、そのため転走経路12や 、転動体5、保持器6などの部品間に封入する潤滑剤量を少なくして少量潤滑に でき、したがって攪拌抵抗による発熱が低下すると共に、なじみを良くするため の慣らし運転所要時間が短縮される。
【0018】 高速回転で使用される場合、内輪間座4の内周部品4aおよび外周部品4bは いずれも遠心力によって僅かに膨張するが、外周部品4bの方が材料の比重γと ヤング率Eとの比E/γが小さな材質であるため、遠心力による膨張量は外周部 品4bの方が内周部品4aよりも大きい。そのため、回転中における内周部品4 aと外周部品4bとの実効締め代は、回転が高速になるに従って減少し、これに 伴って潤滑剤の供給量が増える。このように、回転速度に応じて潤滑剤供給量が 調節されるため、広い回転数範囲で使用される工作機械主軸用の軸受においても 、高速回転時に潤滑不足となることなく、常に適量の潤滑剤供給が行える。
【0019】 図3および図4は他の実施例を示す。この例は、嵌合面9に微小溝9aを形成 したものである。この微小溝9aは、内周部品4aと外周部品4bの何れに設け ても良いが、この実施例では図4に斜線で示すように内周部品4aに設けてある 。微小溝9aは、内周部品4aの厚肉部分の全長にわたって軸方向に設けられ、 かつ周方向複数箇所に設けられている。微小溝9aの深さは、回転が止まってい る場合に潤滑剤が自らの表面張力により流れ出すことなく保持される程度の深さ であり、0.1mm以下が好ましい。例えば、0.03〜0.05mm程度の溝深さ に形成される。溝幅は、例えば0.2mm程度に形成される。微小溝9aの加工は 、エッチングまたは転造等により行われる。その他の構成は前記実施例と同様で ある。
【0020】 このように嵌合面9に微小溝9aを形成した場合は、嵌合面の面粗さによる隙 間を流路とする場合に比べて、潤滑剤またはその成分が、毛細管現象により微小 溝9aの全体に容易に満たされた状態になる。そのため、回転速度が遅い場合で も潤滑剤の滲み出しが容易となって、低速回転で使用する場合の潤滑性が向上す る。また、この実施例の場合も、外周部品4bを内周部品4aに比べて、材料の 比重γとヤング率Eとの比E/γが小さな材質としてあるため、高速回転時に遠 心力による膨張によって嵌合面9の締め代が小さくなり、潤滑剤供給量の増加が 行われる。
【0021】 なお、前記各実施例において、外周部品4bと内周部品4aとにつき、材料の 比重γとヤング率Eとの比E/γを前記の関係とするとともに、外周部品4bを 内周部品4aに比べて線膨張係数の大きな材質のものとしても良い。 このように構成した場合、回転数が高速になること以外の要因で潤滑剤不足が 生じた場合においても、潤滑剤供給量の調整が行われる。すなわち、転走経路1 2における潤滑油量が不足したときは、不足量が僅かであっても軸受温度が上昇 するが、内輪間座4の外周部品4bの線膨張係数が内周部品4aよりも大きいた めに、温度上昇に伴って嵌合面9の締め代が減少する。そのため、潤滑剤の供給 量が増えて潤滑不足が解消され、潤滑不足による焼付きが防止される。
【0022】 また、前記各実施例は、いずれも潤滑剤溜め空間7を環状に形成したが、潤滑 剤溜め空間7は周方向の複数箇所に分割して形成しても良い。また、この考案は 、複列のアンギュラ玉軸受に限らず、単列のアンギュラ玉軸受や、その他の転が り軸受一般に適用できる。
【0023】
【考案の効果】
この考案の転がり軸受は、内部に潤滑剤溜め空間を有する内輪間座を設け、こ の内輪間座を互いに嵌合する内周部品と外周部品とで構成してその嵌合面を潤滑 剤流出路としたため、潤滑剤溜め空間に封入した潤滑剤またはその成分が、毛細 管現象や内輪間座の回転に伴う遠心力により転動体付近に補給される。そのため 、少量ずつ長時間に渡って潤滑剤の補給が行われ、優れた潤滑耐久性が得られる 。 しかも、外周部品を内周部品に比べて、材料の比重γとヤング率Eとの比E/ γが小さな材質としたため、これら内外部品に作用する遠心力のために、回転が 高速になるに従って、潤滑剤流出路となる嵌合面の隙間が大きくなり、潤滑剤供 給量が増える。そのため、高速回転時の潤滑不足が防止される。
【提出日】平成4年7月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】 軸受組立時において、転走経路12には潤滑剤の封入を行 うが、一般に封入されるよりも少量とし、潤滑剤溜め空間7に可能なだけ潤滑剤 を封入する。潤滑剤溜め空間7に封入する潤滑剤としては、一般の半固体または 固体状のグリースの他に、液体状グリースや、プラスチックグリース、含油樹脂 、潤滑油を含ませた織布やフェルト等を使用することができる。プラスチックグ リースは、超高分子量ポリエチレンまたは低分子量ポリエチレン等の樹脂とグリ ースとの混合物を加熱溶融させて冷却により固形化した組成物であり、油が徐々 に滲み出すものが開発されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施例の部分断面図である。
【図2】その部分拡大図である。
【図3】この考案の他の実施例の部分断面図である。
【図4】その内輪間座の内周部品の斜視図である。
【符号の説明】
2…内輪、3…外輪、4…内輪間座、4a…内周部品、
4b…外周部品、5…転動体、6…保持器、7…潤滑剤
溜め空間、9…嵌合面、9a…微小溝、10…スリッ
ト、11…潤滑剤流出路

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに内外に嵌合する内周部品および外
    周部品で形成されて両部品間に潤滑剤溜め空間を有する
    内輪間座を設け、前記内周部品と外周部品の嵌合面を介
    して前記潤滑剤溜め空間から転動体の転走路付近に開通
    する微小な潤滑剤流出路を設け、前記外周部品を内周部
    品に比べて、材料の比重γとヤング率Eとの比E/γが
    小さな材質のものとした転がり軸受。
JP11175391U 1991-12-20 1991-12-20 転がり軸受 Pending JPH0552349U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11175391U JPH0552349U (ja) 1991-12-20 1991-12-20 転がり軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11175391U JPH0552349U (ja) 1991-12-20 1991-12-20 転がり軸受

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0552349U true JPH0552349U (ja) 1993-07-13

Family

ID=14569317

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11175391U Pending JPH0552349U (ja) 1991-12-20 1991-12-20 転がり軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0552349U (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017133684A (ja) * 2016-01-22 2017-08-03 株式会社ジェイテクト 転がり軸受装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017133684A (ja) * 2016-01-22 2017-08-03 株式会社ジェイテクト 転がり軸受装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5320433A (en) Rolling contact bearing assembly
JP6481717B2 (ja) 玉軸受、それを用いたモータ及び主軸装置
JP2008240796A (ja) シール付きアンギュラ玉軸受及び主軸装置
JP2017172650A (ja) モータ内蔵スピンドル用玉軸受
JP2006226427A (ja) 転がり軸受
JP5982881B2 (ja) 玉軸受、それを用いたモータ及び主軸装置
JP3723247B2 (ja) ころ軸受用の保持器
JPH0635659U (ja) 転がり軸受潤滑装置
JP2554634Y2 (ja) 転がり軸受
JPH0552349U (ja) 転がり軸受
JP2005180629A (ja) 転がり軸受
JP2540977Y2 (ja) 転がり軸受
JP2008240826A (ja) 玉軸受および保持器
JPH0673450U (ja) 転がり軸受
JPH04133024U (ja) 転がり軸受
JP2000213550A (ja) 自動油供給転がり軸受
JP2540979Y2 (ja) 転がり軸受
JPH0635655U (ja) 転がり軸受潤滑装置
JPH0635657U (ja) 転がり軸受潤滑装置
JP2000035045A (ja) 転がり軸受
JPH0594532U (ja) 転がり軸受
JPH0687768U (ja) プーリ用軸受装置
JPH0635653U (ja) 転がり軸受潤滑装置
JP2005299757A (ja) 転がり軸受
JPH0635656U (ja) 転がり軸受