JPH04133024U - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JPH04133024U
JPH04133024U JP4966291U JP4966291U JPH04133024U JP H04133024 U JPH04133024 U JP H04133024U JP 4966291 U JP4966291 U JP 4966291U JP 4966291 U JP4966291 U JP 4966291U JP H04133024 U JPH04133024 U JP H04133024U
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JP
Japan
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lubricant
inner ring
reservoir space
grease
contact surface
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Application number
JP4966291U
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English (en)
Inventor
圭 木全
建治 日比
幸孝 早川
Original Assignee
エヌテイエヌ株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 潤滑剤封入形式の転がり軸受において、軸受
寿命の向上を図り、かつ発熱やならし運転所要時間の増
加を防止する。 【構成】 内輪間座4を内外2個の部品4a,4bで形
成し、内部に潤滑剤溜め空間7を設け、この空間7から
開通する潤滑剤流出路11を設ける。潤滑剤流出路11
は、前記部品4a,4b間の接触面9に加工仕上げの面
粗さで生じる微小隙間と、端部に形成したスリット10
とで構成する。潤滑剤溜め空間7に封入したグリースま
たはその基油は、接触面9の微小隙間における毛細管現
象で軸方向に滲み出し、スリット10から内輪2の回転
に伴う遠心力で外径方向に流れて軌道面を潤滑する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、溜まり部に封入したグリース等の潤滑剤を運転に伴って自然補給 するアンギュラ玉軸受等の転がり軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
工作機械の主軸のような高速回転軸に使用される軸受では、高速化に伴い、エ アオイル潤滑、オイルミスト潤滑、ジェット潤滑等が採用されている。しかし、 これらの潤滑法は、いずれもポンプ等を用いて潤滑剤を噴射するようにしたもの であるため、その潤滑系統の複雑さから、メンテナンスの容易なグリース潤滑の 要望が強い。
【0003】 グリース潤滑では、軸受内部、すなわち転動体,内外輪,保持器等の各部品間 の隙間にグリースを封入して使用する。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
この場合、各部品間に保持されるグリースの量が少量の場合、軸受の潤滑寿命 が短くなるという問題点がある。 封入するグリース量をある程度多くすることは可能であるが、多量のグリース を前記の部品間に封入した場合、グリースの攪拌抵抗による発熱が大きくなるう え、余分なグリースの排出やなじみを良くするための慣らし運転に要する時間が 長くなるという問題点がある。特に、工作機械に使用するような場合、軸受にお ける発熱は加工精度に影響するため、極力低下させる必要がある。
【0005】 グリース潤滑の耐久性の向上対策として、保持器にグリース溜まりを設け、細 孔からグリースまたはその基油を自然補給するものも提案されている。しかし、 充分に満足できるものではない。
【0006】 この考案の目的は、軸受寿命の向上が図れ、かつ初期発熱を押え、ならし運転 に要する時間を短縮できる潤滑剤封入形式の転がり軸受を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この考案の転がり軸受は、内輪および内輪間座の少なくとも一方に潤滑剤溜め 空間を設け、この潤滑剤溜め空間から転動体の転走経路に開通する潤滑剤流出路 を設けたものである。潤滑剤流出路は、一部または全部を、この潤滑剤流出路を 構成する部品間の接触面に面粗さにより生じる微小隙間で形成する。 前記潤滑剤流出路の構成部品は、内輪間座を分割形成した各分割部品であって も、一方が内輪で他方が内輪間座であっても、さらに微小隙間形成の目的で付加 した専用部品等であっても良い。
【0008】
【作用】
この構成によると、軸受内部の転動体周辺に予め保持させる潤滑剤量を少量と し、潤滑剤溜め空間に潤滑剤を封入して使用される。潤滑剤溜め空間内の潤滑剤 またはその成分は、潤滑剤流出路の微小隙間による毛細管現象や、内輪の回転に 伴う遠心力により、潤滑剤流出路から転動体の付近に補給される。 この場合に、面粗さの凹凸によって生じる微小隙間を通過させて潤滑剤を補給 するので、流出流量の絞り効果が大きく、したがって少量ずつ長期間に渡って補 給が行われる。また、毛細管現象を利用するため、遠心力のみを利用するものに 比べて回転数による影響を受け難く、安定した補給が行われる。
【0009】
【実施例】
この考案の一実施例を図1および図2に基づいて説明する。この実施例は、内 輪回転型の複列アンギュラ玉軸受に適用した例である。
【0010】 この複列軸受は、各列の軸受1,1の内輪2,2を個別に設け、外輪3を共用 したものであり、両内輪2,2間に内輪間座4が設けられる。転動体5は球状の ものであり、保持器6のポケットに保持される。内輪2は回転軸(図示せず)に 固定され、外輪3は静止部材であるハウジングに固定される。
【0011】 内輪間座4は、内外に嵌合させた内周部品4aと外周部品4bとの2部品から なり、内周部品4aの外径面に設けた円周溝と外周部品4bとの間で、潤滑剤溜 め空間7が形成される。内周部品4aの内径面には、潤滑剤溜め空間7に貫通し た負圧防止用の貫通孔8が設けてある。この孔8は必ずしも設けなくても良い。
【0012】 内周部品4aと外周部品4bとは密に嵌合させるが、その嵌め合い接触面9に は、加工仕上げの面粗さ0.2〜5μmによる凹凸のために、微小隙間が形成さ れる。
【0013】 図2に示すように、内輪間座4の外周部品4bの側端面と内輪2との間には、 わずかな幅dのスリット10が全周に設けられる。このスリット10と、前記接 触面9の微小隙間とで、潤滑剤溜め空間7から転動体5の転走経路12に開通す る潤滑剤流出路11が構成される。
【0014】 軸受組立時において、転走経路12には潤滑剤の封入を行うが、一般に封入さ れるよりも少量とし、潤滑剤溜め空間7に可能なだけ潤滑剤を封入する。潤滑剤 溜め空間7に封入する潤滑剤としては、一般の半固体または固体状のグリースの 他に、液体状グリースや、含油樹脂、潤滑油を含ませた織布やフェルト等を使用 することができる。
【0015】 この構成によると、潤滑剤溜め空間7に封入された潤滑剤またはその成分は、 内輪間座4の内外部品4a,4bの接触面9から、毛細管現象で軸方向両側に滲 み出す。この内輪間座4の側端面に流れ出た潤滑剤またはその成分は、内輪2の 回転に伴う遠心力により外径方向に流れ、転走経路12の軌道面の潤滑を行う。 潤滑剤が半固体状のグリースである場合は、主にグリース基油が増稠剤から分離 して流出する。内輪間座4の接触面9から毛細管現象で流出する潤滑剤またはそ の成分の流量は、接触面9の仕上げ面粗さを変えることにより調整可能である。
【0016】 この軸受は、このように潤滑剤溜め空間7に封入した潤滑剤またはその成分が 少量ずつ補給されるので、潤滑寿命が向上する。またそのため、転走経路12に 封入する潤滑剤量を少なくして微量潤滑とでき、したがって攪拌抵抗による発熱 が低下すると共に、なじみを良くするための慣らし運転所要時間が短縮される。 このため、工作機械の主軸軸受等のように、軸受の温度上昇を極力小さく、かつ 初期なじみ性の良いことが望まれるような使用個所にも好適に使用できる。
【0017】 特に、この潤滑剤補給形式は、接触面9の面粗さによって生じる微小隙間の毛 細管現象を利用するため、例えば回転遠心力だけに頼って補給するものに比べて 、補給量を微量に調整でき、長期間にわたって潤滑剤の補給が行える。しかも、 毛細管現象を利用するため、軸受の回転数や回転遠心力の影響を受け難く、長期 間連続的に安定して補給が行える。
【0018】 また、接触面9の面粗さによる微小隙間を利用するため、例えば貫通孔を形成 して潤滑剤流出路とするものと異なり、孔径の加工上の限界で流量の絞り効果が 制限されるようなことがなく、容易な加工で微量補給が可能になる。
【0019】 さらに、潤滑剤溜め空間7は内輪間座4に設けているため、例えば保持器6等 に潤滑剤溜め空間を設ける場合に比べて容量を大きく得ることができ、これによ っても潤滑寿命を向上させることができる。また、この実施例では内輪間座4を 内外の2部品4a,4bに分割しているため、潤滑剤溜め空間7への潤滑剤の封 入作業が容易に行える。
【0020】 図3は他の実施例を示す。この例は、潤滑剤溜め空間7の両側に、接触面9で 連通する第2の潤滑剤溜め空間13を設け、その空間13内に多孔質材料14を 埋め込んだものである。多孔質材料14は、焼結合金や、樹脂、フェルト等が使 用でき、潤滑剤を含浸させておく。
【0021】 この構成の場合、予め多孔質材料14に含浸させた潤滑剤は、接触面9を通ら ずに、遠心力のみでスリット10から補給される。そのため、使用開始時の潤滑 剤補給量を多くしたい場合の使用目的に適する。また、潤滑剤溜め空間7の潤滑 剤は、接触面9を通った後、一旦多孔質材料14に含浸され、スリット10から 流出する。そのため、スリット10の隙間幅が加工ばらつきにより広くなっても 、潤滑剤が急に出ることがなく、安定補給が行える。
【0022】 なお、前記各実施例は内輪間座4を2個の部品4a,4bで構成したが、図4 に示すように内輪間座4を一体ものとし、側端面に円周溝からなる潤滑剤溜め空 間15を形成しても良い。また、図5のように内輪2に潤滑剤溜め空間16を形 成しても良い。これら図4および図5の例の場合は、内輪間座4と内輪2との突 合わせ面である接触面17により潤滑剤流出路18の全体が構成される。図4, 図5の例の場合は、必要に応じて接触面17の内輪側または内輪間座側に直径方 向のスリットを設け、補給量を多くすることもできる。また、図4と図5の例を 組み合わせて、内輪2と内輪間座4とに渡る潤滑剤溜め空間を設けるようにして も良い。
【0023】 前記各実施例は、いずれも潤滑剤溜め空間7,15,16を環状に形成したが 、潤滑剤溜め空間は周方向の複数個所に分割して形成しても良い。さらにこの考 案は、複列のアンギュラ玉軸受に限らず、単列のアンギュラ玉軸受や、その他の 転がり軸受一般に適用できる。
【0024】
【考案の効果】
この考案の転がり軸受は、内輪または内輪間座に潤滑剤溜め空間を設けると共 に、微小隙間の潤滑剤流出路を設けたため、潤滑剤溜め空間に封入した潤滑剤ま たはその成分が、毛細管現象や内輪の回転に伴う遠心力により転動体付近に自然 補給される。そのため、少量ずつ長時間に渡って潤滑剤の補給が行われ、優れた 潤滑耐久性が得られる。特に、前記微小隙間は面粗さの凹凸によって接触面に形 成したものであり、毛細管現象を利用するため、流量の絞り効果が高く、また回 転数に影響され難く、長期間の連続した安定補給が行える。 また、このように潤滑剤の補給が行えるため、転動体付近に封入する潤滑剤量 を少量として、発熱の低下および慣らし運転所要時間の短縮が図れる。
【提出日】平成4年7月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】 軸受組立時において、転走経路12には潤滑剤の封入を行 うが、一般に封入されるよりも少量とし、潤滑剤溜め空間7に可能なだけ潤滑剤 を封入する。潤滑剤溜め空間7に封入する潤滑剤としては、一般の半固体または 固体状のグリースの他に、液体状グリースや、プラスチックグリース、含油樹脂 、潤滑油を含ませた織布やフェルト等を使用することができる。プラスチックグ リースは、超高分子量ポリエチレンまたは低分子量ポリエチレン等の樹脂とグリ ースとの混合物を加熱溶融させて冷却により固形化した組成物であり、油が徐々 に滲み出すものが開発されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施例の部分断面図である。
【図2】その部分拡大断面図である。
【図3】この考案の他の実施例の部分断面図である。
【図4】この考案のさらに他の実施例の部分断面図であ
る。
【図5】この考案のさらに他の実施例の部分断面図であ
る。
【符号の説明】
2…内輪、3…外輪、4…内輪間座、4a…内周部品、
4b…外周部品、5…転動体、6…保持器、7…潤滑剤
溜め空間、9…接触面、10…スリット、11…潤滑剤
流出路、15,16…潤滑剤溜め空間、17…接触面、
18…潤滑剤流出路

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪および内輪間座の少なくとも一方に
    潤滑剤溜め空間を設け、この潤滑剤溜め空間から転動体
    の転走経路に開通する潤滑剤流出路を設け、この潤滑剤
    流出路を構成する部品間の接触面に面粗さで生じる微小
    隙間により、前記潤滑剤流出路の一部または全部を形成
    した転がり軸受。
JP4966291U 1991-05-30 1991-05-30 転がり軸受 Pending JPH04133024U (ja)

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