JPH0552125A - ガスタービン設備およびその運転方法 - Google Patents

ガスタービン設備およびその運転方法

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JPH0552125A
JPH0552125A JP3212367A JP21236791A JPH0552125A JP H0552125 A JPH0552125 A JP H0552125A JP 3212367 A JP3212367 A JP 3212367A JP 21236791 A JP21236791 A JP 21236791A JP H0552125 A JPH0552125 A JP H0552125A
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Yasuhiko Otawara
康彦 大田原
Akira Shimura
明 志村
Nobuyuki Iizuka
信之 飯塚
Isao Sato
勲 佐藤
Fumiyuki Hirose
文之 広瀬
Minoru Takaba
稔 鷹羽
Yasutaka Komatsu
康孝 小松
Hiroshi Ikeda
池田  啓
Kenji Iwamiya
建志 岩見谷
Takeshi Ishida
武司 石田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】各燃焼器に対して適正な燃空比となる燃料およ
び燃焼用空気を供給して、燃焼器の安定運転および低N
Ox化を実現することである。 【構成】1基のガスタービン2に対して複数の燃焼器
3,3,…が設けられているガスタービン設備に関す
る。このガスタービン設備は、複数の燃焼器3,3,…
に供給される燃焼用空気A2の流量を各燃焼器3ごとに
算出するIFC制御装置42と、IFC制御装置42か
らの指示に従って、燃焼用空気A2の流量を各燃焼器3
ごとに調節する流量調節手段17,28とを備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃焼器に供給する空気
と燃料との比である燃空比の設定方法、複数の燃焼器を
備えているガスタービン設備の運転方法、およびこれら
の方法を実現するための設備に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のガスタービン設備としては、例え
ば、図6から図8に示すようなものがある。
【0003】このガスタービン設備は、1基のガスター
ビンに対して、図7に示すように、複数の燃焼器3,
3,…が設けられているものである。各燃焼器3は、図
6に示すように、燃焼安定性の高い拡散燃焼が行なわれ
る拡散燃焼室7aと、燃焼安定範囲は狭いがNOx低減
率の高い予混合燃焼が行なわれる予混合燃焼室6aとを
有している。拡散燃焼室7aの上流側には、拡散燃焼室
7aに一次燃料F1を噴出する拡散燃料ノズル9,9,
…が設けられている。また、予混合燃焼室6aの下流側
には、二次燃料F2と予混合燃焼用空気A2とを予混合
させる予混合気体形成室23と、ここに二次燃料F2を
噴出する予混合燃料ノズル19,19,…とが設けられ
ている。燃焼器ケーシング18とトランジッションピー
ス105および内筒6との間を通ってきた燃焼用空気の
予混合気体形成室23内への供給量を調整するために、
内部流量調整(Inter Flow Control、以下IFCとす
る)装置の可動片28が、予混合気体形成室23の入口
近傍に設けられている。
【0004】IFC装置は、可動片28と、可動片28
の開度を設定するIFC開度設定器29aと、可動片2
8を駆動するIFC駆動機構17aとを有して構成され
ている。IFC開度設定器29aは、複数の燃焼器3,
3,…に対して1台しか設けられていない。また、IF
C駆動機構17aは、図7および図8に示すように、環
状に配された複数の燃焼器3,3,…の外周に設けられ
ている1個のコントロールリング45と、このコントロ
ールリング45を回転させる油圧シリンダ46と、コン
トロールリング45の動作に従い各燃焼器3,3,の可
動片28を駆動するレバーリンク機構47とを有して構
成されている。IFC装置の可動片28およびレバーリ
ンク機構47は、複数の燃焼器3,3,…ごとに設けら
れているが、その他の構成部分は、複数の燃焼器3,
3,…に対して共有する構造となっている。なお、この
IFC装置は、特開昭61−195214号公報に記載
されているものである。
【0005】また、燃焼器内の空気配分を変えるものと
して、図9に示すように、圧縮機から、ガスタービンケ
ーシング18とトランジッションピース105との間に
供給された燃焼用空気の一部をトランジッションピース
105内に送るためのバイパス弁104を設けたものが
ある。この場合も、前述のものと同様に、複数の燃焼器
3aにそれぞれ設けられているバイパス弁104に対し
て、バイパス弁開度設定器100aと、バイパス弁駆動
装置100aの一部を構成するモータおよびコントロー
ルリング102等は、1台しか設けられていない。な
お、コントロールリング102の動作に従いバイパス弁
104を駆動するリンク機構103は、各バイパス弁1
04ごとに設けられている。
【0006】ところで、このようなガスタービン設備に
おいて、燃空比(燃料と空気との割合)の制御に関して
は、例えば、特開昭60−66020号公報に記載され
ているもののように、ガスタービンの運転に対して予め
計画された燃料流量に応じて、空気流量を変化させて、
燃空比を一定に制御するものがある。この場合、空気流
量は、ガスタービン負荷見合いの燃料流量にのみ基づい
て、決定されている。このように、燃料流量にのみ基づ
いて空気流量を決定することは、他のガスタービン設備
でも行なわれていることである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のガスタービン設備では、複数の燃焼器に対し
て1個のコントロールリング45,102を駆動させ
て、各燃焼器の可動片28またはバイパス弁104を動
作させているため、各燃焼器ごとの燃空比の制御はまっ
たくできない。ところで、燃焼器を構成するノズルや内
筒等には、製作上のまたは環境上のバラツキがあり、各
燃焼器ごとに特有の燃空比特性を有する。このため、例
えば、1基の燃焼器は最良の燃空比であっても、他の燃
焼器では最良の燃空比を得ることができず、各燃焼器の
安定運転およびNOxの低減を図ることができないとい
う問題点がある。
【0008】また、最良の燃空比は、燃料流量に対して
一義的に空気流量が定められるものではなく、外的因子
によっも大きく変化するにもかかわらず、従来技術で
は、燃料流量にのみに基づいて空気流量を決定している
ので、燃焼器の安定運転およびNOxの低減を図ること
ができない。
【0009】本発明は、このような従来の問題点につい
て着目してなされたもので、燃焼器に対して適切な燃空
比となる燃料および燃焼用空気を供給して、燃焼器の安
定運転および低NOx化を実現することができる燃空比
設定方法、ガスタービン設備の運転方法、およびこれら
を実現するための設備を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
のガスタービン設備は、1基のガスタービンに対して複
数の燃焼器が設けられているガスタービン設備におい
て、複数の前記燃焼器に供給される燃焼用空気および/
または燃料の一部または全部の流量を各燃焼器ごとに算
出する流量算出手段と、前記流量算出手段の算出結果に
基づき、複数の前記燃焼器に供給される燃焼用空気およ
び/または燃料の一部または全部の前記流量を各燃焼器
ごとに調節する流量調節手段とを備えていることを特徴
とするものである。
【0011】ここで、ガスタービン設備の前記流量算出
手段は、特定の関数により基準燃空比を定める基準燃空
比設定手段と、少なくとも、大気湿度に基づき前記基準
燃空比を補正する補正手段と、燃焼用空気流路における
燃焼用空気流速に基づき前記基準燃空比を補正する補正
手段と、燃焼室内の圧力から得られる燃焼振動状態に基
づき前記基準燃空比を補正する補正手段と、火炎または
燃焼気体の温度に基づき前記基準燃空比を補正する補正
手段と、前記ガスタービン内の温度分布に基づき前記基
準燃空比を補正する補正手段と、前記燃焼器よりも下流
側におけるNOx値に基づき前記基準燃空比を補正する
補正手段とのうち、一の補正手段とを、備えていること
が好ましい。
【0012】また、前記目的を達成するための他のガス
タービン設備は、ガスタービンに燃焼気体を供給する1
以上の燃焼器を備えているガスタービン設備において、
特定の関数により、1以上の前記燃焼器の基準燃空比を
算出する基準燃空比設定手段と、少なくとも、大気湿度
を測定する湿度計および測定された湿度に基づき前記基
準燃空比を補正する補正手段と、燃焼用空気流路におけ
る燃焼用空気流速を測定する流速計および測定された流
速に基づき前記基準燃空比を補正する補正手段と、燃焼
室内の圧力を測定する圧力計および該圧力計から得られ
る燃焼振動状態を表すパラメータに基づき前記基準燃空
比を補正する補正手段と、火炎または燃焼気体の温度を
測定する温度計および該温度計に測定された温度に基づ
き前記基準燃空比を補正する補正手段と、前記ガスター
ビンの静翼温度を測定する温度計および該温度計により
測定された温度に基づき前記基準燃空比を補正する補正
手段と、前記ガスタービン内の温度を測定する複数の温
度計および複数の該温度計より得られる該ガスタービン
内の温度分布に基づき前記基準燃空比を補正する補正手
段とのうち、一の手段と、少なくとも前記一の手段によ
り補正された前記基準燃空比になるよう、1以上の前記
燃焼器に供給される燃焼用空気および/または燃料の一
部または全部の流量を調節する流量調節手段とを、備え
ていることを特徴とするものである。
【0013】ここで、前記基準燃空比の設定または補正
に関しては、燃料または燃焼用空気の流量の一方のみを
設定または補正し、間接的に燃空比を設定または補正す
るものでもよい。
【0014】
【作用】各燃焼器に供給されるの燃焼用空気および/ま
たは燃料の一部または全部の流量は、流量算出手段によ
り、各燃焼器ごとに算出される。流量調整手段は、燃焼
用空気および/または燃料の一部または全部の流量を、
各燃焼器ごとに算出された前記流量に調節する。このた
め、各燃焼器の個体差等を考慮した適切な燃空比の燃焼
用空気および燃料を各燃焼器ごとに供給することができ
る。
【0015】また、各種外的因子に基づき基準燃空比を
補正するものでは、例えば、燃焼環境の変化や燃焼器の
各種部分の個体差等に対応した適切な燃空比において、
燃焼を実現することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明係る各種実施例について図1か
ら図5を用いて説明する。なお、各種実施例を説明する
につき、同一部位については同一の符号を付し、重複し
た説明を省略する。
【0017】本発明に係るガスタービン設備の第1の実
施例について、図1から図3を用いて説明する。
【0018】本実施例のガスタービン設備は、図1に示
すように、ガスタービン2と、このガスタービン2に対
して燃焼ガスを供給する複数の燃焼器3,3,…と、複
数の燃焼器3,3,…に圧縮空気を供給する圧縮機1
と、各機器の制御等を行なう制御装置とを有して構成さ
れている。
【0019】燃焼器3は、上流側で拡散燃焼を行ない、
その下流側で予混合燃焼を行なう二段燃焼方式の燃焼器
である。燃焼器3は、図2および図3に示すように、燃
焼器ケーシング18と、拡散燃焼室7aを形成する拡散
燃焼用内筒7と、予混合燃焼室6aを形成する予混合燃
焼用内筒6と、これら内筒7,6内で形成された燃焼ガ
スをガスタービン2の動翼へ導くためのトランジッショ
ンピース105と、拡散燃焼室7a内に一次燃料F1を
噴出する拡散燃料ノズル9,9,…と、二次燃料F2と
予混合燃焼用空気A2とを予混合するための予混合気体
形成室23と、予混合気体形成室23に二次燃料F2を
噴出する予混合燃料ノズル19,19,…と、予混合気
体形成室23内に供給される予混合燃焼用空気流量を調
整するための可動片28とを有している。
【0020】燃焼器ケーシング18には、予混合燃焼室
6aの下流側で、この燃焼器ケーシング18を上流側と
下流側に分け、これらを接続するフランジ20が設けら
れている。このフランジ20には、図3に示すように、
二次燃料F2が通過する二次燃料流路20bと、二次燃
料流路20bを通過してきた二次燃料F2を複数の予混
合燃料ノズル19,19,…に分配するための燃料マニ
ホールド20aとが形成されている。
【0021】予混合気体形成室23の予混合気体噴出口
23a近傍には、予混合燃焼の安定化を図るために自身
の下流側に燃焼ガスの循環流を形成する保炎器21が設
けられている。この予混合気体形成室23は環状に形成
されており、この外周側に予混合燃焼用内筒6との間隙
をシースするシールバネ24が設けられ、この内周側に
拡散燃焼用内筒7との間隙をシールするシールバネ25
が設けられている。予混合気体形成室23内の予混合気
体噴出口23a側には、ここを通過する気体を旋回さ
せ、二次燃料F2と予混合燃焼用空気A2とを混合する
旋回板22が設けられている。また、予混合気体形成室
23の予混合燃焼用空気入口23b近傍には、ここに入
り込む予混合燃焼用空気A2の流量を調節するための可
動片28が設けられている。
【0022】可動片28には、これを駆動するIFC駆
動装置17が接続されている。このIFC駆動装置17
は、IFC制御装置42により制御される。IFC駆動
装置17は、図3に示すように、ACサーボモータ17
aと、サーボアンプ17bと、ACサーボモータ17a
の回転を直線動作に変え、これを可動片28に伝える伝
達機構17cと、可動片28の位置を検出し、これをI
FC制御装置42にフィードバックする差動変換器17
fとを有して構成されている。なお、可動片28の駆動
源としては、ACサーボモータ17aの他、例えば、D
Cサーボモータ、ステッピングモータ、リニアモータ等
の電気モータや、油圧シリンダ、油圧モータ等の油圧機
や、エアシリンダ、エアモータ等の空気圧機等を用いて
もよい。各燃焼器3には、図3に示すように、予混合気
体形成室23内の予混合燃焼用空気A2の流速を測定す
る流速計34と、保炎器21の温度を測定する温度計3
5と、予混合気体形成室23の予混合気体噴出口23a
近傍の圧力を測定する圧力計36と、予混合火炎の温度
を測定する温度計37とが設けられている。また、ガス
タービン2には、図2に示すように、静翼の温度を測定
する温度計38と、段落温度を測定するための温度計3
9と、ガスタービン2内の下流側の温度分布を測定する
ための複数の温度計40,40,…と、ガスタービン2
出口のNOx値を測定するNOx計41とが設けられて
いる。
【0023】IFC制御装置42は、図1に示すよう
に、ガスタービン負荷を示す燃料指令信号に基づき、こ
のガスタービン負荷に必要な燃料流量の基準関数によ
り、基準空気量を決定して、基準可動片開度を設定する
IFC開度設定器29と、燃料発熱量30に基づき基準
可動片開度の補正値を定める開度補正器31aと、大気
湿度計33で測定された湿度に基づき基準可動片開度の
補正値を定める開度補正器31bと、流速計34で測定
された予混合燃焼用空気A2の流速に基づき基準可動片
開度の補正値を定める補正器31cと、温度計35で測
定された保炎器21の温度に基づき基準可動片開度の補
正値を定める補正器31dと、圧力計36で測定された
圧力の変動、すなわち燃焼振動の振動数および振幅に基
づき基準可動片開度の補正値を定める補正器31eと、
温度計37で測定された予混合火炎の温度に基づき基準
可動片開度の補正値を定める補正器31fと、温度計3
8で測定された静翼の温度に基づき基準可動片開度の補
正値を定める補正器31gと、温度計39で測定された
段落温度に基づき基準可動片開度の補正値を定める補正
器31hと、温度計40,40,…で測定されたガスタ
ービン2内の下流側温度分布に基づき基準可動片開度の
補正値を定める補正器31iと、NOx計41で測定さ
れたガスタービン2出口におけるNOx値に基づき基準
可動片開度の補正値を定める補正器31jと、これら補
正器31a,…,31jから出力される補正値を基準可
動片開度に加算する加算器32a,…,32jとを有し
ている。
【0024】これらIFC制御装置42およびIFC駆
動装置17は、各燃焼器3,3,…ごとに設けられてい
る。
【0025】なお、本実施例において、流量算出手段
は、予混合燃焼用空気A2の流量を間接的に決定してい
るIFC制御装置42で構成され、流量調整手段は、可
動片28およびIFC駆動装置17とで構成されてい
る。また、基準燃空比設定手段は、間接的に基準燃空比
を定めていることになるIFC開度設定器29で構成さ
れ、補正手段は、各補正器31a,…,31jおよび各
加算器32a,…,32jにより構成されている。
【0026】次に、本実施例の動作について説明する。
【0027】燃料指令信号が出力されると、各燃焼器
3,3,…の燃料流量調節弁8a,8bは、燃料指令信
号の示すタービン負荷に対応する燃料が燃焼器3に供給
されるよう、弁開度が設定され、そこから燃料が燃焼器
3に供給される。
【0028】一方、各燃焼器3,3,…のIFC制御装
置42は、燃料指令信号を受けたIFC開度設定器29
がガスタービン負荷に必要な燃料流量の基準関数によ
り、基準空気量を決定して、基準可動片開度を設定し、
各補正器31a,…,31jおよび各加算器32a,
…,32jがこの基準可動片開度を補正し、補正した基
準可動片開度をIFC駆動装置17に出力する。
【0029】IFC駆動装置17は、この補正された基
準可動片開度に基づき、可動片28を移動させ、予混合
気体形成室23内に最適な流量の予混合燃焼用空気A2
が入る。
【0030】燃料が安定燃焼し、かつNOxを低く押え
るためには、燃料性状、天候、燃焼状態等の制御変数を
適確に捕らておく必要がある。本実施例では、以上のよ
うに、燃料の発熱量、大気湿度、NOx値等を測定し、
これらの値に基づき、基準開度を補正しているので、安
定燃焼を図れると共に、NOxの低減を図ることができ
る。具体的には、例えば、運転中に、大気湿度の変化に
より、燃料の燃焼率が小さくなった場合、基準可動片開
度が開度大に移行されるため、吹き消しは防止される。
また、大気湿度変化により、燃料の燃料率が大きくなっ
た場合、基準可動片開度が開度小に移行されるため、N
Oxは低く押さえられ、かつ逆火も防止される。
【0031】また、本実施例では、各燃焼器3,3,…
ごとに測定された、予混合燃焼用空気A2の流速、保炎
器21の温度、燃焼振動、予混合火炎の温度、静翼の温
度、段落の温度等に基づき、各燃焼器3,3,…ごとに
基準可動片開度を補正し、各燃焼器3,3,…ごとに適
切な流量の予混合燃焼用空気A2を供給しているので、
各燃焼器3,3,…の個体差に応じた予混合燃焼用空気
A2を供給できる。このため、各燃焼器3,3,ごとに
最適制御が可能になり、全缶を通して安定かつ低NOx
燃焼を実現できる。
【0032】ところで、本実施例では、起動時には拡散
燃焼を主に行ない、特定の負荷以上の定常運転時には、
予混合燃焼を主に行なっているので、以上のように、拡
散燃焼室7aに供給される拡散燃焼用空気A1の流量を
補正しなくとも、NOxの増加はほとんどない。
【0033】また、本実施例では、従来技術のように、
大型で慣性力の大きく、かつ熱膨張量の大きいコントロ
ールリング、およびこれと可動片を連結する複雑なリン
ク機構を用いていないために、可動片の位置決め正確性
および制御応答性を向上させることができる。
【0034】なお、本実施例では、2段燃焼式燃焼器に
本発明を適用したものを説明したが、単段のものでも、
または3段以上のものでも、本発明を適用できることは
言うまでもない。
【0035】また、本実施例では、予混合気体形成室2
3に供給される予混合燃焼用空気流量のみを補正した
が、拡散燃焼室7aに供給される拡散燃焼用空気A1の
流量も補正するようにしてもよい。
【0036】また、本実施例では、各燃焼器3,3,…
ごとにIFC制御装置41を設けたが、例えば、これを
コンピュータで構成して、1台で各燃焼器3,3,…ご
との可動片開度を設定するようにしてもよい。
【0037】次に、本発明に係るガスタービン設備の第
2の実施例について、図4を用いて説明する。
【0038】燃焼器内の空気配分を変えるものとして、
図4に示すように、燃焼器ケーシング18とトランジッ
ションピース105との間に供給された燃焼用空気の一
部をトランジッションピース105内に送るためのバイ
パス弁104を設け、このバイパス弁104でトランジ
ッションピース105内の燃空比を変えるものがある。
本実施例の燃焼器3aは、この方式の燃焼器である。
【0039】本実施例は、各燃焼器3a,3a,…ごと
に、バイパス弁開度設定器100およびバイパス弁駆動
装置101を設け、バイパス弁104を介してトランジ
ッションピース105内に供給される余剰空気A3の流
量を、各燃焼器3a,3a,…ごとに調整するようにし
たものである。この場合でも、第1の実施例と同様に、
各燃焼器3a,3a,…ごとに、各燃焼器3a,3a,
…の個体差に応じた流量の余剰空気A3を供給すること
ができる。
【0040】なお、本実施例においても、第1の実施例
と同様に、各種補正器および加算器を設けて、バイパス
弁基準開度を補正するようにしてもよい。
【0041】以上の本実施例では、燃空比を調整するた
めに、燃焼用空気流量のみを調整するものを示したが、
燃料流量のみを調整しても、また燃焼用空気流量および
燃料流量を調整するようにしてもよい。以下に、この燃
料流量のみを調整するものに関して、第3の実施例とし
て説明する。
【0042】本実施例は、各燃焼器3,3,…ごとに、
予混合燃料流量調節弁8aおよび拡散燃料流量調節弁8
bの基準開度を設定する基準開度設定器120を設ける
と共に、この基準開度設定器120で設定された各調節
弁8a,8bごとの基準開度を補正する開度補正器12
1a,121bを設けたものである。各開度補正器12
1a,121bには、各調節弁8a,8bや供給先の個
体差に関する情報が予め設定さている。
【0043】また、本実施例で用いられているIFC開
度設定器29aやIFC駆動装置17aは、従来のもの
と同様である。すなわち、IFC開度設定器29aは、
各燃焼器3,3,…の区別なく一律にIFC開度を定め
るもので、IFC駆動装置17aは、各燃焼器3,3,
…の可動片を一律に移動させるコントロールリングを備
えているものである。
【0044】このように構成することにより、各燃焼器
3,3,…ごとに最適な流量の燃料を供給することがで
きる。また、本実施例では、基準開度設定器120や開
度補正器121a,121bのみの設置で、基本的に第
1の実施例と同様の効果を得ることができるので、コン
トロールリング等の撤去等が不要で、既存の設備に、本
発明を適用する場合には、第1の実施例よりも、改造費
コストの低く抑えることができる。
【0045】なお、本実施例において、開度補正器12
1a,121bには、予め各調節弁8a,8bや供給先
の個体差に関する情報が設定されているものを用いた
が、第1の実施例と同様に、各種計測機器からの情報に
基づき補正するようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、各燃焼器ごとに燃焼用
空気および/または燃料の供給流量を調整することがで
きるので、各燃焼器ごとに適切な条件での燃焼を実現す
ることができる。また、各種外的要因等に基づき、燃空
比を補正しているので、外的要因の変化や燃焼器の各種
部分の個体差等に対応した適切な燃空比において、燃焼
を実現することができる。したがって、安定燃焼および
低NOx化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施例のガスタービン設備
の系統図である。
【図2】本発明に係る第1の実施例のガスタービン設備
の要部系統図である。
【図3】本発明に係る第1の実施例の燃焼器の要部断面
図のである。
【図4】本発明に係る第2の実施例のガスタービン設備
の要部系統図である。
【図5】本発明に係る第3の実施例のガスタービン設備
の制御ブロック図である。
【図6】従来の燃焼器の断面図である。
【図7】従来のガスタービン設備の要部背面図である。
【図8】従来のIFC駆動装置の要部斜視図である。
【図9】従来の他の燃焼器の断面図である。
【符号の説明】
1…圧縮機、2…ガスタービン、3,3a…燃焼器、6
…予混合燃焼用内筒、6a…予混合燃焼室、7…拡散燃
焼用内筒、7a…拡散燃焼室、8a…予混合燃料流量調
節弁、8b…拡散燃料流量調節弁、9…拡散燃料ノズ
ル、17,17a…IFC駆動装置、18…燃焼器ケー
シング、19…予混合燃料ノズル、21…保炎器、23
…予混合気体形成室、28…可動片、29,29a…I
FC開度設定器、31a,…,31j…開度補正器、3
2a,…,32j…加算器、42…IFC制御装置、1
00,100a…バイパス弁開度設定器、101,10
1a…バイパス弁駆動装置、104…バイパス弁、10
5…トランジッションピース、120…基準開度設定
器、121a,121b…開度補正器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯塚 信之 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 佐藤 勲 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 広瀬 文之 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 鷹羽 稔 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 小松 康孝 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 池田 啓 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 岩見谷 建志 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 石田 武司 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1基のガスタービンに対して複数の燃焼器
    が設けられているガスタービン設備において、 複数の前記燃焼器に供給される燃焼用空気および/また
    は燃料の一部または全部の流量を各燃焼器ごとに算出す
    る流量算出手段と、 前記流量算出手段の算出結果に基づき、複数の前記燃焼
    器に供給される燃焼用空気および/または燃料の一部ま
    たは全部の前記流量を各燃焼器ごとに調節する流量調節
    手段とを備えていることを特徴とするガスタービン設
    備。
  2. 【請求項2】1基のガスタービンに対して複数の多段燃
    焼式燃焼器が設けられているガスタービン設備におい
    て、 複数の前記燃焼器の各段に供給される燃焼用空気および
    /または燃料の流量を各燃焼器の各段ごとに算出する流
    量算出手段と、 前記流量算出手段の算出結果に基づき、複数の前記燃焼
    器の各段に供給される燃焼用空気および/または燃料の
    前記流量を各燃焼器の各段ごとに調節する流量調節手段
    とを備えていることを特徴とするガスタービン設備。
  3. 【請求項3】前記流量算出手段は、 特定の関数により基準燃空比を定める基準燃空比設定手
    段と、 少なくとも、大気湿度に基づき前記基準燃空比を補正す
    る補正手段と、燃焼用空気流路における燃焼用空気流速
    に基づき前記基準燃空比を補正する補正手段と、燃焼室
    内の圧力から得られる燃焼振動状態に基づき前記基準燃
    空比を補正する補正手段と、火炎または燃焼気体の温度
    に基づき前記基準燃空比を補正する補正手段と、前記ガ
    スタービン内の温度分布に基づき前記基準燃空比を補正
    する補正手段と、前記燃焼器よりも下流側におけるNO
    x値に基づき前記基準燃空比を補正する補正手段とのう
    ち、一の補正手段とを、備えていることを特徴とする請
    求項1または2記載のガスタービン設備。
  4. 【請求項4】ガスタービンに燃焼気体を供給する1以上
    の燃焼器を備えているガスタービン設備において、 特定の関数により、1以上の前記燃焼器の基準燃空比を
    算出する基準燃空比設定手段と、 少なくとも、大気湿度を測定する湿度計および測定され
    た湿度に基づき前記基準燃空比を補正する補正手段と、
    燃焼用空気流路における燃焼用空気流速を測定する流速
    計および測定された流速に基づき前記基準燃空比を補正
    する補正手段と、燃焼室内の圧力を測定する圧力計およ
    び該圧力計から得られる燃焼振動状態を表すパラメータ
    に基づき前記基準燃空比を補正する補正手段と、火炎ま
    たは燃焼気体の温度を測定する温度計および該温度計に
    測定された温度に基づき前記基準燃空比を補正する補正
    手段と、前記ガスタービンの静翼温度を測定する温度計
    および該温度計により測定された温度に基づき前記基準
    燃空比を補正する補正手段と、前記ガスタービン内の温
    度を測定する複数の温度計および複数の該温度計より得
    られる該ガスタービン内の温度分布に基づき前記基準燃
    空比を補正する補正手段とのうち、一の手段と、 少なくとも前記一の手段により補正された前記基準燃空
    比になるよう、1以上の前記燃焼器に供給される燃焼用
    空気および/または燃料の一部または全部の流量を調節
    する流量調節手段とを、備えていることを特徴とするガ
    スタービン設備。
  5. 【請求項5】前記燃焼器よりも下流側におけるNOx値
    を測定するNOx計、および該NOx計により測定され
    たNOx値に基づき前記基準燃空比を補正する補正手段
    を備えていることを特徴とする請求項4記載のガスター
    ビン設備。
  6. 【請求項6】1基のガスタービンに対して複数の燃焼器
    が設けられているガスタービン設備の運転方法におい
    て、 複数の前記燃焼器に供給される燃焼用空気および/また
    は燃料の一部または全部の流量を各燃焼器ごとに算出
    し、 複数の前記燃焼器に供給される燃焼用空気および/また
    は燃料の一部または全部の流量を、各燃焼器ごとに算出
    された前記流量に調節することを特徴とするガスタービ
    ン設備の運転方法。
  7. 【請求項7】前記各燃焼器ごとの前記流量の算出の際に
    は、 まず、特定の関数により基準燃空比を定め、 次に、大気湿度と、燃焼用空気流速と、燃焼振動状態を
    定めるパラメータ値と、火炎または燃焼気体の温度と、
    前記ガスタービン内の温度分布と、複数の前記燃焼器よ
    りも下流側におけるNOx値とのうち、少なくとも一の
    値に基づき、前記基準燃空比を補正することを特徴とす
    る請求項6記載のガスタービン設備の運転方法。
  8. 【請求項8】特定の関数により、燃焼器の基準燃空比を
    定め、 次に、大気湿度と、燃焼用空気流速と、燃焼振動状態を
    定めるパラメータ値と、火炎または燃焼気体の温度と、
    前記ガスタービン内の温度分布とのうち、少なくとも一
    の値により、前記基準燃空比を補正し、補正した該基準
    燃空比を前記燃焼器の燃空比とすることを特徴とする燃
    焼器の燃空比設定方法。
  9. 【請求項9】前記燃焼器の下流側におけるNOx値に基
    づき、補正した前記基準燃空比をさらに補正することを
    特徴とする請求項8記載の燃焼器の燃空比設定方法。
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