JPH0550923U - ワイヤハーネス用プロテクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両等へワイヤハーネスを配索する際、その
作業性を向上できる。 【構成】 底壁の両端に一対の側壁を立設し樋状をなし
たワイヤハーネス用プロテクタにおいて、前記プロテク
タ１１の底壁１３の端部にワイヤハーネス２５の配索方
向へ出退可能なワイヤハーネス固定用可変板２１を突設
した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ワイヤハーネスを車両等に配索する際に、ワイヤハーネスが損傷を 受けないように保護をするワイヤハーネス用プロテクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ワイヤハーネス用プロテクタとしては、図３(a) に示すようなものがあ る。図中、ワイヤハーネス用プロテクタ１は、底壁２の両端に一対の側壁３を立 設した樋状をなしている。このワイヤハーネス用プロテクタ１の底壁２の両端に は、ワイヤハーネスの配索方向に所定長さ突出した突出部４を設け、さらに後述 するテープ巻きの際に、テープ６が突出部４から外れないように突出部４の先端 部４ａを下方へ折曲している。

【０００３】 このようなワイヤハーネス用プロテクタ１を用いてワイヤハーネスを車両等に 配索する場合、予め、車両等のワイヤハーネスを配索する箇所に合わせ、図３(b ) に示すように、ワイヤハーネス５をプロテクタ１内に入れ、プロテクタ１の両 端の突出部４とワイヤハーネス５をテープ６で捲着し突出部４とワイヤハーネス ５を固定し、所定の寸法に形成されたワイヤーハーネス（以下「成形ワイヤハー ネス」という）を製造していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、予め所定の寸法にワイヤハーネスを製造する際、寸法に誤差を 生じる場合もあり、また、図３ｂに示すように、正しい寸法で製造された成形ワ イヤハーネスであっても、２つのプロテクタ１間で屈曲すると、その長さＬが伸 びてしまう。このため、このような成形ワイヤハーネスを用いた車両等へのワイ ヤハーネスの配索作業は、プロテクタ１間のピッチが合わず、困難なものであっ た。

【０００５】 本考案は上記点に鑑みなされたもので、ワイヤハーネスを車両等に配索する際 、プロテクタ間のピッチが実際の車両等のプロテクタ間のピッチと異った成形ワ イヤハーネスを用いても車両等に容易に配索でき、従ってワイヤハーネスの配索 作業性を向上できるワイヤハーネス用プロテクタの提供を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案では、底壁の両端に一対の側壁を立設し樋状 をなしたワイヤハーネス用プロテクタにおいて、前記プロテクタの底壁の端部に ワイヤハーネスの配索方向へ出退可能なワイヤハーネス固定用可変板を突設する こととした。

【０００７】

【作用】

ワイヤハーネス用プロテクタ内にワイヤハーネスを入れ、ワイヤハーネス固定 用可変板とワイヤハーネスをテープで捲着し固定すると、ワイヤハーネス用プロ テクタをワイヤハーネスに取付けたままで、ワイヤハーネス用プロテクタをワイ ヤハーネスの配索方向に移動することができる。

【０００８】

【実施例】

以下図面に基づいて本考案の実施例を説明する。

【０００９】 図１は本考案に係るワイヤハーネス用プロテクタの一実施例を示す。図中、ワ イヤハーネス用プロテクタ１１は、プロテクタ本体１２と、これと別体に設けた ワイヤハーネス固定用可変板２１とから構成される。

【００１０】 プロテクタ本体１２は、底壁１３の両端に一対の側壁１４を立設した樋状をな し、その底壁１３の一端には、ワイヤーハーネスの配索方向（図１(a) のＡ−Ａ 線方向）へ突出した、ワイヤハーネスをプロテクタ本体１２に固定するための固 定板１５を設け、さらに、この固定板１５の先端を下方へ折曲し、後述するテー プ巻きの際に、テープ２６が固定板１５から外れないようになっている。

【００１１】 一方、プロテクタ本体１２の底壁１３の他端部には、２辺１６ａ，１６ｂから 成り断面略Ｌ字状をなす一対のガイド部材１６の各一辺１６ａを、ワイヤハーネ スの配索方向へ沿って立設し、各他辺１６ｂを所定の間隔をもって対向させ配置 してある。従って、底壁１３の他端部には、一対のガイド部材１６により仕切ら れワイヤハーネスの配索方向へ延びた溝部１６ｃを形成している。

【００１２】 また、一対のガイド部材１６の間の底壁１３面上には、複数の突条１７をワイ ヤハーネスの配索方向と直角に突設してある。

【００１３】 ワイヤハーネス固定用可変板２１は矩形状をなし、その短辺の両端部２２ａ， ２２ｂをストッパとして一端部２２ａを上方へ他端部２２ｂを下方へ折曲してあ る。なお、折曲された他端部２２ｂは、後述するテープ巻きの際に、テープ２６ が可変板２１から外れないための外れ止めにもなっている。さらに、可変板２１ の下面には、他端部２２ｂから可変板２１の長手方向へ所定間隔Ｍを置いて可変 板２１の長手方向と直角に延びた複数の突条２３を波状に突設してある。また、 可変板２１を、前記溝部１６ｃに嵌入でき、可変板２１の複数の突条２３を、プ ロテクタ本体１２の複数の突条１７に噛合でき、さらにガイド部材１６に嵌入し た可変板２１がガイド部材１６から外れないように、可変板２１の両ストッパ２ ２ａ，２２ｂが溝部１６ｃを通過できないようになっている。

【００１４】 なお、プロテクタ本体１２と可変板２１の各突条１７，２３は、それらの噛合 状態で、可変板２１をワイヤハーネスの配索方向へ引き又は押すと、可変板２１ の突条２３がプロテクタ本体１２の突条１７を越えて摺動できるように形成され ている。

【００１５】 このようなワイヤハーネス用プロテクタ１１を用いて成形ワイヤハーネスを製 造するには、図１(b) に示すように、まずワイヤハーネス固定用可変板２１の複 数の突条２３のほぼ中央をプロテクタ本体１２の複数の突条１７のほぼ中央に噛 合わせる。このとき、図１(b) に示すように、ガイド部材１６の一端と可変板２ １のストッパ２２ａの間に間隔Ｘを有し、ガイド部材１６の他端と可変板２１の ストッパ２２ｂの間に間隔Ｍと、さらに間隔Ｙを有するようになっている。

【００１６】 次に、図２(a) に示すように、ワイヤハーネス２５の車両等への配索位置に合 わせてワイヤハーネス２５を所定長さに切断し、これを本考案に係るワイヤハー ネス用プロテクタ１１および従来のワイヤハーネス用プロテクタ１内に入れ、各 プロテクタ１１，１の位置ぎめをする。続いて、本考案に係るワイヤハーネス用 プロテクタ１１では、可変板２１の他端部２２ｂと突条２３の間Ｍのみで、可変 板２１とワイヤハーネス２５をテープ２６で捲着し固定し、また従来のワイヤハ ーネス用プロテクタ１では、両端の固定板４とワイヤハーネス２５をテープ２６ で捲着し固定する。このようにすると成形ワイヤハーネスを製造することができ る。

【００１７】 このように製造された成形ワイヤハーネスは、本考案に係るプロテクタ１１の 固定板１５とワイヤハーネス２５がテープ２６で捲着されず固定されていないの で、可変板２１を引くと、可変板２１を、ストッパ２２ａがガイド部材１６の一 端に当接するまでの間隔Ｘで伸ばすことができ、また可変板２１を押すと、可変 板２１を、ストッパ２２ｂと突条２３の間Ｍに捲着されたテープ２６がガイド部 材１６の他端に当接するまでの間隔Ｙで縮めることができる。すなわち可変板２ １をワイヤハーネスの配索方向へ伸縮（すなわち出退）できる。従って、本考案 に係るワイヤハーネス用プロテクタ本体１２をワイヤハーネスの配索方向へ移動 することができ、プロテクタ間の間隔Ｎを変化することができる。

【００１８】 次に、この成形ワイヤハーネスを車両等に配索する際に、図２(b) に示すよう に、まず、成形ワイヤハーネスを車両等の配索位置に合わせ、成形ワイヤハーネ スの製造の際などにプロテクタ間Ｎに誤差を生じた場合には、この誤差を本考案 に係るワイヤハーネス用プロテクタ１１のワイヤハーネス２５の配索方向への移 動により正した後、ワイヤハーネス用プロテクタ本体１２とワイヤハーネス２５ に（蓋を有する場合には、プロテクタ本体１２に蓋を被せ、これらとワイヤハー ネス２５に）テープ２６を捲着し、これらを固定する。

【００１９】 このように、ワイヤハーネス用プロテクタ１１を、ワイヤハーネスに取付けた ままでワイヤハーネスの配索方向へ移動できるので、成形ワイヤハーネスの製造 の際に、精度の高い製造治具を使用する必要がなく、また車両等へのワイヤハー ネスの配索の際に、プロテクタ１１を車両等に容易に取付けでき、ワイヤハーネ スの配索作業性を向上することができる。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、ワイヤハーネス用プロテクタ内にワイヤ ハーネスを入れ、ワイヤハーネス固定用可変板とワイヤハーネスをテープで捲着 し固定すると、ワイヤハーネス用プロテクタをワイヤハーネスに取付けたままで 、ワイヤハーネスの配索方向に移動できるので、車両等へのワイヤハーネスの配 索の際に、ワイヤハーネス用プロテクタを車両等に容易に取付けることができ、 ワイヤハーネスの配索作業性を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】(a) 本考案に係るワイヤハーネス用プロテクタ
の一実施例を示す斜視図である。 (b) 図１(a) のＡ−Ａ線断面図である。

【図２】(a) 図１のワイヤハーネス用プロテクタを用い
てワイヤハーネスを製造した状態を示す要部側面図であ
る。 (b) 図２(a) の成形ワイヤハーネスを車両等のワイヤハ
ーネスの配索位置に合わせ、テープで捲着した状態を示
す要部側面図である。

【図３】(a) 従来のワイヤハーネス用プロテクタの一例
を示す斜視図である。 (b) 図３(a) のワイヤハーネス用プロテクタを用いてワ
イヤハーネスを製造した状態を示す要部側面図である。

【符号の説明】

１１ ワイヤハーネス用プロテクタ １３ 底壁 ２１ ワイヤハーネス固定用可変板 ２５ ワイヤハーネス

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 底壁の両端に一対の側壁を立設し樋状を
   なしたワイヤハーネス用プロテクタにおいて、前記プロ
   テクタの端部にワイヤハーネスの配索方向へ出退可能な
   ワイヤハーネス固定用可変板を突設したことを特徴とす
   るワイヤハーネス用プロテクタ。