JPH0549287B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、記録媒体に記録された放射線画像情
報を再生処理する装置に対して、再生処理する際
の条件（再生処理条件）を指示する装置に関す
る。

さらに詳しくは、例えば蓄積性蛍光体シートに
記録された放射線画像情報を再生処理する装置
（上記シートに記録された放射線画像情報を読み
取る読取装置あるいはその読取装置から出力され
た画像信号を信号処理する画像処理装置）に対し
て再生処理条件（読取条件あるいは画像処理条
件）を指示する装置として好適に用い得る放射線
画像情報再生処理条件指示装置に関する。

（発明の技術的背景および従来技術） ある種の蛍光体に放射線（Ｘ線、α線、β線、
γ線、電子線、紫外線等）を照射すると、この放
射線エネルギーの一部が蛍光体中に蓄積され、こ
の蛍光体に可視光等の励起光を照射すると、蓄積
されたエネルギーに応じて蛍光体が輝尽発光を示
すことが知られており、このような性質を示す蛍
光体は蓄積性蛍光体と呼ばれる。

この蓄積性蛍光体を利用して、人体等の被写体
の放射線画像情報を一旦シート状の蓄積性蛍光体
に記録し、この蓄積性蛍光体シートをレーザ光等
の励起光で走査して輝尽発光光を生ぜしめ、得ら
れた輝尽発光光を光電的に読み取つて画像信号を
得、この画像信号に基づき被写体の放射線画像を
写真感光材料等の記録材料、CRT等に可視像と
して出力させる放射線画像情報再生システムが本
出願人によりすでに提案されている。（特開昭55
−12429号、同56−11395号など。） 上記システムは、例えば医療分野において人体
の診断等を行なうために用いられるものである。
従つて、上記システムにおいては、診断目的に適
した可視出力画像を得るため、上記励起光走査に
よつて上記シートから発せられた輝尽発光光を光
電的に読み取つて画像信号を得る際に適当な読取
条件に従つて読み取りを行ない、さらにはこの読
み取りによつて得られた画像信号を適当な画像処
理条件に従つて信号処理を行ない、かつ、それら
の読取条件及び画像処理条件は被写体の撮影部位
および撮影方法等に基づいて決定する方法が考え
られる。

たとえば、特開昭57−137346号公報には、撮影
部位および撮影方法に基づいて画像処理条件を決
定し、その画像処理条件に基づいて画像信号を信
号処理する技術が開示されている。

ところが、上記従来技術においては、予め各種
の撮影部位と撮影方法との組合せにおける最適画
像処理条件をデータとして蓄積しておき、画像処
理を行なうにあたつては、撮影部位と撮影方法に
関する情報を入力し、この入力された情報に基づ
いて上記予め蓄積されたデータの中から最適画像
処理条件を選定し、この画像処理条件を画像処理
装置に指示するのみであり、選定された画像処理
条件がどの様なものであるかを表示する手段及び
選定された画像処理条件を修正する手段は設けら
れていなかつた。

従つて、上記従来技術においては、どの様な画
像処理条件で画像処理が行なわれるのかを知るた
めには上記予め蓄積されているデータを記載した
一覧表を見なければならず面倒であつた。また、
撮影部位及び撮影方法を入力するとそれらに応じ
て予め与えられた最適画像処理条件が自動的に指
示され、この画像処理条件を修正、変更するため
には予めデータとして蓄積されているプリセツト
値の一部又は全部を書き換える作業が必要であ
り、極めて面倒であつた。

確かに、全撮影の大部分を占める一般的な撮影
においては、撮影部位及び撮影方法に基づいて決
定される標準的な最適画像処理条件につて画像処
理しても何ら問題は生じず、従つてどの様な画像
処理条件が選定されたかを知る必要もなく、また
その画像処理条件を修正、変更する必要もない。

しかしながら、多くの被写体を撮影してみる
と、中には一般的な撮影条件で撮影を行なうこと
ができず、やむなく特殊な撮影条件で撮影を行な
い、その結果前述した撮影部位及び撮影方法に応
じて選定される標準的な最適画像処理条件が最適
条件ではなくなり、それを修正する必要がある場
合が存在することがわかつて来た。例えば、胸部
撮影によつて心臓を診断する場合、通常被撮影者
は蓄積性蛍光体シートに向かい合つた状態で撮影
され、医者は心臓が右側に位置する可視像に基づ
いて診断を行なうので、撮影部位が胸部心臓の場
合被撮影者が上記シートに向かい合つた状態で撮
影されたときに可視像においては心臓が右側に位
置するように画像処理条件が自動的に設定され
る。従つて、何らかの特殊な事情により被撮影者
が上記シートに向かい合つて撮影を行なうことが
できず、上記シートに背を向けた状態で撮影を行
なわざるを得ない場合あるいはそのように上記シ
ートに背を向けた状態で撮影したい要求が存在す
る場合等においては、可視像の右側に心臓を位置
させるため左右を反転させてCRT上に出力させ
る様に画像信号を処理すべく画像処理条件を修正
する必要が生じてくる。

即ち、通常の撮影においては撮影部位および撮
影方法に基づいて決定された（勿論撮影部位およ
び撮影方法以外の要因をも併せて考慮して決定さ
れた場合も含む）標準的な最適読取条件は画像処
理条件で何ら問題は生じないが、場合によつては
その標準的な最適読取条件又は画像処理条件とは
異なつた条件が最適条件になる場合があ。従つ
て、撮影部位および撮影方法によつて決定された
それらの条件を容易に確認でき、また必要があれ
ばそれらの条件を容易に修正できることが望まし
い。

（発明の目的） 本発明の目的は、上記事情に鑑み、撮影部位及
び撮影方法に関する情報に基づいて決定された放
射線画像情報再生処理条件の確認を容易に行なう
ことができ、かつその決定され再生処理条件を容
易に変更することができるようにした放射線画像
情報再生処理条件指示装置を提供することにあ
る。

（発明の構成） 本発明に係る放射線画像情報再生処理条件指示
装置は、上記目的を達成するため、撮影部位及び
撮影方法に関する情報を入力する入力手段と、少
なくとも該入力手段によつて入力された情報に基
づいて放射線画像情報再生処理条件を決定し、該
条件を放射線画像情報再生装置に指示する制御手
段とを備えて成る放射線画像情報再生処理条件指
示装置において、上記制御手段によつて決定され
た決定済再生処理条件の全部又は一部を表示する
表示手段と、上記決定済再生処理条件をそのまま
上記放射線画像情報再生処理装置に指示させる決
定条件指示命令手段と、上記表示手段によつて表
示された上記決定済再生処理条件の全部又は一部
を他の再生処理条件に置き換える置換入力手段
と、該置換入力手段によつて全部又は一部が置き
換えられた置換済再生処理条件を上記放射線画像
情報再生処理装置に指示させる置換条件指示命令
手段とを備えて成ることを特徴とする。

上記撮影部位とは、被写体の撮影対象部分を意
味し、例えば被写体が人間の場合は頭部、胸部、
腹部等を意味し、あるいは頭部を更に細かく分類
した頭部全体、眼球、鼻骨、耳等を意味し、さら
には頭部における正面あるいは側面等を意味す
る。

上記撮影方法とは、被写体を撮影する際の撮影
の仕方をいい、例えば通常撮影、造影撮影、拡大
撮影等をいう。

上記放射線画像情報再生処理条件とは、記録媒
体に記録された放射線画像情報を読み取る際の読
取条件あるいは読み取つて得られた画像信号を信
号処理する際の画像処理条件をいう。また、読取
条件とは記録媒体に記録された放射線画像情報を
読み取つて画像信号を出力する読取装置における
入力と出力との関係に撮影を与える各種の条件を
総称するものであり、例えば読取ゲイン、スケー
ル係数あるいは読取りにおける励起のパワー等を
意味する。画像処理条件とは、読取装置から出力
された画像信号に種々の信号処理を施す画像処理
装置における入力と出力との関係に影響を与える
各種の条件を総称するものであり、例えば階調処
理条件や空間周波数強調処理条件あるいは画像を
左右反転させるか否か等をいう。

上記放射線画像情報再生処理装置とは、上記読
取装置あるいは画像処理装置を意味する。

上記撮影部位および撮影方法には、それが変化
することによつて最適な読取条件又は画像処理条
件を変化させる様な全てのパラメータが含まれ
る。また、上記読取条件には、上記した読取ゲイ
ンやスケール係数等のみでなく、それらをどの様
にして決定するかという読取モードも含まれる。

上記決定済再生処理条件をそのままとは、制御
手段によつて決定された再生処理条件の全部をそ
のままの状態でという意味であり、上記置換入力
手段によつて全部又は一部が置き換えられた置換
再生処理条件とは、制御手段によつて決定された
再生処理条件が全部置き換えられたときはその置
き換え後の再生処理条件の全部を、一部のみが置
き換えられたときはその置き換え後の再生処理条
件と置き換えられなかつた残りの決定済再生処理
条件とを意味する。

（実施態様） 以下、図面に示す実施態様を参照しながら本発
明を詳細に説明する。

第１図は、本発明の一実施態様を示すブロツク
図であり、この実施態様は、前述した放射線画像
情報再生システム用として具体化したものであ
る。

図示の如く、本装置は、撮影部位および撮影方
法に関する情報を入力する入力手段１と、少なく
とも該入力手段１によつて入力された撮影部位お
よび撮影方法に関する情報に基づいて読取条件あ
るいは画像処理条件を決定し、これらの決定され
た条件を読取装置２あるいは画像処理装置３に指
示する制御手段４とを備えて成り、さらに、上記
制御手段４によつて決定された決定済読取条件又
は画像処理条件の全部又は一部を表示する表示手
段５と、上記決定済読取条件又は画像処理条件を
そのまま上記読取装置２あるいは画像処理装置３
に指示させる決定条件指示命令手段８と、上記表
示手段５によつて表示された上記決定済読取条件
又は画像処理条件の全部又は一部を他の読取条件
又は画像処理条件に置き換える置換入力手段６
と、該置換入力手段６によつて全部又は一部が置
き換えられた置換済読取条件又は画像処理条件を
上記読取装置２あるいは画像処理装置３に指示さ
せる置換条件指示命令手段９とを備えて成る。

第２図は、上記入力手段１、表示手段５、置換
入力手段６、決定条件指示命令手段８および置換
条件指示命令手段９の一例を組合せて形成したコ
ンソールボツクス１０の正面図であり、多数の面
照光スイツチ１１を備えて成る。

両図に示す実施態様においては、入力手段１は
頭部、頚部等の各撮影部に対応する複数の面照光
スツチと単純、造影等の各撮影方法に対応する複
数の面照光スイツチとから成り、例えば「頭部」
と記載された面照光スイツチ「単純」と記載され
た面照光スツチを押せば撮影部位および方法とし
て「頭部」および「単純」という情報が制御手段
４に入力される。勿論、入力手段１は撮影部位お
よび方法に関する情報を入力することができるも
のであれば良く、どの程度の詳しい情報をあるい
はどの様は種類の情報を入力できるように構成す
るかは適宜決定すれば良いものである。

制御手段４は、たとえば各種の撮影部位と撮影
方法との組合せにおける最適読取条件と最適画像
処理条件とを予めデータとして記憶しておき、入
力手段１によつて撮影部位および撮影方法が入力
されるとそれに応じて上記記憶データの中から最
適読取条件および画像処理条件を選定し、そらの
条件読取装置２あるいは画像処理装置３に指示す
べき条件として決定すると共に決定したそれらの
条件を両装置２，３に対して指示するものであ
る。もちろん、この制御手段４は入力された撮影
部位および撮影方法に関する情報に基づいて演算
することにより最適読取条件あるいは画像処理条
件を決定するものであつても良い。

なお、制御手段４による読取条件又は画像処理
条件の決定は、上記撮影部位および撮影方法に関
する情報のみに基づいて決定するものでも良く、
あるいはそれらの情報の他さらに他の情報、例え
ば先読み情報等をも考慮して決定するものであつ
ても良い。

表示手段５は、決定された読取条件を表示する
ものとしての読取モード１，２，３に対応する３
つの面照光スツチと決定された画像処理条件を表
示するものとしての周波数処理ランク弱、中、強
に対応する３つの面照光スツチおよび左右反転を
行なうか否かを示す面照光スツチとから成り、こ
れらの表示手段５は同時に置換入力手段６を兼ね
ている。

この表示手段５は、勿論制御手段４によつて決
定された全ての読取条件および画像処理条件、即
ち決定された両条件の全てのパラメータを表示す
ることも可能であるが、現実問題として全てのパ
ラメータを表示してもあまり意味がなく、従つて
主要パラメータのみ又は置換入力手段によつて置
き換えする可能性のあるあるいは置き換えする必
要性のあるパラメータのみを表示するのが現実的
である。

図示の実施態様では、読取条件を３つのモード
に区分し、どのモードで読み取りが行なわれるか
が面照光スツチによつて表示される。この場合の
モード１は、蓄積性蛍光体シートを先読み（先読
みとは、可視像出力用画像信号を得るための読み
取りに先立つて、予め当該シートに記録されてい
る放射線画像情報を概略的に取ることであり、そ
の方法の１つとして例えば特開昭58−67240号公
報に記載されたものがある）してその先読み情報
も併せて考慮して読取ゲインやスケール係数も決
定する態様、モード２は、スケール係数は部位お
よび方法のみによつて決定し、読取ゲインは前記
先読み情報をも併せて考慮して決定する態様、モ
ード３は、読取ゲイン、スケール係数共に部位お
よび方法のみによつて決定する態様である。勿論
さらに多くのモードに区して表示するようにして
も良いし、各モードを異なる読取態様にすること
も可能であり、さらにはモードのみでなく具体的
に読取ゲインやスケール係数の値をもあるいはそ
れらの値のみを表示するようにしても良い。

また、画像処理条件については特定周波数帯域
強調程度の弱、中、強と左右反転の有無を面照光
スツチによつて表示するように構成されている
が、さらに階調処理条件を表示するようにしても
良いし、さらには異なつた種類の条件を異なつた
態様で表示するようにしても良い。

上記置換入力手段６は、上記表示手段５と一体
的に構成され、表示手段５を構成する各面照光ス
イツチはそれぞれ置換入力手段６を構成してい
る。従つて、例えば制御手段４によつて決定され
た読取モードがモード１であり、周波数処理ラン
クが弱であり、かつ左右反転が無しと表示された
とき、これを読取モード２に、周波数処理ランク
中に、かつ左右反転有に置き換えしようとする場
合はそれぞ対応する面照光スイツチを押せばそれ
に応じて各条件は置き換えられる。

もちろん、表示手段５よつて表示される条件の
種あるいは態様が異なればそれに応じて置換入力
手段６も異なり、例えば表示手段で読取ゲインや
スケール係数の数値までも表示し、この数値を置
き換え可能に構成するときは、例えば両手段５，
６をCRTとフルキーボードあるいはテンキーボ
ードで構成することも可能である。

上記決定条件指示命令手段８と置換条件指示命
令手段９とは共にスタートと記された兼用のスタ
ートボタンスイツチにより構成されている。

表示手段によつて表示された各条件を置き換え
する必要がないときは、そのまま図示の決定条件
指示命令手段としてのスタートボタンスイツチを
押すことにより、表示された（決定された）条件
が読取装置２又は画像処理装置３に指示され、も
し置き換えを行なつたときはその置き換え操作終
了後置換条件指示命令手段としてのスタートボタ
ンスイツチを押すことにより置き換え後の各条件
即ち全部置き換えたときはその置換後の全部の条
件が、一部を置き換えたときはその一部の置換後
の条件と残りの置き換えなかつた条件とが両装置
２，３に指示され、読取装置２は指示された読取
条件に従つて蓄積性蛍光体シート７に記録されて
いる放射線画像情報を読み取つて画像信号を出力
し、画像処理装置３は指示された画像処理条件に
従つてこの画像信号を信号処理する。

本発明は、上記実施態様の如き蓄積性蛍光体シ
ートに記録された放射線画像情報の再生処理条件
を指示する装置に限らず、その他の記録媒体に記
録された放射線画像情報の再生処理条件を指示す
る装置に適用することも可能である。

（発明の効果） 本発明に係る装置は、上記の如く、制御手段で
決定された読取条件又は画像処理条件の全部又は
一部を表示し、かつその表示された条件の全部又
は一部を適宜他の条件に置き換え、その置き換え
後の条件を読取装置や画像処理装置に指示させ得
る様に構成されている。

従つて、本発明に係る装置によれば、決定され
た読取条件又は画像処理条件を容易に確認するこ
とが可能であり、かつ確認した結果それらの条件
の置き換え希望する場合は容易にその置き換えを
行なうことができる。

よつて、本発明に係る装置によれば、例えば特
殊な撮影であつてその最適読取条件又は画像処理
条件が標準的な最適読取条件又は画像処理条件と
異なる場合であつてもその標準的な最適条件を容
易に置き換えてその特殊撮影における最適条件で
読み取りや画像処理を行なうことができ、従つて
その様な場合であつても診断目的に適した、観察
読影適性の優れた可視出力画像を得ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る装置の一実施態様を示す
ブロツク図、第２図は第１図に示す入力手段、表
示手段および置換入力手段を一体的に構成したコ
ンソールボツクスの正面図である。 １……入力手段、２，３……再生処理装置（読
取装置又は画像処理装置）、４……制御装置、５
……表示装置、６……置換入力手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 撮影部位および撮影方法に関する情報を入力
   する入力手段と、該入力手段によつて入力された
   情報に基づいて放射線画像情報再生処理条件を決
   定し、該再生処理条件を放射線画像情報再生処理
   装置に指示する制御手段とを備えて成る放射線画
   像情報再生処理条件指示装置において、 上記制御手段によつて決定された決定済再生処
   理条件の全部又は一部を表示する表示手段と、上
   記決定済再生処理条件をそのまま上記放射線画像
   情報再生処理装置に指示させる決定条件指示命令
   手段と、上記表示手段によつて表示された上記決
   定済再生処理条件の全部又は一部を他の再生処理
   条件に置き換える置換入力手段と、該置換入力手
   段によつて全部又は一部が置き換えられた置換済
   再生処理条件を上記放射線画像情報再生処理装置
   に指示させる置換条件指示命令手段とを備えて成
   ることを特徴とする放射線画像情報再生処理条件
   指示装置。