JPH0547741Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は前後輪操舵装置に関する。

（従来の技術） 車両において、前後輪操舵装置を装備すること
が行われ、例えば特開昭58−20563号公報にて、
前輪用と後輪用のともにラツクピニオン式のステ
アリングギヤボツクスを前後に配置し、前輪用ス
テアリングギヤ側の回転取出用ピニオン軸と後輪
用ステアリングギヤ側の回転入力用ピニオン軸と
をリンケージ軸を介して連結したものが開示され
る。

（考案が解決しようとする問題点） 斯かる形式の前後輪操舵装置においては、製作
及び組付誤差並びに車両走行中の各部の移動に伴
う寸法変化を吸収するための対策を施す必要があ
り、従来は各軸部間に介設されるジヨイント部に
設けたスプライン等により誤差及び寸法変化の吸
収を軸方向で行つていた。

本考案は新方式による誤差及び寸法変化の吸収
を行うもので、その目的は、後輪用ステアリング
ギヤボツクスの角度変化により各軸部の製作・組
付誤差及び走行中の寸法変化を容易に吸収するこ
とができるようにした前後輪操舵装置を提供する
にある。

（問題点を解決するための手段） 以上の問題を解決して目的を達成すべく本考案
は、回転取出軸を備えた前輪用ステアリングギヤ
ボツクス、回転入力軸を備えて車巾方向に配設さ
れるタイロツド連結軸を内装した後輪用ステアリ
ングギヤボツクス、前記回転取出軸と前記回転入
力軸とにジヨイントを介して接続されるリンケー
ジ軸からなる前後輪操舵装置において、前記回転
入力軸と前記リンケージ軸とを、これらを連結す
るジヨイントにより、側面視で角度を設けて連結
し、前記後輪用ステアリングギヤボツクスを、車
体に対して、前記タイロツド連結軸廻りに回動可
能としたことを特徴とする。

（作用） 各軸部の前後方向寸法の増減は、後輪用ステア
リングギヤボツクスのタイロツド連結軸廻りの回
動によつて容易に吸収される。

（実施例） 以下に添付図面を基に実施例を説明する。

第１図及び第２図は軸連結構成を示す斜視図と
側面図で、１は車体前部に配置される前輪用ステ
アリングギヤボツクス、１１は車体後部に配置さ
れる後輪用ステアリングギヤボツクスで、前輪用
ステアリングギヤボツクス１にはハンドルの回転
を入力するピニオン軸２とこれに噛合するラツク
軸３が組込まれ、車巾方向に配設されたラツク軸
３の両端には既知の如くタイロツドを介して前輪
用ナツクルアームが連結される。即ちラツク軸３
はタイロツド連結軸をなす。更に前輪用ステアリ
ングギヤボツクス１からはラツク軸３に噛合する
回転取出用ピニオン軸４が後方に突出して設けら
れ、このピニオン軸４にはユニバーサルジヨイン
ト５を介して車体前後方向に配設されたリンケー
ジ軸６が連結される。

また後輪用ステアリングギヤボツクス１１には
回転入力用ピニオン軸１２とラツク軸１３が組込
まれ、前方に突出して設けられるピニオン軸１２
には前記リンケージ軸６がユニバーサルジヨイン
ト７を介して連結され、車巾方向に配設されたラ
ツク軸１３の両端には既知の如くタイロツドを介
して後輪用ナツクルアームが連結される。即ちラ
ツク軸１３はタイロツド連結軸をなす。

以上において、第２図に示すようにリンケージ
軸６と回転入力用ピニオン軸１２を側面視で所定
角度αを設けて連結し、即ちユニバーサルジヨイ
ント７で屈曲させ、リンケージ軸６の軸線に対し
ピニオン軸１２を角度αだけ後下がりに配置す
る。

そして後輪用ステアリングギヤボツクス１１の
ハウジング左右にはそれぞれ上下の取付片１４…
を突設し、各取付片１４…には第３図に示すよう
にゴムブツシユ１５…をそれぞれ嵌合し、各ゴム
ブツシユ１５…内にはカラー１６…をそれぞれ嵌
合する。

一方、車体後部下には左右のブラケツト２１，
２１を垂設し、ブラケツト２１，２１の上下にカ
ラー１６…の前端をそれぞれ当て、カラー１６…
の後端にはワツシヤ１７…をそれぞれ当てて後方
からカラー１６…内にボルト１８…をそれぞれ通
し、ブラケツト２１，２１前方に突出するボルト
１８…の先部にナツト１９…をそれぞれ締結す
る。

斯くして車体側ブラケツト２１，２１に対して
後輪用ステアリングギヤボツクス１１を左右上下
のゴムブツシユ１５…の可撓性によりラツク軸１
３廻り回動可能に取付支持する。

このようにリンケージ軸６と回転入力用ピニオ
ン軸１２を側面視で角度αを設けて連結し、特に
後輪用ステアリングギヤボツクス１１を車体に対
しラツク軸１３廻り回動可能に支持したため、各
軸部４，６，１２等の製作及び組付誤差や車両走
行中における各部の移動に伴う前後方向寸法の増
減は、第４図に仮想線で示されるようにギヤボツ
クス１１のラツク軸１３廻りの回動変位によつて
容易に吸収されることとなる。

尚、ギヤボツクス１１の車体への組付構造は実
施例に限られるものではなく、任意の手段を採用
し得る。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば、各軸部の製作・
組付誤差及び走行中の寸法変化を後輪用ステアリ
ングギヤボツクスの角度変化によつて容易に吸収
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は軸連結構成を示す斜視図、第２図は同
側面図、第３図はギヤボツクス支持部の縦断面
図、第４図は作用を説明する模式的側面図であ
る。 尚、図面中、１，１１はギヤボツクス、４は回
転取出用ピニオン軸、５，７はジヨイント、６は
リンケージ軸、１２は回転入力用ピニオン軸、１
５はゴムブツシユ、２１はブラケツトである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 回転取出軸を備えた前輪用ステアリングギヤボ
   ツクス、回転入力軸を備えて車巾方向に配設され
   るタイロツド連結軸を内装した後輪用ステアリン
   グギヤボツクス、前記回転取出軸と前記回転入力
   軸とにジヨイントを介して接続されるリンケージ
   軸からなる前後輪操舵装置において、 前記回転入力軸と前記リンケージ軸とを、これ
   らを連結するジヨイントにより、側面視で角度を
   設けて連結し、 前記後輪用ステアリングギヤボツクスを、車体
   に対して、前記タイロツド連結軸廻りに回動可能
   としたことを特徴とする前後輪操舵装置。