JPH054750Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用シートにおけるリクライニン
グデバイスの取付構造、詳しくはリクライニング
デバイスのロアブラケツトをシートアジヤスタの
アツパーレールに起立固着したブラケツトに接合
してボルトで締結することにより固定するリクラ
イニングデバイスの取付構造の改良に関するもの
である。

（従来の技術とその問題点） 従来、ボデイ又はセンターコンソールとの干渉
を回避するために、リクライニングデバイスのシ
ートクツシヨン側に固定するロアブラケツトを内
側に屈曲させた構造のものがある。これは、シー
トバツクの左右幅がシートクツシヨンを前後に移
動させる左右のスライドアジヤスタの間隔より広
いために、前記リクライニングデバイスのロアブ
ラケツトを内側に屈曲させなければ、シートクツ
シヨン側に取付けることができないからである。
従つて、例えば自動車の衝突時等、シートバツク
に大負荷が加わると、前記ロアブラケツトは屈曲
されているため、その強度が不足し変形する虞れ
がある。そのため、斯るロアブラケツトはその肉
厚を厚くするなどの補強が必要であつた。

一方、シートクツシヨン側にシートベルトのア
ンカーを設けたものにおいては、自動車の衝突時
においては、アンカーのシートクツシヨン側に対
する取付部に上方への荷重が作用するため、シー
トクツシヨン側のアンカーを取付ける部分を、前
記と同様に補強する必要がある。

そのため、従来品は前記リクライニングアジヤ
スタのロアブラケツト、シートベルトのアンカー
を取付けるシートクツシヨン側を夫々補強しなけ
ればならないため、重量増を招く不具合があつ
た。

（問題点を解決すべき手段） そこで、本考案は、斯様に補強手段を設けず
に、説明リクライニングデバイスのロアブラケツ
ト等の変形を防止することを目的とするものであ
る。

以上の目的を達成するための本考案は、シート
アジヤスタのアツパーレールに起立固着したブラ
ケツトの頂部に沿つて、折曲状の支承部を一体に
延設すると共に、リクライニングデバイスのロア
ブラケツトには、前記支承部に対して内側且つ上
方に配設して支承部に大負荷時に当接する段差状
の屈曲部を設け、且つ前記ブラケツトとロアブラ
ケツトを締結するボルトにシートベルトのアンカ
ーを取付けてなるものである。

従つて、衝突時等において、シートバツクより
シートクツシヨンに対して下向きの荷重が加わ
り、シートベルトよりアンカーに対して上向きの
荷重が加わるが、その双方の荷重によつて前記ブ
ラケツトの支承部とロアブラケツトの屈曲部とが
当接して、相互に打ち消す。そのため、ロアブラ
ケツト、ブラケツトの変形が防止される。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

図中、ａはリクライニングデバイスを示し、こ
のリクライニングデバイスａのアツパーブラケツ
ト１２はシートバツクＡを構成するバツクフレー
ム６に固定され、ロアブラケツト１１はシートク
ツシヨンＢ側に締結されている。そして、このリ
クライニングデバイスａはシートバツクＡの左右
に配設されている。図中、１３は両側に設けたリ
クライニングデバイスａの連結ロツド、１４はリ
クライニングデバイスａのロツク機構を構成する
ギヤを示す。

なお、リクライニングデバイスａのギヤ１４の
噛合するロツク片、ロツク解除用操作レバーなど
他のロツク機構及びロツク解除機構（不図示）等
は従来周知のものを使用する。

図中、ｂはシートの前後位置を調節するための
シートアジヤスタであり、車体側に固定するロア
レール４と、このロアレール４に対して摺動可能
に嵌合するアツパーレール３とから構成され、こ
のシートアジヤスタｂは車体壁面又はセンターコ
ンソール５を側方に有する車床６に固定される。
そのため、前記センターコンソール５等に干渉し
ないように前記リクライニングデバイスａのロア
ブラケツト１１には段差状の屈曲部１１ａを設け
る。従つて、この屈曲部１１ａはロアブラケツト
１１の前後方向に、且つ上部に対して下部が内側
に位置するように段差状に成形される。

一方、前記シートアジヤスタｂのアツパーレー
ル３の上面には垂直状に起立せるブラケツト２１
が溶接され、このブラケツト２１の頂部には前記
屈曲部１１ａと同一方向に折曲する支承部２１ａ
が一体に延設されており、この支承部２１ａは屈
曲部１１ａの外側面に対して下方に、当接、若し
くは少許の間隙をあけて配設されている。

従つて、ブラケツト２１の内側にリクライニン
グデバイスａのロアブラケツト１１の下部は位置
し、この両ブラケツト２１，１１はボルト１ａ，
１ｂによつて一体に接合されて締結され、その
際、一方のボルト１ａにはシートベルトのアンカ
ー２を固定する。

なお、左右のシートアジヤスタｂのアツパーレ
ール３に固着したブラケツト２１にはシートクツ
シヨンＢの皿状クツシヨンフレーム７をボルト７
ａ，７ａで締結する。

斯して、自動車の衝突時等において、シートバ
ツクＡのバツクフレーム６に前方への大負荷が加
わるが、この大負荷はバツクフレーム６をクツシ
ヨンフレーム７に連結するリクライニングデバイ
スａにおけるバツクフレーム６側に固定するアツ
パーブラケツト１２と、クツシヨンフレーム７に
固定されるロアブラケツト１１との連結個所であ
る回転中心に入力されるため、ロアブラケツト１
１には、後向きに回転しようとする力が作用す
る。そして、ロアブラケツト１１の前記リクライ
ニングデバイスａにおける連結個所に対して、ロ
アブラケツト１１のブラケツト２１に対する連結
個所「アンカー２固定用ボルト１ａでの連結個
所」は、前側に位置しているため、このロアブラ
ケツト１１のブラケツトに対する連結個所には、
前記大負荷が下向きに作用する。

一方、同時に着座者を拘束するシートベルトに
加わる大負荷はブラケツト２１を上方に持ち上げ
る方向に作用する。

この双方の大負荷によつてリクライニングデバ
イスａのロアブラケツト１１に屈曲部１１ａとブ
ラケツト２１の支承部２１ａとが相互に当接し、
前記双方の大負荷を相互に相殺する作用をなす。

そして、前記シートバツクＡが加わる大負荷
は、シートバツクＡの左右に、連結ロツド１３で
連結されているリクライニングデバイスａを設け
ることにより、左右均等に加わり、リクライニン
グデバイスａのロアブラケツト１１等にネジリ力
が作用し難く、また、大負荷を左右のリクライニ
ングデバイスａで均等に負担するため、リクライ
ニングデバイスａのロアブラケツト等の板厚を従
来品に比べ薄く形成できる。

（効果） 本考案によれば自動車の衝突時等にシートバツ
ク及びシートベルトの取付部に過大な負荷が生じ
た場合、シートバツク側におけるリクライニング
デバイスのロアブラケツトに設けた屈曲部に、シ
ートクツシヨン側のブラケツトに設けた支承部が
当接して、シートバツク側に加わる負荷とシート
ベルトに加わる負荷とを相互に相殺する。従つ
て、衝突時等の負荷によつてリクライニングデバ
イスのロアブラケツト、シートアジヤスタのブラ
ケツト、クツシヨンフレーム等が変形することが
ない。そのため、ブラケツト、リクライニングデ
バイスのロアブラケツト等にその板厚を厚くする
などの補強する必要がないため、前記従来品に比
べシートの軽量化を図ることが可能であり、また
単にブラケツトの頂部に支承部を設ければ良いた
め、生産性も良く低原価で提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は一部
切欠して示す斜視図、第２図は第１図における
−線断面図である。 図中、ａはリクライニングデバイス、ｂはシー
トアジヤスタ、１１はリクライニングデバイスの
ロアブラケツト、１１ａはロアブラケツトの屈曲
部、２１はブラケツト、２１ａはブラケツトの支
承部を夫々示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートアジヤスタのアツパーレールに起立固着
   したブラケツトに対して、リクライニングデバイ
   スのロアブラケツトを接合して締結するリクライ
   ニングデバイスにおいて、前記ブラケツトの頂部
   に沿つて、折曲状の支承部を一体に延設すると共
   に、前記ロアブラケツトには、前記支承部に対し
   て内側且つ上方に配設して支承部に大負荷時に当
   接する段差状の屈曲部を設け、且つ前記ブラケツ
   トとロアブラケツトを締結するボルトにシートベ
   ルトのアンカーを取付てなることを特徴とするリ
   クライニングデバイスの取付構造。