JPH0547102U - プレキャストコンクリート梁の連結部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プレキャストコンクリート梁間の連結に際す
る主筋相互の連結作業を容易にする。 【構成】 端面が互いに向かい合った一対のＰＣ梁（プ
レキャストコンクリート梁）１１Ａ，１１Ｂの対向端面
から突出させた連結用主筋１２Ａ，１２Ｂの端部間を箱
状をした連結金具１３をもって連結する。連結金具１３
は、両端の耐圧プレート１４Ａ，１４Ｂ間を一対の連結
板材１５をもって連結しており、両耐圧プレート１４
Ａ，１４Ｂに連結用主筋１２Ａ，１２Ｂを貫通させ、ナ
ット１７Ａ，１７Ｂにより抜け止めする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は主として多階建築物におけるプレキャストコンクリート梁の連結部構 造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、プレキャストコンクリート梁（以下ＰＣ梁と記す）相互間の柱間部分も しくは柱上での連結に際しては、例えば図７に示すように、既設の柱１上にて互 いに連結しようとするＰＣ梁２Ａ，２Ｂを、その端面を対向させて接置し、その 各ＰＣ梁の端面より連結用の主筋３Ａ，３Ｂを互いに対向配置に突設とておき、 これを溶接４によって連結し、間詰コンクリート５を現場打にて打設する方法や 、図８に示すように連結用主筋３Ａ，３Ｂをスリーブジョイント６内に挿入し、 硬化性樹脂系の充填材を該ジョイント６内に充填して両連結用主筋３Ａ，３Ｂを 連結する方法が採用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上述の如き従来のＰＣ梁連結部構造においては、連結用主筋の連結作業に多く の手数を要するとともに、熟練した技術者によらなければ作業ができず、しかも 連結後の強度も信頼性が充分でないという問題があった。

【０００４】 本考案はこのような従来の問題にかんがみ、ＰＣ梁間の連結用主筋の連結が熟 練を要することなく簡単、かつ、確実になし得られるＰＣ梁の連結部構造の提供 を目的としたものである。

【０００５】

【課題を達成するための手段】

上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための本考案の特徴は 、端面が互いに対向配置の一対のプレキャストコンクリート梁の各対向端面から 主筋の先端を突出させ、その互いに対向した主筋間を互いに連結するとともに、 前記対向端面間を間詰コンクリートを打設してなるプレキャストコンクリート梁 の連結部構造において、略中心位置に主筋貫通部を有する一対の耐圧プレートと 、該両耐圧プレート間を一体に連結した連結板材とからなる箱状をした連結金具 を備え、該連結金具の両端の各耐圧プレートに前記両プレストレストコンクリー ト梁の端面からそれぞれ突出した連結用主筋の先端を挿通させて、該各主筋にナ ットを螺嵌して前記各耐圧プレートを抜け止めしたことにある。

【０００６】

【作用】

本考案のＰＣ梁の連結部構造においては、連結金具の両耐圧プレートに各主筋 をそれぞれ貫通させ、これを抜け止めするナットを螺嵌させて締結することによ り、連結される一対の主筋に張力が加わり、ＰＣ梁間を互いに引き寄せる方向の 力が働いた状態で連結される。これが間詰コンクリート内に埋め込まれ、両ＰＣ 梁間が一体化される。

【０００７】 なお耐圧プレートに貫通孔を開けている形式のものでは連結具を一方のＰＣ梁 の主筋に嵌め付けておき、梁ＰＣ梁を所定の向きに設置後、前記連結具を他方の ＰＣ梁の主筋側に移動させ、両耐圧プレートを所定の位置にナット止めすること ができる。

【０００８】

【実施例】

次に本考案の実施例を図１〜図６について説明する。

【０００９】 図１は、本考案に係る連結構造部分の断面を示している。図において、１０は 柱であり、１１Ａ，１１Ｂは柱１０上で突き合せ配置に端面を対向させたＰＣ梁 である。両ＰＣ梁１１Ａ，１１Ｂには、その端面から連結用の主筋１２Ａ，１２ Ｂが互いに突き合せ配置になるように突出されており、この両主筋１２Ａ，１２ Ｂ間を連結金具１３にて連結している。

【００１０】 連結金具１３は、図２に示すように両端面に一対の耐圧プレート１４Ａ，１４ Ｂがあり、その両縁間を連結板１５，１５にて一体的に連結して構成されており 、両耐圧プレート１４Ａ，１４Ｂには、その略中心の位置に主筋挿通孔１６Ａ， １６Ｂが貫通開口されている。この主筋挿通孔１６Ａ，１６Ｂにそれぞれ主筋１ ２Ａ，１２Ｂを挿通し、その先端にナット１７Ａ，１７Ｂを螺嵌することによっ て各主筋１２Ａ，１２Ｂに対して各耐圧プレート１４Ａ，１４Ｂを抜け止めし、 これによって両主筋１２Ａ，１２Ｂ間を連結している。

【００１１】 このようにして連結された主筋１２Ａ，１２Ｂ及び連結金具１３を埋め込んで 柱１０上のＰＣ梁１１Ａ，１１Ｂ間に間詰コンクリート１８を打設している。

【００１２】 この連結部の施工に際しては、図３（Ａ）に示すように一方のＰＣ梁１１Ａの 主筋１２Ａに連結金具１３の全体を螺合してナット１７Ａにて抜け止めしておき 、両ＰＣ梁１２Ａ，１２Ｂを所定位置に架設後、図３（Ｂ）に示すようにナット １７Ａを外して連結金具１３を他方のＰＣ梁１１Ｂ側に移動させ、耐圧プレート １４Ｂに主筋１２Ｂを挿通させ、然る後、図３（Ｃ）に示すように両ナット１７ Ａ，１７Ｂを各主筋１２Ａ，１２Ｂに螺合させ、両主筋１２Ａ，１２Ｂ間に連結 金具１３間をまたがらせて固定する。

【００１３】 然る後、間詰コンクリート１８を現場打施工する。

【００１４】 なお上述の実施例では、柱１０上にて両ＰＣ梁１１Ａ，１１Ｂを連結する場合 を示しているが、図４に示すように、柱１０から一体に突出したＰＣ梁１１Ａに ＰＣ梁１１Ｂを連結する場合にも同様に施工することができる。更に耐圧プレー トには主筋挿通孔を開口させているが、この他、図５に示すように一辺から中央 側に向けて切欠いた形状の凹陥部２０を形成しておき、この場合には、図６に示 すように予めナット１７Ａ，１７Ｂを両主筋１２Ａ，１２Ｂに螺嵌した状態で連 結金具１３を装着しもてよい。なお、この場合には図５に示すように、複数の連 結金具１３を同時に使用し、各連結板１５にあけた長欠２１にボルト２２を通し て回り止めする。

【００１５】

【考案の効果】

上述したように本考案のＰＣ梁の連結部構造は、両耐圧プレート間を板材で連 結した連結金具を使用し、これを連結用の主筋間にまたがらせて配置し、ナット によって抜け止めすることによって主筋間を連結するようにしたことによって何 等の熟練を要することなく作業ができ、また連結主筋間に多少の向きや位置にく るいが生じても何等支障なく連結が可能であり、しかも構造が簡単であるため、 コストも低くできる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の全体構造の概略を示す縦断面
図である。

【図２】本考案において使用する連結金具一例斜視図で
ある。

【図３】（Ａ）〜（Ｃ）は主筋連結工程を示す平面図で
ある。

【図４】本考案の他の実施例の全体構造の概略を示す縦
断面図である。

【図５】本考案に使用する連結金具の他の例の斜視図で
ある。

【図６】同上の使用状態を示す側面図である。

【図７】従来技術の一例の断面図である。

【図８】従来技術の他の例の断面図である。

【符号の説明】

１０ 柱 １１Ａ，１１Ｂ ＰＣ梁 １２Ａ，１２Ｂ 主筋 １３ 連結金具 １４Ａ，１４Ｂ 耐圧プレート １５ 連結板 １６Ａ，１６Ｂ 主筋挿通孔 １７Ａ，１７Ｂ ナット １８ 間詰コンクリート ２０ 凹陥部 ２１ 長欠 ２２ ボルト

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 端面が互いに対向配置の一対のプレキャ
   ストコンクリート梁の各対向端面から主筋の先端を突出
   させ、その互いに対向した主筋間を互いに連結するとと
   もに、前記対向端面間を間詰コンクリートを打設してな
   るプレキャストコンクリート梁の連結部構造において、
   略中心位置に主筋貫通部を有する一対の耐圧プレート
   と、該両耐圧プレート間を一体に連結した連結板材とか
   らなる箱状をした連結金具を備え、該連結金具の両端の
   各耐圧プレートに前記両プレストレストコンクリート梁
   の端面からそれぞれ突出した連結用主筋の先端を挿通さ
   せて、該各主筋にナットを螺嵌して前記各耐圧プレート
   を抜け止めしたことを特徴としてなるプレキャストコン
   クリート梁の連結部構造。
2. 【請求項２】 各耐圧プレートは周囲の一辺側から中央
   部分に向けた凹欠部を設け、該凹欠部に主筋を嵌め込ん
   でなる請求項１に記載のプレキャストコンクリート梁の
   連結部構造。