JPH0547035Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は荒地等での走行に利用される３輪や４
輪のバギー車に関し、特にスイングアームを介し
て後輪が支持される車両に使用されるチエーンガ
イドを対象としている。

（従来の技術） 実開昭60−22454号公報には、３輪バギー車の
一例が記載されている。この公報に記載されてい
る如く、一般に３・４輪バギー車では、後輪用ブ
レーキデイスクやチエーン、スイングアーム等を
岩等から保護するために、それらの下側に金属板
製のガードが設けられる。

（考案が解決しようとする課題） ところが、ガードを設けると、チエーンの揺動
範囲が制限され、チエーンが大きく揺れた場合に
は金属製のガードと衝突する。そのために従来の
構造では、その衝突による騒音が発生しやすく、
又チエーンやガードに破損や摩耗が生じやすい。

一方、既に一部に自動２輪車では、チエーン用
の保護部材として、チエーンガイドが採用されて
いる。このチエーンガイドは比較的小形の合成樹
脂製製品で、チエーンが通過する溝を備えてお
り、スイングアームに取り付けられる。従つて、
３・４輪バギー車においても、チエーンと金属製
ガードとの衝突を防止するために、チエーンガイ
ドを使用することが考えられる。

ところが、チエーンガイドを従来の自動２輪車
の場合と同様の方法で３・４輪バギー車に取り付
けると、分解や組立の際の、ガード及びチエーン
ガイドを個々にスイングアームに対して脱着しな
ければならず、その作業に手間が掛かる。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決するために、本考案は、車両前
後方向に延びるスイングアームと、スイングアー
ムの一方の側部近傍に配置される後輪駆動用のチ
エーンと、スイングアーム及びチエーンを下方か
ら覆うガードとを備えた３・４輪バギー車の上記
チエーンとガードの間に位置するチエーンガイド
において、チエーン下側近傍において上記ガード
に上開きの溝を設け、該溝の後部あるいは前後方
向の中間部の位置に、合成樹脂製のチエーンガイ
ドを嵌め込んでボルトにより固定し、チエーンガ
イドはチエーンの下部が通過するチエーン通過用
溝を備え、該チエーン通過用溝を、チエーンに下
側から被せることができる上開きの形状としてい
ることを特徴としている。

（実施例） 第１図は実施例の分解斜視略図、第２図は組立
状態における左側面略図である。第２図におい
て、スイングアーム１は車両の前後方向に延びて
おり、その下側にガード２が配置してある。スイ
ングアーム１は、後端部３が軸受を介して後輪車
軸４を支持しており、前端部５が車軸４と平行な
支軸６及び軸受を介して車体フレーム７で回動自
在に支持されている。車軸４には１対の後輪９な
らびにブレーキデイスク１０及びドリブンスプロ
ケツト１１が取り付けてある。スプロケツト１１
はチエーン１２を介して前方のドライブスプロケ
ツト１３に連結している。チエーン１２はスイン
グアーム１に沿つて延びている。前記ガード２は
スイングアーム１を下側から覆つている。ガード
２の後部又は前後方向中間部にはチエーンガイド
１５が取り付けてある。チエーンガイド１５は比
較的小形の部品で、チエーン１２の下部が通過す
る溝１６を備えている。

第１図において、ガード２は鉄板等の金属板で
形成されており、スイングアーム１やブレーキデ
イスク１０、スプロケツト１１、チエーン１２の
ほぼ設置範囲全体を下方から覆つている。ガード
２の車幅方向中央部かつ前部と後部には上方へ突
出した突部１７，１８が設けてある。突部１７，
１８にはボルト装着孔１９が設けてあり、孔１９
に下方から装着したボルト（図示せず）によりガ
ード２がスイングアーム１の下面に固定される。

ガード２の両側部には上開きの溝２０，２１が
前後方向に延びる状態で設けてある。左側の溝２
０はチエーン１２に沿つてその下側を延びてい
る。右側の溝２１はブレーキデイスク１０を下方
から覆つている。

前記チエーンガイド１５は左側の溝２０に嵌め
込まれており、前後に間隔を隔てた２本のボルト
２２によりガード２に固定されている。第２図の
−断面拡大部分図である第３図の如く、前記
ガード２の左側部は折り曲げられて溝２０の外側
側壁２５、底壁２６、内側側壁２７を構成してお
り、内側側壁２７の上端が斜め上方へ延びる傾斜
部分２９（突部１８の左側部）に連続している。

前記チエーンガイド１５は合成樹脂の成形品
で、接合面３０で接合される２個の部品３１で構
成されている。図示の接合状態では、チエーンガ
イド１５は溝１６の底壁３２及び１対の側壁３３
を一体的に備えている。又両側壁３３の間からチ
エーン１２が上方へ飛び出すことを防止するため
に、各側壁３３の上端には他方の側壁３３側へ突
出した突部３４が一体に設けてある。ガード２の
溝２０には主に底壁３２だけが嵌合しており、側
壁３３は溝２０の上方へ突出している。前記ボル
ト２２は車幅方向に延びており、側壁２５，２７
と底壁３２に設けた孔に外側（左側）から挿入さ
れており、側壁２７の孔から突出した端部にナツ
ト３６が取り付けてある。

前記接合面３０は底壁３２の幅方向（左右方
向）中間部をボルト２２と直角に延びている。一
方の部品３１の接合面３０には突起３７が設けて
ある。突起３７にボルト２２の周囲に筒状に設け
てあり、他方の部品３１の接合面３０に設けた凹
部３８に密着状態で嵌合している。

第１図の構造を分解する場合、孔１９に装着し
たボルトを外すことにより、ガード２をスイング
アーム１から取り外すことができ、同時に、チエ
ーンガイド１５をチエーン１２から外すことがで
きる。又取り付け作業は、チエーンガイド１５を
固定したガード２をスイングアーム１に取り付け
ることにより行う。このようにチエーンガイド１
５専用の着脱作業は不要である。

実際の運転状態では、スイングアーム１やブレ
ーキデイスク１０、スプロケツト１１、チエーン
１２等をガード２が下方から保護する。又、チエ
ーン１２が大幅に揺れた場合でも、チエーン１２
は合成樹脂製のチエーンガイド１５と接触するだ
けであり、ガード２と衝突することはない。従つ
て金属的な衝突音は発生せず、又チエーン１２の
摩耗や破損を防止できる。

（考案の効果） 以上説明したように本考案によると、ガード２
にチエーンガイド１５を併設したので、チエーン
１２とガード２の衝突を防止できる。しかもチエ
ーンガイド１５をガード２に取り付けたので、分
解・組立時にガード２と共にチエーンガイド１５
を簡単に着脱できるという利点もある。

また、本考案には次のような利点もある。

(A) ガード２に固定されるチエーンガイド１５を
合成樹脂製とすると共に、チエーンガイド１５
に形成されるチエーン通過用溝１６の形状を、
チエーン１２に下側から被せることができる上
開きの形状としているので、組立時、ガード２
とチエーンガイド１５を予め組み立てておき、
それら２，１５を１ユニツトとして下方からス
イングアーム１に簡単に取り付けることができ
る。

(B) チエーンガイド１５が合成樹脂でできている
ことにより、チエーン１２がチエーンガイド１
５に接触しても、チエーン１２が傷むことはな
い。

(C) ガード２の後部あるいは前後方向の中間部の
位置に、チエーンガイド１５を固定しているの
で、例えば、ガード２の前部に配置するような
構造に比べ、チエーン１２のガイド位置が、ス
イングアーム１の揺動側である後部スプロケツ
ト近くになり、特に、本考案のようにスイング
アーム形式のチエーン駆動装置を採用している
場合には、その外れ止め及びガード２との接触
防止効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の分解斜視略図、第２図は組立
状態における左側面略図、第３図は第２図の−
断面拡大部分図である。１……スイングアー
ム、２……ガード、９……後輪、１２……チエー
ン、１５……チエーンガイド、１６……チエーン
通過用溝、２０……ガードの溝、２２……ボル
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両前後方向に延びるスイングアーム１と、ス
   イングアーム１の一方の側部近傍に配置される後
   輪駆動用のチエーン１２と、スイングアーム１及
   びチエーン１２を下方から覆うガード２とを備え
   た３・４輪バギー車の上記チエーン１２とガード
   ２の間に位置するチエーンガイドにおいて、チエ
   ーン下側近傍において上記ガード２に上開きの溝
   ２０を設け、該溝２０の後部あるいは前後方向の
   中間部の位置に、合成樹脂製のチエーンガイド１
   ５を嵌め込んでボルト２２により固定し、チエー
   ンガイド１５はチエーン１２の下部が通過するチ
   エーン通過用溝１６を備え、該チエーン通過用溝
   １６を、チエーン１２に下側から被せることがで
   きる上開きの形状としていることを特徴とする
   ３・４輪バギー車用のチエーンガイド。