JPH107034A - 車両用走行輪、車両及びそり部品 - Google Patents

車両用走行輪、車両及びそり部品

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JPH107034A
JPH107034A JP16552996A JP16552996A JPH107034A JP H107034 A JPH107034 A JP H107034A JP 16552996 A JP16552996 A JP 16552996A JP 16552996 A JP16552996 A JP 16552996A JP H107034 A JPH107034 A JP H107034A
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JP
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sled
vehicle
tire
snow
wheel
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JP16552996A
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English (en)
Inventor
Tokihiko Ichikawa
時彦 市川
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クローラ以外の走行輪としてタイヤを備えた
車両において、積雪路での走行性または操舵性の向上を
図り、しかも雪のない路面と積雪路面での両方の走行に
兼用可能な車両用走行輪を提供する。 【解決手段】 フォークリフト1は前側駆動輪に三角ク
ローラ3を装着し、後側操舵輪(従動輪)にタイヤ4を
装着している。タイヤ4にはそり部品5が装着されてい
る。そり部品5を構成するそり板材39は、その中央に
形成された開口にタイヤ4を挿通させた状態で、支持部
材41等により機台1aに対して機台1aの水平面と平
行な姿勢に支持されている。そり板材39はその下面が
タイヤ4の接地面Gに対して所定距離Lだけ上方に離間
する状態で配置されている。従って、そり部品5を装着
したままで雪のない路面を走行可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行輪としてクロ
ーラとタイヤを装着した車両において、クローラ以外の
走行輪であるタイヤに雪道対策用のそりが装着されてい
る車両用走行輪、車両及びそり部品に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】雪道や泥濘地等を走行し易くするため走
行輪にタイヤの替わりにクローラを装着したクローラ車
が知られている。クローラがタイヤに比べて高価なこと
と、クローラを駆動輪二輪に装着すれば雪道などでの走
行性がかなり向上することから、特に二輪駆動車両の場
合は、走行輪をクローラとタイヤとの組合せで使用され
ることが多い。
【0003】このような車両によると例えば積雪路面で
は、タイヤが雪の中に沈み込むため巧く動けなくなり走
行性を十分に確保し難くなる。特にタイヤが操舵輪であ
る場合には、操舵性も十分には確保し難くなる。
【0004】この対策として、例えば特開平4−868
2号公報には、クローラ以外の走行輪であるタイヤにそ
りを取り付けた図10に示すような車両91が開示され
ている。すなわち、同図に示すように、車両91は後輪
にクローラ92を装着し、前輪のタイヤ93にそり94
を履かせていた。タイヤ93はそり94に載置される状
態でそり94が取り付けられており、積雪量の多いとき
にそり94を取り付け、前輪をそり94とすることで積
雪路での走行性と操舵性の向上が図られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この車両91
では、そり94は積雪路においてのみその機能を発揮す
るものであり、雪が無いもしくは少ない路面では、そり
94を履いて走行することは事実上不可能である。その
ため、路面の積雪状況に応じてそり94をいちいち着脱
する必要があり、この着脱作業が面倒であった。
【0006】また、フォークリフト等の産業車両におい
ては、倉庫や工場等の屋内から屋外へ出るような走行作
業(例えば荷役作業)が行われる。例えばフォークリフ
ト等の産業車両に対し、積雪時の屋外での走行性の向上
を図るためクローラを駆動側二輪に装着した場合、クロ
ーラ以外の走行輪であるタイヤにそりを取り付けること
が考えられる。
【0007】しかし、このようなフォークリフトのタイ
ヤに前記そり94を採用した場合、屋内での走行が事実
上不可能となるため、フォークリフトを積雪のある屋外
での作業にしか使用できなくなる。従って、屋内と屋外
での走行が必要となる作業にはそり94を使用すること
ができず、このような作業には屋外の積雪路における走
行性または操舵性の向上を図ることが極めて困難であっ
た。
【0008】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであって、その目的は、クローラ以外の走行輪と
してタイヤを備えた車両において、積雪路での走行性ま
たは操舵性の向上を図ることができ、しかも雪のない路
面と積雪路面での両方の走行に兼用できる車両用走行
輪、車両及びそり部品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め請求項1に記載の発明では、車両用走行輪は、クロー
ラ以外の走行輪として車両に装着されるタイヤと、該タ
イヤに対してその接地面から少なくとも上方に離間する
状態で取り付けられるそりとを備えている。
【0010】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の車両用走行輪において、前記そりは、前記タイヤに
対してその回転軸心に直交する面内において揺動可能に
設けられている。
【0011】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の車両用走行輪において、前記そりは、少なくとも揺
動方向においてその姿勢が車体に対して水平となるよう
に付勢手段により付勢されている。
【0012】請求項4に記載の発明では、車両は、クロ
ーラを駆動輪として備えるとともに、請求項1〜請求項
3のいずれか一項に記載の前記車両用走行輪をクローラ
以外の走行輪として備えている。
【0013】請求項5に記載の発明では、請求項4に記
載の車両において、前記車両は産業車両である。請求項
6に記載の発明では、請求項5に記載の車両において、
前記産業車両はフォークリフトである。
【0014】請求項7に記載の発明では、そり部品は、
請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載の前記車両に
装着されたタイヤに対してその接地面から上方に離間す
る状態で取付けられるそりと、前記そりをタイヤを装着
したまま取り付けるため車体側に設けられた取付手段に
対して取り付けられる支持部材とを備えている。
【0015】(作用)請求項1に記載の発明によれば、
クローラ以外の走行輪として車両に装着されたタイヤに
は、その接地面から上方に離間する状態でそりが設けら
れる。そのため、雪のない路面を走行するときでもそり
が路面に接触することがなく、積雪路面を走行するとき
には、そりが雪の上を滑ることでタイヤが雪の中に深く
沈み込まない。従って、そりを備えたこのタイヤ(走行
輪)によると、雪のない路面と積雪路面との両方の走行
を兼用することが可能となる。そのため、路面状況に合
わせてそりを着脱する面倒な作業が不要となる。また、
クローラにより雪道などの滑り易い路面において強いグ
リップが得られる。
【0016】請求項2に記載の発明によれば、そりはタ
イヤの回転軸心と直交する面内において揺動可能に設け
られているため、そりが雪道の凹凸に追従するように揺
動することにより、雪道の凹凸による車体の揺れを小さ
く抑えることが可能となる。
【0017】請求項3に記載の発明によれば、そりはそ
の姿勢が車体に対して水平に保持されるように付勢手段
により付勢される。そのため、雪のない路面を走行中に
その路面の凹凸によるそりの揺れがその付勢力により小
さく抑えられ、そりが路面に接触することが回避される
ので、そりが路面に接触して起こるそりの摩耗や損傷な
どを防止することが可能となる。
【0018】請求項4に記載の発明によれば、駆動輪と
してクローラを備えた車両に対し、クローラ以外の走行
輪として請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車
両用走行輪が設けられているので、この車両により、請
求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明と同様の
作用が得られえる。
【0019】請求項5に記載の発明によれば、そりを取
り付けたままのタイヤにより、雪のない路面と積雪路面
の両方で産業車両による作業を兼用して行うことが可能
となる。路面の積雪状況に合わせてそりの着脱をする必
要がなくなる。
【0020】請求項6に記載の発明によれば、フォーク
リフトによる積雪時の作業において、タイヤにそりを取
り付けたままで、雪のない屋内と積雪した屋外とを共に
走行可能となり、しかも屋外の積雪路面ではそりがある
ことからタイヤを雪に捕られることがない。
【0021】請求項7に記載の発明によれば、車体側に
設けられた取付手段に対してそりの支持部材を着脱する
だけで、タイヤを装着したままそりを簡単にタイヤに対
して着脱することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図1〜図4に基づいて説明する。図1に示す車両
及び産業車両としてのフォークリフト1は前輪駆動・後
輪操舵式である。フォークリフト1は車体としての機台
1aの前後に車軸2a,2bを備えており、その前側の
車軸(駆動軸)2aにクローラとしての三角クローラ3
をタイヤと取り替え可能に装着している。また、後側の
車軸(操舵軸)2bにはタイヤ4がそのまま装着されて
いる。タイヤ4には、雪道での走行性と操舵性の向上を
図るためのそり部品5が着脱可能に取り付けられてい
る。
【0023】ピラー6やヘッドガード7で囲まれた運転
室Sには、シート8の前方にステアリングホイール9や
各種荷役レバー10が装備されている。機台前部にはテ
ィルトシリンダ11を介して傾動可能に左右一対のマス
ト12が立設されており、その後部にはリフトシリンダ
13が配備されている。リフトシリンダ13が伸縮駆動
されることにより、インナマスト(図示せず)が上昇し
てその上端の滑車に掛装されたチェーン(いずれも図示
せず)を介してリフトブラケット14がマスト12に沿
って昇降するようになっている。
【0024】リフトブラケット14の前面にはダンプシ
リンダ15が配設されており、リフトブラケット14の
前面下部には連結部材16を介してバックレスト17が
ダンプシリンダ15の伸縮駆動により傾動可能に支持さ
れている。このバックレスト17の下部に左右一対のフ
ォーク(ダンピングフォーク)18が前方に延出する状
態で装着されている。また、バックレスト17の下部両
端にはストッパピン17aが装着されており、バケット
19をその上面に溶接固定する左右一対のサヤフォーク
20がその基端部にてストッパピン17aにて抜け止め
状態に連結されている。従って、バケット19はバック
レスト17に対してストッパピン17aを介して着脱可
能となっている。そして、荷役レバー10の操作により
ダンプシリンダ15が伸縮駆動されると、バケット19
がフォーク18と一体的に上下に回動し、例えば雪かき
等の作業が可能となる。
【0025】図1に示すように、三角クローラ3は、駆
動輪(スプロケット)21と、第1転輪(前方転輪)2
2と、第2転輪(後方転輪)23と、駆動輪21及び転
輪22,23に略三角状をなすように巻き掛けられたゴ
ム製の履帯24とを備えている。車軸2aと一体回転可
能に固定された駆動輪21は、履帯24の内周面に所定
ピッチで形成された突部と噛合状態にあり、駆動輪21
の駆動力がこの噛合部を介して履帯24に伝達されるこ
とにより三角クローラ3が走行駆動するようになってい
る。なお、第1転輪22と第2転輪23との中間位置に
は若干前寄りに中間転輪25が設けられている。
【0026】三角クローラ3の揺動軌跡上において、マ
スト12の外側面とマッドガード26の下部付近には一
対のストッパ27,28が固着されており、両ストッパ
27,28により三角クローラ3の前後方向における揺
動(反転)が規制されるようになっている。
【0027】図2は操舵輪(従動輪)の正断面図を示
す。同図に示すように、一対のリアクスルビーム29に
支持されたアクスルビーム30には、キングピン31が
ブシュ32a,32bを介して回転可能に挿通支持され
ている。キングピン31と一体回転可能なナックル33
には車幅方向に水平に延出する略円筒状の車軸2bが一
体形成されている。車軸2bには略円筒状のハブ34が
複数組のベアリング35,36を介して回転可能に嵌合
されている。タイヤ4はそのホイール4aがハブ34に
対して複数組のボルト37及びナット38により一体的
に組付けられることにより、車軸2bに対して相対回転
可能に取り付けられている。
【0028】図2,図3に示すように、そり部品5は、
タイヤ4を挿通するための開口39aを中央に有すると
ともに、周縁部を上方に少し屈曲させたそり形状を有す
るそりとしてのそり板材39と、そり板材39の幅方向
に相対向した開口39aの内周面にて固着されてそれぞ
れ上方に屈曲して延びる一対の支持部材40,41とを
備えている。そり部品5は、そり板材39の開口39a
にタイヤ4を挿通させるとともに、図2に示すようにそ
り板材39の下面39bをタイヤ4の接地面(地面)G
から所定距離Lだけ上方に離間させた状態で一対の支持
部材40,41を介して機台1aに対して取り付けられ
ている。
【0029】両支持部材40,41の支持腕長さは、そ
り部品5を機台1aに対して取り付けたときにそり板材
39の下面39bが地面Gから所定距離Lだけ上方に離
間するように設計されている。所定距離Lは、通常作業
が行われる走行路面の凹凸等により車体が傾いたり揺れ
たりしても、そり板材39が路面に接触しないように回
避可能であるとともに、所定積雪量の路面において雪の
中にタイヤ4が沈み込んで走行性や操舵性が著しく低下
することを回避できるような値に設定されている。
【0030】図2,図4(a)に示すように、ナックル
33の下部から下方に延出した取付手段を構成する取付
部33aには1組のねじ穴42が形成されており、支持
部材40の上端部にはこの1組のねじ穴42と相対する
位置に1組の挿通孔40aが形成されている。支持部材
40は図4(a)に示すように、その1組の挿通孔40
aに挿通したボルト43を取付部33aのねじ穴42に
螺着することにより、取付部33aに対して固定されて
いる。
【0031】また、図2,図4(b)に示すように、車
軸2bの先端には支持部材41を取り付けるための取付
手段を構成する軸部44が形成されている。支持部材4
1の上端部には軸部44を嵌挿可能な挿通孔41aが形
成されている。支持部材41は、挿通孔41aを介して
軸部44に挿通された状態で、ワッシャ45を介したボ
ルト46が軸部44に形成されたねじ穴44a(図4
(b)に示す)に螺着されることで、車軸2bに対して
固定されている。そり部品5が取り付けられた状態で
は、そり板材39は図1に示すように機台1aに対して
水平に支持される。
【0032】また、図2に示すように支持部材40,4
1はその下端がそり板材39の下面39bに対して所定
長さ(距離Lに対して十分小さい)だけそれぞれ下方に
突出した状態にあり、それぞれ突起部40b,41bを
形成している。突起部40b,41bはそり板材39の
幅方向に所定間隔をおいて互いに平行にそり板材39の
長手方向(前後方向)に沿って延びている。雪道走行の
ときには、この突起部40b,41bによりタイヤ4の
横滑りが回避されるようになっている。
【0033】次に、このフォークリフト1及びそり部品
5の作用を説明する。例えば積雪路で作業を行うとき、
図1に示すようにフォークリフト1の前側(駆動側)の
車軸2aにはタイヤに替えて三角クローラ3が装着され
る。また、操舵輪(従動輪)である後側のタイヤ4には
そり部品5が取け付けられる。
【0034】図1,図2に示すように、そり部品5はタ
イヤ4をそり板材39の開口39aに挿通する状態で、
支持部材40,41を機台1a側に設けられた取付部3
3a及び軸部44に対してそれぞれ固定することで、タ
イヤ4に対して取り付けられる。
【0035】そり部品5の取付け作業は次のように行わ
れる。まずタイヤ4をジャッキ等を用いて地面Gから浮
かせ、そり板材39の開口39aにタイヤ4を挿通させ
るようにそり部品5をセットする。次に、そり部品5の
各支持部材40,41の上端部をそれぞれ取付部33a
及び軸部44に対してボルト43,46等を螺着させる
ことで固定する。
【0036】すなわち、図4(a)に示すように、挿通
孔40aとねじ穴42とをそれぞれ位置合わせした状態
に取付部33aに対して支持部材40をセットし、各挿
通孔40a及びねじ穴42に2本のボルト43をそれぞ
れ挿通して螺着して支持部材40を取付部33aに固定
する。また、図4(b)に示すように、挿通孔41aを
介して軸部44に挿通した状態で支持部材41をセット
し、ワッシャ45を介してボルト46を軸部44のねじ
穴44aに螺着することで、支持部材41を軸部44に
対して固定する。
【0037】このようにそり部品5の装着作業は、タイ
ヤ4を車軸2bに装着したままの状態で行われる。そり
部品5を取り付けた状態では、そり板材39の下面39
bがタイヤ4の接地面Gに対して所定距離Lだけ上方に
離間して位置するとともに、そり板材39が機台1aの
水平線に対して平行に配置される。
【0038】フォークリフト1により通常の荷役作業を
するときには、バケット19は装着されない。三角クロ
ーラ3により前側駆動輪の接地面積が広く確保されるた
め、雪道でも強いグリップが得られる。例えば屋内と屋
外との間で荷を搬送する荷役作業を行う場合、操舵輪は
屋内ではタイヤ4により走行し、屋外ではそり板材5に
よりタイヤ4の雪の中への沈み込みを抑えつつ雪上を滑
るように走行する。つまり、そり部品5をタイヤ4に装
着したまま雪のない路面と積雪路面との両方を兼用して
走行する。そして、屋外の積雪路ではそり板材39によ
る滑走により、走行性と操舵性の向上が確保される。ま
た、積雪路走行時には、そり板材39の下面39bから
下方に突出した突起部40b,41bにより、操舵輪
(タイヤ4)の横滑りが抑えられるため、操舵性が一層
向上する。
【0039】一方、雪かきなどのすくい取り作業を行う
ときにはバケット19を装着する。運転室Sで荷役レバ
ー10を操作してダンプシリンダ15を伸縮駆動するこ
とで、バケット19が揺動して雪かき作業が行われる。
雪かき作業は屋外だけの作業となるが、そり部品5を装
着したまま雪のないまたは少ない路面を走行可能である
ことから、路面の積雪状況に応じてそり部品5をいちい
ち着脱しなくて済む。また、除雪後の路面をそり部品5
を装着したまま走行することが可能となるとともに、積
雪路での走行性と操舵性の向上が確保される。なお、屋
外だけで荷役作業をするときにも、路面の積雪状況に応
じてそり部品5をいちいち着脱する必要がない。
【0040】また、雪のない路面を走行するとき、路面
に凹凸などがあると、機台1aが傾いたり揺れたりする
が、そり板材39の下面39bがタイヤ4の接地面Gに
対して所定距離Lだけ上方に離間しているため、そり板
材39が路面に接触することはほとんど起こらない。よ
って、路面との接触に起因するそり板材39の摩耗や損
傷が極力回避される。
【0041】以上詳述したように本実施の形態では、以
下に列記する効果が得られる。 (a)三角クローラ3を前輪駆動輪に装着するととも
に、後輪操舵輪にタイヤ4を装着したフォークリフト1
に対し、そり部品5をタイヤ4に対してその接地面Gか
ら所定距離Lだけ上方にそり板材39が離間する状態と
なるように取り付けた。そのため、そり部品5を装着し
たタイヤ4からなる走行輪(操舵輪)を、雪のない路面
と積雪路面との両方の走行に兼用して使用できる。従っ
て、例えば屋内と屋外を共に走行する荷役作業等におい
て、そり部品5をタイヤ4に装着したまま、屋内と屋外
を共に兼用して走行でき、しかも屋外の積雪路ではその
走行性と操舵性の向上を確保することができる。
【0042】(b)特開平4−8682号公報に開示さ
れたタイヤを載せた状態でそりが取り付けられる構造で
は、積雪状況に応じてそりをいちいち着脱する面倒な作
業が必要であった。これに対し、本実施形態によれば、
そり部品5を雪のない路面と積雪路面との両方の走行に
兼用して使用できることから、例えば屋外だけで荷役作
業等をするときにも、そり部品5を路面の積雪状況に応
じていちいち着脱する面倒な着脱作業をしなくて済む。
【0043】(c)そり板材39の下面39bに下方に
突出する突起部40b,41bを設けたので、積雪路走
行において操舵輪の横滑りを小さく抑えることができ
る。従って、操舵性を一層向上させることができる。
【0044】(d)バケット19を装着した雪かき作業
において、そり部品5を装着したまま、除雪後の路面を
走行できるとともに、除雪前の積雪路での走行性と操舵
性を確保することができる。
【0045】(e)ナックル33の下部に予め取付部3
3aを設けるなどして、タイヤ4を車軸2bに装着した
ままそり部品5の着脱が可能となるようにしたので、そ
り部品5の着脱作業を簡単に済ませることができる。
【0046】(第2の実施形態)次に本発明を具体化し
た第2実施形態を図5〜図7に基づいて説明する。本実
施形態では、そり部品5がタイヤ4に対して揺動可能に
設けられている点が前記第1実施形態と異なる。
【0047】図5に示すように、そり部品5は前記第1
実施形態と基本的に同じ構造を備えている。ナックル3
3には車軸2bに繋がる部位に車軸2bの軸心と平行な
軸心を有する円筒状の支柱部33bが形成されており、
図5,図6に示すようにこの支柱部33bには取付手段
を構成する取付部材47がブシュ48を介して回転可能
に取り付けられている。図6に示すように、取付部材4
7には前後方向(同図では左右方向)両側に一対の支持
部47aが水平に延びて形成されている。各支持部47
aの上方には、一対の支持部33cが支持部47aと対
向するようにナックル33から延びて配置されており、
各支持部47a,33cの間には付勢手段としてのゴム
製の弾性部材49がそれぞれ介装されている。
【0048】取付部材47の下部には、支持部材40の
挿通孔40aと相対する位置にネジ穴47bが形成され
ている。そして、2本のボルト43を挿通孔40aに挿
通してネジ穴47bにそれぞれ螺着することにより、そ
り部品5の支持部材40が取付部材47に対して固定さ
れている。
【0049】そり部品5の外側に設けられたもう一方の
支持部材41は、ブシュ50が嵌着された軸部44に挿
通した状態で外側からボルト46を螺着することによ
り、軸部44に対して回動可能な状態で取り付けられて
いる。支持部材41の厚みよりも軸部44の軸長が長く
設計されているため、ボルト46を締結しても支持部材
41の回動が許容されるようになっている。そり部品5
を取り付けた状態では、タイヤ4の接地面Gに対して所
定距離Lだけ上方に離間する状態でそり板材39は配置
される。また、そり板材39は一対の弾性部材49によ
る付勢力により機台1aの水平面に対して平行に保持さ
れる。
【0050】そり部品5を取り付けた状態では、フォー
クリフト1が積雪路を走行しているときに積雪による凹
凸があっても、図7に示すようそり板材39がその凹凸
に追従するように弾性部材49の付勢力に抗して揺動
し、路面の凹凸を吸収しながら走行するため、凹凸によ
る揺れの少ない安定した走行が確保される。
【0051】また、一対の弾性部材49がそり板材39
を水平に保持するように付勢しているため、雪のない路
面の凹凸によるそり板材39が揺れが小さく抑えられ
る。そのため、そり部品5をタイヤ4に対して揺動可能
としても、そり板材39が路面に当たることが回避さ
れ、路面との接触に起因するそり板材39の磨耗や損傷
が極力防止される。
【0052】さらに、取付部材47と軸部44を予め機
台1aに用意しておき、そり部品5をタイヤ4を装着し
たまま着脱可能としたので、タイヤ4をジャッキ等で浮
かす程度でそり部品5をタイヤ4に対して簡単に着脱す
ることが可能となる。
【0053】また、弾性部材49を機台1a側の取付部
材47に取り付けているため、そり部品5を取り外して
走行しているときでも、弾性部材49の付勢力により取
付部材47ががたつくことがない。そのため、予め取付
部材47を機台1aに設けておいても、取付部材47が
異音等の原因となることがない。
【0054】従って、この実施形態によれば、前記第1
実施形態と同様の効果が得られる他、以下に示す効果が
得られる。 (a)そり部品5をタイヤ4の軸心を中心に揺動可能に
設けたので、積雪路面の凹凸に追従してそり板材39が
揺動してその凹凸を吸収するため、機台1aの揺れを小
さく抑えることができる。従って、積雪路に凹凸があっ
ても、より揺れの少ない安定な走行を確保することがで
きる。
【0055】(b)そり部品5を水平に保持するように
弾性部材(ゴム)49により付勢したので、雪のない路
面を走行しているときに路面の凹凸により機台1aが揺
れてもそり部品5の揺れを小さく抑えることができる。
その結果、そり板材39が路面に接触することに起因す
るそり板材39の摩耗や損傷を極力防止することができ
る。
【0056】(c)弾性部材49を取付部材47に取り
付けたので、そり部品5を装着していない状態での走行
中における取付部材47のがたつきを防止でき、このが
たつきに起因する異音等の発生を抑えることができる。
【0057】尚、本発明は上記実施の形態に限定される
ものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で例えば次
のように構成することもできる。 (1)本発明を適用する産業車両はフォークリフトに限
定されない。例えば図8に示すショベルローダ61や図
9に示すトーイング車71に本発明を適用してもよい。
図8に示すようにショベルローダ61は、バケット62
を先端部に備えたリフトアーム63を機台前部に配置さ
れたピラー64に対し揺動可能に装備している。三角ク
ローラ3が前側駆動輪にタイヤと交換されて取付けら
れ、後側従動輪(操舵輪)であるタイヤ4にはそり部品
5が取り付けられている。また、図9に示すようにトー
イング車71は、後側駆動輪に三角クローラ3を装着
し、前側操舵輪(従動輪)であるタイヤ4にそり部品5
が取り付けられている。
【0058】図8,図9共にそり部品5は前記各実施形
態と同様の設計基準(所定距離L等)が採用されてお
り、いずれもタイヤ4の接地面Gから所定距離Lだけ上
方にそり板材39が離間する状態で取り付けられる。そ
り部品5の取付構造は、前記第1実施形態のように車両
機台に対して一体固定としても、前記第2実施形態のよ
うに揺動可能としても適宜の構造を採用できる。
【0059】これらの構成によっても、雪のない路面と
積雪路面との両方でそり部品5をいちいち着脱すること
なく兼用して使用することができるなど、前記各実施形
態と同様の効果が得られる。もちろん、これら以外の産
業車両に本発明を適用することもでき、例えばスキッド
ステアローダに三角クローラを装着し、その従動輪側の
タイヤにそり部品5を装着させてもよい。
【0060】(2)そり部品の着脱をタイヤを外して行
うようなそり部品の取付構造を採用してもよい。また、
そり部品を着脱式でなく車体に一体的に取り付けた構成
としてもよい。この構成によっても、雪のない路面と積
雪路面との両方の走行を兼用することができる。
【0061】(3)そり部品を取り付けるタイヤは従動
輪に限定されない。例えば4輪駆動車において、前後片
側2輪をクローラとしたときのタイヤ側にそり部品を装
着する構成としてもよい。
【0062】(4)そり板材の形状は前記実施形態に限
定されず、適宜変更することができる。例えばタイヤの
車幅方向両側もしくは片側にそり板材をタイヤの接地面
から所定距離だけ離間する状態で設けた構成とすること
ができる。
【0063】(5)付勢手段はゴム等の弾性部材に限定
されず、ばねを採用してもよい。 (6)タイヤの接地面からそり板材を離間させる距離L
はそり部品が取り付けられるタイヤサイズや車重等を考
慮して適宜設定することができる。
【0064】(7)タイヤの接地面からそり板材を離間
させる距離を変更可能に、例えばそり部品の支持部材に
調整機構を設けてもよい。この構成によれば、積雪量に
合わせてそりの路面からの離間距離を変更することによ
り、所定の積雪量に達していないときも、そりを活用す
ることが可能となって車両の走行性もしくは操舵性の向
上を図ることができる。また、異なる車種間においてそ
り部品を汎用できる。
【0065】(8)本発明を適用する車両は、フォーク
リフトなどの産業車両に限定されない。例えば前後片側
二輪にクローラを備えた自動車(乗用車)において、タ
イヤ側にそりを取り付けた構成とすることもできる。こ
の構成によっても、雪のない路面と積雪路面の両方兼用
で走行することができる。
【0066】前記実施の形態から把握され、特許請求の
範囲に記載されていない発明を、その効果とともに以下
に記載する。 (イ)請求項5に記載の発明において、前記産業車両は
ショベルローダである。この構成によれば、ショベルロ
ーダによる作業においても、請求項1〜請求項4のいず
れか一項の発明と同様の効果を得ることができる。
【0067】(ロ)請求項5に記載の発明において、前
記産業車両はトーイング車である。この構成によれば、
トーイング車による牽引作業においても、請求項1〜請
求項4のいずれか一項の発明と同様の効果を得ることが
できる。
【0068】(ハ)請求項6において、前記フォークリ
フトはアタッチメントとしてバケットを備えている。こ
の構成によれば、バケットによる雪かき作業を行うと
き、除雪後の路面と除雪前の積雪路面とを兼用して走行
し、雪かき作業を走行性もしくは操舵性を確保して効率
良く行うことができる。
【0069】(ニ)請求項4〜請求項5及び前記(イ)
〜(ハ)のいずれかにおいて、前記車両車体側には前記
そりを前記タイヤを装着したまま着脱可能とする取付手
段が設けられている。この構成によれば、タイヤを装着
したままそりを着脱することができ、そりの着脱作業を
簡単にできる。
【0070】(ホ)請求項1〜請求項3において、前記
そりの下面には横滑り防止用の突起部)が備えられてい
る。この構成によれば、そりの下面に備えられた突起部
により、積雪路における走行輪の横滑りを小さく抑える
ことができる。
【0071】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1に記載の発
明によれば、クローラ以外の走行輪として車両に装着さ
れる走行用タイヤと、該タイヤに対してその接地面から
少なくとも上方に離間する状態で取り付けられるそりと
を備えたので、このタイヤ(走行輪)を雪のない道と雪
道との両方で兼用することができる。
【0072】請求項2に記載の発明によれば、そりはタ
イヤの回転軸心に直交する面内において揺動可能に設け
られているため、雪道の凹凸にそりが追従することによ
り、凹凸のある雪道における車体の揺れを小さく抑える
ことができる。
【0073】請求項3に記載の発明によれば、そりは、
少なくとも揺動方向においてその姿勢が車体に対して水
平となるように付勢手段により付勢されているため、雪
のない凹凸路面を走行してもその付勢力によりそりの揺
れが小さく抑えられ、そりが路面に接触して起こるそり
の摩耗や損傷をほぼ確実に防止することができる。
【0074】請求項4に記載の発明によれば、車両は、
クローラを駆動輪として備えるとともに、請求項1〜請
求項3のいずれか一項に記載の前記車両用走行輪をクロ
ーラ以外の走行輪として備えているので、この車両によ
り、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明と
同様の効果を得ることができる。
【0075】請求項5に記載の発明によれば、車両は産
業車両であるため、産業車両が行う作業において、そり
を路面の積雪状況に応じていちいち着脱することなく、
そりをタイヤに取り付けたまま雪のない路面と積雪路面
での作業を兼用することができる。
【0076】請求項6に記載の発明によれば、産業車両
はフォークリフトであるため、そりをタイヤに取り付け
たまま、雪のない屋内と積雪した屋外での作業を兼用す
ることができる。
【0077】請求項7に記載の発明によれば、車体に設
けられた取付手段にそりの支持部材を取り付けることで
タイヤを装着したままでそりの着脱を可能としたので、
タイヤに対するそりの着脱作業を簡単とすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるフォークリフトの側面
図。
【図2】そりを取り付けたタイヤの正断面図。
【図3】そりの斜視図。
【図4】(a)はそりの内側の取付構造を示す分解側面
図で、(b)は同じく外側の取付構造を示す分解正断面
図。
【図5】第2の実施形態におけるそりを取り付けたタイ
ヤの正断面図。
【図6】取付部材の側面図。
【図7】フォークリフトの部分側面図。
【図8】別例のショベルローダの側面図。
【図9】別例のトーイング車の側面図。
【図10】従来技術における車両の側面図。
【符号の説明】
1…車両及び産業車両としてのフォークリフト、1a…
車体としての機台、3…クローラとしての三角クロー
ラ、4…タイヤ、5…そり部品、33a…取付手段を構
成する取付部、39…そりとしてのそり板材、40…支
持部材、41…支持部材、44…取付手段を構成する軸
部、47…取付手段を構成する取付部材、49…付勢手
段としての弾性部材、61…車両及び産業車両としての
ショベルロード、71…車両及び産業車両としてのトー
イング車、G…接地面。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クローラ以外の走行輪として車両に装着
    されるタイヤと、該タイヤに対してその接地面から少な
    くとも上方に離間する状態で取り付けられるそりとを備
    えている車両用走行輪。
  2. 【請求項2】 前記そりは、前記タイヤに対してその回
    転軸心に直交する面内において揺動可能に設けられてい
    る請求項1に記載の車両用走行輪。
  3. 【請求項3】 前記そりは、少なくとも揺動方向におい
    てその姿勢が車体に対して水平となるように付勢手段に
    より付勢されている請求項2に記載の車両用走行輪。
  4. 【請求項4】 クローラを駆動輪として備えるととも
    に、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の前記車
    両用走行輪をクローラ以外の走行輪として備えている車
    両。
  5. 【請求項5】 前記車両は産業車両である請求項4に記
    載の車両。
  6. 【請求項6】 前記産業車両はフォークリフトである請
    求項5に記載の車両。
  7. 【請求項7】 請求項4〜請求項6のいずれか一項に記
    載の前記車両に装着されたタイヤに対してその接地面か
    ら上方に離間する状態で取付けられるそりと、前記そり
    をタイヤを装着したまま取り付けるため車体側に設けら
    れた取付手段に対して取り付けられる支持部材とを備え
    ているそり部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015096359A (ja) * 2013-11-15 2015-05-21 極東開発工業株式会社 荷役車両用コンテナ
CN108633455A (zh) * 2018-03-23 2018-10-12 华南农业大学 一种三角履带式切段式甘蔗联合收割机
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