JPH0546953A

JPH0546953A - 磁気記録再生装置

Info

Publication number: JPH0546953A
Application number: JP3205280A
Authority: JP
Inventors: Nobuyuki Otake; 信行大竹
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1991-08-15
Filing date: 1991-08-15
Publication date: 1993-02-26

Abstract

(57)【要約】【目的】倍速再生機能を損なうことなくアクチュエータ
に要求される変位量を少なくする。【構成】テープ駆動手段によって回転ドラムの周囲に添
接されている前記磁気テープを通常走行方向とは逆方向
へ走行させて特殊再生を行う場合に、アクチュエータ駆
動手段（１３〜１９）は、複数の磁気ヘッドＡ１、Ｂ
１、Ａ２、Ｂ２がそのセグメントに対する走査順序を記
録時とは逆の順で走査するようにアクチュエア１１、１
２を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ビデオ信号や音声信
号を磁気テープに記録したり、あるいは磁気テープから
再生したりできる磁気記録再生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】業務用の磁気記録再生装置は、ノイズの
ないスロー再生等の特殊再生を実現するために磁気ヘッ
ドの走査位置を変位させるためのアクチュエータを用い
たダイナミックトラッキング方式が必要不可欠な要素と
なっている。一方、高精細テレビジョン信号のような広
帯域の画像信号を記録するため、１フィールドの画像信
号を複数のトラックに分配して記録する、いわゆるセグ
メント記録方式が実現されている。

【０００３】図４（Ａ）は、セグメント記録方式により
記録された記録パターンの例であり、矢印Ｔはヘッド走
行方向、矢印Ｈはヘッド走査方向である。この方式で
は、１フィールド分の画像信号を３個のセグメントで構
成し、２つのフィールドで１フレーム分の画像信号を作
成している。

【０００４】同図（Ｂ）は、回転ドラム１に搭載された
磁気ヘッドを示している。図において搭載されている磁
気ヘッドは１４個（Ａ１，Ａ２，Ａ１´，Ａ２´，Ａ１
´´，Ａ２´´，Ｂ１，Ｂ２，Ｂ１´，Ｂ２´，Ｂ１´
´，Ｂ２´´，ｅ１１、ｅ２１）であるが、基本的には
１８０°対向の２個の磁気ヘッドからなると考えてよ
い。この装置においてセグメント記録は次のように実現
される。

【０００５】まず回転ドラム１が１／２回転する間に、
一方の記録ヘッド群（Ａ１、Ｂ１）が第１セグメント
（Ｓ１）（図では１つのトラックのように示しているが
実際にはＡチャンネルとＢチャンネルの２トラックがあ
る）を記録走査し、次の１／２回転で他の記録ヘッド群
（Ａ２、Ｂ２）が第２セグメント（Ｓ２）を記録走査
し、さらに次の１／２回転で再度ヘッド群（Ａ１，Ｂ
１）が第３セグメント（Ｓ３）を記録走査する。これに
より第１（奇数）フィールドの画像信号記録が完了す
る。

【０００６】以下同様に、第４、第５、第６セグメント
（Ｓ４，Ｓ５，Ｓ６）の記録が行われ、第２（偶数）フ
ィールドの画像信号記録が完了する。従って、回転ドラ
ム１が３回転すると６個のセグメント（Ｓ１〜Ｓ６）
（１フレーム分の画像信号）が記録されることになる。
再生時には、記録時と同様な手順で各セグメントが走査
されるわけであるが、例えばスロー再生のような特殊再
生の場合を考えてみる。

【０００７】特殊再生の場合は、磁気テープの走行速度
は記録時の速度と異なる。即ち、特殊再生の場合、回転
磁気ヘッドのテープ上の走行軌跡は、同図（Ｃ）に示す
ように記録トラックに対して傾いている。同図（Ｃ）に
おいて＋１は、記録時のテープ走行速度の場合、０はテ
ープが停止している場合（スチル再生の場合）、−１は
逆転再生の場合を意味する。従って、特殊再生におい
て、ノイズの無い再生信号を得るには、テープ走行速度
に応じて、磁気ヘッドをトラック（セグメント）の幅方
向へ変位させる必要がある。この変位を実現する手法
が、ダイナミックトラッキング方式である。

【０００８】ダイナミックトラッキング方式において
は、磁気ヘッドの走査軌跡を修正するアクチュエータを
使用している。アクチュエータとしては種々のものが考
えられるが、ここでは平板状の圧電素子を２枚重ねたバ
イモルフ板を考える。図２では、再生用ヘッド群（Ａ１
´´，Ｂ１´´，Ａ２´´，Ｂ２´´）がバイモルフ板
に固定されているものとしている。Ａ１´´，Ｂ１´´
をｈ１、Ａ２´´，Ｂ２´´をｈ２と記すことにすれ
ば、特殊再生時の変位パターンは図５乃至図７に示す通
りである。同図において、実線は各セグメントを走査し
ている部分、破線は次の走査セグメントに向かって戻っ
ている部分を示す。破線に近接して示したｈ１、ｈ２が
戻っているヘッド群を示し、実線に近接して示したＳ
１、Ｓ２、…が走査セグメントを示す。各セグメント
は、ヘッド群ｈ１、ｈ２により交互に走査されるので、
ｈ１、ｈ２の変位パターンは図から明らかである。図５
（Ａ）にあっては２倍速であるから、１フィールドおき
の再生が行われている。同図（Ｂ）、（Ｃ）、（Ｄ）は
それぞれ１．７５倍、１．５倍、１．２５倍の再生速度
であり、それぞれ再生フィールドの単位でその倍数が設
定されている。また図６には、０倍、−０．２５倍、−
０．５倍の例を示し、図７には−０．７５倍、−１倍の
例を示している。このような再生を行う場合、図５、図
６、図７に示す変位パターンを考慮すると、アクチュエ
ータに要求される変位量は、図７に示す表の通りであ
る。図５乃至図７に示した例において、変位量が最大と
なるのは、−０．７５倍の倍速のときであり、セグメン
トピッチの７．５倍となり、セグメントピッチを５０μ
ｍとすれば、３７５μｍｐｐの変位量が必要となる。図
５〜図７に示した速度以外の連続的な−１〜＋２の倍速
を考えると全体としては９セグメント分（４５０μｍｐ
ｐ）分の変位量を得る必要があることがわかる。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】以上の説明で明らかに
したように、各セグメントをＳ１、Ｓ２、Ｓ３、Ｓ４、
Ｓ５、Ｓ６の順序、即ち、記録時と同じ順序で走査する
場合、−１〜＋２倍のテープ速度に対しては、９セグメ
ント相当の変位量（４５０μｍｐｐ）を必要とする。こ
れはフィールド単位ではあくまでも記録時の走査順序と
同じ走査順序でセグメントを走査する方式が採用されて
いるためである。

【００１０】しかしアクチュエータの変位量には、機械
的な制限があり、少しでも要求変位量を減少させること
が望ましい。また、変位量が大きいと完全に元の位置に
戻ることができなくなり、変位が残存したままになるこ
とがあるので、出来るだけ変位量を少なくするほうが好
ましい。

【００１１】そこでこの発明は、倍速再生機能を損なう
ことなくアクチュエータに要求される変位量を少なくす
ることができる磁気記録再生装置を提供することを目的
とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】この発明は、回転ドラム
と、回転ドラムに搭載された複数のアクチュエータと、
各アクチュエータ先端部にそれぞれ固定された磁気ヘッ
ドと、前記各アクチュエータの変位量をそれぞれ制御し
トラッキングを得るアクチュエータ駆動手段と、前記磁
気ヘッドに信号を供給あるいは前記磁気ヘッドの出力信
号を処理する手段と、前記回転ドラムの周囲に添接され
た磁気テープを走行させるテープ駆動手段とを有した磁
気記録再生装置において、

【００１３】前記テープ駆動手段によって前記回転ドラ
ムの周囲に添接されている前記磁気テープを通常走行方
向とは逆方向へ走行させて特殊再生を行う場合に、前記
アクチュエータ駆動手段は、前記複数の磁気ヘッドがそ
の走査順序を記録時とは逆の順で走査するように制御す
る制御手段を備えたものである。

【００１４】

【作用】上記の手段により、テープの逆送りの順に磁気
ヘッドはトラック（セグメント）を走査するので、テー
プ上の目的のセグメントと磁気ヘッドの相対位置関係が
大きくならないうちに、再生して読み取ることができ、
アクチュエータの変位量は、従来よりも少なくてよいこ
とになる。

【００１５】

【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。

【００１６】図１はこの発明の一実施例であり、例えば
ＵＮＩＨＩ規格のセグメント記録方式ＶＴＲに適応され
た例を簡略化して示している。１１、１２はバイモルフ
板によるアクチュエータであり、回転ドラムの周囲の１
８０°対向した位置に取り付けられている。アクチュエ
ータ１１、１２の先端には、それぞれ磁気ヘッドＡ１、
Ｂ１のペアと、磁気ヘッドＡ２、Ｂ２のペアとが取り付
けられている。アクチュエータ１１、１２は、駆動電圧
を与えることにより先端が上下方向（回転ドラムの軸方
向、即ちトラックとは直交する方向）へ変位することが
できるもので、この変位により先端の磁気ヘッドを記録
トラックに対してトラッキングさせることができる。こ
のためには制御電圧を与えるのであるが、この制御デ−
タは、アクチュエータ制御デ−タ出力回路１３から出力
される。アクチュエータ１１に対する制御電圧は、制御
デ−タ出力回路１３からＤ／Ａ変換器１４、増幅器１
５、スリップリング１６を介して与えられる。またアク
チュエータ１２に対する制御電圧は、制御デ−タ出力回
路１３からＤ／Ａ変換器１７、増幅器１８、スリップリ
ング１９を介して与えられる。

【００１７】磁気ヘッドＡ１、Ｂ１から再生された信号
は、ロータリートランス２０を介したのち、エンベロー
プ検波器２２に供給され、磁気ヘッドＡ２、Ｂ２から再
生された信号は、ロータリートランス２１を介したの
ち、エンベロープ検波器２３に供給される。また、磁気
ヘッドＡ２、Ｂ２から再生された信号は、ロータリート
ランス２１を介したのち、エンベロープ検波器２３に供
給される。エンベロープ検波器２２、２３から出力され
た検波出力は、トラッキング検出及び制御部２４に入力
される。トラッキング検出及び制御部２４は、検波出力
のレベルを監視し、磁気ヘッドと対象トラックとのトレ
ース状態が良好であるか否かを判定する。トラッキング
検出及び制御部２４の判定出力は、システム制御部２５
に入力される。システム制御部２５は、トラッキング判
定出力に応じて、トラッキングが良好となるように、ト
ラッキング補正デ−タを出力し、制御デ−タ出力回路１
３に与える。これによって、アクチュエータの変位量が
制御され、トラッキング状態が制御される。この制御ル
ープは、トラッキングサーボループと称される。

【００１８】制御デ−タ出力回路１３（若しくはシステ
ム制御部２５）内には、通常再生、倍速再生等に応じ
て、制御パターンを持つ制御デ−タが格納されており、
そのパターンの制御デ−タが出力される。これにより理
想的には、トラッキング状態は良好となるのである。し
かしながら、テープの伸びや縮みに応じてトラッキング
ずれが生じることがあるが、このずれは、エンベロープ
検波出力を監視することにより検出することができ、制
御デ−タの値を補正することによりトラッキングずれを
補正することができる。

【００１９】さらにロータリートランス２０、２１の出
力は、再生信号処理部２６に供給される。再生信号処理
部２６では、再生信号のＦＭ復調、デジタル化、メモリ
への取り込み、デシャフリング、ＴＣＩ（タイム・コン
プレスド・インテグレイション）デコードなどの処理が
行われ、輝度信号Ｙ、色信号ＰＲ、ＰＢの出力が得られ
る。ここで、再生信号の中には、記録された順序を示す
セグメント情報が規格上で含まれている。

【００２０】ここで、このシステムでは、特にテープが
逆方向へ送られる場合には、セグメントを記録順とは逆
の順序でフィールド単位でトレースするようにアクチュ
エータを制御するようにしている。結論を先に表に示し
て説明すると、図３のようになる。つまり、テープが停
止しているとき（スチル再生時）の変異量は、３セグメ
ント分（１５０μｍ）であり、これは従来と変りはな
い。−０．２５倍速のときの変異量は、５セグメント分
（２５０μｍ）である。−０．５倍速のときの変異量
は、４セグメント分（２００μｍ）である。−０．７５
倍速のときの変異量は、４．５セグメント分（２２５μ
ｍ）、−０．１倍速のときの変異量は、２セグメント分
（１００μｍ）である。この表からも分かるように、従
来の変異量に比べて少なくて済むことが明らかである。

【００２１】図２は、逆方向へテープが走行されて再生
されるときの、アクチュエータの変位パターンを示して
いる。実線は各セグメントを走査している部分、破線は
次の走査セグメントに向かって戻っている部分を示す。
この変位パターンを与えるのは、制御デ−タ出力回路１
３から各Ｄ／Ａ変換器１４、１７へ出力されるデ−タで
あり、ここで出力される電圧変化パターンと相似であ
る。各変位パターンを得るためのデ−タは、予めメモリ
等に格納されており、倍速モードの指定信号に応じてそ
のデ−タパターンが読み出される。

【００２２】しかし、上記の変位パターンのスタート時
点を決定するに各種の方法が可能である。例えば、セグ
メント番号が判明したときに、次のセグメントに対応す
る変位パターンから出力するようにすればよい。セグメ
ント番号は、再生信号処理無２６において検出され、シ
ステム制御部２５に与えられるようになっており、現在
のトレース中のセグメントが決定すれば、その後の変位
パターンを容易に決定することができる。また別の方法
も可能である。まず倍速モードの指定信号が与えられる
と、テープ速度が決定されテープが走行させられる。次
に、上記変位パターンを与えるためのデ−タが出力され
る。しかしセグメントに対応した適切な変位が得られて
いない場合は、エンベロープ検波出力が安定しないこと
になる。そこで、このエンベロープ検波出力が少なくと
も１フィールド期間安定するのが確認されるまで、例え
ばセグメント単位、若しくはフィールド単位で変位パタ
ーンの開始位置を切換えてみるようにしている。そして
エンベロープ検波出力が、１フィールド、あるいは１フ
レーム期間安定したときの、パターン開始位置を検出
し、正規の再生出力を取り出すようにしている。変位パ
ターンとセグメント順序が合致するまでの再生信号は、
再生信号処理部２６からは出力されないようにシステム
制御部２５において遮断されている。

【００２３】図２のパターン及び図３の数値からわかる
ように、このシステムによるトラッキングであると、ア
クチュエータ１１、１２に対する全体変位量は、図５乃
至図７に示したものに比べて、少ないことが理解でき
る。−１〜０倍速に関しては走査順を記録時とは逆方向
にすることにより−１〜＋２倍速の連続可変速で６セグ
メントピッチ（３００μｍｐｐ）となり（従来の方式で
あると９セグメント（４５０μｍｐｐ））、要求変位量
は２／３である。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したようにこの発明は、倍速再
生機能を損なうことなくアクチュエータに要求される変
位量を少なくすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示す構成説明図。

【図２】図１の装置の動作を説明するために示したアク
チュエータ変位パターンを示す図。

【図３】各倍速再生におけるトラッキングサーボによる
アクチュエータの変位量を示す図。

【図４】セグメント記録方式におけるテープトラックパ
ターン説明図、セグメント記録に用いられる磁気ヘッド
部の説明図、各種倍速再生時におけるヘッド軌跡説明
図。

【図５】従来システムの各倍速再生におけるトラッキン
グサーボによるアクチュエータの変位量を示す図。

【図６】同じく従来システムの各倍速再生におけるトラ
ッキングサーボによるアクチュエータの変位量を示す
図。

【図７】同じく従来システムの各倍速再生におけるトラ
ッキングサーボによるアクチュエータの変位量を示す
図。

【符号の説明】

１１、１２…アクチュエータ、１３…制御デ−タ出力回
路、１４、１７…Ｄ／Ａ変換器、１５、１８…増幅器、
１６、１９…スリップリング、２０、２１…ロータリー
トランス、２２、２３…エンベロープ検波器、２４…ト
ラッキング検出及び制御部、２５…システム制御部、２
６…再生信号処理部。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】回転ドラムと、回転ドラムに搭載された
複数のアクチュエータと、各アクチュエータ先端部にそ
れぞれ固定された磁気ヘッドと、前記各アクチュエータ
の変位量をそれぞれ制御しトラッキングを得るアクチュ
エータ駆動手段と、前記磁気ヘッドに信号を供給あるい
は前記磁気ヘッドの出力信号を処理する手段と、前記回
転ドラムの周囲に添接された磁気テープを走行させるテ
ープ駆動手段とを有した磁気記録再生装置において、前記テープ駆動手段によって前記回転ドラムの周囲に添
接されている前記磁気テープを通常走行方向とは逆方向
へ走行させて特殊再生を行う場合に、前記アクチュエー
タ駆動手段は、前記複数の磁気ヘッドがその走査順序を
記録時とは逆の順で走査するように制御する制御手段を
備えたことを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項２】回転ドラムと、回転ドラムに搭載された
複数のアクチュエータと、各アクチュエータ先端部にそ
れぞれ固定された磁気ヘッドと、前記各アクチュエータ
の変位量をそれぞれ制御しトラッキングを得るアクチュ
エータ駆動手段と、前記磁気ヘッドに信号を供給する場
合は１フィールド分の信号が複数トラックに渡って記録
されるように処理し、前記磁気ヘッドの出力信号を処理
する場合は前記複数トラックからの信号を１フィールド
分の信号にまとめて出力する信号処理手段と、前記回転
ドラムの周囲に添接された磁気テープを走行させるテー
プ駆動手段とを有した磁気記録再生装置において、前記テープ駆動手段によって前記回転ドラムの周囲に添
接されている前記磁気テープを通常走行方向とは逆方向
へ走行させて特殊再生を行う場合に、前記アクチュエー
タ駆動手段は、前記複数の磁気ヘッドのフィールド単位
における走査順序を記録時のトラック順序とは逆の順で
走査するように制御する制御手段を備えたことを特徴と
する磁気記録再生装置。