JPH0546762Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、輸血用血液、リンゲル、ブドウ糖液
等の輸液が充填される輸液用容器のキヤツプに関
する。

（従来の技術） 輸液用容器のキヤツプとしては、容器の開口部
に固着されるプラスチツク製本体と、輸液用の針
が刺し込まれるゴム製刺し込み体から成るものが
ある。

ところで、 イ 刺し込み体が外部に露出されていることによ
る刺し込み体の衛生面の問題をなくすことと、 ロ 刺し込み体が輸液と接触することによつて、
刺し込み体の構成物が輸液内に混入することを
防止すること のために、刺し込み体は本体内に封入されてい
る。

そして、輸液時には、本体の天壁に開口を形成
し、この開口から輸液用の針を刺し込み体及び本
体の底壁に刺し込んで、容器内部に挿入するよう
にしている。

（考案が解決しようとする課題） 上記従来においては、簡易な構造でもつて、キ
ヤツプの本体の天壁にワンタツチで容易に開口を
形成できるものがなく、この点に関する改善が要
望されていた。

本考案は、上記問題を解決できる容器のキヤツ
プを提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決するために、本考案が採用した
手段は、 (a) 輸液用容器の開口部に固着されるプラスチツ
ク製本体と、 (b) 本体内に封入されて、輸液用の針が刺し込ま
れるゴム製刺し込み体 を有し、 本体は、 天壁に環状に形成された天壁開口用スコア
ーラインと、 天壁におけるスコアーラインの径方向内方
側部分に固設されて、その径方向外方に突出
する押上片 を有する点にある。

（作用） キヤツプの本体の天壁に開口を形成する際に
は、本体の押上片を押上げるのであり、これによ
つて、挺作用により、本体の天壁がスコアーライ
ンで切り離されて、天壁の中央部側に開口が形成
される。

（実施例） 以下、本考案を輸液用容器のキヤツプに適用し
た一実施例を図面に基づき説明すると、１は輸液
用容器で、ガラス又はプラスチツク製とされてお
り、２はそのフランジ部である。

４はキヤツプで、本体５と、刺し込み体６から
なる。

本体５は、容器１の開口部におけるフランジ部
２に溶融固着されるもので、プラスチツク製とさ
れ、外郭体８と、仕切り体９から成り、これらは
射出成形により製造される。

外郭体８は、下方に開口する有底円筒形状とさ
れた筒部１１と、押上片１２から成り、一体形成
されている。

筒部１１の下端部には、径方向外方に突出する
フランジ部１４が形成されて、容器１のフランジ
部２上面に溶融固着され、又、筒部１１の天壁の
外周部の下面には、凹設されることで他の部分よ
りも薄肉とされた環状のスコアーライン１５が全
周にわたつて形成されている。

押上片１２は、筒部１１の天壁から立設された
脚部１９と、押上部２０から成る。

そして、筒部１１の天壁における脚部１９の取
付部は、上記天壁におけるスコアーライン１５の
周方向一部から天壁の略中央部にわたる平面視
形状部分とされている。

押上部２０は、脚部１９のスコアーライン１５
側端部の上端部から、筒部１１の天壁の径方向外
方に突設されている。

押上部２０の外側端部は、筒部１１のフランジ
部１４の外周縁よりも径方向内方に位置してお
り、これにより、射出成形時に、外郭体８を金型
から容易に抜けるようにされている。

又、押上部２０の外側端部の下面には、下方に
突出する突条部２２が押上部２０の長手方向に２
条列設されている。尚、突条部２２を３条以上列
設することもある。

仕切り体９は、外郭体８内部を上下に仕切つて
おり、外郭体８に固着されている。

又、仕切り体９の下端部の外周面には、外郭体
８の嵌合溝１７に嵌合する突部２５が全周にわた
つて形成されている。尚、上記のように、仕切り
体９を外郭体８に嵌合せずに、外郭体８と仕切り
体９とを一体形成することもある。

刺し込み体６はゴム製の円盤状とされて、筒部
１１内における仕切り体９よりも上方側に封入さ
れている。

上記のように構成した実施例によれば、輸液時
には、押上片１２の押上部２０の外側端部の下面
に親指を当てて、押上部２０を押上げる。

これにより、挺作用が生じる。即ち、本体５の
筒部１１の天壁における脚部１９の長手方向中央
部の取付部が支点と仮想され、押上部２０の外側
端部が力点となり、スコアーライン１５における
押上片１２の下方部分が作用点となるような挺作
用が生じる。

これによつて、第２図に示すように、スコアー
ライン１５が、押上片１２の下方部分からその径
方向対称部分に向かつて順次切り離されて、天壁
の中央部側に開口２７が形成される。

上記の場合において、押上部２０の外側端部の
下面に突条部２２が形成されているので、押上部
２０を親指で押上げる際に、親指が押上部２０か
ら滑りにくい。

そして、上記のように、キヤツプ４の本体５の
天壁に開口２７を形成した後、この開口２７から
輸液用の針を刺し込み体６及び仕切り体９に刺し
込んで、容器１内に挿入するのである。

尚、実施例では、筒部１１の天壁における脚部
１９の取付部を、上記天壁におけるスコアーライ
ン１５の周方向一部から天壁の中央部の近傍にわ
たる部分としたが、上記取付部を、第１図、第４
図及び第５図の仮想線で示すように、上記天壁に
おけるスコアーライン１５の径方向対称箇所を結
ぶ帯状部分としてもよい。

然しながら、上記のようにした場合には、押上
部２０を押し上げて、筒部１１の天壁に開口２７
を形成する際に、挺比が実施例で示すものよりも
小さくなつて、大きな力が必要となるという欠点
が生じる。

又、実施例では、スコアーラインを筒部の天壁
に全周にわたつて形成したが、スコアーラインに
関しては、押上片の下方部分の径方向対称部分は
なくしても、実施例と略同様の効果を奏すること
ができる。

（考案の効果） 以上詳述したように、本考案によれば、キヤツ
プの本体の天壁にワンタツチで容易に開口を形成
できると共に、その構造は簡易で、容易且つ安価
に製造できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は要部
の正面断面図、第２図は開口時の状態を示す要部
の正面断面図、第３図は斜視図、第４図は正面
図、第５図は平面図、第６図は第１図のＡ矢視
図、第７図は第１図のＢ−Ｂ線矢視断面図であ
る。 １……輸液用容器、２……フランジ部、４……
キヤツプ、５……本体、６……刺し込み体、１２
……押上片、１５……スコアーライン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (a) 輸液用容器の開口部に固着されるプラスチツ
   ク製本体と、 (b) 本体内に封入されて、輸液用の針が刺し込ま
   れるゴム製刺し込み体 を有し、 本体は、 天壁に環状に形成された天壁開口用スコア
   ーラインと、 天壁におけるスコアーラインの径方向内方
   側部分に固設されて、その径方向外方に突出
   する押上片 を有することを特徴とする容器のキヤツプ。