JPH0545925Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ 産業上の利用分野 この考案は板状被測定物の寸法測定装置に関す
るものである。

Ｂ 従来の技術 引張試験などの材料試験を行なう場合、試験前
に試験片の寸法を測定しておく必要があり、試験
片に対して進退可能に測定用圧子を対向して設置
し、チヤツクなどにより保持された試験片に測定
用圧子を押し付け、測定用圧子の変位を変位検出
器により検出して試験片の寸法を自動的に測定す
ることが行なわれている。

Ｃ 考案が解決しようとする問題点 しかしながら、板状試験片の厚さと幅を測定す
る場合、測定用圧子の接触面積が大きいと、厚さ
測定時においては、試験片の曲がり、ねじれ等に
より試験片と測定用圧子との間に間隙が生じた
り、あるいは試験片と測定用圧子との角度が一致
せず測定誤差が発生する問題点がある。

このような誤差を除去するには、測定用圧子の
接触面を非常に小さい平面あるいは球面にすれば
効果的であるが、幅測定時において、試験片の厚
さが非常に薄い場合、あるいは試験片に曲がり、
ねじれ等がある場合、測定用圧子が試験片に当接
せず、測定が困難となる不都合が生ずる。

この考案の目的は、板状被測定物の厚さ、幅の
両方を精度良く測定し得る寸法測定装置を提供す
ることにある。

Ｄ 問題点を解決するための手段 本考案に係わる寸法測定装置は、先端に比較的
小面積の接触面を有する小面積測定用圧子と、先
端に比較的大面積の接触面を有する大面積測定用
圧子と、これら小面積測定用圧子および大面積測
定用圧子が並ぶ方向へ被測定物と小面積測定用圧
子および大面積測定用圧子とを相対移動させる移
動手段とを具備する。

Ｅ 作用 板状の被測定物の特定位置での厚さを測定する
際には、移動手段により小面積測定用圧子を測定
位置上へ相対移動させる。幅寸法を測定する際に
は、移動手段により大面積測定用圧子を測定位置
上へ相対移動させる。

Ｆ 実施例 本考案の一実施例である第１図ないし第４図に
示すように、先端が円錐台とされ、先端外径が
1.5mm程度で比較的小面積の平面あるいは球面の
接触面１ａを有する上下一対の厚さ測定用圧子１
と、先端に外径が６mm程度で比較的大面積の平面
の接触面２ａを有する上下一対の幅測定用圧子２
とを横方向に適当な間隔をおいて配設する。

厚さ測定用圧子１と幅測定用圧子２は、連結板
３に取付けられ、この連結板３に流体圧シリンダ
４のピストン軸先端を接続し、一つの流体圧シリ
ンダ４で両圧子１，２が試験片TPに対して進退
可能とされている。各測定用圧子１，２の基端に
は、支持フレーム６に支持された案内筒５内を摺
動するガイドロツド７が一体的に接続され、この
ガイドロツド７に変位検出器８の磁気スケール８
Ｂが接続される。変位検出器８の検出ヘツド８Ａ
は案内筒５内に固定され、測定用圧子１，２の移
動に伴う磁気スケール８Ｂの移動量を検出する。
変位の検出はこのような磁気式リニアエンコーダ
に限らず、光電動リニアエンコーダや作動トラン
スなどの変位検出器を使用できる。また、検出ヘ
ツド８Ａとガイドロツド７との間にはスプリング
Ｓが設けられ、測定用圧子１，２を試験片方向に
付勢している。

さらに、試験片TPの寸法測定を試験片長手方
向に多点で行なうので、支持フレーム６はガイド
９を案内として試験片長手方向に移動可能とさ
れ、フレーム６に固設されたナツト部材１０にね
じ棒１１を螺合し、第２図に示すように、このね
じ棒１１をモータ１２により回転させて支持フレ
ーム６をＡ方向に移動可能とする。また、第２図
に示すように、支持フレーム６はＡ方向移動と同
様に、ナツト部材１３，ねじ棒１４，モータ１５
によりＢ方向に移動可能とされ、これにより、試
験片TPに対して測定用圧子１，２のいずれかを
所望に応じて対向させ得る。なお、このＢ方向移
動機構を省略し、試験片TPを移動可能に構成し
てもよい。また第２図中、１６，１７はそれぞれ
減速歯車を示す。

以上のような構成において、厚さ測定時には、
第１図に示す状態から、上下の各流体圧シリンダ
４を動作させて上下の各厚さ測定用圧子１を試験
片TPの側面に押し当て、小面積の接触面１ａで
厚さを測定する。

幅測定時には、不図示の回転装置にて試験片
TPを90度回転させるとともに、試験片TPに対し
て幅測定用圧子２が対向するようにモータ１５に
より支持フレーム６をＢ方向に移動させた後、同
じく上下一対の流体圧シリンダ４を作動させて上
下一対の幅測定用圧子２を試験片TPの端面に押
し当て、大面積の接触面２ａで幅を測定する。さ
らに、モータ１２により支持フレーム６を試験片
長手方向（Ａ方向）に移動させて試験片長手方向
の数ヶ所で同様にして厚さおよび幅を測定する。

なお、以上は試験片について示したが、これに
限らずその他の板状被測定物を測定する装置にも
本考案を適用できる。

Ｇ 考案の効果 この考案によれば、板状被測定物の厚さを測定
する際には小面積測定用圧子を測定位置上へ移動
させ、幅寸法を測定する際には大面積測定用圧子
を測定位置上へ移動させることにより、厚さ測定
時に試験片の曲がり、ねじれ等の影響を受けず、
また幅測定時に測定用圧子を確実に当接させるこ
とができ、精度良く確実に自動測定を行なうこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る寸法測定装置を示す正
面断面図，第２図は同じくその移動機構の概略を
示す平面断面図，第３図，第４図はそれぞれ厚
さ，幅測定用圧子を示し，Ａは正面図、Ｂは平面
図である。 １……厚さ測定用圧子、１ａ……接触面、２…
…幅測定用圧子、２ａ……接触面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 測定用圧子が被測定物に対して進退可能に対向
   して配置された寸法測定装置において、先端に比
   較的小面積の接触面を有する小面積測定用圧子
   と、先端に比較的大面積の接触面を有する大面積
   測定用圧子と、これら小面積測定用圧子および大
   面積測定用圧子が並ぶ方向へ前記被測定物と前記
   小面積測定用圧子および前記大面積測定用圧子と
   を相対移動させる移動手段とを具備することを特
   徴とする寸法測定装置。