JPH0545540Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 前後位置調節可能な自動車用シート（座席）、
詳しくは、スライドレールのアツパーレールにシ
ートクツシヨンのシートフレームを取付けると共
に、前記スライドレールの内側方向にモータの駆
動力によつて回転して、アツパーレールを前後方
向に移動させるリードスクリユーを突設してなる
パワーシートの構造に関する。

（従来の技術） 従来のこの種のパワーシートの構造を第３図に
示す。

図中、SR，SR′はスライドレールを示し、該
スライドレールSR，SR′は、従来周知の構造の
もので、車床側に固定するロアレール１２，１
２′と、このロアレール１２，１２′上に摺動自在
に装着するアツパーレール１１，１１′とからな
り、各アツパーレール１１，１１′上にはブラケ
ツト１３，１３が一体に設けてあり、このブラケ
ツト１３，１３′に、シートクツシヨンのシート
フレーム４が、リフター機構（不図示）を介して
又は直接取付けられている。

そして、前記アツパーレール１１，１１′の
夫々内側に、リードスクリユー１，１′が前後方
向に向けて配設され、このリードスクリユ１，
１′後端側はアツパーレール１１，１１′の後端側
に固定した軸受１５，１５′に支持され、前端側
は取付ブラケツト１４，１４′に固定したギヤボ
ツクス３に取付けられている。

一方、ロアレール１２，１２′には、固定ブラ
ケツト２１を介して前記リードスクリユー１，
１′が螺挿するナツト２，２′が設けてある。ま
た、前記一方のアツパーレール１２′側に設ける
と共に前記一方のギヤボツクス３を取付ける取付
ブラケツト１４′にはモータＭが設けてあり、こ
のモータＭの駆動力は減速機、前記各ギヤボツク
ス３を介して、各リードスクリユー１，１′に伝
達されるように構成されている。従つて、モータ
Ｍを駆動させることにより、各リードスクリユー
１，１′が回転して、車床側に固定したロアレー
ル１２，１２′に対して、アツパーレール１３，
１３′が前後方向に移動して、シートクツシヨン
の前後位置が調節される構造である。そして、こ
のシートクツシヨンを構成するシートフレーム４
には横方向である左右方向に、複数のＳ形ばね４
４……を張架して、シートクツシヨンのクツシヨ
ン性を向上させている。そして、このシートフレ
ーム４は、前記モータＭの駆動力によつてシート
クツシヨンの前後位置するものでなく、マニユア
ルで前後調節するシートクツシヨンのシートフレ
ームを流用している。なお、このシートフレーム
４は、前部材４１、側部材４２，４２′、後部材
４３を枠状に溶接して形成している。

（考案が解決しようとする課題） 以上のシートフレーム４を左右のスライドレー
ルSR，SR′に設けたブラケツト１３，１３′に取
付けてシートクツシヨンを組付けると、第４図に
示すように、シートクツシヨンに加わる矢印方向
の荷重によつて、Ｓ形ばね４４……が撓み、リー
ドスクリユー１，１′、ナツト２，２′に接触す
る。

そのため、異音が発生するし、また、リードス
クリユー１，１′などが作動不良になる不具合が
あつた。

そこで、本考案は斯様にシートフレームに張架
したＳ形ばねの撓みに起因する異音の発生とリー
ドスクリユー等の作動不良を防止することを目的
とするものである。

（課題を解決するための手段） 以上の目的を達成するための本考案は、前記リ
ードスクリユーの上方に位置するシートフレーム
に、シートクツシヨンの座面形状に一致するよう
に凹凸状に形成した帯状の補強ブラケツトを前後
方向に向けて固着し、該補強ブラケツトにばね材
を左右方向に向けて張架したものである。

従つて、この補強ブラケツトによつてシートフ
レームが補強されると同時に、リードスクリユ
ー、ナツトを保護し、前記Ｓ形ばねの接触を防止
し、また、スライドレールに対して内側に位置す
る補強ブラケツトをシートクツシヨンの座面形状
と一致するように形成することにより、補強ブラ
ケツトが着座者がシートクツシヨンに着座した場
合に異物感にならないようにしている。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を第１図、第２図に基
づいて説明する。

第１図、第２図において、前記第３図と同一符
号は同一部材を示し、その説明を省略する。

即ち、シートフレーム４は枠状で、その縦方向
である前後方向に向けて補強ブラケツト５，５′
が設けてあり、この夫々の補強ブラケツト５，
５′にＳ形ばねからなるばね材４５，４５，４５
が張架され、各ばね材４５，４５，４５の両端は
補強ブラケツト５，５上に設けたクランプ５１に
掛止されている。

この補強ブラケツト５，５′は帯状平板をシー
トクツシヨンの着座面の座面形状に凹凸状に湾曲
成形したものであり、この補強ブラケツト５，
５′及び前記ばね材４５，４５……、シートフレ
ーム４とによつてシートクツシヨンを構成する発
泡体製クツシヨン体（不図示）を支持する。ま
た、この補強ブラケツト５，５′はシートフレー
ム４をブラケツト１３，１３′にリフター機構を
介して、或いは直接取付けた際に、リードスクリ
ユー１，１′の上方に位置するようにシートフレ
ーム４にその前、後両端部が溶接されている。

斯して、第２図に示すように、リードスクリユ
ー１上方に位置する補強ブラケツト５に、ばね材
４５の一端が掛止されているため、荷重によつて
ばね材４５が点線に示すように撓むが、リードス
クリユー１などに接触することがない。

なお、第１図において図中１６は、モータＭの
駆動力を一方のリードスクリユー１側に伝達させ
るフレキシブルシヤフトである。また、モータＭ
及びギヤボツクス３を取付ける左右の取付ブラケ
ツト１４，１４′は連結部材（不図示）によつて
一体に連結されている。

（効果） 本考案は叙上の如く構成したので、以下の効果
を有する。

(1) 従来のマニユアル用スライドレールに装着す
るシートフレームに、補強ブラケツトを設け、
その補強ブラケツトにばね材を掛止すれば良い
ため、従来の前記シートフレームを流用でき、
別体のシートフレームを製造する必要がない。
そのため、部品の共用化が図れ、製造コストを
低減できる。

(2) 補強ブラケツトによつてばね材のリードスク
リユー、ナツトへの接触を防止することができ
るため、異音の発生、リードスクリユーなどの
作動不良を防止することができる。

(3) 補強ブラケツトがシートフレームの内側に位
置し、シートクツシヨンの座面形状に一致する
ように凹凸状に形成し、この補強ブラケツトに
ばね材を左右方向に向けて張架しているため、
シートフレーム自体が補強ブラケツトにより補
強されると共に、補強ブラケツト及びこの補強
ブラケツトに張架したばね材が、シートクツシ
ヨンの座面形状に一致するため、補強ブラケツ
ト、ばね材がシートクツシヨンに着座した際
に、異物感とならないし、また、補強ブラケツ
トによつて、この補強ブラケツト上に載置する
クツシヨン体の変形を前記従来品に比べ防止で
き、所定の座面形状を長期間保持できる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案を示し、第１図はその
分解斜視図、第２図は要部の断面図、第３図、第
４図は従来品を示し、第３図はその分解斜視図、
第４図は部分断面図である。 図中、SR，SR′はスライドレール、１，１′は
リードスクリユー、４はシートフレーム、５，
５′は補強ブラケツト、４５，４５……はばね材
を夫々示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 スライドレールのアツパーレールにシートクツ
   シヨンの枠状のシートフレームを取付けると共
   に、前記アツパーレールの夫々の内側に、モータ
   の駆動力により回転し、アツパーレールを前後方
   向に移動させるリードスクリユーを前後方向に向
   けて設けてなるパワーシートにおいて、 前記リードスクリユーの上方に位置するシート
   フレームに、シートクツシヨンの座面形状に一致
   するように凹凸状に形成した帯状の補強ブラケツ
   トを前後方向に向けて固着し、該補強ブラケツト
   に、ばね材を左右方向に向けて張架してなるパワ
   ーシート構造。