JPH0545457B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、ハツチバツク型車のリヤシート後
方に配置するトノボードの取付部構造に関する。

従来の技術 ハツチバツク型車にあつてはリヤシート後方に
ラゲージルームを画成するためにトノボードを配
置したものがある。

この一例を第５図によつて説明する。リヤシー
ト１のシートバツク１ａ後方に、図外のリヤサイ
ドトリム及びリヤエンドメンバパネル２を設けて
あり、これらリヤサイドトリムとリヤエンドメン
バパネル２上にトノボード３を配置して、このト
ノボード３のフロント側をフロアパネル４にヒン
ジ５を介して開閉自在に支持する一方、リヤ側に
支持されたロツクアーム６をリヤエンドメンバパ
ネル２に係止して施錠を行なうようになつてい
る。尚、７はスペヤタイヤ、８はバツクドアウエ
ザーストリツプである（特開昭54−157908号公報
参照）。

そして、上記トノボード３の下面には、横方向
に切欠９を設けてあつて、後面衝突時に衝撃力Ｆ
が作用した場合に、トノボード３が切欠９部分で
曲折し破線で示すように形状変形することで衝撃
を吸収しトノボード３の前方に作用する力を小さ
くするようになつている。

発明が解決しようとする問題点 上記切欠９を設けることで、トノボード３の前
方突出は確実に防止することはできるが、トノボ
ード３自体の剛性を弱めてしまう点が指摘されて
いる。

また、トノボード３の横方向に長い切欠９を設
けなければならず、加工工数がかかつてしまう不
利がある。

その上、トノボード３がフロント側で回動支持
してあるため、開閉時に必要な操作力が大きくな
る点も指摘されている。

そこで、この発明はトノボード自体の剛性をア
ツプできる上、後方衝突時における衝撃吸収特性
を更に向上し、操作性も良好にすることができる
トノボード取付部構造を提供するものである。

問題点を解決するための手段 リヤシートの後方に配置されるトノボードをヒ
ンジを介して連結したフロントボードとリヤボー
ドとで構成してこれらフロントボードとリヤボー
ドとのヒンジ点よりも下側の端面に斜面を形成し
てハの字状の曲折許容部を設けると共にリヤボー
ドの側縁部に凹欠部を形成する一方、フロアサイ
ドトリムにフロントボード前端を着脱自在に保持
するブラケツトを設けると共にフロアサイドトリ
ムの上記凹欠部に対応する部位に、フロント側に
向かつて上がる傾斜面を備えた案内体を設けてあ
る。

作 用 後面衝突時の車体変形に伴つてトノボードに前
向きの衝撃力が作用すると、フロアサイドトリム
に形成した案内体の斜面にリヤボードの凹欠部が
乗り上がり、これに伴つてフロントボードは前端
側を支持するブラケツトの保持力に優つて、これ
らフロントボードとリヤボードとはヒンジを介し
て確実に曲折しリヤシート側へのトノボードの進
入を阻止する。

実施例 以下、この発明の一実施例を図面と共に詳述す
る。

第１〜４図において、３０はリヤシート１後方
に配置されたトノボードであつて樹脂等から成形
してあり、その両側と後部を各々フロアサイドト
リム１０とリヤエンドメンバパネル２０とに設置
してある。

上記トノボード３０は、フロントボード３０ａ
とリヤボード３０ｂとで分割構成してあり、フロ
ントボード３０ａの後端とリヤボード３０ｂの前
端に、各々嵌着するコの字状のホールド部５０ａ
を互いに枢支したヒンジ５０を介して連結してあ
る。そして、各ホールド部５０ａの対向する端面
には、斜面５０ｂを形成して互いに角度αの開き
を有するハの字形状の曲折許容部１１設けてあ
る。

また、上記リヤボード３０ｂの両側縁には各々
凹欠部１２を形成してあり、一方フロントボード
３０ａの両側縁には各々凹欠部１３を形成してあ
る。

一方、前記フロアサイドトリム１０には第４図
に示すように、フロントボード３０ａの前端及
び、上記凹欠部１３の前端をコの字状部で保持す
るブラケツト１４，１５を各々埋設してあり、ブ
ラケツト１４，１５の各折曲部１４ａ，１５ａを
凹欠部１３の幅より小さくしてフロントボード３
０ａを後方にスライドさせることによりトノボー
ド３０を取外しできるようになつている。尚、上
記ブラケツト１４は厚さＴで、またブラケツト１
５は厚さＴよりも小さい厚さｔで各々成形してあ
る。

また、フロアサイドトリム１０の上記リヤボー
ド３０ｂの凹欠部１２に対応する部位には、フロ
ント側に向かつて角度β上がる傾斜面１６ａを備
えた断面台形上の案内体１６を設けてある。尚、
１７はサイドボツクスである。

以上の実施例構造によれば、通常使用する場合
には、トノボード３０のリヤボード３０ｂの後端
を持上げればヒンジ５０を中心にリヤボード３０
ｂは矢印Ａ方向に回動し、小さな操作力でラゲー
ジルーム内での荷物を出入れを行なうことができ
る。

また、トノボード３０を取外す場合には、フロ
ントボード３０ａをその凹欠部１３の幅寸法だけ
後方にスライドすれば、ブラケツト１４，１５の
各折曲部１４ａ，１５ａが各々リヤボード３０ｂ
の前端と凹欠部１３の前端から離脱するため簡単
に取外し作業を行なうことができる。

一方、第１図に示す様に、後方衝突時に衝撃力
Ｆが作用して車体変形に伴ないトノボード３０の
リヤボード３０ｂ後端に力ｆが作用するとリヤボ
ード３０ｂは前方に押し出される。

すると、リヤボード３０ｂの凹欠部１３の下部
後縁がフロアサイドトリム１０の案内体１６に設
けた傾斜面１６ａに乗り上がるため、第２図に示
す様、リヤボード３０ｂは矢印Ｂ方向にスムーズ
に回動し、それと同時にフロントボード３０ａも
ブラケツト１４，１５の拘束力に対抗しながら前
端部を中心に回動する。この場合、フロントボー
ド３０ａとリヤボード３０ｂは曲折許容部１１に
より互いに干渉することなくヒンジ５０によつて
スムーズに回動できる。

そして、リヤボード３０ｂの後端が前方へ進入
してフロントボード３０ａの立ち上がりが大きく
なると、先づ厚さの薄いブラケツト１５の折曲部
１５ａが口開きし、次いでブラケツト１４が口開
きすることで衝撃力を吸収し、埋没されたブラケ
ツト１４，１５のストツパ機能によつて前方のリ
ヤシートへの突出は阻止される。

このようにして、トノボード３０の通常使用に
おける剛性を十分に確保し、かつ、操作性を良好
にした上で衝撃吸収特性をより一層向上させるこ
とができるのである。

発明の効果 以上のようにこの発明によれば、リヤシートの
後方に配置されるトノボードをヒンジを介して連
結したフロントボードとリヤボードとで構成し、
これらフロントボードとリヤボードとのヒンジ点
よりも下側の端面に斜面を形成してハの字状の曲
折許容部を設けると共にリヤボードの側縁部に凹
欠部を形成する一方、フロアサイドトリムにフロ
ントボード前端を着脱自在に保持するブラケツト
を設けると共にフロアサイドトリムの上記凹欠部
に対応する部位に、フロント側に向かつて上がる
傾斜面を備えた案内体を設けたことにより加工工
数も少なく、トノボードの剛性を十分に確保し、
かつ、操作性を良好にした上で、衝撃吸収特性を
より一層向上できるという実用上多大な効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

第１〜４図は、この発明の一実施例を示し、第
１図は斜視図、第２図は第１図の−線に沿う
ヒンジ部拡大側断面図、第３図は第１図の−
線に沿うリヤボードの要部拡大断面図、第４図は
第１図の−線に沿うフロントボードの要部拡
大側断面図、第５図は従来技術の側面図である。 １……リヤシート、１０……フロアサイドトリ
ム、１１……曲折許容部、１２……凹欠部、１４
……ブラケツト、１６……案内体、１６ａ……傾
斜面、３０……トノボード、３０ａ……フロント
ボード、３０ｂ……リヤボード、５０……ヒン
ジ、５０ｂ……斜面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ リヤシートの後方に配置されるトノボードを
   ヒンジを介して連結したフロントボードとリヤボ
   ードとで構成し、これらフロントボードとリヤボ
   ードとのヒンジ点よりも下側の端面に斜面を形成
   してハの字状の曲折許容部を設けると共にリヤボ
   ードの側縁部に凹欠部を形成する一方、フロアサ
   イドトリムにフロントボード前端を着脱自在に保
   持するブラケツトを設けると共に、フロアサイド
   トリムの上記凹欠部に対応する部位に、フロント
   側に向かつて上がる傾斜面を備えた案内体を設け
   たことを特徴とするトノボード取付部構造。