JPH054482Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は建物の外壁面を構成する化粧石板の取
付フアスナーに関する。

〈従来の技術〉 建物の外壁面に化粧石板を取付ける工法として
は例えば所謂乾式工法や湿式工法等多くの工法が
提案されている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかしこれ等湿式、乾式工法何れにおいても予
め造成された外壁の面に化粧石板を貼設するもの
であり、壁体を造成すると共に化粧石板を貼設す
るものではなかつた。特に中空セメント板を一方
の側型枠として用いる場合には、化粧石板を貼設
する専用のフアスナーを取付けなければならぬ等
複雑な施工を要していた。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は斯かる問題点に鑑み案出したもので、
中空セメント板を一方の側型枠として用いる場合
に、セパレータを中空セメント板に貫通させ、そ
の一端にフアスナーを定着させることにより、化
粧石板の貼設と構造躯体であるコンクリート壁体
とを同時に施工することができる取付フアスナー
を提供するものである。

〈実施例〉 以下図面に基づき本考案の建物用化粧石板の取
付フアスナーを詳細に説明する。

第１図は中空セメント板１に化粧石板２を貼設
し、且つ取付フアスナー３、セパレータ４を介し
て型枠空間Ｏを形成した状態を示す縦断面概略図
である。又第２図は同平断面概略図である。

すなわち中空セメント板１の凹部１１にフアス
ナー３を配置し、中空セメント板１の裏面から貫
通したセパレータ４の先端軸部４１をフアスナー
３のボルト孔に突出させてナツトＮによつて定着
する。フアスナー３は、後述する様に掛着部に設
けた掛止体を化粧石板２の端面に設けた孔に嵌挿
するものである。

一方セパレータ４の他端にはコーン５が挿着さ
れ、このコーン５に堰板６を当接するとともに堰
板６の外面にフオームタイ（登録商標）７を設け
てバタ材８により支持する。すなわち中空セメン
ト板１と堰板６間に型枠空間Ｏを形成する。この
型枠空間Ｏにコンクリートを打設することによ
り、化粧石板２を貼設した状態で中空セメント板
１が壁体と一体的に造成される。換言すればセパ
レータ４はフアスナー３、更には中空セメント板
１のアンカー金具的役割を果すことになる。

第３図はフアスナー３を説明する斜視図であ
る。上述した様に、フアスナー３は固定部３１と
掛着部３２から成り、固定部３１には一対の支持
片３１ａ，３１ａが突出され、又上方略中央には
ボルト孔３１ｂが穿孔されている。一方掛着部３
２は挿入片３２ａ，３２ａとその上端を外方に屈
曲したストツパー３２ｂ，３２ｂから成り、挿入
片３２ａ，３２ａ間の略中央で且つ直交状態に上
辺３２ｃと下辺３２ｄが形成されている。この上
辺３２ｃと下辺３２ｄには掛止体、例えばダボピ
ン３２ｅ及び３２ｆが夫々突設されている。

斯かる状態の掛止部３２を固定部３１に挿着す
るには、第４図の正面図、第５図の平面図、及び
第６図の右側面図で示す様に、挿入片３２ａ，３
２ａを支持片３１ａ，３１ａ内に挿入する。する
と掛着部３２はストツパー３２ｂ，３２ｂにより
所定の位置に挿着される。

上述した壁体の造成時においては、セパレータ
４の先端軸部４１を固定部３１のボルト孔３１ｂ
に嵌め入れ、ナツトＮによつて定着する。次いで
掛着部３２の下辺３２ｄに突設したダボピン３２
ｆを下段に位置する化粧石板２の上端面に穿孔し
た孔に挿入する状態にし、挿入片３２ａ，３２ａ
を支持片３１ａ，３１ａ内に挿入する。更に上段
に位置する化粧石板２の下端面２１に設けた孔２
２をダボピン３２ｅに嵌め入れる。

順次同様にして掛着部３２を固定部３１に挿着
させて行くことにより化粧石板２，２…が手際良
く且つ確実に中空セメント板１の表面の貼着され
る。

尚この際中空ヘメント板１の表面と化粧石板２
の間には、例えば弾性接着剤ｓ等を介在させるこ
とにより緩衝作用を発揮させる。又中空セメント
板１の端面相互にガスケツトＧ、化粧石板２の接
合目地にコーキイング材ｃを夫々充填して封止す
る。

第７図ａは掛着部３２の他の実施例を示し、同
ｂは化粧石板２に設ける孔の他の実施例を夫々示
すものである。

この掛着部３２には上辺３２ｃ及び下辺３２ｄ
に、例えば半円状の突辺３２ｆ，３２ｇが設けら
れている。該半円状の突辺３２ｆ，３２ｇは第７
図ｂで示す如く、夫々化粧石板２の下端面２１に
設けた孔２２と整合するものである。例えば孔２
２を丸鋸により形成する場合は、孔２２自体が半
円状に形成される為、突辺３２ｆ，３２ｇも同様
の半円状に形成しておくと好都合である。すなわ
ち孔２２の切削施工によつて掛着部３２の掛止体
の形状を選択できることになる。

〈効果〉 以上説明した様に本考案の取付フアスナーは、
その固定部をセパレータを介して中空セメント板
に定着し、又化粧石板の貼設施工に応じて順次掛
着部を挿着してゆくものなので、極めて確実且つ
手際良く建物用化粧石板を取付けることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、外壁体の造成状態を示す縦断面概略
図、第２図は、同平断面概略図、第３図は、化粧
石板の取付フアスナーを説明する斜視図、第４図
は、同正面図、第５図は、同平面図、第６図は、
同右側面図、第７図ａは、掛着部の他の実施例を
示す斜視図、第７図ｂは、化粧石板の他の実施例
を示す一部省略斜視図である。 １……中空セメント板、２……化粧石板、２１
……端面、２２……孔、３……フアスナー、３１
……固定部、３２……掛着部、３２ｆ，３２ｅ…
…ダボピン、３２ｇ，３２ｆ……突辺、４……セ
パレータ、５……コーン、６……堰板、Ｏ……型
枠空間。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 中空セメント板の表面に固定部を定着し、化
   粧石板の端面を掛止する掛着部を前記固定部に
   挿着するフアスナーであつて、前記固定部を中
   空セメント板に貫通したセパレータを介して定
   着するとともに、前記掛着部に設けた上下一対
   の掛止体を化粧石板の上下端面に穿設した孔に
   嵌挿させる建物用化粧石板の取付フアスナー。 (2) 前記掛着部の掛止体はダボピンであることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の建物用化粧石板の取付フアスナー。 (3) 前記掛着部の掛止体は半円状の突辺であるこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の建物用化粧石板の取付フアスナー。