JPH0142599Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、建設工事現場等において壁型枠等
に断熱板を仮止めしてコンクリートを打設するこ
とにより建物の断熱施工を行なうに当つて、上記
断熱板を壁型枠等に仮止めするための断熱板の止
め具に関する。

従来、この種の断熱板の止め具に関して次のよ
うな問題点があつた。

特に、コンクリート打設後に壁型枠を解体する
に当り、釘にかかる引抜力によつて断熱板を止め
付ける座板のコンクリート埋設面積が小さいため
に、そのまま断熱板を破断して出てくることが多
い。

従つて、断熱板に欠損部が増えて結露を生ず
る。

また、断熱板同志の突き合せ部分に位置ズレ
や、目違いを起し、これによつてコンクリートノ
ロが表面に浮き出たりして防露性能を著しく低下
させる等、重大な欠点を有するものであり、充分
な効果が得られない。

この考案は上述した従来の問題点に鑑みなされ
たもので、その目的は、壁型枠等への断熱板の止
着を簡易に、かつ的確にすると共に型枠解体時の
断熱板の破断を未然に防止し、しかも充分な防露
性能が得られる断熱板の止め具を提供することに
ある。

上記目的を達成するために、この考案は、外周
縁に平面状の押え片を形設すると共にその押え片
の内側に上向きに突設する周壁部を設け、かつ中
心部に釘孔を有する中央片を上記周壁部の上面と
同一平面上において数本の連結片により一体に連
設して、上下に貫通する通孔を設け、該連結片の
一部に上記押え片の下方から適宜長さ突出する仕
切片を一体に突設したことを特徴とする。

以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

第１図は本考案の第１実施例による止め具の正
面図、第２図は第１図の底面図、第３図は第１図
の右側面図、第４図は第１図のＡ−Ａ線上におけ
る縦断面図である。

上面に示す断熱板の止め具１は、合成樹脂製等
により円板状に形成し、その外周縁に平面状の押
え片２を形設する。

また、その押え片２の内側には上向きに突設し
た周壁部３を設ける。

中央片４は、中心部に釘孔４ａを有すると共に
上記周壁部３の上面と同一平面上において数本
（この例では４本とした）の連結片５，６，７，
８により一体に連設して、同時に上下に貫通する
通孔９…を設ける。

仕切片１０，１０は、上記連結片５，６，７及
び８の一部（この例では釘孔４ａを中心として左
右に配設した）に押え片２の下方から適宜長さ突
出すべく一体に突設してある。

さらに４ｂ…は、釘孔４ａを中心にして放射状
に配列したスリツトで、釘の引抜き力を緩和する
ものである。

また、３ａ…は各連結片５，６，７及び８を介
してその両側の周壁部３に穿孔した通孔であつ
て、上記中央片４の外側の通孔９…と共にコンク
リート打設時のコンクリートノロの流入とコンク
リートアンカーの機能を具備したものである。

上記のように構成された第１実施例の止め具
は、第５図に示すように例えば壁型枠Ｐの内側に
張設した断熱板Ｂに対し、その突き合せ部に止め
具１の仕切片１０，１０を差し込み、さらに中央
片４の釘孔４ａに所要長さの釘Ｎを差して釘止め
することにより、仮止めを完了するものである。

続いてその内側に配筋等してコンクリートを打
設し養生する。

その後、壁型枠Ｐを解体することにより、釘Ｎ
は同時に釘孔４ａから引抜かれて取除くことがで
きる。

また、この釘が壁型枠解体時に止め具側に残つ
た時はペンチ等で止め具１から引抜けばよい。

上記の第１実施例の止め具１によれば、仕切片
１０，１０を断熱板同志の突き合せ部に差し込め
ば断熱板の目違いやズレが防止でき、このため、
コンクリートノロの流出による結露を未然に防止
することができ、合理的で確実な施工が得られる
と同時に作業能率の向上に著しい効果がある。

また、周壁部３の側面適所と上下に貫通して設
けたコンクリートの通孔３ａ…及び９…によつて
コンクリートとの付着面積が増大し、確実に埋設
できる効果がある。

第６図は本考案の第２実施例による止め具の背
面図で、止め具２１の周壁部２３と中央片２４と
を連結する連結片２５，２６の下端に下向きに突
出する仕切片２１０，２１０を直角状に配設した
ものであり、これによると前記と同様の作用効果
が得られると共に特に断熱板の隅角部に取付けて
その施工精度を高めることができる。

なお、この考案の止め具はスラブ型枠上に敷設
した断熱板の仮止めにも利用できるものである。

以上詳細に説明したように、この考案によれ
ば、壁型枠等に対する断熱板の仮止め作業が簡単
に能率良く行なえて合理的な施工性能が得られ
る。

特に、断熱板同志の目違いや、ズレを未然に防
止することができ、かつ、コンクリート内に確実
に埋設され、よつて型枠解体による断熱板の破損
がなく極めて優れた断熱板の止め具を得ることが
できるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例の正面図、第２図
は第１図の底面図、第３図は第１図の右側面図、
第４図は第１図のＡ−Ａ線上における縦断端面
図、第５図は同上の使用状態を示す側面図、第６
図は第２実施例の背面図である。 １…止め具、２…押え片、４…中央片、５，
６，７及び８…連結片、１０，１０…仕切片、Ｐ
…壁型枠、Ｂ…断熱板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周縁に平面状の押え片を形設すると共にその
   押え片の内側に上向きに突設した周壁部を設け、
   かつ中心部に釘孔を有する中央片を上記周壁部の
   上面と同一平面上において数本の連結片により一
   体に連設して、上下に貫通する通孔を設け、該連
   結片の一部に上記押え片の下方から適宜長さ突出
   する仕切片を一体に突設したことを特徴とする断
   熱板の止め具。