JPH054441A - ノーカーボン感圧複写紙の製造方法 - Google Patents

ノーカーボン感圧複写紙の製造方法

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JPH054441A
JPH054441A JP3183337A JP18333791A JPH054441A JP H054441 A JPH054441 A JP H054441A JP 3183337 A JP3183337 A JP 3183337A JP 18333791 A JP18333791 A JP 18333791A JP H054441 A JPH054441 A JP H054441A
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coating
liquid
coating layer
coating liquid
fluid
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JP3183337A
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Takeo Sugiyama
武夫 杉山
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 〔構成〕本発明はスリットを有する給液ヘッドより、表
面張力が35dyn/cm以下で、電子供与性染料を内
蔵するマイクロカプセルを含む第1塗工層用の塗工液と
該第1塗工層の上に塗工される第2塗工層またはそれ以
上の塗工液が、該第1塗工層用の塗工液の表面張力以上
である塗工液からなる複層のカ−テン膜を形成し支持体
に衝突させ塗工することによって達せられる。 〔効果〕 スリットを有する給液ヘッドより、複層のカ
−テン膜を形成することにより、発色性および耐汚染性
に優れ、且つ高速高濃度塗工を可能としたノ−カ−ボン
感圧複写紙を得ることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はノ−カ−ボン感圧複写紙
の製造方法に関し、詳細には発色性および耐汚染性に優
れ、且つ高速塗工を可能としたノ−カ−ボン感圧複写紙
用発色剤シ−ト及び自己発色性型シ−トの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ノ−カ−ボン感圧複写紙は、支持体の片
面に通常無色の電子供与性染料(以下、発色剤と称す)
の溶液を内蔵するマイクロカプセルを塗工した発色剤シ
−トいわゆる上用紙と電子受容性酸性物質(以下、顕色
剤と称す)を塗工した顕色剤シ−トいわゆる下用紙とか
ら基本的に成り、筆圧或はタイプライタ−等の圧力によ
り発色剤シ−トのマイクロカプセル中から発色剤が放出
され、顕色剤シ−トの顕色剤と接触して発色し、画像が
得られるものである。
【0003】さらに発色剤シ−トと顕色剤シ−トの役割
りを兼ねた形の中用紙(支持体の一方の面に発色剤を内
蔵するマイクロカプセル塗工層を設け、他方の面へ顕色
剤塗工層を設けたもの)を上用紙と下用紙との間に多数
枚組み合せることにより多くの複写が可能となる。
【0004】また、支持体の一方の面へ発色剤の溶液を
内蔵するマイクロカプセルを塗工し、さらにその上に顕
色剤を積層塗工あるいは発色剤の溶液を内蔵するマイク
ロカプセルと顕色剤を混合して単一塗工すれば1枚のシ
−トで印字発色画像が得られ、自己発色性型シ−トとし
て成る。以下、自己発色性型シ−トについて、基本的に
発色剤シ−トと取扱いが同一とみなせるので発色剤シ−
トに含め説明する。
【0005】一般に、ノ−カ−ボン感圧複写紙用発色剤
シ−トに要求される品質的条件、及び製造時に要求され
る主要な条件として次の2項目が挙げられる。 .発色濃度が濃く、鮮明な画像が短時間のうちに得ら
れ、経時的にも劣化がないこと。 .発色を意図しない時、即ちノ−カ−ボン感圧複写紙
用発色剤シ−トのの製造工程・各種印刷工程・裁断工程
・シ−ト状または巻取状態での保管及び取扱時において
汚れが生じないこと。
【0006】上記2つの項目は、相反する特性であるた
め両者を充分に満足させることは困難であるが、発色剤
シ−トに塗工されるマイクロカプセルの製造条件、緩衝
剤の種類と量、バインダ−の種類と量等の因子を工夫す
ることにより改良がなされ、それらについて多くの提案
がなされている。
【0007】また、ノ−カ−ボン感圧複写紙用発色剤シ
−トの製造において高い生産性を得るには、塗工時の乾
燥エネルギ−を極力低減させ塗工速度を増速させる目的
で塗工液の高濃度化が図られている。その手段として、
塗工液の液性の改良、塗工方法の工夫等が行われている
が、とりわけ発色剤シ−トにおいては、低粘度のマイク
ロカプセルエマルジョン(例えば特開昭63−2875
42号)や低粘度のバインダ−を用いる方法(例えば特
開平2−3367号)等で改良が試みられている。
【0008】しかしながら、上記手段で高濃度塗工によ
り得られた発色剤シ−トは、実使用時にこすれによる耐
汚染性の低下をもたらし、ノ−カ−ボン感圧複写紙用発
色剤シ−トとしての品質を充分満足しているとは言えな
いものであった。
【0009】また発色剤シ−トのマイクロカプセル塗工
層の形成方法としては、従来エア−ナイフコ−タ−によ
る方法が用いられてきたが、かかる方法はエア−によっ
て過剰の塗工液をかき落とし必要量塗工するものであ
る。主にエア−ナイフコ−タ−が用いられてきたのは、
比較的に高速度(300m/分以上)の塗工が可能であ
ることと、印刷用塗被紙等で従来より用いられれてきた
方式であること、さらに液の種類をあまり限定しない方
式であるからと考えられる。しかしながら、かかる方法
では昨今のさらなる高速度(800m/分以上)の要求
に対しては、ミスト及び騒音の発生等が問題となる。さ
らには、過大なエア−によって粒子径の大きな緩衝剤が
選択的にかき落とされる現象いわゆる分級作用が生じ、
結果として支持体上に粒子径の小さな緩衝剤が多くなり
発色剤シ−トの耐汚染性が低下すると言う問題があっ
た。
【0010】また、塗工液に増粘剤等を加え液粘度を上
昇させて緩衝剤の分級作用を防止する方法も考案されて
はいるが、かかる方法はエア−ナイフ圧に必要以上の負
荷を与えるために塗工液を高濃度にすることはさらに困
難となっていた。さらに上記形成方法以外にブレ−ドコ
−タ−による方法、バ−コ−タ−による方法及びロ−ル
コ−タ−による方法等があるが、エア−ナイフコ−タ−
以上に分級作用が著しく生じたり、またストリ−クある
いはバ−・ロ−ルのパタ−ンが塗工面に発生するためと
ても実用に耐え得るものではなかった。
【0011】そこで、上記問題を解決するため単層の自
由落下垂直カ−テンを形成せしめる、いわゆるカ−テン
コ−タ−を用いる方法(例えば特公昭61−46187
号、同63−239号)が考案されている。かかる方法
は、すでに感材業界で広く行われている塗工方法(例え
ば特公昭49−24133号、同49−35447号)
を感圧複写紙の塗工に適用したもので、確かに通常用い
られるエア−ナイフコ−タ−に比べ緩衝剤の分級が発生
せずまた比較的高濃度で塗工することが可能なマイクロ
カプセル塗工層形成方法である。
【0012】上記特公昭49−24133号、同49−
35447号のごとく単層の自由落下垂直カ−テンを用
いたカ−テンコ−タ−では、確かに800〜1000m
/分の高速高濃度塗工が可能であるが、より高濃度化を
目指した場合必然的にカ−テン流量を少なくしなけらば
ならないが、カ−テン流量の小さくできる限界は、塗工
液自身の表面張力に多くは決ってしまう。ここで、カ−
テン流量とは給液ヘッドに供給され、カ−テン膜が形成
される必要流量である。しかしながら、ノ−カ−ボン紙
の特性上、特に印刷適性及びセット糊適性を考慮すると
塗工液の表面張力はある一定範囲に保持せざるえない。
このため、塗工液を高濃度化するためカ−テンの流量を
小さくしようとしてもおのずと限界があった。
【0013】仮に液濃度を高くして必要塗目方を確保し
ようとすると、塗工速度をさらに速くする必要がでてく
るが、必然的にカ−テンへの風の防止対策及び塗工機の
振動対策等がよりシビアになってくる。また、カ−テン
コ−タ−では、泡対策が不十分だと泡に起因する未塗抹
部が多数発生する危険性があり、いわゆる文字切れ現象
を引き起こす可能性が大となる。このため、2層以上の
複層のカ−テンに比べ、単層のカ−テンでは確立的に未
塗抹部による文字切れ現象が生じやすくなる。
【0014】一方、マイクロカプセルを主体とする塗布
層の上に接着剤及び保護剤を主体とする第2の塗布層を
設ける方法が特開昭52−15709号に記載されてい
る、また特開昭57−197192号には、マイクロカ
プセル及び微粒子を主体とする第1の塗布層の上に、接
着剤を主体とする第2の塗布層を有することを特徴とす
る感圧複写紙用マイクロカプセル塗設シ−トが記載され
ているが、これらの方法によると感圧複写紙製造・加工
・印刷・帳票作製工程等の取扱時における汚れは著しく
改善されるが、複写能力がやや劣るという欠点がある。
また、第1の塗布層と第2の塗布層の塗工液の成分の違
いが大きいので、安定した品質が得にくい、あるいは塗
工開始及び終了時のロスが大きいという問題があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のノ−
カ−ボン感圧複写紙用発色剤シ−トの品質上及び製造上
の問題点を克服するものであり、具体的には下記の項目
を全て満足する発色剤シ−トの製造方法を提供すること
にある。 .筆圧あるいはタイプライタ−等の圧力により、高濃
度の発色が得られる。即ち、多数枚の複写においても鮮
明なが画像が得られる。 .発色を意図しない際の汚染を防止する。即ち、こす
れ時に発生する摩擦汚れ、発色剤シ−ト保管時・印刷時
・裁断時に加えられる圧力汚れ等の少なく、耐汚染性が
優れる。 .高速高濃度塗工が可能である。即ち、高濃度塗工液
により乾燥負荷を軽減でき、また品質の低下のない高い
生産性が得られる。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、これら
従来の技術の欠点を解決し、スリットを有する給液ヘッ
ドより、表面張力が35dyn/cm以下で、電子供与
性染料を内蔵するマイクロカプセルを含む第1塗工層用
の塗工液と該第1塗工層の上に塗工される第2塗工層ま
たはそれ以上の塗工液の表面張力が、該第1塗工層の塗
工液の表面張力以上である塗工液からなる複層のカ−テ
ン膜を形成し支持体に衝突させ塗工することによって達
せられる。
【0017】即ち、本発明の方法により、その本来の目
的通りに有効に機能させることが可能となり、感圧複写
紙製造・加工・印刷・帳票作製工程等の取扱時における
カプセルの破壊を防止できる。
【0018】さらには、前述したように、塗工液の固形
分濃度を高くすると、乾燥負荷が軽減し、調液設備や液
の循環系を小型化あるいは省力化することができ、特に
乾燥負荷の軽減は、乾燥能力の強化を施さずに、塗工速
度の増速を実現することができ、生産性の向上に大きく
貢献する。また、液の循環がないあるいは循環量が極力
少ない、さらには第1塗工層用の塗工液と該第1塗工層
の上に塗工される第2塗工層またはそれ以上の塗工液
が、本質的に成分が同一であるため品質の低下のない高
い生産性が得られる。
【0019】したがって、スリットを有する給液ヘッド
より複層のカ−テン膜を形成させることにより、高濃度
あるいは高粘度の塗工液を高速塗工操作で行うことが可
能となると言った重大な効果を生む。さらに、液の給液
用に、揚程の大きな可変流量型の無脈流ポンプを使用す
れば、流出流量の調整範囲は飛躍的に大きくすることが
出来る。
【0020】本発明は以上の結果に基づき、給液ヘッド
の高さを3〜50cm好ましくは10〜30cmの範囲
に保ち、塗工液を0.1〜1.0mm、より好ましくは
0.2〜0.4mmのスリットを有する給液ヘッドより
複層の均一なカ−テン膜を形成させることによって達っ
せられる。さらには、第1塗工層の塗工液の表面張力が
35dyn/cm以下、好ましくは32dyn/cm以
下、第2塗工層の塗工液の表面張力が第1塗工層の塗工
液の表面張力以上とすることにより安定した塗工条件を
見いだすことが出来た。
【0021】この時、第1塗工層の塗工液の表面張力が
35dyn/cmを越える場合は前述したようにカ−テ
ンの安定性が劣り好ましくない。従来の塗工液の表面張
力が35dyn/cm以下にできなかったのは、一般に
ノ−カ−ボン紙の重要な特性の一つである印刷適性及び
セット糊付け適性が保てなかったからである。即ち、塗
工液の表面張力が低いと、そのまま塗工面の濡れ性が良
くなり、オフセット印刷に代表されるように界面張力の
違いによる印刷方式ではバランスがとりにくくなる。ま
たセット糊適性については、糊自身は浸み込みやすくな
り接着強度は強くなるものの、乾燥後全体が波打ち状と
なり見た目が悪く商品価値の低いものとなる。さらに
は、接着の不必要な部分である被塗工面(一般には原紙
面同志)まで接着してしまい、うまくセットできなくな
ってしまうという致命的な欠点を生じてしまう。
【0022】一般に、カ−テンの安定性は、主にカ−テ
ン流量と塗工液の表面張力によって決まるが、従来の単
層のカ−テンではカ−テンを安定化させるためには、上
記理由により必要以上に表面張力を低くできなかった
が、本発明のごとくスリットを有する給液ヘッドより複
層のカ−テン膜を形成させる塗工方法を用いれば、第1
塗工層の塗工液の表面張力を35dyn/cm以下とし
てカ−テンを安定化させことが出来、しかも第1塗工層
の特性の劣化を第2塗工層の塗工液によってカバ−する
ことによって達成することが出来る。尚、表面張力は液
濃度が低い程、水の表面張力の値に近づくが、液濃度範
囲が20%越えるかなり高濃度側では、本発明のごとく
浸透剤を含む系では希釈による表面張力の低下は無視出
来る。
【0023】一方、さらなる高濃度塗工を行おうとする
場合、第1塗工層の塗工液の表面張力が35dyn/c
mを越えてくるとカ−テンの安定性が悪くなり塗工ムラ
となり、ひどいときにはカ−テンが全く形成出来なくな
る。また、仮に表面張力が35dyn/cmを越えて塗
工しようとした場合、カ−テンの安定性のため流量を大
きくする必要が出でくるが、必然的に塗工速度はカ−テ
ン流量に応じた速度にしなければならなくなる。しかし
ながら通常は乾燥能力に限界があるためカ−テン流量は
必要以上に大きくできない。さらには、表面張力が35
dyn/cmを越えてくるとヘッドの広幅化が進むにつ
れカ−テンの安定性が悪くなる、あるいはスリットの仕
上げ精度をさらに高くする必要がある等、ハ−ド面にか
なりの制約が課せられる。
【0024】先に説明したようにカ−テンが単層の場
合、泡対策が不十分だと泡に起因する未塗抹部が発生し
未発色部を生じる可能性が大となるが、カ−テンが2層
以上の複層になるに従い単層のカ−テンに比べ飛躍的に
この現象は削減される。さらには第1塗工層用の塗工液
と該第1塗工層の上に塗工される第2塗工層またはそれ
以上の塗工液が、本質的に成分が同一であるならば、仮
に液の循環があったとしても循環液の混合は可能とな
り、また塗層間はほぼ均一であるため品質の低下のない
高い生産性が得られるといった重大な効果が得られる。
【0025】以下、本発明の効果を一層明瞭ならしめる
ため添付図面に基づき、本発明の実施態様について説明
する。図1は本発明の実施態様を示すマイクロカプセル
塗工用の塗工装置の概略図である。
【0026】予め調製されたマイクロカプセルを含み、
表面張力が35dyn/cm以下の第1塗工層用の塗工
液1aは貯蔵タンク2aより定量ポンプ3aによって給
液ヘッド4aへ送られる。同様に、第1塗工層用の塗工
液の表面張力以上である第2塗工層用の塗工液1bは別
の貯蔵タンク2bから定量ポンプ3bによって給液ヘッ
ド4bへ送られる。この際、第1塗工層用の塗工液1a
と第2塗工層用の塗工液1bは、各々第1塗工層の塗目
方が1〜7g/cm2及び第2塗工層の塗目方が0.1
〜4g/cm2となるように適当に流量調整が行われる
が、塗工液の給液量は最終製品の塗工量および塗工時の
ライン速度と比例関係にあるため、給液ヘッド4a・4
bへの塗工液の給液量コントロ−ルは精度よく行う必要
がある。それ故に定量ポンプ3a・3bとしては可変流
量型の無脈動定流量ポンプが適当である。
【0027】給液ヘッド4a・4bの内部はマニホ−ル
ド5a・5b、スリット6a・6bからなり、それぞれ
高精度の仕上げが施されている。給液された塗工液は、
各々のマニホ−ルド内に満たされスリットに送られる
が、通過する狭い間隙において幅方向における圧力分布
が均一化される。最終的にはスリットの先端部において
塗工液は幅方向の圧力分布および流速分布が、さらに均
一化されて先端より流出し、複層のカ−テン膜7を形成
し、支持体8に一定速度で衝突し塗工される。
【0028】形成された複層のカ−テン膜7を安定した
状態に保持するため、両端にエッジガイド14が設けら
れている(図−1では、カ−テン膜7と重なる)。塗工
液1a・1bにより形成された複層のカ−テン膜7は、
連続走行している支持体8と衝突し塗工される。最後
に、支持体上の塗工液は乾燥装置12で必要量の水が乾
燥され本発明の発色剤シ−ト13が得られる。この時、
複層のカ−テン膜7は支持体8に全量塗工されることが
好ましいが、カ−テン膜の両端部において塗膜の厚塗り
が発生するので、適当に防止する手段が必要となる。
【0029】一方、カ−テン膜7の両端部における塗膜
の厚塗りを防止するために、エッジガイド14は給液ヘ
ッド4a・4bの幅を越えず、さらに支持体8の幅以下
となるように設けられる。また、カ−テン膜は支持体8
の幅を越えて形成させてもかまわないが、その際には循
環液は品質に影響ない範囲で回収混合されるため、液の
循環量は極力少なくする必要がある。
【0030】連続走行している支持体8と複層のカ−テ
ン膜7との接触部(以後、「塗工部」という。)の両側
には支持体に同伴してくる空気流を遮風し、カ−テン周
辺の空気の回流などでカ−テン膜が乱れることなく支持
体に達するようにするため遮風板9及び10が設けられ
ている。また、支持体の搬送方向は塗工部の直前で支持
ロ−ル11により方向転換することにより、支持体に導
かれてくる空気流の塗工部への影響を最小限にとどめる
ように構成されている。
【0031】形成させた複層のカ−テン膜7を安定した
状態で塗工するためには支持体8からスリットの先端ま
での高さがある程度必要とされるが、本実施態様におい
てはその高さを制御することも可能であり、塗工を安定
させるにヘッド高さは3〜50cmが適当である。
【0032】本実施態様においては、塗工過程において
塗工液が外部より高剪断応力等の作用を受けず、また前
計量方式であるため、支持体に水が選択吸収されて塗工
液が高濃度化することもない、また塗工液を循環再使用
しても循環量が塗工量に比べ極めて少ないため塗工液の
組成が経時的に変化することも少なく、安定したノ−カ
−ボン感圧複写紙用発色剤シ−トを製造することが可能
であり、塗工速度の増加においてもかかる効果を期待で
きる。
【0033】また、塗工液量は予め計量された後、支持
体上に塗工されるため、その量は必要最小限となり、ブ
レ−ドやエアナイフコ−タ−のように塗工液を過剰に給
液することがなく、その給液量は1/5あるいそれ以下
となる。塗工液をカ−テン膜に形成して、支持体に衝突
せしめて塗工する方式においては、塗工量は支持体の走
行速度と塗工液の単位時間あたりの給液量によって決定
されるが、理論的には最低給液液量はカ−テン膜を安定
に形成することが可能である量であり、それは極めて少
ない量である。したがって、高濃度あるいは高粘度の塗
工液の塗工操作において、本ヘッドを用いると、給液流
量の可変範囲が極めて広くなることから、塗工量あるい
は塗工速度の選択範囲は、極めて広くなる。
【0034】本発明において、用いられる第1塗工層の
塗工液は、一般にマイクロカプセルをバインダ−・保護
剤及び浸透剤と共に水に溶解もしくは分散せしめた液で
あって、マイクロカプセル、バインダ−、保護剤の濃度
が10〜60重量%のものを指称する。マイクロカプセ
ル、バインダ−、保護剤の配合割合は、一般にマイクロ
カプセル100重量部に対し、バインダ−及び保護剤の
割合が5重量部以上、好ましくは、10〜70重量部、
より好ましくは、30〜60重量部であり、バインダ−
と保護剤との割合は、バインダ−100重量部に対し、
保護剤が、50〜200重量部であることが通常であ
る。浸透剤の割合は、特に限定されるものではないが、
第1塗工層の塗工液のカ−テン膜が安定するように表面
張力が35dyn/cm以下となるように調合しなけれ
ばならない。
【0035】また、第2塗工層の塗工液も、第1塗工層
の塗工液同様に、一般にマイクロカプセル・バインダ−
及び保護剤より形成されるが、第1塗工層の塗工液の影
響によって、先に説明したノ−カ−ボン特性が損なわれ
ないように調合しなければならない。このため必要によ
っては、ワックスあるいはシリコンなど撥水性の添加剤
を添加してもかまわない。
【0036】なお、複層のカ−テン膜は、通常のカ−テ
ンコ−タ−で用いられる単層の自由落下垂直カ−テンに
比べ、第1塗工層用の塗工液の表面張力が35dyn/
cm以下と低いため安定したカ−テンとなり、自由落下
垂直カ−テンを用いるカ−テンコ−タ−に比べれば周囲
の空気の影響は小さいものの、カ−テン膜が均一に塗工
されるよう遮風板を出来るだけ支持体及びカ−テン近傍
に設置させることが好ましい。
【0037】このように、本発明による発色剤シ−トの
製造方法は、塗工液中の緩衝剤が選択的にかき落とされ
ることがないため、長時間の製造においても塗工液の組
成変化がなく、さらに第1塗工層用の塗工液は表面張力
が35dyn/cm以下と低くすることができるため安
定したカ−テンが形成され、その上に印刷適性及びセッ
ト糊適性の特性の劣化を、第2塗工層用の塗工液によっ
てカバ−することができる。この時第2塗工層用の塗工
液単独では、カ−テンの形成が不安定であるため、安定
した第1塗工層用の塗工液のカ−テンと重層することに
よって安定化することが出来る。従って本発明は、第1
塗工層用の塗工液と第2塗工層用の塗工液は互いの欠点
をカバ−しあうことにより理想的な発色性と耐汚染性を
兼ね備えた発色剤シ−トを高い生産性で安定して得るこ
とができる。
【0038】但し、塗工開始と終了の際に支持体へ付着
された塗工最前部と最後部は目標塗工量の数倍もの液が
塗工されるため、必要によっては塗工面を均一にするこ
とを目的にスム−ジングロ−ルあるいはスム−ジングシ
−ト等を用いることが望ましい。
【0039】本発明は以上の実施態様に限定されること
はなく、種々の変形が可能であることは言うまでもな
い。例えば、以上の実施態様においては、給液ヘッドと
していわゆるエクストル−ジョン型のもののみ説明して
きたが、必ずしもこれに限定されず、例えば特公昭49
−24133号、同49−35447号報等に開示され
ているいわゆるスライド型給液ヘッドないしホッパ−を
用いることも十分可能であり、かかる給液ヘッドを用い
ることも本発明に包含される。また、泡によって作業性
が低下するあるい塗工紙の品質に悪影響をおよぼすこと
もあるため、必要によっては脱泡機を使用することが望
ましい。
【0040】本発明において発色剤としては、クリスタ
ルバイオレットラクトン、3−3ビス(P−ジメチルア
ミノフェニル)フタリド、3−(P−ジメチルアミノフ
ェニル)−3−(2−メチルインド−ル−3−イル)−
6−ジメチルアミノフタリドのようなトリアリルメタン
フタリド系やメチレンブル−のベンゾイル、アニゾイ
ル、ビバロイル等のアシル誘導体;3−ジエチルアミノ
−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−ジベンジルアミノフルオランのようなキサン
テンフタリド系等がある。
【0041】顕色剤としては、無機系顕色剤として酸性
白土、アタパルガイト等の天然粘土鉱物、酸性白土を鉱
酸で処理した活性白土、特開昭57−15996号公報
記載の半合成固体酸等があり、有機系顕色剤として各種
フェノ−ル化合物、ノボラック型フェノ−ル樹脂、芳香
族カルボン酸多価金属塩及び最近提案された特開昭63
−186729号、同63−254124号公報記載の
サリチル酸樹脂の多価金属化物等が既に使用されてい
る。
【0042】なお、発色剤は、高沸点溶剤に溶解しマイ
クロカプセルとして使用される。発色剤を溶解する高沸
点溶剤としては、ジイソプロピルナフタレンで代表され
るアルキルナフタレン類、1−フェニル−1−キシリル
エタンで代表されるジアリルアルカン類、イソプロピル
ビフェニルで代表されるアルキルビフェニル類、その他
トリアリルジメタン類、アルキルベンゼン類、ベンジル
ナフタレン類、ジアリルアルキレン類、アリルインダン
類等の芳香族炭化水素;フタル酸ジブチル、マレイン酸
ジオクチル等で代表されるカルボン酸エステル系化合
物;トリクレジルフォスフェ−トで代表されるリン酸エ
ステル系化合物;ヒマシ油、大豆油、綿実油等の植物油
又はその変性油;鉱物油のような天然物高沸点留分(脂
肪族炭化水素より成る)等がある。
【0043】発色剤を内蔵するマイクロカプセルの製造
方法は、コアセルベ−ション法、インサイチュ−法、界
面重合法等の公知の方法があるが、高濃度でマイクロカ
プセルが得られる合成樹脂を壁材とする製造方法が好ま
しい。
【0044】発色剤を内蔵するマイクロカプセルは、バ
インダ−及び緩衝剤と共に紙の如き支持体に塗工される
が、バインダ−としては、デンプン、ポリビニルアルコ
−ル等の水溶性高分子系結着剤、スチレンブタジエン
系、アクリル系、酢酸ビニル系の疎水性高分子であるラ
テックスエマルジョン系結着剤等が用いられる。緩衝剤
は、マイクロカプセルの意図しない破壊を防止するため
に添加するもので、一般にはマイクロカプセルの粒子径
の2〜10倍程度の粒子径を有するものが使用され、具
体的には小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、セルロ−ス微粉末、合
成樹脂微粒子等が用いられる。また、塗工液の粘性を調
整あるいは緩衝剤を有効に作用させるために、カルボキ
シメチルセルロ−ス等の水容性高分子系増粘剤あるいは
アクリルエマルジョン系増粘剤等を添加してもかまわな
い。
【0045】本発明で用いる浸透剤としては、アニオン
性、カチオン性、ノニオン性、両性の各種界面活性剤が
利用しうる。アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸石
鹸、金属石鹸、硫酸化油、ロート油、アルキル硫酸エス
テル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エス
テル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル硫
酸エステル塩、高級脂肪酸アルカノールアミド硫酸エス
テル塩、アルキルスルフイン酸塩、アルキルベンゼンス
ルコン酸塩、アルキルアリルスルフオン酸塩、ジアルキ
ルスルフオコハク酸塩、高級脂肪酸アルキロールアミド
スルフオン酸塩、アルキル硫酸塩等が用いられる。カチ
オン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級
アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩などが用いら
れる。ノニオン性界面活性剤としては、脂肪酸グリセラ
イド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
アリールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、葡糖脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレナルキルアミン、ポリオキシ
エチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンポリプロピ
レングリコールエーテルなどが用いられる。両性界面活
性剤としては、アルキルベタイン、イミダゾリン誘導体
などが用いられる。
【0046】支持体としては、通常セルロ−ス繊維を主
体とする酸性紙、中性紙が用いられるが、合成紙等合成
樹脂からなるシ−トを用いることもできる。
【0047】本発明において、塗工液の重量固形分濃度
は、特に限定されるものではないがカ−テン形成上ある
一定以上の粘性が必要であるので、B型粘度では好まし
くは10cps以上、より好ましくは20〜500cp
sであるような任意の液濃度あるいは増粘剤の添加が必
要である。但し、必要以上に粘性が高過ぎると泡を真空
脱泡機で脱泡しきれない場合があるので考慮すべきであ
る。この時、ヘッド内部は塗工液の液温によっても変化
するため、液温管理さらにはヘッド自身に保温機能をつ
け加えることが望ましい。また、支持体へのト−タル塗
工量は乾燥重量規準で、2g/m2以上、好ましくは、
3〜6g/m2が適当である。
【0048】
【実施例】次に実施例により本発明の効果をより具体的
に説明する。尚、以下の部はすべて重量部であり、%は
すべて重量%を表わす。 実施例1 クリスタルバイオレットラクトン(CVL)5部を溶解
した200部の高沸点油(呉羽化学(株)製KMC−1
13)を5%スチレン無水マレイン酸共重合体水溶液
(PH5.0)250部に添加し、平均粒子径6μmと
なるように乳化した。次に30%メラミン−ホルマリン
初期縮合物水溶液(住友化学(株)製スミレッツレジ
ン)20部を上記乳化液に加えて温度を75℃とし、2
時間反応させたのち、20%水酸化ナトリウム水溶液で
PH9.0として室温まで冷却し、40%のマイクロカ
プセル分散液を得た。
【0049】このようにして得られたマイクロカプセル
分散液を下記の配合で、第1塗工層用塗工液及び第2塗
工層用塗工液の40%濃度の塗工液を得た。 〔第1塗工層用塗工液の成分〕 カプセル : 40%マイクロカプセル分散液 100部 緩衝剤 : 小麦澱粉(粒子径20μm) 50部 バインダ− : 48%カルボキシ変性スチレンブタジエン 共重合体ラテックスエマルジョン 20部 浸透剤 : ポリオキシエチレン脂肪酸エステル 1部 添加水 80部 〔第2塗工層用塗工液の成分〕 カプセル : 40%マイクロカプセル分散液 100部 緩衝剤 : 小麦澱粉(粒子径20μm) 50部 バインダ− : 48%カルボキシ変性スチレンブタジエン 共重合体ラテックスエマルジョン 20部 増粘剤 : カルボキシメチルセルロ−ス 1部 添加水 80部
【0050】こうして得られた第1塗工層用塗工液及び
第2塗工層用塗工液をウイルヘルミ−法(吊板式)によ
る表面張力計(協和科学株式会社製:商品名ESB−
V)を用いて測定したところ、各々35dyn/cm・
41dyn/cmであった。次に、図1に示す巾100
0mm、0.3mmのスリット隙間を有す給液ヘッドを
用いて、カ−テン流量を各々8リットル/分、4リット
ル/分で給液し均一な複層のカ−テン膜を形成させ、ス
リット出口より10cm離れた巾900mm・坪量40
g/m2の上質紙に1000m/分の塗工速度で塗工し
乾燥したところ、塗工量は絶乾固形分で4g/m2のノ
−カ−ボン感圧複写紙用発色剤シ−トを得た。この時、
カ−テン膜は上質紙上でほとんど乱れることはなく、ま
た泡に起因する未塗抹部もなく非常に均一なマイクロカ
プセル塗工層が得られ、発色・耐汚染性バランスのとれ
たノ−カ−ボン感圧複写紙用発色剤シ−トを得た。さら
に簡易印刷機によるインキの付き具合い及びセット糊適
性を評価したが良好であった。
【0051】実施例2 実施例1において、実施例1の第1塗工層用塗工液の浸
透剤の添加量を2部とした以外(表面張力32dyn/
cm)は実施例1と同様に行い、絶乾固形分で4g/m
2のノ−カ−ボン感圧複写紙用発色剤シ−トを得た。こ
の時、カ−テン膜は実施例1より安定で、泡に起因する
未塗抹部もなく非常に均一なマイクロカプセル塗工層が
得られ、発色・耐汚染性バランスのとれたノ−カ−ボン
感圧複写紙用発色剤シ−トを得た。さらに簡易印刷機に
よるインキの付き具合い及びセット糊適性を評価したが
良好であった。
【0052】実施例3 実施例1において、実施例1で得られた第1塗工層用塗
工液を第2塗工層用塗工液にも使用した以外(表面張力
35dyn/cm)は実施例1と同様に行い、絶乾固形
分で4g/m2のノ−カ−ボン感圧複写紙用発色剤シ−
トを得た。この時、カ−テン膜は上質紙上でほとんど乱
れることはなく、また泡に起因する起因する未塗抹部も
なく均一なマイクロカプセル塗工層が得られ、発色・耐
汚染性バランスのとれたノ−カ−ボン感圧複写紙用発色
剤シ−トを得た。さらに簡易印刷機によるインキの付き
具合い及びセット糊適性を評価したが良好であった。
【0053】比較例1 実施例1において、実施例1の第1塗工層用塗工液の浸
透剤を0.5部とした以外(表面張力38dyn/c
m)は実施例1と同様に行い、絶乾固形分で4g/m2
のノ−カ−ボン感圧複写紙用発色剤シ−トを得た。この
時、泡に起因する未塗抹部はないが、カ−テン膜は実施
例1より不安定で、これ以上の高速化は困難であった。
また、印刷機によるインキの付き具合いは良好であった
が、セット糊適性については若干接着強度が弱めであっ
た。
【0054】比較例2 実施例1において、実施例1の第2塗工層用塗工液を第
1塗工層用塗工液にも共用し実施例1と同様に行い、絶
乾固形分で4g/m2のノ−カ−ボン感圧複写紙用発色
剤シ−トを得た。この時、カ−テン膜はかなり不安定と
なり、塗工開始とともにカ−テン膜が割れてしまい塗工
出来なかった。
【0055】比較例3 実施例1において、実施例1の第2塗工層用塗工液を第
1塗工層用塗工液とし、且つ第1塗工層用塗工液を第2
塗工層用塗工液とした以外は実施例1と同様に行い、絶
乾固形分で4g/m2のノ−カ−ボン感圧複写紙用発色
剤シ−トを得ようとした。この時、カ−テン膜はかなり
不安定となり、塗工開始とともにカ−テン膜が割れてし
まい塗工出来なかった。
【0056】比較例4 実施例1で得られた第1塗工層用塗工液と第2塗工層用
塗工液を混合し両液(表面張力38dyn/cm)とし
た以外は実施例1と同様に行い、絶乾固形分で4g/m
2のノ−カ−ボン感圧複写紙用発色剤シ−トを得た。こ
の時、泡に起因する未塗抹部はないが、カ−テン膜は実
施例1より不安定でこれ以上の高速化は困難であった。
さらに簡易印刷機によるインキの付き具合い及びセット
糊適性を評価したが良好であった。
【0057】比較例5 実施例1で得られた第1塗工層用塗工液(表面張力35
dyn/cm)を坪量巾900mm・坪量40g/m2
の上質紙に、ヘッド高さ10cm・巾1000mm・
0.3mmのスリット隙間を有する単層の自由落下型の
カ−テンコ−タ−を用いて、カ−テン流量12リットル
/分・塗工速度1000m/分で塗工し乾燥したとこ
ろ、塗工量は絶乾固形分で4g/m2のノ−カ−ボン感
圧複写紙用発色剤シ−トを得た。この時、カ−テン膜は
比較的表面張力が低いため安定していたが、同じ塗工液
を使用した複層のカ−テンに比べれば不安定で、これ以
上の高速化は困難であった。また、簡易印刷機によるイ
ンキの付き具合い及びセット糊適性については良好であ
ったが、塗工面は単層のカ−テンのため泡に起因する未
塗抹部が一部見られた。
【0058】比較例6 実施例1で得られた第2塗工層用塗工液(表面張力41
dyn/cm)を坪量巾 を坪量巾900mm・坪量40g/m2の上質紙に、ヘ
ッド高さ10cm・巾1000mm・0.3mmのスリ
ット隙間を有する単層の自由落下型のカ−テンコ−タ−
を用いて、カ−テン流量12リットル/分・塗工速度1
000m/分で塗工し乾燥したところ、塗工量は絶乾固
形分で4g/m2のノ−カ−ボン感圧複写紙用発色剤シ
−トを得た。この時、カ−テン膜は表面張力が高いため
かなり不安定となり、塗工開始とともにカ−テン膜が割
れてしまい塗工出来なかった。
【0059】比較例7 実施例1で得られた第1塗工層用塗工液と第2塗工層用
塗工液を混合を(表面張力38dyn/cm)、坪量巾
900mm・坪量40g/m2の上質紙に、ヘッド高さ
10cm・巾1000mm・0.3mmのスリット隙間
を有する単層の自由落下型のカ−テンコ−タ−を用い
て、カ−テン流量12リットル/分・塗工速度1000
m/分で塗工し乾燥したところ、塗工量は絶乾固形分で
4g/m2のノ−カ−ボン感圧複写紙用発色剤シ−トを
得た。この時、カ−テン膜は上質紙上でやや乱れ、これ
以上の高速化は困難であった。簡易印刷機によるインキ
の付き具合い及びセット糊適性は良好であったが、塗工
面は泡に起因する未塗抹部が一部見られた。
【0060】比較例8 実施例1で得られた第1塗工層用塗工液を坪量巾900
mm・坪量40g/m2の上質紙に1000m/分の塗
工速度で塗工量が絶乾固形分で4g/m2となるように
エア−ナイフコ−タ−で塗工しようとしたが、エア−ナ
イフ圧を最高にしても、塗工量が多くなりすぎ、目標品
質を有するノ−カ−ボン感圧複写紙用発色剤シ−トを得
ることが出来なかった。
【0061】比較例9 実施例1で得られた第1塗工層用塗工液に水を加え13
%濃度の塗工液とした。得られた塗工液を巾900mm
・坪量40g/m2の上質紙に1000m/分の塗工速
度で塗工量が絶乾固形分で4g/m2となるようにエア
−ナイフコ−タ−で塗工したところ、エア−ナイフ圧を
最高にした結果、絶乾固形分で4g/m2のノ−カ−ボ
ン感圧複写紙用発色剤シ−トを得ることが出来た。この
時、エア−ナイフコ−タ−のヘッド付近では騒音・ミス
トがひどく、作業環境上好ましいものではなかった。簡
易印刷機によるインキの付き具合い及びセット糊適性は
良好であったが、得られたマイクロカプセル塗工層の面
は、独特のエア−ナイフパタ−ンを発生させ商品価値と
しては低いものであった。さらには、過大なエア−によ
って粒子径の大きな緩衝剤が選択的にかき落とされる分
級作用が生じ、耐汚染性は弱いものであった。もちろ
ん、実施例のごとき高濃度化をはかることは困難であ
る。
【0062】(発色剤シ−ト評価方法) ◎発色性 得られた発色剤シ−トを市販三菱NCR紙ス−パ−下用
紙(N−40)と組合せス−パ−カレンダ−(100k
g/cm2×2回通し)を通して発色させ、発色性を評
価した。発色濃度はマクベス社濃度計を用いて測定し
た。 ◎耐汚染性 また縦35cm×横25cmの上記下用紙に縦15cm
×横15cmの発色剤シ−トを組合せ、その上に350
0gの耐汚染性評価用の重りを載せ発色剤シ−トを一定
速度で引っ張った時の汚れの度合により耐汚染性を評価
した。発色濃度はマクベス社濃度計を用いて測定した。 ◎印刷適性 簡易印刷機を用いインキの付き具合いを評価した。イン
キの付着濃度はマクベス社濃度計を用いて測定した。 ◎面質 肉眼によって塗工紙の塗ムラ・未塗工の有無を面質とし
て評価した。 ◎セット糊適性 得られた発色剤シ−トを市販三菱NCR紙ス−パ−下用
紙(N−40)と10枚セットに組合せ断裁後、断裁面
に市販三菱NCR紙用セット糊にて糊付けを行い24時
間後に、接着強度(塗工面間に糊がよく浸み込みやすい
こと)・セパレ−ト性(非塗工面間が接着しないで、塗
工面間のみ接着しやすいこと)及び断裁面の外観(波状
にならないこと)について総合評価した。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】以上の項目について評価した実施例評価結
果及び比較例評価結果を各々表1、表2に示す。
【0066】
【発明の効果】上記実施例から明かなように、本発明に
より生産性・発色性・耐汚染性・印刷適性・面質及びセ
ット糊適性の優れたノ−カ−ボン感圧複写紙を得ること
ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のノ−カ−ボン感圧複写紙の製造方法の
一例を示す概略図。
【符号の説明】
1a、1b……塗工液 8…
…支持体 2a、2b……貯液タンク 9…
…遮風板 3a、3b……ポンプ 10…
…遮風板 4a、4b……給液ヘッド 11
……支持ロ−ル 5a、5b……マニホ−ルド 12
……乾燥装置 6a、6b……スリット 13…
…発色剤シ−ト 7……カ−テン膜 14……
エッジガイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 19/80 27/00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗工液をスリットを有する給液ヘッドよ
    り、複層のカ−テン膜を形成し支持体に衝突させて塗工
    する方法において、第1塗工層が電子供与性染料を内蔵
    するマイクロカプセルを含む塗工液より形成され、且つ
    該塗工液の表面張力が35dyn/cm以下であること
    を特徴とするノ−カ−ボン感圧複写紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 該第1塗工層の上に塗工される第2塗工
    層またはそれ以上の塗工液の表面張力が、該第1塗工層
    の塗工液の表面張力以上であることを特徴とするノ−カ
    −ボン感圧複写紙の製造方法。
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