JP3879556B2 - 感圧複写シートの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、官公庁、金融、流通、各種製造業などあらゆる分野において、帳票や複写用伝票類として使用されている感圧複写シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
感圧複写シートには、発色剤として電子供与性染料(塩基性ロイコ染料)等を疎水性液体に溶解して内包する発色剤マイクロカプセルを基紙の裏面に塗布した上用紙と、支持体の表面に前記染料と接触したとき顕色させる電子受容性顕色剤を塗布しかつ裏面に発色剤マイクロカプセルを塗布した中用紙と、支持体の表面に顕色剤を塗布した下用紙があり、一般に上用紙−下用紙、あるいは上用紙−中用紙−下用紙の順に組み合わせた複写セットとして使用される。感圧複写シートは、筆圧、プリンター等の圧力により発色剤マイクロカプセルが破壊され、染料を溶解した油が顕色層に転移し、顕色剤と反応することによって発色する仕組みになっている。また、支持体の同一面上に発色剤と顕色剤を塗布し1枚で感圧記録可能とした自己発色型感圧複写紙もその一形態として知られている。
【0003】
また、感圧複写シートは塗工紙の1種といえ、発色剤マイクロカプセルあるいは顕色剤をバインダー等とともに塗工液として調製し、支持体上に塗布することによって得られる。
【0004】
一般に、塗工紙の製造においては、生産性を向上させコストを下げることが要求されるが、その際に品質は落とさないことが重要である。良好な品質を維持しつつ生産性を向上させる方法としては、原材料の無駄を削減すること、塗工層表面の塗工欠陥を減少させて歩留まりを上げること、塗工スピードを速くすること等が考えられるが、そのためには適切な塗工方法を採用することも必要である。感圧複写シートの塗布層を設けるには、従来からロール塗工、エアナイフ塗工、ブレード塗工、カーテン塗工等の各種塗工方法を用いることが知られている。
【0005】
しかし、ロール塗工やエアナイフ塗工の場合、いずれも塗工時に特有のパターンが発生しやすく、それが塗工面の欠点となりやすい。ブレード塗工の場合には、塗工スピードを上昇させた時、ブレードと基材との間に凝集物のようなものが詰まり、流れ方向に連続的な線状の未塗工部ができるストリークや、同様の原因で断続的な未塗工部ができるスクラッチが発生しやすくなる。また、これらの塗工方法を用いると、塗工液の循環量が多いためか、異物が混入しやすかったり、塗工液濃度の変動が起こって経時で塗布量が変化し所望の品質基準から外れたり、未塗工部により表面状態が悪くなることがある。
【0006】
一方、カーテン塗工方法は前計量型であり、ロール、エアナイフ、ブレード塗工等の後計量型塗工方法に比較すると、塗工液の循環量が少なく、異物の混入や塗工液濃度の変動が少ない長所をもち、また、高速塗工にも対応可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
カーテン塗工方法は、塗工液を塗出するヘッド部分と支持体との間に塗工液からなる薄いカーテン膜が形成され、これが基紙上に塗布される。従って、塗工中に発生する空気の流れが速いと、風圧によってカーテン膜が破壊される問題がある。また、塗工液の流量が少なくなると、カーテン膜を維持しようとする力が弱くなり、わずかな風圧やその変化によってカーテン膜が破れたり揺れが起こり、未塗工部などの塗工欠陥が発生する。
【0008】
また、感圧複写シートに塗布される塗布量は、通常、顕色剤層の場合6g/m2以下程度、マイクロカプセル層では3g/m2以下程度である。一般の印刷用塗工紙、例えばカーテン塗工方法により製造される印刷用塗工紙に関する特開2001−262494号には、10〜20g/m2が好ましいと記載されており、これに比較すると極めて少ない。そして、塗布量が少ないとカーテン膜の安定性を保つことはますます難しく、塗工ムラや塗工欠陥の発生につながりやすくなる。
【0009】
カーテン塗布膜の安定性を向上させるためには、カーテン膜を塗出するヘッドのクリアランスを広げてカーテン膜厚さを増加させたり、また塗出量を多くして速度も上げ、風圧に対する抵抗力を強くすることが考えられる。しかし、感圧複写シートのマイクロカプセル塗布層や顕色剤層のように塗布量が少ない場合は、このような対応によりカーテン膜の風圧への抵抗力を強化しようとすると、塗布層の厚みが増えることなり望ましくない。
【0010】
また、増粘剤を塗工液に添加することにより曳糸性を持たせ、カーテン膜の安定性を向上させることも考えられる。増粘剤として、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイドなど種々の水溶性高分子が使用される。しかし、これらの水溶性高分子を使用した場合、塗工液中に泡が発生しやすくなり、その泡が塗工欠陥の原因となることがある。また、ポリアクリル酸ソーダなどイオン性の増粘剤を使用した場合には、塗工液が酸性であるとカーテン膜に十分な安定性を付与することは難しい。
【0011】
そこで、本発明は、カーテン塗工方法により、塗布層を厚くすることなく塗工欠陥が防止された感圧複写シートを得る方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明では、電子供与性染料を内包するマイクロカプセル及び/または電子受容性顕色剤を含有する塗工液であって、表面張力が25mN/m〜38nN/mの範囲にあり、かつ、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、またはポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサンの少なくとも1種を塗工液に対して0.001〜1%含有する塗工液を、塗工ヘッド単位巾あたりの塗出量を15kg/分・m以下として、カーテン塗工方法によって塗布することにより、課題を解決したものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明では、感圧複写シートの発色剤マイクロカプセル層あるいは顕色剤層用の塗工液を、カーテン塗工方法によって塗布して感圧複写シートを製造する。
本発明で用いられるカーテン塗工方法は、例えば特公昭63−239号公報等に詳細に開示されている。カーテン塗工方法の原理は、一定量の塗料を紙幅より長い均一な隙間を有するスリットから流出させカーテン状の液膜を形成し、走行している原紙等の支持体に衝突塗工するものである。カーテン塗工方法は、抄紙機と独立した塗工機であるオフマシンコータは勿論のこと、抄紙機上に併設された塗工機であるオンマシンコータでも使用することができる。
【0014】
また、カーテン塗工方法の特徴の一つに高速塗工が挙げられ、塗工速度は塗工量との関係もあるが、感圧複写紙の製造では通常500〜1200m/分であるが、より高速での塗工も可能である。スリットの隙間は、0.1〜0.6mm、好ましくは0.1〜0.3mmである。スリットから支持体までの距離は、100〜200mmが好ましい。スリットの長さは、通常支持体の1.2〜2倍程度が好ましい。
【0015】
本発明では、表面張力が25mN/m〜38nN/mの範囲にある塗工液を用いる。表面張力が高すぎるとカーテン膜は液滴になりやすく、本発明では塗工液の表面張力が38mN/m以下であることにより、カーテン膜の安定性を得ることができる。一方、表面張力が低すぎると、塗工液の調整時に発生した泡が消えにくくなり、特に表面張力が25mN/m未満であるとその傾向が強くなる。なお、本発明において表面張力は、協和科学製A3型表面張力計にて測定した値である。ロール塗工、エアナイフ塗工、ブレード塗工等に通常使用される塗工液の場合は、表面張力が本発明の範囲より通常高く、少ない塗出量で塗布するとカーテン膜の安定性が保たれない。
【0016】
また、本発明において塗工液の粘度は、高すぎると泡が抜けにくいため、500mPa・s以下が好ましく、20〜60mPa・sの範囲がより好ましい。なお、粘度は、東京計器製B型粘度計にて測定した値である。
【0017】
また、本発明では、表面調整剤として、塗工液にポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサンの少なくとも1種を添加する。ポリアルキルシロキサンの場合、アルキル基の炭素数が表面張力や塗工液への相溶性に影響すると考えられ、本発明では炭素数1〜20が好ましく、より好ましくは炭素数1〜10である。
【0018】
水の表面張力は高く、液滴になろうとする力が働くが、例えば界面活性剤水溶液からできたシャボン玉のように表面張力が低いものは、界面活性剤溶液の薄い膜ができる。それゆえ、塗工液に界面活性剤を添加すると表面張力が下がりカーテン膜が形成されやすくなり望ましいが、逆に界面活性剤によって泡立ちやすくなる問題が起こる。
【0019】
これに対し、本発明で用いられる表面調整剤の場合は、泡立ちが発生することなくカーテン膜の安定性に寄与するため好ましく使用される。この理由は明らかではないが、本発明で用いられる表面調整剤は主にポリシロキサンなどのシリコン系の界面活性剤であり、表面張力を下げる効果は高く、通常の界面活性剤に比較すると泡立ちにくい性質を持つためと考えられる。これらの表面調整剤の添加量は、塗工液に対して0.001%以上添加すると効果が高く望ましい。より好ましくは0.001〜1%である。多すぎると泡が発生しやすくなり、カーテン膜の部分的な破壊がみられることがある。
【0020】
また、本発明では、塗工液はカーテン塗工ヘッド単位巾あたり15kg/分・m以下で塗布され、また6kg/分・m以下の少ない塗出量でも塗布可能である。一般に、感圧複写シートにおけるマイクロカプセル塗布層の塗布量は3g/m2以下であり、このように塗布量が少ない場合、カーテン膜の安定性は得難くい傾向がある。塗布量は塗工ヘッド(カーテンダイ)からの塗出量と塗工速度によって決まり、塗出速度が遅くなると、カーテン膜が破れ塗工液は液滴状になって落下していくので、安定したカーテン膜を与えるために一定の速度が必要である。例えば、塗工速度が1000m/分のとき、塗工ヘッドからの単位巾あたりの塗出量が15kg/分・mであれば、塗工液は約15g/m2塗布され、塗工液濃度が20%のとき、塗布層の塗布量は3g/m2になる。塗出量は、塗工ヘッドに塗工液を送るポンプの流量を制御することにより調節できる。
【0021】
本発明の製造方法は、感圧複写シートのマイクロカプセル層および顕色剤層など塗布層の薄いものに特に適する。塗工液の調製方法としては特に限定されず、感圧複写シートの分野で公知の方法により調製すればよい。例えば、発色剤マイクロカプセル層の場合には、電子供与性染料(塩基性ロイコ染料)を疎水性液体に溶解して内包する発色剤マイクロカプセル、バインダー、セルロース粉末やデンプン粒子等の保護材に加えて、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン等の表面調整剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、湿潤剤、PH調整剤などの添加剤を目的に応じて選択し添加することができる。
【0022】
本発明で用いられる電子供与性無色染料(ロイコ系染料)としては、感圧複写紙の分野で公知のものを使用すればよく、例えば3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド等のトリアリルメタン系化合物、4,4−ビスジメチルアミノベンズヒドリルベンジルエーテル、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等のジフェニルメタン系化合物、7−ジエチルアミノ−3−クロロフルオラン、7−ジエチルアミノ−3−クロロ−2−メチルフルオラン等のフルオラン系化合物、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3−プロピル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジベンゾピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等のスピロ系化合物、等の電子供与性発色剤が挙げられる。
【0023】
疎水性液体も感圧複写紙の分野で公知のものを使用すればよく、例えばフェニルキシリルエタン、フェニルキシリルメタン、フェニルエチルフェニルエタン、フェニルブチルフェニルメタン、フェニルブチルフェニルエタンなどのジアリールアルカン系化合物、モノイソプロピルナフタレン、ジイソプロピルナフタレンなどのアルキルナフタレン系化合物、モノイソプロピルビフェニール、ジイソプロピルビフェニールモノブチルビフェニールなどのアルキルビフェニール系化合物、部分水素化ターフェニール系化合物、アルキルベンゼン系化合物、トリアリールジメタン系化合物、フェニレンオキサイド系化合物、ジアリールアルキレン系化合物、等を挙げることができる。
【0024】
バインダーとしてはデンプン類、セルロース類、蛋白類、ポリビニルアルコール、スチレン・ブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン、ポリウレタン等が適宜選択して用いられる。
【0025】
電子供与性無色染料を含有する疎水性液体を乳化分散する際、アニオン性水溶性高分子を用いることができ、例えばエチレンー無水マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテルー無水マレイン酸共重合体、スチレンー無水マレイン酸共重合体、イソブチレンー無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸等を挙げることができる。
【0026】
マイクロカプセル化の方法としては、従来公知の方法で行えばよく、例えばコアセルベーション法、界面重合法、in−situ法を挙げることができる。カプセルの壁膜材としては、ゼラチン、ポリウレタン、メラミン・ホルムアルデヒド、尿素・ホルムアルデヒド等がある。
【0027】
電子供与性無色染料および各種成分の種類と量は要求される性能にそって決定されるが、通常、発色剤マイクロカプセル100重量%に対し、バインダー10〜30重量%、保護材20〜50重量%程度とするのが適当である。
【0028】
顕色剤層の場合は、顕色剤、バインダーに加えて、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン等の表面調整剤、界面活性剤、顔料、分散剤、増粘剤、消泡剤などを添加することができる。
【0029】
顕色剤層に含有される顕色剤としては、例えば、酸性白土、活性白土、ベントナイト、アタパルジャイト、ゼオライト、モンモリロナイト、ハロサイト、カオリナイト、微粉末無水珪酸等の無機顕色剤;安息香酸、p-イソプロピル安息香酸、2,5-ジニトロ安息香酸、p-tert-ブチル安息香酸、4-メチル-3-ニトロ安息香酸、サリチル酸、m-ヒドロキシ安息香酸、p-ヒドロキシ安息香酸、3,5-ジニトロサリチル酸、5-tert-ブチルサリチル酸、3-フェニルサリチル酸、3-メチル-5-tert-ブチルサリチル酸、3,5-ジ-tert-ブチルサリチル酸、3,5-ジ-tert-アミルサリチル酸、5-シクロヘキシルサリチル酸、3-メチル-5-イソアミルサリチル酸、5-イソアミルサリチル酸、3,5-ジ-sec-ブチルサリチル酸、5-ノニルサリチル酸、2-ヒドロキシ-3-メチル安息香酸、2-ヒドロキシ-5-tert-ブチル安息香酸、5,5-メチレンジサリチル酸、アセトアミノ安息香酸、2,4-ジヒドロキシ安息香酸、3.5-ジ(α,α-ジメチルベンジル)サリチル酸、3.5-ジ(α-メチルベンジル)サリチル酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸、2-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸等の芳香族カルボン酸;フェノール-ホルマリン樹脂、フェノール-アセトアルデヒド樹脂、フェノール-アセチレン樹脂等のフェノール樹脂、及びそれらカルボン酸の銅、鉛、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、錫、ニッケル等の金属との塩が挙げられる。
【0030】
顔料としてはカオリン、焼成カオリン、ベンナイト、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、、酸化亜鉛、サチンホワイト、酸化チタン等が挙げられる。バインダーとしては、マイクロカプセル層と同様のものが使用できる。
【0031】
顕色剤および各種成分の種類と量は要求される性能にそって決定されるが、通常、顕色剤層全固形分に対し顕色剤1〜20重量%、顔料50〜95重量%、バインダー1〜40重量%程度とするのが適当である。
【0032】
感圧複写シートの支持体としては、紙、再生紙、合成紙、プラスチックフィルム等のシート状のものを使用可能である。
【0033】
【実施例】
以下に、本発明の効果をより一層明確にするため、製造例、実施例および比較例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各例中の部および%は、重量部および重量%を表す。
【0034】
[実施例1]
アニオン性水溶性高分子(濃度10%)75部を水80部で稀釈溶解し、この混合液のpHを苛性ソーダ水溶液で4.5に調整した。別にフェニルキシリルエタンを主成分とする高沸点溶媒(日本石油化学製,ハイゾールSAS−296)135部に3,7−ビス(ジメチルアミノ)10−ベンゾイルフェノチアジン4部、N-n-ブチル−3−[4,4'−ビス(N−メチルアニリノ)ベンズヒドリル]カルバゾール25部および金属石鹸としてオクチル酸マンガンを加え、100℃に昇温し、攪拌しながら溶解する。溶解後、室温まで冷却し、先に調整したアニオン性水溶性高分子を含む水溶液中に転相に注意しながら混合し、次いでホモミキサーM型(特殊機化製)を用いて、10,000rpm,2分間攪拌、乳化し、平均粒径7.6μmのO/W型の安定した乳化物を得た。この乳化物を加熱し55℃に達してから、稀釈水70部、37%ホルムアルデヒド23.5部にメラミン20部を70℃であらかじめ溶解した混合物を加えてから2時間カプセル膜形成反応を続け反応を終了させた。
残留ホルムアルデヒドを減少させるために、30℃に冷却後29%アンモニア水をpH7.5になるまで添加して感圧複写紙用のカプセルスラリーを得た。
カプセルスラリー100部に対して、デンプン微粉末15部、ポリビニルアルコール25部、消泡剤0.01部、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン系表面調整剤、0.01部を添加し、塗工液を得た。塗工液に水を添加してその濃度を25%に調整した。
このときの粘度は50mPa・s、表面張力は35mN/mあった。この塗工液を用いて、塗工速度1000m/分で、塗工ヘッド単位巾あたりの塗工液の塗出量が10kg/分・mになる条件で連続塗工し、塗布量2.5g/m2の感圧複写シート(上用紙)を得た。
【0035】
[実施例2]
表面調整剤の添加量を0.5部に変えた以外は、実施例1と同様の方法で感圧複写シートを得た。塗工液の粘度は50mPa・s、表面張力は32mN/mであった。
【0036】
[実施例3]
表面調整剤をポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサンに変えた以外は、実施例1と同様の方法で感圧複写シートを得た。塗工液の粘度は50mPa・s、表面張力は34mN/mであった。
【0037】
[実施例4]
塗工液の塗出量が7kg/分・mになる条件で塗工した以外は、実施例1と同様にして、塗布量1.75g/m2の感圧複写シートを得た。
【0038】
[比較例1]
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンを添加しない以外は、実施例1と同様にして感圧複写シートを得た。
【0039】
[比較例2]
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンを添加しない以外は、実施例4と同様にして感圧複写シートを得た。
【0040】
[比較例3]
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの代わりに、アセチレングリコールを添加した以外は、実施例4と同様にして感圧複写シートを得た。
【0041】
[比較例4]
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの添加量を5部に変えた以外は、実施例1と同様にして感圧複写シートを得た。
【0042】
[カーテン膜性の評価]
上記各例の感圧複写シートを得る際のカーテン膜について、次の基準で評価した。結果を表2に示す。
◎:2時間以上カーテン膜が全く破れない
○:30分間カーテン膜が全く破れない
△:30分以内に部分的に破れがみられるがカーテン膜は維持される
×:30分以内にカーテン膜が破れ液滴になる
【0043】
[塗工欠陥の評価]
上記各例で得られた感圧複写シートについて、表面状態を目視で評価した。結果を表2に示す。
○:未塗工部が発生しない
×:未塗工部が発生する
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、塗工液のカーテン膜の安定性が向上し、塗工欠陥が防止された感圧複写シートを得ることができる。
Claims (1)
- 電子供与性染料を内包するマイクロカプセル及び/または電子受容性顕色剤を含有する塗工液であって、表面張力が25mN/m〜38mN/mの範囲にあり、かつ、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、またはポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサンの少なくとも1種を塗工液に対して0.001〜1%含有する塗工液を、塗工ヘッド単位巾あたりの塗出量を15kg/分・m以下として、カーテン塗工方法により塗布することを特徴とする感圧複写シートの製造方法。
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