JPH1158993A - 熱転写用受像シート及びその製造方法 - Google Patents

熱転写用受像シート及びその製造方法

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JPH1158993A
JPH1158993A JP9229108A JP22910897A JPH1158993A JP H1158993 A JPH1158993 A JP H1158993A JP 9229108 A JP9229108 A JP 9229108A JP 22910897 A JP22910897 A JP 22910897A JP H1158993 A JPH1158993 A JP H1158993A
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intermediate layer
receiving sheet
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JP9229108A
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Kazuhiko Sunada
和彦 砂田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】木材パルプを主体とした紙を基紙に用いた高感
度で濃度ムラのない熱転写用受像シート及びその製造方
法を提供すること。 【解決手段】木材パルプを主体とした紙からなる基紙の
上に加熱時に熱転写媒体から昇華により移行する染料を
受容する受像層を設けた熱転写用受像シートにおいて、
該基紙であるパルプ紙のブリストー試験法による濡れ時
間が0.3秒以下であり、かつ該基紙と該受像層の間に
設けられた中間層が中空粒子を含有し前計量型の押し出
し塗布装置を用いて塗布されたものであることを特徴と
する熱転写用受像シート及びその製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写用受像シー
トに関するものであり、更に詳しくは木材パルプを主体
とした紙を基紙に使用した高感度で濃度ムラのない熱転
写用受像シート及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、カラーハードコピーの一手段とし
て、熱転写記録方式を利用する装置が軽量且つコンパク
トで騒音が無く、操作性、保守性にも優れている等の利
点から広く普及している。この熱転写記録方式は、大き
く分けて熱溶融型と熱移行型又は昇華型と呼ばれる2種
類の方式がある。特に、後者は多色階調性画像の再現性
に優れており、昇華型感熱転写方式のプリンターを用い
て印字される。このような昇華型感熱転写方式のプリン
ターの原理は、画像を電気信号に変換し、さらにこの電
気信号をサーマルヘッドにより熱信号に変換して、熱移
行性色素が塗工された熱転写媒体(以下、インクドナー
シートという)を加熱し、昇華又は熱拡散により、イン
クドナーシートから熱転写用受像シートの受像層へ色素
が転写する事で情報を記録するものである。
【0003】昇華型感熱転写方式のカラープリンターに
おいては、単色のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラッ
クによる多階調画像ドットを面順次方式により重ね印字
し、これによって、レッド、グリーン、ブルー、その他
の多数の中間色相と濃度の画像を形成し、天然色写真調
の画像を形成する試みがなされている。
【0004】従来より、熱転写用受像シートの支持体と
して、通常の木材パルプを主成分として含む紙を用いる
ことが知られている。しかし、かかる支持体は紙の地合
に起因する表面凹凸があり平滑性に劣るため、受像層の
表面の平滑性が悪く、その結果、インクドナーシートと
の密着性が損なわれ、濃度ムラ、白抜け等の問題を生じ
ることがあった。
【0005】特開昭62−202790号公報では、受
像層を設ける面のベック平滑度が50秒以上である基紙
を使用することにより受像層表面の平滑性を高め、イン
ク転写性を高めることが示されている。又、特開昭62
−151393号公報、同63−98494号公報等で
は、支持体と受像層の間に弾性体層を設けることにより
クッション性を付与し、濃度ムラや白抜けがなく、高感
度な熱転写用受像シートが得られることが示されてい
る。
【0006】しかしながら、これらの技法により、熱転
写ドットの多色重ね印字により、多数の中間色相と濃度
の画像を均一性よく、かつ、再現性よく形成することは
まだ多くの課題をかかえている。昇華型感熱転写方式に
おいては、サーマルヘッドの押し付け圧、支持体の断熱
性の均一性が転写画像の再現性に重大な影響を与えてお
り、このため、上記のような熱転写用受像シートを用い
てインクドナーシートとの密着性を高めても、ベタ部の
濃度ムラ、ドットの不安定な転写などが認められ、従っ
て良好な中間調画像は得られないという問題点がある。
【0007】また、近年、プリント速度の高速化の観点
から、感度、即ち転写濃度の向上が要求されており、そ
の様な高感度化に対しては、例えば、特開昭62−87
390号公報、特開平3−266691号公報等にこの
対処が示されている。同公報では、二軸延伸法によって
作製されたボイド構造を有するポリプロピレン、ポリエ
ステル、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィ
ルムや合成紙が、クッション性や断熱性に優れることか
ら熱転写用受像シートに有効であると記載されている。
更に、このような熱転写用受像シートは、厚さが均一
で、柔軟性があり、かつ、セルロース繊維からなる紙に
比べて熱伝導度が小さいなどの利点があり、このため、
均一で、濃度の高い転写画像を形成し得るという長所を
有している。
【0008】しかしながら、この様な合成フィルムや合
成紙は、耐熱性に劣るため、例えば、支持体を多層構造
とする場合の貼合わせにおける乾燥工程や印字における
印加エネルギー熱により、熱収縮を起こしたり、表面の
凹凸が発生する等の問題点があった。又、この様な合成
樹脂フィルムや合成紙のボイドは、一般に厚みが数μm
〜十数μm、長さが数μm〜数十μmの大きさである
が、印字の際、熱転写用受像シートにプラテン圧が掛か
り圧縮された場合には、このボイド構造の密度ムラに起
因する微小な濃度ムラが発生した。更に、カール適性、
プリンターにおける給紙性やハンドリング性を考慮し
て、樹脂被覆紙やPETフィルム等と貼合わせを行った
様な支持体では、PPC用紙などの普通紙と感触が異な
り、ユーザーに違和感を与えがちであった。
【0009】また、従来から中間層に中空粒子を用いる
と断熱効果が生じ、転写濃度の改善に有効であることが
知られている。例えば、特開昭64−27996号公
報、特開平2−248289号公報に具体的に示されて
いる。しかしながら、これらの公報に従って、従来公知
の方法でただ単に中間層を基紙上に設けただけでは、中
間層の厚みが不均一になることがあった。中間層の厚み
が不均一である場合には、サーマルヘッドからの熱エネ
ルギーが均一である場合でも、相対的に中間層の厚みが
薄い部分では含有している中空粒子が少なくなるため断
熱性が劣り、その結果、感度の低下を引き起こし、即ち
得られた熱転写用受像シートはベタ部に中間層の厚みム
ラに起因する濃度ムラを生じることがあった。
【0010】従来、中間層の塗布を行う塗布方式は多岐
にわたるが、具体的には、ブレード塗布方式、エアナイ
フ塗布方式、ロール塗布方式等を挙げることができる。
これらの塗布方式の共通した特徴としては、比較的に簡
単な操作で塗布が行えることである。しかしながら、こ
れらの塗布方式では、それぞれの塗布方式に固有の塗布
欠陥の発生が避けられず、また表面平滑性の劣るパルプ
紙に塗布する場合には均一な分布が得られず濃度ムラの
ない熱転写用受像シートを得ることができなかった。
【0011】即ち、ブレード塗布方式は、過剰に塗布液
をウェブに供給した後、余剰の液をブレードにより掻き
落とす後計量型の塗布方式である。ブレード塗布方式に
おいて、不可避の塗布欠陥はストリーク及びスクラッチ
であるが、基紙にブレード塗布を行う場合、かかる塗布
欠陥の原因となる異物の排除が困難で、欠陥発生は顕著
なものとなる。ストリークやスクラッチの発生した部位
では、塗布層が全く形成されないため、印字面に重大な
欠陥として現れる。また、ストリークやスクラッチは、
オンラインの欠点検出機や仕上げ工程で選別・除去する
ことも可能であるが、欠点部を含めて前後の余白が全て
ブロークとなり、除去に要する時間やコスト面からも発
生を未然に防ぐべき欠陥である。
【0012】また、かかる塗布方式では、余剰な液の供
給から計量までの間に、基紙に塗布液中の水あるいはバ
インダー成分が必要以上に浸入し、計量時のブレード直
下で塗布液に高い圧力が加えられるため、塗布液中の水
あるいはバインダー成分の基紙への浸入は、さらに顕著
に進行する。このため、中間層で、相対的にバインダー
成分が少なくなるため、塗層強度が弱くなる。また、余
剰分として掻き落とされた液は、供給前の液の組成と異
なり、時間の経過とともに塗布液の組成が変化し、安定
した品質の製品を得ることができない。
【0013】エアナイフ塗布方式は、過剰に塗布液を基
紙に供給した後、余剰の液を風圧により掻き落とす後計
量型の塗布方式である。かかる塗布方式は、エアジェッ
トに圧力分布ムラが発生することが避けられず、エアナ
イフパターンと称される塗布層の厚みが不均一な塗布ム
ラを発生し易い。また、かかる塗布方法では、塗布速度
を高速度化する場合、あるいは、液濃度を高濃度化する
場合には、風圧を高くする必要があるが、風圧を大きく
すると、かかるエアナイフパターンの発生がさらに顕著
になるばかりでなく、エアジェットの流れの乱れが大き
くなり、吹き出しによる騒音も著しいものとなる。した
がって、風圧を徒らに大きくすることができないので、
比較的に高粘度の液を高速で塗布することが要求される
熱転写用受像シートの製造には適さない。
【0014】ロール塗布方式は、ロールの組み合わせ等
により様々な形式のものが存在するが、基本的には、複
数のロールを組み合わせてロール間での塗布液の転写に
より液を計量し基紙に転写する方式が一般的である。か
かる塗布方式は、ロール特有の規則的な間隔を持つ線状
のパターンを有する塗布ムラが発生し易い。また、塗布
ロール面と基紙の転写後の剥離の際に中間層の厚みも不
均一となるスプリットパターンと称される塗布ムラが発
生し易く、濃度ムラのない熱転写用受像シートを製造す
ることは難しい。
【0015】前計量型の押し出し塗布方式、例えばカー
テン塗布方式及びビード塗布方式は、ブレード、エアナ
イフ及びロール塗布方式における固有の問題を解決する
塗布方式である。しかし、押し出し塗布方式では、基紙
の濡れ性が塗布性に重大な影響を及ぼす。つまり、基紙
の濡れ性が低いと、カーテン膜あるいはビードと基紙が
接触する領域(以下、塗布線領域と称す)で十分な濡れ
が起こらない。かかる場合には、カーテン膜あるいはビ
ードが均一に中間層として転移せず、塗布ムラを伴って
転移する。また、全く濡れが起こらない場合には、中間
層を形成することができず、熱転写用受像シートを得る
ことが不可能となる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、木材パルプ
を主体とした紙を基紙とする、高感度で濃度ムラのない
熱転写用受像シート、及びその製造方法を提供すること
を目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、木材パルプを
主体とした紙からなる基紙の上に加熱時に熱転写媒体か
ら昇華により移行する染料を受容する受像層を中間層を
介して設けた熱転写用受像シートにおいて、該基紙であ
る紙のブリストー試験法による濡れ時間が0.3秒以下
であり、該中間層が前計量型の押し出し塗布装置を用い
て塗布され、かつ該中間層が中空粒子を含有することを
特徴とする熱転写用受像シートである。特に中空粒子の
粒子径が、0.30〜5.0μmであり、前計量型の押
し出し塗布装置がカーテン塗布装置であることが好まし
い。
【0018】また、本発明は、木材パルプを主体とした
紙からなる基紙の上に加熱時に熱転写媒体から昇華によ
り移行する染料を受容する受像層を中間層を介して設け
た熱転写用受像シートの製造方法において、ブリストー
試験法による濡れ時間が0.3秒以下である該基紙に前
計量型の押し出し塗布装置を用いて中間層として中空粒
子を含有する塗布液を塗布することを特徴とする熱転写
用受像シートの製造方法である。特に中空粒子の粒子径
が、0.30〜5.0μmであり、前計量型の押し出し
塗布装置がカーテン塗布装置であることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明者は上記目的を達成すべく
鋭意検討した結果、木材パルプを主体とした紙からなる
基紙の上に加熱時に熱転写媒体から昇華により移行する
染料を受容する受像層を設けた熱転写用受像シートにお
いて、該基紙である紙のブリストー試験法による濡れ時
間を0.3秒以下とし、基紙上に設けられる中空粒子を
含有する中間層を前計量型の押し出し塗布装置を用いて
塗布することにより、中間層において高い均一性を得る
ことができ、これにより、断熱性、即ち感度の均一性を
高めることが可能になり、その結果、高感度で濃度ムラ
のない熱転写用受像シートを得ることを見いだしたもの
である。
【0020】本発明の方法で使用されるブリストー試験
法と呼ばれる動的吸収性を測定する試験法は、JAPA
N TAPPI 紙パルプ試験法No.51に規定され
ているが、ここでは25mm×1,000mmの基紙を
用い、カヤフェクト レッドB(日本化薬製)0.1%
によって着色された蒸留水を用いて濡れ時間を求めた。
この場合、液体の吸収時間T(秒)と転移液体量V(m
l/m2)の関係は、ブリストーの実験から、以下の式
により表される。
【0021】
【数1】V=Vr (T≦Tw)
【数2】 V=Vr+Ka・(T−Tw)1/2 (T>Tw) 但し、 V :液体の転移量(ml/m2) Vr:粗さ指数(ml/m2) Ka:吸収係数(ml/m2/sec1/2) T :吸収時間(sec) Tw:濡れ時間(sec)
【0022】ここで、濡れ時間とは、液体が支持体上に
接触して表面を濡らしてから吸収が始まるまでの時間を
意味する。つまり、吸収時間の平方根を横軸に、液体浸
透量を縦軸にした吸収曲線において、濡れ時間とは、吸
収が行われていない液体転移量が一定と見なせる横軸と
平行な領域と、時間に対して液体浸透量が増加する吸収
が行われている領域の境界点における時間を指すもので
ある。
【0023】前計量型の押し出し塗布方式では、均一な
厚みを持つカーテン膜あるいはビードの厚みが、そのま
ま塗布層の厚みに反映されるため、均一な中間層を得る
ことができ、熱転写用受像シートとして好ましい特性を
得ることができる。しかし、押し出し塗布される基紙の
濡れ性が低いと、塗布ムラを生じたり、全く中間層を形
成できない不都合が生じる。ここで、本発明において、
基紙の濡れ性に関して鋭意検討を行ったところ、ブリス
トー試験法と呼ばれる動的吸収性試験法を用いることに
より、本測定結果より算出される濡れ時間が本発明の所
望とする効果と極めて相関が高く、基紙のブリストー試
験法による濡れ時間を0.3秒以下とすることにより、
中間層の塗布ムラの発生が見られなくなり、均一性の高
い中間層が得られ、濃度ムラのない熱転写用受像シート
が得られることを見いだすに至った。
【0024】なお、基紙の濡れ性の指標としてはステキ
ヒトサイズ度やコブ吸水度等の方法もあるが、これらの
方法は塗布液の基紙に対する浸透時間に比較して、かな
りの測定時間を要し、その上、基紙の坪量によって測定
値が大きく影響を受けるため、基紙上に塗布液を塗布す
る際の指標としては適切でない。
【0025】基紙のブリストー試験法による濡れ時間が
0.3秒以下であればいかなる方法により製造されたも
のでも本発明に使用できる。濡れ時間を調節する手段と
しては、例えば、カレンダー掛けの程度によって調節す
ることが可能である。即ち、カレンダーの線圧を高くす
ることにより濡れ時間を短くすることができる。あるい
は、パルプの種類、叩解度、内添サイズ薬品、填料、表
面サイズ剤等の種類や配合によっても調整することがで
きるが、これらは他の条件によって容易に変化するもの
であり、一概に傾向を述べることはできない。また、基
紙にコート紙を用いる場合には、コート層の配合によっ
ても調節することができる。
【0026】以下、添付図面に基づき、本発明の実施形
態について詳細に説明する。図1は本発明の実施態様を
示した熱転写用受像シートの中間層塗布用のカーテン塗
布装置の概略図である。予め調製された塗布液は塗布液
貯蔵タンク11より、給液ポンプ12によってコーター
ヘッド1へ送られる。この際、塗布液の送液量は最終製
品の塗布量と比例関係にあるため、コーターヘッド1へ
の塗布液の送液量コントロールは精度よく行う必要があ
る。それ故に、給液ポンプ12としては可変流量型の無
脈動定流量ポンプが適当である。
【0027】コーターヘッド1の内部はマニホールド
6、スリット2からなり、それぞれ高精度の仕上げが施
されている。供給された塗布液はマニホールド6に満た
され、更にスリット2に送られるときに通過する狭い間
隙において、給液ポンプ12の送液による動圧の影響が
軽減され、幅方向における圧力分布が均一化され、リッ
プ3より流出し、垂直なカーテン膜4を形成する。
【0028】幅方向でプロファイルが均一となった垂直
カーテン膜4は、連続走行している基紙5と接触し、基
紙5に塗布される。ここでエッジガイド10a、10b
はコーターヘッド1の幅を超えず、更に基紙5の幅を超
えて設けられ、垂直カーテン膜は基紙5の幅を超えて形
成される。垂直カーテン膜4が基紙5の幅を超えて形成
されているのは、垂直カーテン膜4の両端部における塗
層の厚塗りを防止するためである。基紙5の幅を超えて
流下する塗布液は、受液槽9に回収され、塗布液貯蔵タ
ンク11に戻された後、再び塗布される。また、基紙5
が切断した時など塗布が中断された場合も、塗布液は受
液槽9に回収される。
【0029】連続走行している基紙5と垂直カーテン膜
4との塗布線領域には基紙5に同伴する空気流を可能な
限り遮蔽し、カーテン周辺の空気の回流などで垂直カー
テン膜4が乱れることなく基紙5に達するようにするた
め遮風板8が設けられている。また、基紙5の搬送方向
は塗布線領域の直前でロール7により方向転換すること
により、基紙5に同伴する空気の塗布線領域への影響を
最小限にとどめるように構成されている。
【0030】形成させた垂直カーテン膜4を安定した状
態で塗布するためには、基紙5からコーターヘッド1下
部の流出部までの高さがある程度必要とされるが、本実
施態様においてはその高さを制御することも可能であ
り、垂直カーテン膜4の安定に適した高さは60〜30
0mm、好ましくは100〜250mm、更に好ましく
は120〜180mmである。
【0031】本発明の実施態様において、形成したカー
テン膜の幅は基紙5の幅より大としたが、これは塗布層
両端部における塗布量の増加を防止するためであって、
このような塗布量増加が小であるか、もしくはあまり問
題とされない場合、または特公昭49−14130号公
報等に開示される方法、その他塗布量増加防止方法を採
用することにより解消しうる場合には、垂直カーテン膜
を基紙5の幅に一致させるか、あるいはこれより多少小
としても差し支えない。
【0032】また、カーテンヘッドにプロファイル調整
機構あるいは制御機構を付設することも可能である。特
に、図1に示されるスリット2に開度プロファイル調整
機構を付設すると、特に塗布幅が大きくなった場合に、
幅方向でより均一な塗布量プロファイルを得ることがで
きる。
【0033】本発明における前計量型の押し出し塗布装
置には、自由落下型カーテン塗布装置、スライド型カー
テン塗布装置、スライドビード塗布装置、エクストルー
ジョン塗布装置等が全て包含され、以上の実施態様に限
定されることなく、様々な変形が可能であることは言う
までもない。
【0034】本発明で使用する基紙を構成するパルプと
しては、NBKP、LBKP、NBSP、LBSP、G
P、DIP等の木材パルプや各種合成パルプが挙げられ
る。パルプを叩解する叩解機としては、通常パルプの叩
解に使用する叩解機、例えばビーター、コニカルリファ
イナー、ディスクリファイナーなどを使用することがで
きる。そして、これらのパルプに、従来公知の填料、内
添サイズ剤、染料、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、
定着剤、歩留り向上剤等の薬品を必要に応じて添加し、
長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、ハイブリッド抄紙
機、丸網抄紙機等を用いて抄造することができる。
【0035】填料としては、例えば、軽質炭酸カルシウ
ム、重質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、
硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜
鉛、硫化亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケ
イソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シ
リカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオ
ライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムのよう
な白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、
アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マ
イクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂のような有機
顔料等が挙げられる。
【0036】内添サイズ剤としては、例えば、酸性抄紙
用ロジンサイズ剤、中性抄紙用変性ロジンサイズ剤、ア
ルキルケテンダイマー乳化物、アルケニルまたはアルキ
ルコハク酸無水物乳化物、カチオンポリマー型サイズ剤
等を挙げることができる。また、表面サイズ剤として
は、上記内添サイズ剤の他に、α−オレフィン無水マレ
イン酸系サイズ剤、スチレン−アクリル系サイズ剤等の
合成サイズ剤が挙げられ、これらのサイズ剤に例えば澱
粉類、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、セ
ルロース誘導体、アクリル酸エステル、ラテックス及び
これらの誘導体或いは変性物等を併用できる。これらの
表面サイズ剤を基紙に表面サイズする方法等について
は、例えばツーロール、ゲートロール、メータリングブ
レード、ビルブレード等のサイズプレス方式が適宜選択
して使用できる。
【0037】更に、表面に、シリカ、アルミナ、二酸化
チタン、カオリン、クレー、タルク、酸化亜鉛、硫酸バ
リウム等の無機顔料、澱粉粒、セルロースパウダー、メ
ラミン系樹脂微粒子、グアナミン系樹脂微粒子、ウレタ
ン系樹脂微粒子、エポキシ系樹脂微粒子、シリコーン系
樹脂微粒子、ビニル系樹脂微粒子等の有機顔料、ビニル
系樹脂中空微粒子、メラミン系樹脂中空微粒子等の中空
顔料、澱粉、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコー
ル、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース等の水溶性樹脂、スチレンブタジエン系、アク
リル系、酢酸ビニル系等の樹脂エマルション、分散剤、
架橋剤、染料、蛍光剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防
腐剤、界面活性剤、消泡剤、増粘剤、導電剤等を含む顔
料塗工層をグラビアコーター、ロールコーター、ロッド
コーター、ダイコーター、ブレードコーター等により必
要に応じて塗布したものが使用できる。
【0038】本発明における熱転写用受像シートにおい
ては、断熱性を高めるために、例えば、熱膨張性の中空
粒子やカプセル状の中空ポリマーを含有する中間層を設
ける。熱膨張性の中空粒子には、塩化ビニリデン−アク
リロニトリル共重合体等の熱可塑性物質を壁材とする中
空粒子があり、粒子内部にプロパン、n−ブタン、イソ
ブタン等の熱膨張性気体を含有する中空粒子である。
又、カプセル状の中空ポリマーは、スチレン−アクリル
等の樹脂を壁材とし、内部に水が入っており、乾燥時に
水が蒸発し中空粒子となるポリマーである。
【0039】中空粒子の粒子径は、0.30〜5.0μ
mが好ましく、0.50〜2.0μmがより好ましい。
0.30μm未満では、中空粒子として十分な断熱効果
が得られず、5μmを超えると中間層表面の平滑性の低
下が著しくなる。又、中空率としては30%以上が好ま
しく、30%未満の中空率では空孔が小さいため断熱効
果が十分に得られない。
【0040】中間層を形成するためには、上記の中空粒
子を以下に挙げるバインダー樹脂に混合して用いる。バ
インダー樹脂としては、スチレン・ブタジエン・アクリ
ル共重合体、ポリウレタン、アクリル、塩化ビニル、酢
酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルブチラール、アルキド、ポリ
エステル、デンプン等の樹脂を単独、又は2種以上を混
合して用いることができる。
【0041】また、クッション性を高めるために、例え
ば、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタ
ジエンゴム、ハイスチレン・ブタジエンゴム、ブチルゴ
ム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ア
クリルゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム、天然ゴ
ム、クロロスルフォン化ポリエチレン、塩素化ポリエチ
レン、塩素化ブチルゴム、多硫化ゴム、エピクロルヒド
リンゴム、プロピレンオキサイドゴム、エチレン−酢酸
ビニルゴム等のゴム弾性体を単独、又は2種以上を中間
層に添加することができる。
【0042】本発明における中間層の固形分塗工量は、
3〜80g/m2が好ましく、より好ましくは5〜50g/
2である。3g/m2未満では、十分な断熱性が得られ
ず、また、80g/m2を超えて設けた場合にはウェット
塗工量が増えるため、乾燥工程において塗布面の乱れを
生じ、濃度ムラの原因となる。
【0043】本発明の熱転写用受像シートは支持体上に
熱により昇華して移行する染料に対して染着性を有する
受像層を設けて、熱転写用受像シートを構成するが、そ
の受像層を構成する染料染着性の結着剤樹脂としては、
染料との相互作用が強く、染料が安定して樹脂中へ拡散
し得るものであればいづれも好適に使用できる。
【0044】例えば、エステル結合を有するものとして
は、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレン
アクリレート樹脂等;又、ウレタン結合を有するものと
しては、ポリウレタン樹脂;アミド結合を有するものと
しては、ポリアミド樹脂(ナイロン);尿素結合を有す
るものとしては、尿素樹脂;更に、その他の極性の高い
結合を有するものとしては、ポリカプロラクトン樹脂、
ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニト
リル樹脂等が使用でき、又は、上記樹脂の構成単位の内
の1種以上を主成分とする共重合体、例えば、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体等として使用することもでき、更に、上記樹脂を単独
又は2種以上混合して使用することができる。
【0045】又、上記の樹脂は、有機溶剤或は水に溶解
又は乳化分散しエマルジョンとして、グラビアコータ
ー、ロールコーター、ロッドコーター、ダイコーター、
ブレードコーター、エアナイフコーター等を使用して中
間層上に塗工することができる。受像層の乾燥塗工量は
0.5〜15g/m2の範囲であることが好ましい。又、必
要に応じて中間層上に易接着性処理を施して受像層との
接着性を向上させる事もできる。
【0046】中間層を易接着性にする方法としては、コ
ロナ処理、プラズマ処理等により中間層を改質するも
の、又は中間層と受像層の両者に接着性の良い樹脂を塗
工するもの等がある。かかる樹脂としては両層に対して
接着性の良好な樹脂がいづれも好適に使用し得るが、例
えば、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル
系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレンブタジエン系樹脂、
又はその共重合体等を例示することができる。
【0047】又、本発明において、ブロッキング防止の
目的で受像層中に離型剤を添加しても良い。かかる離型
剤の具体的な例としては、高級脂肪酸又はそのエステ
ル、アミド又はその金属塩、セラックワックス、モンタ
ンワックス、カルナバワックス、ポリエチレンワックス
等のワックス類やテフロンパウダー;フッ素系、燐酸エ
ステル系の界面活性剤;シリコーンオイル等が挙げられ
る。又、シリコーンオイルとしては、アミノ変性シリコ
ーン、エポキシ変性シリコーン、アルキッド変性シリコ
ーン、ポリエステル変性シリコーン等の変性シリコーン
オイル等も使用される。又、シリコーン化合物として、
硬化型のシリコーン化合物も必要により用いることがで
きる。硬化型のシリコーン化合物としては、反応硬化
型、電離放射線硬化型、触媒硬化型等が挙げられる。
【0048】更に、必要に応じて、染料、顔料、湿潤
剤、消泡剤、分散剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、紫外線
吸収剤、光安定化剤等の添加剤を受像層中に含有するこ
ともできる。特に、顔料に関しては、シリカ、アルミ
ナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、
酸化亜鉛、硫酸バリウム等に代表される無機質粒子を添
加することもできる。
【0049】又、支持体の受像層と反対側の面に転写時
のロール滑り性や裏面の筆記性を付与する為に、無機微
粉末を添加した裏塗層を設けたり、又、帯電防止の目的
で該裏塗層中に帯電防止剤を添加することも出来る。裏
塗層に接着剤樹脂が混入されている場合は、該接着剤樹
脂と帯電防止剤を混入し、樹脂表面にブリーディングさ
せ、結果的に樹脂層上に設けることも可能である。帯電
防止剤としては、界面活性剤、例えば、陽イオン型界面
活性剤(第4級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体
等)、陰イオン型界面活性剤(アルキルホスフェート
等)、両性イオン型界面活性剤又はノニオン型界面活性
剤等が挙げられる。
【0050】
【実施例】次に、本発明を実施例によって、さらに詳細
に説明するが、本発明の内容はこれらに限定されるもの
ではない。又、実施例に於いて示す「部」及び「%」
は、特に明示しない限り重量部及び重量%を示す。ま
た、濡れ時間は、ブリストー試験法により測定した濡れ
時間である。
【0051】実施例1 濾水度400mlCSFのLBKP70部、濾水度48
0mlCSFのNBKP30部から成るパルプスラリー
に、カチオン澱粉1.3部、重質炭酸カルシウム15
部、タルク15部、アルキルケテンダイマー0.16部
を添加して、パルプスラリーのpHを8.2に調節し、
長網抄紙機で抄造した。続けて酸化澱粉8.5%、表面
サイズ剤0.2%、蛍光増白剤0.4%からなる水溶液
をゲートロールコーターで固形分4.0g/m2(両面)
となるように塗布、乾燥し、さらにマシンカレンダー仕
上げをして坪量62.0g/m2の基紙を得た。濡れ時間
は0.12秒であった。
【0052】得られた基紙上に下記配合の中間層塗液を
カーテン塗布装置を用い、50m/分の塗布速度で、乾
燥塗工量が10g/m2になるように塗布、乾燥を行い、
熱転写用受像シート支持体を得た。 [中間層塗液の調製] 中空粒子(OP−62:ローム・アンド・ハース)、 粒子径0.40μm 80部 ポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ) 2部 水 20部
【0053】更に、得られた支持体上に下記配合の受像
層塗液を調製し、乾燥塗工量が7g/m2となるようにエ
アナイフコーターで塗工し、熱転写用受像シートを得
た。 [受像層塗液の調製] ポリエステルエマルジョン(バイロナールMD−1220:東洋紡) 60部 ポリエチレンエマルジョン(ハイドリンG−314:中京油脂) 15部 無機微粒子としてコロイダルシリカ(スノーテックスO:日産化学) 25部 界面活性剤 5部
【0054】実施例2 実施例1において、中間層の塗布方式をスライドビード
塗布装置とした以外は実施例1と同様の方法で実施例2
の熱転写用受像シートを得た。
【0055】実施例3 実施例1において、中間層を下記配合とした以外は実施
例1と同様の方法で、実施例3の熱転写用受像シートを
得た。 [中間層塗液の調製] 中空粒子(E−2888:ローム・アンド・ハース)、 粒子径0.28μm 80部 ポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ) 2部 水 20部
【0056】実施例4 実施例1において、中間層を下記配合とした以外は実施
例1と同様の方法で、実施例4の熱転写用受像シートを
得た。 [中間層塗液の調製] 中空粒子(SX863(A):日本合成ゴム)、 粒子径0.30μm 80部 ポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ) 2部 水 20部
【0057】実施例5 実施例1において、中間層を下記配合とした以外は実施
例1と同様の方法で、実施例5の熱転写用受像シートを
得た。 [中間層塗液の調製] 中空粒子(OP−84J:ローム・アンド・ハース)、 粒子径0.55μm 80部 ポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ) 2部 水 20部
【0058】実施例6 実施例1において、中間層を下記配合とした以外は実施
例1と同様の方法で、実施例6の熱転写用受像シートを
得た。 [中間層塗液の調製] 中空粒子(HP−91:ローム・アンド・ハース)、粒子径1.0μm 80部 ポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ) 2部 水 20部
【0059】実施例7 実施例1において、中間層を下記配合とした以外は実施
例1と同様の方法で、実施例7の熱転写用受像シートを
得た。 [中間層塗液の調製] 中空粒子(M−610:松本油脂製薬)、粒子径5〜25μm 80部 ポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ) 2部 水 20部
【0060】比較例1 実施例1において、中間層を下記配合とした以外は実施
例1と同様の方法で、比較例1の熱転写用受像シートを
得た。 [中間層塗液の調製] ポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ) 10部 界面活性剤 1部 水 90部
【0061】比較例2 実施例6における中間層の塗布装置として、エアナイフ
塗布装置を用いた以外は、実施例6と同様の方法で、比
較例2の熱転写用受像シートを得た。
【0062】比較例3 実施例6における中間層の塗布装置として、ブレード塗
布装置を用いた以外は、実施例6と同様の方法で、比較
例3の熱転写用受像シートを得た。
【0063】比較例4 実施例6における中間層の塗布装置として、リバースロ
ール塗布装置を用いた以外は、実施例6と同様の方法
で、比較例4の熱転写用受像シートを得た。
【0064】比較例5 実施例6における基紙の製造方法において、カレンダー
の線圧及びニップ数を減らした以外は、実施例6と同様
の方法で比較例5の熱転写用受像シートを得た。基紙の
濡れ時間は0.35秒であった。
【0065】[評価方法]かくして得た熱転写用受像シ
ートを45℃で3日間放置した後、単色インクシート
(SU3−CBH、三菱電機製)を使用して、昇華型熱
転写プリンター(S3600−30、三菱電機製)でス
テップウェッジを印字し、濃度ムラ、転写濃度を評価し
た。
【0066】(濃度ムラ)印字したステップウェッジの
低濃度部を目視で評価し、濃度ムラが全く見られないも
のを◎、濃度ムラがほとんど認められないものを○、濃
度ムラが認められるものを△、著しく濃度ムラが認めら
れるものを×として評価した。濃度ムラにおいては、◎
もしくは○が実用上必要である。
【0067】(転写濃度)印字したステップウェッジの
80%出力印字部を反射濃度計(マクベス RD91
9)を用いて転写濃度を測定した。転写濃度が高いほど
感度が高い。これらの結果をまとめて表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】表1の結果から、基紙の濡れ時間が0.3
秒以下で中間層を前計量型の押し出し塗布装置(カーテ
ン塗布装置、ビード塗布装置)で設けた本発明の実施例
1〜7の熱転写用受像シートは、濃度ムラにおいて良好
な特性を示していることがわかる。一方、中間層を前計
量型の押し出し塗布装置以外の塗布装置を使用して設け
た比較例2〜4、あるいは基紙の濡れ時間が0.3秒を
超え、カーテン塗布装置を使用した比較例5は濃度ムラ
において劣っている。また、比較例1は中空粒子を含有
していないため、転写濃度において劣っている。本発明
の実施例の内、中空粒子の粒子径が0.30〜5.0μ
mの範囲のものが特に好ましいことがわかる。
【0070】実施例8 濾水度330mlCSFのLBKP80部、濾水度48
0mlCSFのNBKP20部から成るパルプスラリー
に、カチオン澱粉1.2部、重質炭酸カルシウム22.
4部、軽質炭酸カルシウム9.6部、アルキルケテンダ
イマー0.3部、歩留向上剤0.3部を添加して、パル
プスラリーのpHを8.2に調節し、長網抄紙機で抄造
乾燥し、続けて酸化澱粉3.5%、表面サイズ剤0.2
%、蛍光増白剤0.4%からなる水溶液をゲートロール
コーターで固形分4.2g/m2(両面)となるように含
浸、乾燥し、さらにスーパーカレンダー仕上げをして坪
量104.7g/m2の基紙を得た。濡れ時間は0.10
秒であった。
【0071】得られた基紙上に下記配合の中間層塗液を
カーテン塗布装置を用い、50m/分の塗布速度で、乾
燥塗工量が10g/m2になるように塗布、乾燥を行い、
熱転写用受像シート支持体を得た。 [中間層塗液の調製] 中空粒子(HP−91:ローム・アンド・ハース)、粒子径1μm 80部 SBRラテックス(0561:日本合成ゴム) 20部
【0072】更に、得られた支持体上に下記配合の受像
層塗液を調製し、乾燥塗工量が5g/m2となるようにエ
アナイフコーターで塗工し、熱転写用受像シートを得
た。 [受像層塗液の調製] ポリエステルエマルジョン(バイロナールMD−1220:東洋紡) 60部 ポリエチレンエマルジョン(ハイドリンG−314:中京油脂) 15部 無機微粒子としてコロイダルシリカ(スノーテックスO:日産化学) 25部 界面活性剤 3部
【0073】実施例9 実施例8における基紙の製造方法において、カレンダー
の線圧及びニップ数を増やした以外は、実施例8と同様
の方法で実施例9の熱転写用受像シートを得た。濡れ時
間は0.06秒であった。
【0074】実施例10 実施例9における基紙の製造方法において、スーパーカ
レンダーの代わりにマシンカレンダーで仕上げたこと以
外は実施例9と同様にして、実施例10の基紙を得た。
濡れ時間は0.22秒であった。
【0075】実施例11 実施例10における基紙の製造方法において、カレンダ
ーの線圧を減らした以外は、実施例10と同様の方法で
実施例11の熱転写用受像シートを得た。濡れ時間は
0.30秒であった。
【0076】比較例6 実施例10における基紙の製造方法において、カレンダ
ーの線圧及びニップ数を減らした以外は、実施例10と
同様の方法で比較例6の熱転写用受像シートを得た。濡
れ時間は0.33秒であった。
【0077】比較例7 比較例6における基紙の製造方法において、カレンダー
の線圧を更に減らした以外は、比較例6と同様の方法で
比較例7の熱転写用受像シートを得た。濡れ時間は0.
41秒であった。
【0078】実施例10〜13、比較例6、7の評価結
果を表2に示す。
【0079】
【表2】
【0080】表2の結果から、表1の結果と同様に基紙
の濡れ時間が0.3秒以下で中間層をカーテン塗布装置
設けた本発明の実施例8〜11の熱転写用受像シート
は、濃度ムラにおいて良好な特性を示していることがわ
かる。一方、濡れ時間が0.3秒を超えている基紙を使
用した比較例6、7は、濃度ムラにおいて劣っている。
【0081】
【発明の効果】以上から、本発明の熱転写用受像シー
ト、即ち基紙であるパルプ紙のブリストー試験法による
濡れ時間が0.3秒以下であり、かつ基紙と受像層の間
に設けられた中空粒子を含有する中間層が前計量型の押
し出し塗布装置を用いて塗布されたものであることを特
徴とする熱転写用受像シートは、高感度で濃度ムラのな
い優れた熱転写用受像シートであることが明らかであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すカーテン塗布装置の概
略図。
【符号の説明】
1 コーターヘッド 2 スリット 3 リップ 4 カーテン膜 5 基紙 6 マニホールド 7 ロール 8 遮風板 9 受液槽 10a、10b エッジガイド 11 貯蔵タンク 12 給液ポンプ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材パルプを主体とした紙からなる基紙
    の上に加熱時に熱転写媒体から昇華により移行する染料
    を受容する受像層を中間層を介して設けた熱転写用受像
    シートにおいて、該基紙である紙のブリストー試験法に
    よる濡れ時間が0.3秒以下であり、該中間層が前計量
    型の押し出し塗布装置を用いて塗布され、かつ該中間層
    が中空粒子を含有することを特徴とする熱転写用受像シ
    ート。
  2. 【請求項2】 中空粒子の粒子径が、0.30〜5.0
    μmである請求項1記載の熱転写用受像シート。
  3. 【請求項3】 前計量型の押し出し塗布装置が、カーテ
    ン塗布装置である請求項1記載の熱転写用受像シート。
  4. 【請求項4】 木材パルプを主体とした紙からなる基紙
    の上に加熱時に熱転写媒体から昇華により移行する染料
    を受容する受像層を中間層を介して設けた熱転写用受像
    シートの製造方法において、ブリストー試験法による濡
    れ時間が0.3秒以下である該基紙に前計量型の押し出
    し塗布装置を用いて中間層として中空粒子を含有する塗
    布液を塗布することを特徴とする熱転写用受像シートの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 中空粒子の粒子径が、0.30〜5.0
    μmである請求項4記載の熱転写用受像シートの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前計量型の押し出し塗布装置が、カーテ
    ン塗布装置である請求項4記載の熱転写用受像シートの
    製造方法。
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