JP2000118155A

JP2000118155A - 熱転写受像シート及びその製造方法

Info

Publication number: JP2000118155A
Application number: JP10292037A
Authority: JP
Inventors: Koji Murata; 光司村田; Kenjiro Kuroda; 健二郎黒田; Yasuo Sugishita; 康雄杉下; Katsuhiro Katayama; 勝弘片山; Mitsutaka Arai; 光隆新井
Original assignee: GOJO SEISHI KK; Toppan Printing Co Ltd
Current assignee: GOJO SEISHI KK; Toppan Inc
Priority date: 1998-10-14
Filing date: 1998-10-14
Publication date: 2000-04-25

Abstract

(57)【要約】【課題】紙基材を用いて、地合いむら、抄きむら、及
びクッション性の不足による発色むらを生じることな
く、高品質の熱転写画像を得る。【解決手段】フォーメーションインデックス１００以
上の長網多層抄き原紙と、３００秒以上のベック平滑度
を有するカレンダー処理層または６００秒以上のベック
平滑度を有するキャストコート層と、１００％モジュラ
スが２００ｋｇ／ｃｍ² 以下の染料受容層とを順に積層
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、サーマルヘッド等
を使用して熱昇華性染料を含有するインキを熱転写する
ための熱転写受像シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、テレビやビデオやデジタルカメラ
のカラー画像、あるいはコンピューターグラフィックス
のカラー画像等からハードコピーする方法として、良好
な階調表現が可能である等の利点を有する昇華転写記録
方法が広く利用されている。

【０００３】昇華転写記録方法においては、リボン基材
上に設けられた熱昇華性染料を含有するインキ層と、基
材上に設けられた熱昇華性染料を受容し得る受容層とを
対向して重ね合わせ、サーマルヘッドをリボン基材側に
接触し、画像情報に応じて加熱することにより、熱昇華
性染料を含有するインクを、熱転写受像シートの染料受
容層に移行させて、高階調性のフルカラー画像が形成さ
れる。

【０００４】このような昇華転写記録方法において使用
される熱転写受像シートの基材としては、プラスチック
シート、プラスチックシートと紙シート等の積層シー
ト、合成紙等が広く使用されている。近年、昇華転写記
録方法が広まるにつれて、低コストでの画像形成が強く
求められている。比較的低コストの基材としては、普通
紙例えば、コート紙、アート紙、キャストコート紙、Ｐ
ＰＣ用紙等があげられ、これらは、一部実用化されてい
る。

【０００５】しかしながら、このような普通紙を熱転写
受像シートの基材として使用した場合、原紙に存在する
地合いむらや抄きむら、及び普通紙のクッション性が低
いことに起因して発色むらが発生するという問題があっ
た。

【０００６】原紙の地合いむらや抄きむらは、染料受容
層を設けるだけでは、平滑化が困難であり、発色むらを
防止することはできない。また、クッション性が低いと
染料受容層とサーマルヘッドとのあたりが悪くなるた
め、エアーギャップ等を生じて、発色むらを発生させ
る。したがって、熱転写受像シートとして、普通紙を使
用した印画物の画質は、プラスチックシート、あるいは
プラスチックシート及び紙との積層体を用いた場合と比
較すると、十分満足出来るようなものではなかった。

【０００７】このような発色むらを防止するために、従
来より、例えば紙基材と染料受容層の間に中空粒子を含
む中間層を形成し、原紙の地合いむらや抄きむらの影響
を無くし、染料受容層とサーマルヘッドとのあたりを良
好にするような構成の熱転写受像シートが開発されてき
た。しかし、このような構成では中間層を形成するため
のコストが余分にかかるという問題があった。

【０００８】このように、画像品位を低下することなく
熱転写画像を形成し得る、低コストの普通紙を用いた熱
転写受像シートは未だ実現されていないというのが現状
である。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の課題を解決しようとするものであり、低コス
トな紙基材を用いて、原紙の地合いむら、抄きむら、及
びクッション性の不足による発色むらを生じることな
く、高品質の熱転写画像を形成し得る熱転写受像シート
を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、第１に、１０
０以上のフォーメーションインデックスを有し、パルプ
を主原料とする長網多層抄き原紙を基材とし、該基材上
に設けられ、３００秒以上のベック平滑度を有するカレ
ンダー処理層、及び該カレンダー処理層上に設けられ、
１００％モジュラスが２００ｋｇ／ｃｍ² 以下である染
料受容層を具備することを特徴とする熱転写受像シート
を提供する。

【００１１】本発明は、第２に、１００以上のフォーメ
ーションインデックスを有し、パルプを主原料とする長
網多層抄き原紙を基材とし、該基材上に設けられ、６０
０秒以上のベック平滑度を有するキャストコート層、及
び該キャストコート層上に設けられ、１００％モジュラ
スが２００ｋｇ／ｃｍ² 以下である染料受容層を具備す
る熱転写受像シートを提供する。

【００１２】本発明は、第３に、パルプを主原料とし、
長網多層抄紙機を用いて、１００以上のフォーメーショ
ンインデックスを有する長網多層抄き原紙を抄紙する工
程、該長網多層抄き原紙を基材として該基材上にカレン
ダー処理層塗工液を適用し、カレンダー掛けを行うこと
により、３００秒以上のベック平滑度を有するカレンダ
ー処理層を形成する工程、及び該カレンダー処理層上
に、１００％モジュラスが２００ｋｇ／ｃｍ² 以下の染
料受容層を形成する工程を具備することを特徴とする熱
転写受像シートの製造方法を提供する。

【００１３】本発明は、第４に、パルプを主原料とし、
長網多層抄紙機を用いて、１００以上のフォーメーショ
ンインデックスを有する長網多層抄き原紙を抄紙する工
程、該長網多層抄き原紙を基材として該基材上に、キャ
ストコート層塗工液を塗布し、キャストドラムを用いて
圧接乾燥し、６００秒以上のベック平滑度を有するキャ
ストコート処理層を形成する工程、及び該キャストコー
ト層上に、１００％モジュラスが２００ｋｇ／ｃｍ² 以
下である染料受容層を形成する工程を具備することを特
徴とする熱転写受像シートの製造方法を提供する。

【００１４】

【発明の実施の形態】本発明の熱転写受像シートは、紙
基材、カレンダー処理層またはキャストコート層、及び
染料受容層を順に積層した構造を有する熱転写受像シー
トであって、紙基材は、フォーメーションインデックス
１００以上の長網多層抄き原紙からなり、カレンダー処
理層を用いる場合は、３００秒以上のベック平滑度を有
し、キャストコート層を用いる場合は、６００秒以上の
ベック平滑度を有し、染料受容層は、１００％モジュラ
スが２００ｋｇ／ｃｍ² 以下であることを特徴とする。

【００１５】本発明の熱転写受像シートは、例えばカレ
ンダー処理層を形成する場合には、まず、パルプを主原
料とし、長網多層抄紙機を用いて、１００以上のフォー
メーションインデックスを有する長網多層抄き原紙を抄
紙する工程と、その原紙を基材として、基材上にカレン
ダー処理層塗工液を、塗布、乾燥し、その塗工面に、カ
レンダー掛けを行うことにより、３００秒以上のベック
平滑度を有するカレンダー処理層を形成する工程と、カ
レンダー処理層上に、染料受容層塗工液を塗布、乾燥
し、１００％モジュラスが２００ｋｇ／ｃｍ² 以下の染
料受容層を形成する工程とを具備する方法により製造す
ることができる。

【００１６】また、紙基材上に、キャストコート層を形
成する場合には、カレンダー処理層の形成工程の代わり
に、紙基材上に、キャストコート層塗工液を塗布、キャ
ストドラムを用いて圧接乾燥し、６００秒以上のベック
平滑度を有するキャストコート処理層を形成する工程を
行なうことができる。

【００１７】染料受容層の１００％モジュラスは好まし
くは５〜２００ｋｇ／ｃｍ² である。本発明によれば、
抄紙方法を限定し、原紙のフォーメーションインデック
ス値を所定値以上とすることにより、原紙の地合いむら
や抄きむらを最低限に抑え、発色むらを防止することが
できる。また、表面にコート層を設け、そのベック平滑
度を所定値以上とすることにより、原紙の微小凹凸を吸
収しつつ、光沢感を出すことができる。染料受容層の１
００％モジュラスを所定値以下にすることにより、熱転
写受像シートに十分なクッション性を与え、染料受容層
とサーマルヘッドとのあたりを良くし、発色むら、白ヌ
ケ等を防止することができる。

【００１８】このような条件をすべて満たしたとき、初
めて光沢感のある高品位な画像を形成し得る熱転写受像
シートが得られる。以下、図面を参照し、本発明を詳細
に説明する。

【００１９】図１は、本発明の熱転写受像シートの一例
を表す断面図である。また、図２は、本発明の熱転写受
像シートの他の一例を表す断面図を示す。図１に示すよ
うに、この熱転写受像シート１０は、原紙１、カレンダ
ー処理層２、及び染料受容層４が順次積層された構造を
有する。原紙１とカレンダー処理層２との積層体は、紙
基材５を構成している。

【００２０】また、図２に示すように、本発明の他の例
を表す熱転写受像シート２０は、原紙１、キャストコー
ト層３、及び染料受容層４が順次積層された構造を有す
る。原紙１とカレンダー処理層２との積層体は、紙基材
１５を構成している。

【００２１】原紙１としては、長網２層抄き以上の長網
多層抄き原紙であり、かつフォーメーションインデック
スが１００以上のものが使用される。長網多層抄き原紙
以外の、短網単層抄き原紙、短網多層抄き原紙、円網単
層抄き原紙、円網多層抄き原紙、あるいは長網単層抄き
原紙を使用した場合には、１００以上のフォーメーショ
ンインデックス値を得ることが非常に難しい。１００未
満のフォーメーションインデックス値を有するこれらの
原紙を用いた場合には、表面にカレンダー処理層やキャ
ストコート処理層を設けても、印画を行うと、原紙の地
合いむらや紙の抄きむらにより発色むらが発生し、画像
品位の低下を招く。

【００２２】また、長網２層抄き以上の長網多層抄き原
紙でも、フォーメーションインデックスが１００未満の
原紙を使用した場合には、表面にカレンダー処理層やキ
ャストコート処理層を設けても、同様に、原紙の地合い
むらや抄きむらが発生して画像品位の低下を招く。

【００２３】なお、フォーメーションインデックス値と
は、紙の地合いの程度を表す数値であり、３Ｄシートア
ナライザー（Ｍ／Ｋシステムズ製）等で測定することが
できる。

【００２４】本発明に使用される長網多層抄きの上限に
関しては、特に制限されるものではないが、製造コスト
等の点から２〜４層抄きが好ましい。原紙１を構成する
パルプは特に限定されず、針葉樹クラフトパルプ（ＮＢ
ＫＰ）、広葉樹クラフトパルプ（ＬＢＫＰ）等の叩解さ
れたパルプを、単独あるいは混合して適宜使用すること
ができる。また、原紙１には、必要に応じて、填料、サ
イズ剤、紙力強化剤等の添加剤が添加されていてもよ
い。

【００２５】紙基材５の厚さには特に限定はないが、プ
リンターの搬送性等を考慮すると、一般的に２５〜３０
０ｇ／ｍ² 、好ましくは７５〜２００ｇ／ｍ² である。
原紙１上に設けられるカレンダー処理層２あるいはキャ
ストコート層３は、原紙１表面の微小な凹凸を緩和し、
微小凹凸に由来する画像品位の低下を防止するだけでな
く、光沢感のある高品質の画像を提供する。キャストコ
ート層を設けると、カレンダー処理層よりもさらに光沢
感が増し、より高品位な画像を得ることが出来る。

【００２６】カレンダー処理層２は、単層に限らず、複
数の層から構成され得る。例えばカオリン、酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、及び合成プラスチックピグメント
等から選択される顔料と、澱粉、マンナン、蛋白質、及
び合成ゴムラテックス等から選択されるバインダーとの
混合物をカレンダー処理層形成用塗工液として、原紙１
の表面に塗工、乾燥し、更にカレンダー処理をすること
により、カレンダー処理層２を形成することができる。
このカレンダー処理層形成用塗工液２には、カレンダー
ロールとの離型性を補助するための添加剤を添加するこ
とができる。

【００２７】カレンダー処理層２の厚さは、特に制限は
ないが、一般に５〜５０ｇ／ｍ² が好ましい。カレンダ
ー処理層２を設けた場合、画像品位を向上させるため
に、染料受容層４側のカレンダー処理層２の表面のベッ
ク平滑度を３００秒以上にする。ベック平滑度が３００
秒以上であると、平滑度があがり、発色むらのない画像
が得られ、また光沢感が増すので画像品位が向上する。
ベック平滑度が３００秒未満であると光沢感が劣るだけ
でなく、原紙の微小凹凸による印画ヌケや発色むらが出
やすくなり画像品位が劣る。

【００２８】キャストコート処理層３は、単層に限らず
複数の層から構成され得る。例えばカオリン、酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、及び合成プラスチックピグメント
等から選択されるの顔料と、澱粉、マンナン、蛋白質、
及び合成ゴムラテックス等から選択されるバインダー
と、キャストドラムとの離型性を確保するための添加剤
との混合物をキャストコート処理層形成用塗工液として
適用し、原紙１の表面に塗工し、キャストドラムで圧接
し、乾燥することによりキャストコート処理層を形成す
ることができる。

【００２９】キャストコート処理層３の厚さは、特に制
限はないが、一般に５〜５０ｇ／ｍ² である。また、キ
ャストコート処理層３を設けた場合、光沢感を増し、画
像品位を向上させるために、染料受容層４側のキャスト
コート処理層３の表面のベック平滑度を６００秒以上に
する。ベック平滑度が６００秒以上であると、平滑度が
上がり、発色むらが少なくなる。さらに、画像に光沢感
が出ることにより、非常に高品位な画像を得ることが出
来る。ベック平滑度が６００秒未満であると、光沢感が
劣るだけでなく、原紙の微小凹凸による印画ヌケ等が発
生し、画像品位の低下を招く。

【００３０】また、本発明では、１００％モジュラスが
２００ｋｇ／ｃｍ² 以下の染料受容層を使用することに
より、染料受容層のクッション性を向上することができ
る。染料受容層４は、熱転写記録媒体のインキ層の熱昇
華性染料を受容し、画像が形成される層である。１００
％モジュラスが２００ｋｇ／ｃｍ² を越えると、剛性が
高すぎるため熱転写受像シートのクッション性が不十分
となり、染料受容層とサーマルヘッドとのあたりが悪く
なる。このことにより、熱転写シートと熱転写受像シー
ト１０のあたりも不十分となり、間にエアーギャップな
どが発生するため、発色むら、白ヌケ等が発生して、画
像品位の低下を招く。

【００３１】染料受容層４は、染料染着性を有し、かつ
１００％モジュラスが２００ｋｇ／ｃｍ² 以下となるよ
うな材料を用いて形成される。染料染着性をもつような
樹脂としては、例えばプチラール、ポリエチレン、ポリ
ウレタン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリブタ
ジエン、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポ
リエステル、ポリカプロラクトン、ポリビニルアセター
ル、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、あるいはこれらの変性
樹脂等の熱可塑性樹脂類、これらとイソシアネートなど
の架橋剤との架橋生成物があげられる。このような樹脂
は、適当な可塑剤とブレンドして適用し、得られる染料
受容層の１００％モジュラスを２００ｋｇ／ｃｍ² 以下
とすることができる。これらの樹脂は、単独あるいは２
種以上を混合して使用することができる。さらに、必要
に応じて公知の添加剤を添加することもできる。

【００３２】染料受容層４の厚さは、使用形態や使用条
件等に応じて適宜決定することができ、一般に２〜１０
ｇ／ｍ² である。なお、染料受容層４の形成は、染料染
着性樹脂、可塑剤及び添加剤を溶剤に溶解させて染料受
容層形成用塗工液を調製し、それを紙基材のカレンダー
処理層２またはキャストコート処理層３上に塗工し、乾
燥することにより形成することができる。

【００３３】本発明の熱転写受像シート１０は、常法に
より製造することができ、例えば、長網多層抄紙機にて
多層抄紙された原紙１上に、カレンダー処理層２または
キャストコート処理層３を形成し、染料受容層形成用塗
工液をグラビアコート、メイヤーバー、ロールコート、
プレードコート、あるいはナイフコート等の塗工方式に
より塗工、乾燥して染料受容層４を形成することにより
製造することができる。

【００３４】

【実施例】以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。実施例１下記に示す紙料１を長網多層抄紙機にて
２層抄きで抄紙した。

【００３５】紙料１成分重量部針葉樹晒クラフトパルプ（ＮＢＫＰ）フリーネス３９０cc １５．０広葉樹晒クラフトパルプ（ＬＢＫＰ）フリーネス３９０cc ８５．０シリカ（トクシールＧＵ−Ｎ、（株）トクヤマ製）対パルプ２．０タルク（ＹＤＫ、カミタルク（株）製）対パルプ１２．５サイズ剤（ＡＬ−１２０、日本ＰＭＣ（株）製）対パルプ０．５カチオン澱粉（ＧＥＭＣＡＴ２００、マニルドラ社製）対パルプ１．０ポリアクリルアミド（ハーマイドＣ−１０、ハリマ化成（株）製）対パルプ２．５硫酸バンド（硫酸アルミニウム、日鉄鉱業（株）製）対パルプ０．１この抄紙の際、乾燥部中間において下記サイズプレス塗
工液１を塗工した。

【００３６】サイズプレス塗工液１成分重量部酸化澱粉（ＭＳ＃３８００、日本食品化工（株）製）４．０ポリビニルアルコール（ＵＦ−１７０Ｇ、ユニチカ（株）製）１．０水９５．０その結果、坪量１４２ｇ／ｍ² 、フォーメーションイン
デックス値１０８の原紙を得た。

【００３７】次に、その抄紙した原紙の一方の面に、下
記カレンダー処理層形成用塗工液Ａを乾燥厚１０ｇ／ｍ
² になるように塗工し、乾燥させた。カレンダー処理層形成用塗工液Ａ成分重量部澱粉（ＭＳ＃４６００、日本食品化工（株）製）２．６スチレン・ブタジエンラテックス（ポリラック、三井化学（株）製）６．２炭酸カルシウム（ＦＭＴ−９０、（株）ファイマテック製）５１．２水４０．０分散剤（アロンＴ−４０、東亜合成（株）製）微量消泡剤（ＳＮデフォーマー、サンノプコ（株）製）微量その後、塗工液Ａの塗布層上に、下記カレンダー処理層
形成用塗工液Ｂを乾燥厚で１５ｇ／ｍ² となるように塗
工して乾燥させ、続けてロール温度８０℃、線圧２００
ｋｇ／ｃｍでスーパーカレンダー掛けを行うことによ
り、カレンダー処理層を形成した。これにより、坪量１
６７ｇ／ｍ² 、ペック平滑度３２０秒の紙基材を得た。

【００３８】カレンダー処理層形成用塗工液Ｂ成分重量部澱粉（ＭＳ＃４６００、日本食品化工（株）製）１．５スチレン・ブタジエンラテックス（ポリラック、三井化学（株）製）６．０カオリン（アルファコート、（株）ＥＣＣ製）４０．０酸化チタン（ＴＣＡ−１２３Ｐ、トーケムプロダクト社製）５．０アクリル系中空ピグメント（ＨＰ−９１、ローム＆ハース社製）５．０ステアリン酸カルシウム（Ｃ−１０４、サンノプコ（株）製）０．５水４２．０分散剤（アロンＴ−４０、東亜合成（株）製）微量消泡剤（ＳＮデフォーマー、サンノプコ（株）製）微量次に、得られた紙基材のカレンダー処理層上に、１００
％モジュラスが６０ｋｇ／ｃｍ² の塗工層が得られる下
記染料受容層形成用塗工液１を乾燥厚み４μｍとなるよ
うに塗工し、乾燥させて染料受容層を形成し、熱転写受
像シートを得た。

【００３９】染料受容層形成用塗工液１成分重量部塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体（ＶＭＣＣ、ユニオンカーバイド社製）２５．０可塑剤（ＤＯＰ、積水化学（株）製）１５．０エポキシ変性シリコーン（ＫＦ−３９３、信越化学工業（株）製）１．０トルエン２４．０メチルエチルケトン３５．０熱転写受像シートの評価下記インキ層形成用塗工液を、片面に耐熱滑性処理が施
された６μｍ厚のポリエチレンテレフタレートシート
（Ｋ２００Ｓ、ダイアホイル社製）の非耐熱滑性処理面
に、乾燥厚が１μｍとなるように塗工し、乾燥させてイ
ンキ層を形成し、これにより熱転写記録媒体を作製し
た。

【００４０】インキ層形成用塗工液成分重量部分散染料（ソルベントブルー６３、有本化学（株）製）４．０プチラール樹脂（６０００ＥＰ、電気化学工業（株）製）５．０トルエン３１．０メチルエチルケトン３０．０テトラヒドロフラン３０．０得られた熱転写記録媒体のインキ層を、熱転写受像シー
トの染料受容層に重ね合わせ、サーマルシミュレーター
で１６階調の印画（出力＝０．２Ｗ／ドット：パルス幅
＝６ｍｓｅｃ．：ドット幅＝８ドット／ｍｍ（約２００
ｄｐｉ））を行った。そして、各熱転写受像シートの抄
きむら、光沢感、および発色むらを目視により評価し
た。また、各評価結果により、画像品質を総合評価し
た。その結果を表１に示す。表中、二重丸は非常に良
い、○は良い、△は劣る、を各々示す。

【００４１】実施例２実施例１と同様にして、坪量１４２ｇ／ｍ² 、フォーメ
ーションインデックス値１０８の原紙を得た。

【００４２】次に、その抄紙した原紙の一方の面に、下
記キャストコート層形成用塗工液１を乾燥厚で２５ｇ／
ｍ² となるように塗工した後、その塗工面を蟻酸カルシ
ウム１％水溶液からなる凝固液に接触させてゲル化さ
せ、そのゲル化面をプレスロールを介して、表面温度１
０５℃のキャストドラムで、線圧１５０ｋｇ／ｃｍで圧
接乾燥してキャストコート処理層を形成した。これによ
り、坪量１６７ｇ／ｍ²、ベック平滑度６３０秒の紙基
材を得た。

【００４３】キャストコート層形成用塗工液１成分重量部カゼイン（ＳＣＥＲＭＡ社製）３．４スチレン・ブタジエンラテックス（ポリラック、三井化学（株）製）５．６カオリン（アルファコート、（株）ＥＣＣ）３５．４酸化チタン（ＴＣＡ−１２３Ｐ、トーケムプロダクト社製）１．９ステアリン酸カルシウム（Ｃ−１０４、サンノプコ（株）製）０．４ポリエチレンワックス（サンノプコ（株）製）０．４水５２．９分散剤（アロンＴ−４０、東亜合成（株）製）微量得られた紙基材のキャストコート処理層上に実施例１と
同様にして染料受容層を形成し、熱転写受像シートを得
た。

【００４４】得られた熱転写受像シートを用いて、実施
例１と同様にして評価を行なった。その結果を下記表１
に示す。比較例１長網多層抄紙機ではなく円網多層抄紙機を用いて４層抄
きで抄紙する以外は、実施例１と同様にして、坪量１４
２ｇ／ｍ² 、フォーメーションインデックス値５０の原
紙を得た。

【００４５】次に、抄紙した原紙の一方の面に、実施例
１と同様にしてカレンダー処理層を形成した。これによ
り、坪量１６７ｇ／ｍ² 、ベック平滑度３２０秒の紙基
材を得た。

【００４６】その後、得られた紙基材のカレンダー処理
層上に実施例１と同様にして染料受容層を形成し、熱転
写受像シートを得た。得られた熱転写受像シートを用い
て、実施例１と同様にして評価を行なった。その結果を
下記表１に示す。

【００４７】比較例２長網多層抄紙機ではなく円網多層抄紙機にて４層抄きで
抄紙する以外は、実施例１と同様にして、熱転写受像シ
ートを得た。その結果坪量１４２ｇ／ｍ² 、フォーメー
ションインデックス値５０の原紙を得た。さらに実施例
２と同様の方法でキャストコート処理を施した。これに
より、坪量１６７ｇ／ｍ² 、ベック平滑度６３０秒の紙
基材を得た。

【００４８】さらに実施例１と同様にキャストコート層
上に染料受容層を形成し、これにより、熱転写受像シー
トを得た。得られた熱転写受像シートを用いて、実施例
１と同様にして評価を行なった。その結果を下記表１に
示す。

【００４９】比較例３実施例１と同様にして抄紙、およびカレンダー処理をし
た紙基材を得た後、カレンダー処理層上に、１００％モ
ジュラスが２２０ｋｇ／ｃｍ² の塗工層が得られる下記
染料受容層形成塗工液２を乾燥厚で４μｍとなるように
塗工し乾燥させて染料受容層を形成し、熱転写受像シー
トを得た。

【００５０】染料受容層形成用塗工液２成分重量部塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体（ＶＭＣＣ、ユニオンカーバイド社製）２５．０エポキシ変性シリコーン（ＫＦ−３９３、信越化学工業（株）製）１．０トルエン３４．０メチルエチルケトン４０．０比較例４実施例２と同様にして抄紙、およびキャストコート処理
した紙基材を得た後、上記染料受容層形成用塗工液２を
乾燥厚で４μｍとなるように塗工し、乾燥させて染料受
容層を形成することにより熱転写受像シートを得た。

【００５１】比較例５カレンダー処理層形成用塗工液Ｂを塗布乾燥後、続けて
ロール温度６０℃、線圧１３０ｋｇ／ｃｍでスーパーカ
レンダー掛けを行う以外は、実施例１と同様にして坪量
１６７ｇ／ｍ² 、ベック平滑度１８０秒の紙基材を得
た。その後、得られた紙基材のカレンダー処理層上に、
実施例１と同様の染料受容層を形成し、熱転写受像シー
トを得た。

【００５２】比較例６ゲル化されたキャストコート層形成用塗工液の塗布層
を、続けて、プレスロールを介して、表面温度９０℃の
キャストドラムで、線圧１００ｋｇ／ｃｍ圧接乾燥を行
う以外は実施例１と同様にして、坪量１６７ｇ／ｍ² 、
ベック平滑度２８０秒の紙基材を得た。その後、得られ
た紙基材のカレンダー処理層上に、実施例１と同様の染
料受容層を形成し、熱転写受像シートを得た。得られた
熱転写受像シートを用いて、実施例１と同様にして評価
を行なった。その結果を下記表１に示す。

【００５３】

【表１】

【００５４】上記表１に示すように、実施例１および２
の熱転写受像シートは、画像品位が良好であり、また、
実施例２に示すように、キャストコート層を有する熱転
写受像シートの方が、光沢が良好であり、より品位の高
い画像が得られる。

【００５５】これに対し、比較例１および２のように、
原紙のフォーメーションインデックスが１００未満であ
ると、地合い、抄きむらが発生し、画像品位が低下し
た。また、比較例３および４のように、染料受容層の１
００％モジュラスが２００ｋｇ／ｃｍ² を越えると、発
色むらが発生して画像品位が低下した。さらに、比較例
５および６のように、ベック平滑度が３００秒未満であ
ると、光沢感が無くなるだけでなく、表面の平滑性が劣
り発色ムラが発生して画像品位が低下した。

【００５６】

【発明の効果】本発明によれば、紙基材を用いて、原紙
の地合いむら、抄きむら、及びクッション性の不足によ
る発色むらを生じることなく、高品質の熱転写画像を形
成し得る熱転写受像シートが得られる。このため、本発
明の熱転写受像シートを用いると低コストで、優れた印
画を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の熱転写受像シートの構成の一例を表
す断面図

【図２】本発明の熱転写受像シートの構成の他の一例
を表す断面図

【符号の説明】

１…原紙２…カレンダー処理層３…キャストコート層４…染料受容層５，１５…紙基材１０，２０…熱転写受像シート

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者黒田健二郎東京都台東区台東１丁目５番１号凸版印刷株式会社内 (72)発明者杉下康雄東京都台東区台東１丁目５番１号凸版印刷株式会社内 (72)発明者片山勝弘静岡県富士市原田451−１五條製紙株式会社内 (72)発明者新井光隆静岡県富士市原田451−１五條製紙株式会社内Ｆターム(参考） 2H111 AA01 AA27 AA33 CA03 CA04 CA12 CA14 CA23 CA41 CA45 DA00 DA01 DA04 4L055 AG11 AG12 AG19 AG27 AG34 AG47 AG53 AG63 AG64 AG68 AG71 AG76 AG86 AG94 AG96 AG97 AH02 AH37 BD17 BE08 BE09 CD01 EA06 EA07 EA12 FA15 GA13 GA20

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】１００以上のフォーメーションインデッ
クスを有し、パルプを主原料とする長網多層抄き原紙を
基材とし、該基材上に設けられ、３００秒以上のベック
平滑度を有するカレンダー処理層、及び該カレンダー処
理層上に設けられ、１００％モジュラスが２００ｋｇ／
ｃｍ² 以下である染料受容層を具備することを特徴とす
る熱転写受像シート。
【請求項２】１００以上のフォーメーションインデッ
クスを有し、パルプを主原料とする長網多層抄き原紙を
基材とし、該基材上に設けられ、６００秒以上のベック
平滑度を有するキャストコート層、及び該キャストコー
ト層上に設けられ、１００％モジュラスが２００ｋｇ／
ｃｍ² 以下である染料受容層を具備する熱転写受像シー
ト。
【請求項３】パルプを主原料とし、長網多層抄紙機を
用いて、１００以上のフォーメーションインデックスを
有する長網多層抄き原紙を抄紙する工程、該長網多層抄
き原紙を基材として該基材上にカレンダー処理層塗工液
を適用し、カレンダー掛けを行うことにより、３００秒
以上のベック平滑度を有するカレンダー処理層を形成す
る工程、及び該カレンダー処理層上に、１００％モジュ
ラスが２００ｋｇ／ｃｍ² 以下の染料受容層を形成する
工程を具備することを特徴とする熱転写受像シートの製
造方法。
【請求項４】パルプを主原料とし、長網多層抄紙機を
用いて、１００以上のフォーメーションインデックスを
有する長網多層抄き原紙を抄紙する工程、該長網多層抄
き原紙を基材として該基材上に、キャストコート層塗工
液を塗布し、キャストドラムを用いて圧接乾燥し、６０
０秒以上のベック平滑度を有するキャストコート処理層
を形成する工程、及び該キャストコート層上に、１００
％モジュラスが２００ｋｇ／ｃｍ² 以下である染料受容
層を形成する工程を具備することを特徴とする熱転写受
像シートの製造方法。