JPH0544183Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ 産業上の利用分野 本考案は、電動車椅子のクラツチ装置に関す
る。

ｂ 従来の技術とその問題点 従来より、例えば、電動車椅子には、その後輪
と該後輪に動力を伝える駆動軸とを断続切換えす
るクラツチレバーを備えたものがある。

このクラツチレバーは、上記電動車椅子を手押
し移動する際に後輪をフリーにすべく用いられる
もので、例えば上方に引上げた場合に後輪とその
駆動軸との接続を断つべく構成されている。

上記クラツチレバーは、通常、使用者の乗り降
りを妨害しなく、その操縦に支障を与えない所、
例えば椅子部の下側方に配設されている。

しかしながら、上記クラツチレバーは、使用者
の乗り降り時等において、外部から衝撃等の大き
な力が加えられたりすると、勝手に移動してしま
う不具合があり、好ましくなかつた。

本考案は、上記実情に鑑みてなされたもので、
外部から大きな力を受けることがあつても、クラ
ツチレバーを所定位置に確実に保持することがで
きる電動車椅子のクラツチ装置を提供することを
目的とする。

ｃ 問題点を解決するための手段 本考案では、上記目的を達成するために、後輪
と該後輪に動力を伝える駆動軸とを断続切換えす
るクラツチレバーを備えた電動車椅子のクラツチ
装置において、上記クラツチレバーを略横方向軸
を中心に回動自在に配設するとともに、先端部に
ストツパプレートを有するクラツチロツクシヤフ
トを略上下方向軸を中心に回動自在に配設し、さ
らに、上記ストツパプレートを上記クラツチレバ
ーの移動面側に付勢させるべく上記クラツチロツ
クシヤフトを回動付勢させる付勢手段を設け、も
つて、上記クラツチレバーが上記ストツパプレー
トに当接した際、上記クラツチレバーからの力が
上記ストツパプレートの回転軸方向に加えられる
構成としている。

ｄ 実施例 以下、本考案に係る電動車椅子のクラツチ装置
の一実施例を添附図面を参照しながら詳細に説明
する。

第１図〜第４図は、本考案の一実施例を示すも
のである。

本実施例は、電動車椅子１が三輪式の電動車椅
子の場合の例である。

電動車椅子１のクラツチ装置２は、後輪３，３
（一方のみ図示）と該後輪に動力を与える駆動軸
とを断続切換えするクラツチレバー４を備え、さ
らに、該クラツチレバーの移動方向に向けて配設
されたクラツチロツクシヤフト５を備える。

クラツチレバー４は、該電動車椅子の進行方向
に対して略直角方向である横方向軸を中心に回動
するように配設されるとともに、クラツチロツク
シヤフト５は、略上下方向軸を中心に回動するよ
うに配設されている。

クラツチレバー４は、本実施例では、右後輪３
側に配置され、該後輪とその図示しない駆動軸と
の間に配設されたクラツチ装置２の図示しないク
ラツチ手段を中心にそのクラツチノブ４ａの部分
が上下動するように設けられている。なお、この
クラツチ手段は、従来より周知のものであるた
め、その詳細な説明を省略する。

クラツチロツクシヤフト５は、その先端に略四
角形状のストツパープレート５ａを具備したもの
で、略Ｌ字形断面を有する取付板６に一端が溶着
固定された円筒部材７の孔７ａ，７ａに挿通され
て回動自在に支承されている。

特に、クラツチロツクシヤフト５は、その操作
上の便宜から、取付板６に対して斜め後方に傾斜
されている。

クラツチロツクシヤフト５は、円筒部材７の孔
７ａ，７ａに挿通された後、その一方には、捩り
バネ８が挿着されるとともにピン９が打ち込ま
れ、その他方には、該クラツチロツクシヤフトの
円筒部材７からの抜けを防止するサークリツプ１
０が装着される。

ここで、捩りバネ８は、その一端が円筒部材７
に掛けられ、その他端がピン９に掛けられてお
り、これにより、クラツチロツクシヤフト５を第
２図および第３図に示すように矢印Ａ方向に回動
付勢させている。

ピン９は、その一端をクラツチロツクシヤフト
５から大きく張出させて固定される。

クラツチロツクシヤフト５が捩りバネ８によつ
て付勢されていることにより、ピン９の大きく張
出した側の端部９ａが取付板６に通常状態におい
て常時当接されている。この状態においては、ク
ラツチロツクシヤフト５のストツパープレート５
ａは、取付板６に対して略直角に立ち、かつクラ
ツチレバー４の移動面に交叉する状態に保持され
る。

クラツチロツクシヤフト５の円筒部材７への取
付けが上記の如く完了し、その上端にクラツチロ
ツクノブ１１が螺合された後、第２図に示すよう
に、電動車椅子１のフレーム１ａに取付けられ
る。

ここで、フレーム１ａにはネジ穴１ｂ，１ｂが
形成され、これらのネジ穴１ｂに対応して取付板
６には長穴６ａ，６ａが形成され、リアフエンダ
１２にはネジ挿通穴１２ａ，１２ａが穿設されて
いる。

取付板６は、リアフエンダ１２とともに、ネジ
１３，１３をワツシヤ１４，１４を介してそれぞ
れの穴１２ａ，１２ａ，６ａ，６ａに挿通させて
フレーム１ａのネジ穴１ｂ，１ｂに締結させるこ
とによつて該フレームに取付け固定される。

また、取付板６に溶着された円筒部材７の他端
には、別のプレート１５が予め溶着されている。
このプレート１５は、クラツチロツクシヤフト５
のストツパプレート５ａに直接外力が加えられた
り、また物が当たつたり挟まれたりしないように
ガードするものである。

上記の如く組立てられた状態においては、クラ
ツチレバー手段が断続されるクラツチレバー４の
下方位置および上方位置は、それぞれストツパー
プレート５ａの下方位置および円筒部材７とスト
ツパープレート５ａとの間の位置となるようにセ
ツトされる。したがつて、特に円筒部材７とスト
ツパープレート５ａの上端との間隔は、クラツチ
レバー４の径よりも十分大きく設定しておく。

また、この組立状態において、クラツチレバー
４のクラツチノブ４ａとクラツチロツクシヤフト
５のクラツチロツクノブ１１との距離は、操作の
便宜上、充分大きく（例えば15cm以上）設定する
のが好ましい。

なお、第１図および第２図において１６はハン
ドル、１７は前輪、１８はシート、１９はバツテ
リである。

次に、本実施例の作用について説明する。

電動車椅子１では、クラツチ装置２のクラツチ
手段の接続は、クラツチレバー４を例えば下方位
置に押し下げて行うとする。

この状態においては、捩りバネ８によつてスト
ツパープレート５ａが取付板６に対して直角位置
に保持されていることから、クラツチレバー４が
ストツパプレート５ａに当接した際、クラツチレ
バー４からの力がストツパプレート５ａの回転方
向ではない回転軸方向に加えられるとともに、ス
トツパープレート５ａが取付板６に対して直角位
置に保持されていることから、クラツチレバー４
はストツパープレート５ａの下端によつてその上
動が規制される。

すなわち、クラツチレバー４に外力が加えられ
ても、その力は、ストツパプレート５ａの回転方
向ではなく、クラツチロツクシヤフト５の軸方向
の向きにストツパプレート５ａによつて受け止め
られる。これにより、上記外力によつてストツパ
プレート５ａは、勝手に回転されることが無いの
で、クラツチレバー４は、ストツパプレート５ａ
の下方位置に確実に保持され、クラツチ装置２の
クラツチ手段が接続状態が維持される。

この状態から、上記のクラツチ手段を断状態に
したい場合には、まず、クラツチロツクシヤフト
５を捩りバネ８の付勢力に抗して矢印Ａ方向と反
対方向に回してストツパープレート５ａを取付板
６と平行にして該ストツパープレートの下端との
係合を外し、この後クラツチレバー４を上方位置
に上げて上記クラツチ手段を断にし、しかる後、
クラツチロツクシヤフト５から手を放す。このと
き、クラツチロツクシヤフト５は、捩りバネ８の
付勢力によつてそのストツパープレート５ａを取
付板６に対して直角状態に戻すべく回動される。
これによつて、クラツチレバー４は、円筒部材７
とストツパープレート５ａの上端との間でその移
動が規制され、これによつて、クラツチレバー４
は、断状態に保持される。

ｅ 考案の効果 以上説明したように、本考案に係る電動車椅子
のクラツチ装置によれば、後輪と該後輪に動力を
伝える駆動軸とを断続切換えするクラツチレバー
を備えた電動車椅子のクラツチ装置において、上
記クラツチレバーを略横方向軸を中心に回動自在
に配設するとともに、先端部にストツパプレート
を有するクラツチロツクシヤフトを略上下方向軸
を中心に回動自在に配設し、さらに、上記ストツ
パプレートを上記クラツチレバーの移動面側に付
勢させるべく上記クラツチロツクシヤフトを回動
付勢させる付勢手段を設け、もつて、上記クラツ
チレバーが上記ストツパプレートに当接した際、
上記クラツチレバーからの力が上記ストツパプレ
ートの回転軸方向に加えられる構成としているの
で、上記クラツチレバーに外力に加えられても、
上記クラツチロツクシヤフトを直接操作しない限
り、その力によつて上記ストツパプレートが勝手
に回転されることはなく、上記クラツチレバーは
上記ストツパプレートの上方位置または下方位置
に確実に保持され、しかも、上記クラツチレバー
が不用意にまたは勝手に操作されることを防止で
き、電動車椅子の操作上極めて便利である。

また、本考案のクラツチ装置は、構造が簡単
で、かつ部品点数も少ないので、安く製造するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本考案に係る電動車椅子のク
ラツチ装置の一実施例を示すもので第１図はその
斜視図、第２図はその要部を拡大して示す分解斜
視図、第３図および第４図はクラツチロツクシヤ
フトの支持構造を示し、第３図はその一部断面左
側面図、第４図はその正面図である。 １……電動車椅子、２……クラツチ装置、３…
…後輪、４……クラツチレバー、５……クラツチ
ロツクシヤフト、６……取付板、７……円筒部
材、８……捩りバネ、９……ピン、１０……サー
クリツプ、１１……クラツチロツクノブ、１２…
…リアフエンダ、１３……ネジ、１５……プレー
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 後輪と該後輪に動力を伝える駆動軸とを断続切
   換えするクラツチレバーを備えた電動車椅子のク
   ラツチ装置において、上記クラツチレバーを略横
   方向軸を中心に回動自在に配設するとともに、先
   端部にストツパプレートを有するクラツチロツク
   シヤフトを略上下方向軸を中心に回動自在に配設
   し、さらに、上記ストツパプレートを上記クラツ
   チレバーの移動面側に付勢させるべく上記クラツ
   チロツクシヤフトを回動付勢させる付勢手段を設
   け、もつて、上記クラツチレバーが上記ストツパ
   プレートに当接した際、上記クラツチレバーから
   の力が上記ストツパプレートの回転軸方向に加え
   られるようにしたことを特徴とする電動車椅子の
   クラツチ装置。