JPH0544160A - 紫外線透過防止加工布帛 - Google Patents

紫外線透過防止加工布帛

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JPH0544160A
JPH0544160A JP3214293A JP21429391A JPH0544160A JP H0544160 A JPH0544160 A JP H0544160A JP 3214293 A JP3214293 A JP 3214293A JP 21429391 A JP21429391 A JP 21429391A JP H0544160 A JPH0544160 A JP H0544160A
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JP
Japan
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fiber
cloth
ultraviolet
hollow
fabric
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JP3214293A
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Susumu Tokura
進 戸倉
Hideo Ueda
秀夫 上田
Toyohiro Tanaka
豊宏 田中
Toshiichi Nunoo
敏一 布生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐光性,耐洗濯性を有する紫外線透過防止加
工布帛を提供する。 【構成】 繊維形成性ポリマーからなる、繊維表面から
中空部まで貫通する貫通溝を有する中空繊維から構成さ
れた布帛であって、紫外線反射剤を分散含有した樹脂皮
膜を、布帛の少なくとも片面に有することを特徴とする
紫外線防止加工布帛である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紫外線遮蔽効果を有す
る、吸水性に優れ且つ軽量である布帛に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、ポリアミド系などの合成
繊維は、吸水性に乏しく、その改良が望まれている。
【0003】吸水性を改善するために、繊維形成性ポリ
マーからなる、繊維表面から中空部まで貫通する貫通溝
を有する、中空繊維が特開昭56−169817号公
報、特公昭60−37203号公報に提案されている。
これらの中空繊維は吸水性能に優れ且つ軽量であるの
で、衣料用布帛に用いるのに好適である。
【0004】しかしながら、上記繊維には次のような問
題点がある。即ち、ポリエステルやポリアミド系の繊維
は、充分ではないものの紫外線遮蔽効果を有している。
しかるに上記のような中空繊維は、図2に示すように繊
維形成性ポリマー部A及び中空部Bの合計が繊維の見掛
け断面積(太さ)とした場合、ポリマー部のみから成る
同じ断面積(太さ)の通常繊維に比べてポリマー成分が
少ないために紫外線遮蔽効果が少ない。そして直射日光
のもとでは紫外線を透過させてしまい、日光による日焼
けを生ずることが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、紫外線
の透過を防止しようとして織地を厚くすると重量が増加
するのみならずファッション性を損なう等の実用上の問
題を生ずる。
【0006】一方、紫外線吸収剤入りマイクロカプセル
や紫外線吸収剤を布帛に付与することも考えられるが、
単に布帛に付与した場合は洗濯耐久性に問題を生じ商品
自体が欠陥品となってしまう。さらに紫外線吸収剤は日
光によって劣化し、長期間に亘る使用によって紫外線遮
蔽効果が徐々に低下するという問題がある。
【0007】本発明者等は、上述のような事情に鑑み、
耐久性のある紫外線透過防止効果を布帛に付与すること
を目的に鋭意研究を重ねた結果、上記既存法の有する諸
問題の悉くが解消された新規な紫外線透過防止加工布帛
を見出し本発明を完成したものである。
【0008】本発明の目的は卓越した耐光性,耐洗濯性
を有する紫外線透過防止加工布帛を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの、本発明の構成は次の通りである。即ち、繊維形成
性ポリマーからなる、繊維表面から中空部まで貫通する
貫通溝を有する中空繊維から構成された布帛であって、
紫外線反射剤を分散含有した樹脂皮膜を、布帛の少なく
とも片面に有することを特徴とする紫外線防止加工布帛
である。
【0010】本発明に用いる貫通溝を有する中空繊維の
製造法の代表例は次のようなものである。先ず図1のよ
うな芯・鞘型複合糸を作り、次いで芯成分を溶解又は分
解除去し図2のような中空繊維を得る。得られる中空繊
維の中空率、貫通溝の幅は芯鞘型複合紡糸の際に任意に
調節することができる。
【0011】複合紡糸に於て芯部に用いる紡糸材は、複
合紡糸可能で、且つ後の芯ポリマー除去工程に便利なも
のであればよく、特に限定されない。除去工程に便利な
ものとしては、水で溶解可能なポリマー、アルカリ水溶
液で分解、溶解可能なポリマー、酸に溶解可能なポリマ
ー、非水系溶媒で溶解可能なポリマーなどがあげられ、
特に水、アルカリ水溶液で溶解又は分解可能なものは有
利である。
【0012】水で溶解可能なポリマーは多数あるが、例
えばポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド/ポ
リプロピレンオキシド共重合体、それらの誘導体、他の
重合体(例えばポリエステル又はポリアミド)セグメン
トのセグメント共重合体などのポリアルキレンオキシド
系ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、ポリアクリル酸塩などのポリビニル系ポリマー、
ポリビスプロポキシエタンアジバミド、ポリビスプロポ
キシピペラジンアジバミドなどの水溶性ポリアミドなど
があげられる。
【0013】アルカリ水溶液で分解・溶解可能なポリマ
ーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンオキシベンゾエート等
の繊維形成性ポリエステル及びそれらの共重合体、変性
体などがあげられる。
【0014】特に、上記ポリエステルに1〜60%(重
量)程度、好ましくは2〜30%、最も好ましくは5〜
20%ポリアルキレンオキシド類を共重合したもの又は
混合したもの、或いは5−スルホイソフタル酸ナトリウ
ム塩を3〜10%共重合したものはアルカリ水溶液によ
り容易に分解される。同様に、芳香族ポリエステルに対
して低融点(200℃以下)の脂肪族ポリエステルを5
〜50%程度混合したものも芯成分として極めて好適で
ある。
【0015】酸に溶解可能なポリマーの例としては6ナ
イロン、66ナイロン、610ナイロン、612ナイロ
ン、12ナイロン及びそれらの共重合物などのポリアミ
ドがあげられる。
【0016】非水系溶媒の例としては、トリクレン、パ
ークレンなどの塩化物、トルエン、キシレンなどの芳香
族化合物、ジメチルフォルムアミド、アセトン、などが
あげられ、これらに溶解可能なポリマーの例としては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩
化ビニル、ポリアクリロニトリル系ポリマーなどがあげ
られる。
【0017】鞘部分に用いるポリマーは、繊維形成性の
ものであり、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアク
リロニトリル系、ポリウレタン系等である。
【0018】本発明に用いる繊維の中空率は使用目的に
応じて任意に選ぶことができる。例えば、通常の吸水力
を得るには中空率は10〜60%、特別に大きい吸水率
を得るには40〜80%とすることができる。
【0019】本発明に用いる繊維の吸水性はこの中空部
及び貫通溝によって得られる。すなわち水は繊維表面か
ら貫通溝を通じて繊維の中空部に入り、そこに保持され
る。また中空部に保持された水は貫通溝を通じて外部に
放出したり、蒸発させることができる。従って一般的に
吸水能力は中空部の大きさ、すなわち中空率に比例し、
吸水或いは放水速度は貫通溝の幅に比例する。
【0020】貫通溝の幅は大きいほど水の通過は容易と
なるが、過度に貫通溝の幅が大きくなると中空部と外界
との区別が消失し、水の保持力が失なわれる。従って貫
通溝の幅は、中空部の直径(非円形断面の場合は同面積
の円の直径とする)よりも小さいことが好ましい。貫通
溝の幅は平均的なものであり、0.5μm以上が好適で
ある(上限は通常繊維径1/3程度)。貫通溝の幅があ
まり小さいと水の通過速度が低くなり好ましくない場合
がある。
【0021】本発明に用いることのできる芯・鞘型複合
繊維の横断面は種々の形がある。複合は同心的でも偏心
的でもよい。芯は円形でも非円形でもよく、鞘も同様に
円形でも非円形でもよい。また芯は1個でも複数でも良
い。
【0022】本発明において用いられる布帛は、上記の
ような中空繊維を少なくとも一部に用いたものであっ
て、他の合成繊維、半合成繊維、天然繊維等と混紡,交
織されたものでもよい。中空繊維の特徴を発揮させるた
めには、中空繊維は布帛中に少なくとも20%、好まし
くは30%以上用いた方がよい。布帛としては、織物,
編物,不織布などが挙げられる。
【0023】次に紫外線透過防止加工について説明す
る。一般に、紫外線は可視光線より波長の短い200〜
400nmの電磁波であることは周知の通りであるがそ
の波長領域により物理学的,生物学的作用が異なり短波
長紫外線(UV−C:200〜290nm),中波長紫
外線(UV−B:290〜320nm),長波長紫外線
(UV−A:320〜400nm)に区分される。この
うちUV−Cは大部分が大気中で吸収されて地上には到
達しないので、太陽光線で人体に対して悪影響を与える
のは、290nm以上のUV−A及びUV−Bである。
特にUV−Bは急性の炎症による紅斑生成と色素沈着作
用を起こし、極めて有害でその人体への作用はUV−A
の1000倍にも達すると言われている。
【0024】従って、使用する紫外線反射剤及び紫外線
吸収剤はこれらの波長の内、少なくともUV−Bに有効
で且つ人体、即ち人間の肌にアレルギー等を起こさない
安全なものを使用しなければならない。又、布帛への適
用のためには黄変等の変色の少ないもの,透明性の低下
の少ないものが好ましい。
【0025】かかる紫外線反射剤としては、たとえば粒
子径0.001〜0.2μ、好ましくは0.005〜
0.02μの酸化チタン,酸化亜鉛等の金属酸化物の微
粒子があげられる。
【0026】また、かかる紫外線吸収剤としては、たと
えばp−アミノ安息香酸誘導体,アンスラニル酸誘導
体,サリチル酸誘導体,桂皮酸誘導体,ベンゾフェノン
誘導体,ベンゾトリアゾール誘導体等の単体または、そ
れらの混合物が好適に使用できる。そして、これ等の中
では特にベンゾフェノン誘導体が好ましく、具体的には
2−エチルヘキシ−p−ジメチルアミノベンゾエート、
エチルヘキシル−p−メトキシサイナメート,下記一般
【化1】 で示される2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン−5−スルホン酸や
【化2】 で示される2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメト
キシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0027】かかる紫外線反射剤、または紫外線反射剤
と紫外線吸収剤の付与量は、布帛重量の0.5〜8%が
好ましい。0.5%よりも少なければ紫外線透過防止効
果が不十分であり、一方8%を越える場合は効果の割に
経済的でない。
【0028】紫外線反射剤は単独で用いても優れた効果
を発揮するが、紫外線吸収剤を併用すると相乗効果によ
り、少量の使用量で大きい効果が得られる。
【0029】紫外線吸収剤は日光により劣化するが、紫
外線反射剤を併用することにより、劣化を防ぐことがで
き、長期間に亘って使用する日傘等には特に好適であ
る。
【0030】本発明において、紫外線反射剤,紫外線吸
収剤は樹脂皮膜に分散されている。
【0031】本発明において用いられる樹脂としてはグ
リオキザール樹脂,アミノプラスト樹脂,アクリル樹
脂,ウレタン樹脂等が挙げられる。
【0032】グリオキザール樹脂としてはジメチロール
・ジヒドロキシ・エチレン尿素やテトラメチロール・グ
リコール・ウリール等が挙げられる。
【0033】アミノプラスト樹脂としては、メラミンホ
ルマリン系樹脂,トリアゾンホルムアルデヒド樹脂,尿
素ホルムアルデヒド樹脂,エチレン尿素ホルムアルデヒ
ド樹脂,他のN−メチロール樹脂,N−メチロールエー
テル樹脂,及びこれ等の混合物が挙げられるが、メラミ
ンホルマリン系樹脂が風合耐久性の点で好ましい。
【0034】アクリル系樹脂としてはメチルアクリレー
ト,エチルアクリレート,nプロピルアクリレート,イ
ソプロピルアクリレート,nブチルアクリレート,イソ
ブチルアクリレート,シクロヘキシルアクリレート,ベ
ンジルアクリレート,2エチルヘキシルアクリレート,
ラウリルアクリレート,トリデシルアクリレート,ステ
アリルアクリレート,メトキシエチルアクリレート,エ
トキシエチルアクリレート,ブトキシエチルアクリレー
ト,メトキシポリエチレングリコールアクリレート,2
ヒドロキシエチルアクリレート,2ヒドロキシプロピル
アクリレート,2ヒドロキシ3クロロプロピルアクリレ
ート,1,4ブチレングリコールモノアクリレートの単
独又は共重合体エマルジョン、又はこれ等の単独重合体
の混合エマルジョンを挙げることができる。
【0035】更に、ウレタン樹脂としては、エーテル
系,エステル系等のポリウレタン樹脂であり、該ポリウ
レタンエマルジョンとしては通常公知の下記方法で得ら
れるものである。
【0036】即ち
【化3】 を溶剤中で反応させて
【化4】 を溶剤系で製造し、これを通常公知の適当な乳化剤によ
ってエマルジョン化し、溶剤を適宜回収したものであ
る。又通常公知のポリウレタンエラストマーのN,N′
ジメチルホルムアミド溶液も使用することができる。
【0037】かかる樹脂の付与量は、布帛重量の0.3
〜20%が好ましい。0.3%よりも少なければ耐久性
が不十分であり、一方20%を越える場合風合が硬くな
り好ましくない。
【0038】本発明においては紫外線反射剤及び樹脂、
または紫外線反射剤,紫外線吸収剤及び樹脂を主成分と
する処理液に、皮膜の強度を向上させるための架橋剤、
風合を調整するための柔軟剤、コーティングを行なう際
は増粘剤等を加えても良い。
【0039】かかる紫外線反射剤及び樹脂、または紫外
線反射剤,紫外線吸収剤及び樹脂を主成分とする処理液
はコーティング法,パッディング法,スプレー法等によ
り布帛に付与され、乾燥後、熱処理される。傘地等で耐
水性が必要とされる場合には、コーティング法が好まし
く、具体的にはナイフコーター,エアドクタコーター,
ブレードコーター,リバースロールコーター,グラビア
コーター,キスコーター等が用いられる。乾燥は90〜
130℃で1〜3分程度が好ましく、熱処理は140〜
170℃で2〜5分程度が好ましい。
【0040】本発明者らは、貫通溝を有する中空繊維の
紫外線遮蔽効果が乏しいことを改善するために、本発明
に用いる紫外線透過防止加工を見出したのであるが、本
発明の紫外線透過防止布帛は、同一ポリマーの見掛け太
さの等しい、通常の繊維を用いた布帛に同様の紫外線透
過防止加工を施したものに比べて、紫外線透過率が驚く
程小さかった。このことは本発明に用いる中空繊維の表
面積が、通常の繊維よりも大きいので、紫外線透過加工
の効果が大であるものと考えられる。
【0041】
【発明の効果】本発明の布帛は、優れた吸水性、紫外線
遮蔽効果を有し、軽量であり、しかも耐洗濯性も良好で
あるという数多くの特徴を持っており、シャツ、ブラウ
ス、スポーツウェア、帽子、日傘等に応用するのに好適
である。
【0042】更に本発明に用いる布帛は、貫通溝を有す
る中空繊維を用いているので、撥水加工、制電加工、防
汚加工等の後加工において処理剤を効果的に付与するこ
とができるので、これらの後加工を併用することも非常
に有用である。
【0043】
【実施例】以下に実施例を示し本発明を説明するが、も
ちろん、本発明はこれに限定されるものではない。実施
例において紫外線透過防止効果は島津製作所自記分光光
度計UV2100を使用して360nm(UV−A),
305nm(UV−B)のUV透過度を測定する事によ
り評価した。洗濯はJIS L−0217103法に準
じて10回実施し、耐光試験はJIS L−0842
カーボンアーク法に準じて実施した。
【0044】吸水性の一つである水の拡散性を示す「水
の吸上高」はバイレック法に準じて測定した(ただし5
分後の測定値を示した)。また水の保持力を示す保水率
は、室温の水に60分間浸漬し、家庭用洗濯機の脱水機
にて3分間脱水し測定した。
【0045】実施例1 平均分子量8000のポリエチレングリコールを共重合
して得た、17%のポリエーテルセグメントを含む共重
合ポリエチレンテレフタレート(以下共重合PETと記
す)を芯とし、6ナイロンを鞘として、接合比率共重合
PET:6ナイロン=1:2で溶融紡糸を行ない、3.
8倍に延伸して75デニール/24フィラメントの複合
糸F1を得た。
【0046】該複合糸F1を経糸及び緯糸に用いて、平
織物を製織し、織物1とした。得られた織物1を水酸化
ナトリウム4%、80℃のアルカリ水溶液で60分間処
理し、複合糸F1の芯部の共重合PETを除去した。処
理後の糸の横断面は図2に示すようなものであった。
【0047】また、比較例として6ナイロン単独の75
デニール/24フィラメントの糸を紡糸し、これを経糸
及び緯糸に用いて同様に平織物を製織し、織物2を得、
精練処理を行なった。
【0048】織物1及び2の処理後の密度は、いずれも
経105本/インチ、緯87本/インチであった。
【0049】次いで下記のような紫外線透過防止加工を
行なった。下記に示す水溶液をパッディングし、ピック
アップ率80%にて絞液後、120℃で2分間乾燥し、
150℃で3分間熱処理を行ない、織物1を処理液
(A)で処理したものを織物1Aとし、処理液(B)で
処理したものを織物1Bとした。同様に、織物2を処理
液(A)で処理したものを織物2Aとした。
【0050】 処理液(A) 酸化チタン(粒子径0.007〜0.020μ) 2重量% ディクセルクリアーバインダー3301 2重量% (大日本インキ(株)製アクリルバインダー,固形分18%)
【0051】 処理液(B) 酸化亜鉛(粒子径0.005〜0.015μ) 2重量% ディクセルクリアーバインダー3301 2重量% (大日本インキ(株)製アクリルバインダー)
【0052】得られた織物の物性を表1に示す。紫外線
防止効果の耐久性を調べるため、洗濯10回後及び耐光
試験後についても測定した。
【0053】
【表1】
【0054】表1から明らかなように、本発明の織物1
A及び1Bは加工の効果が大で紫外線透過率が小さい。
通常の6ナイロンを用いた織物2及び2Aは紫外線透過
防止加工の効果が少ない。又、織物1A及び1Bは優れ
た水拡散性と保水性を示した。
【0055】実施例2 平均分子量4000のポリエチレングリコールを8%
と、5−スルホイソフタル酸ナトリウムを4.3モル%
とを共重合して得られた共重合PETを芯とし、実施例
1の6ナイロンを鞘として接合比率共重合PET:6ナ
イロン=1:1で溶融紡糸を行ない、3.8倍に延伸し
て75デニール/24フィラメントの複合糸を得た。得
られた複合糸の横断面は図1のようなものであり、これ
を複合糸F2とした。
【0056】該複合糸F2を経糸及び緯糸に用いて、平
織物を製織し、織物3とした。得られた織物3を水酸化
ナトリウム1%、98℃のアルカリ水溶液で30分間処
理し、複合糸F2の芯部の共重合PETを除去した。処
理後の織物3の密度は経104本/インチ、緯86本/
インチであった。
【0057】次いで下記のような紫外線透過防止加工を
施した。尚、対照は実施例1の織物2とした。
【0058】織物3及び織物2に下記に示す水溶液をパ
ッディングし、ピックアップ率80%にて絞液後、12
0℃で2分間乾燥し、150℃で3分間熱処理を行なっ
た。
【0059】 処理液(C) 酸化チタン(粒子径0.007〜0.002μ) 1重量% ニッカサンライフLP−200 1重量% (日華化学工業(株)製紫外線吸収剤) ディクセルクリアーバインダー3301 2重量% (大日本インキ(株)製アクリルバインダー)
【0060】 処理液(D) ニッカサンライフLP−200 1重量% (日華化学工業(株)製紫外線吸収剤) ディクセルクリアーバインダー3301 2重量% (大日本インキ(株)製アクリルバインダー)
【0061】織物3を処理液(C)で処理したものを織
物3Cとし、処理液(D)で処理したものを織物3Dと
した。同様に織物2を処理液(C)で処理したものを織
物2Cとした。
【0062】得られた織物の物性を表2に示す。紫外線
防止効果の耐久性を調べるために、洗濯後及び耐光試験
後についても測定した。
【0063】
【表2】
【0064】表2から明らかなように、本発明の織物3
Cは、紫外線反射剤(酸化チタン)と紫外線吸収剤を併
用しているので、紫外線透過率が非常に小さい。また、
織物2Cに比べて紫外線透過防止加工の効果が大であ
る。一方、紫外線吸収剤のみの加工による織物3Dは、
光による紫外線の劣化があり耐久性の乏しいものであっ
た。
【0065】実施例3 平均分子量4000のポリエチレングリコールを8%
と、5−スルホイソフタル酸ナトリウムを4.3モル%
とを共重合して得られた共重合PETを芯とし、ポリエ
チレンテレフタレート(以下PETと記す)を鞘とし
て、接合比率共重合PET:PET=1:1で溶融紡糸
を行ない、3.5倍に延伸して100デニール/48フ
ィラメントの複合糸を得た。得られた複合糸の横断面は
図1のようなものであり、これを複合糸F3とした。
【0066】該複合糸F3を経糸及び緯糸に用いて、平
織物を製織し、織物4とした。得られた織物4を水酸化
ナトリウム1%、98℃のアルカリ水溶液で20分間処
理し、複合糸F3の芯部の共重合PETを除去した。
【0067】次いで実施例1と同様の処理液、同様の方
法で紫外線透過防止加工を行ない、織物4を処理液
(A)で処理したものを織物4Aとした。結果を表3に
示す。
【0068】
【表3】
【0069】表3から明らかなように、本発明の織物4
Aは紫外線透過率が小さく、吸水性は良いという優れた
ものであった。
【0070】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いることができる芯鞘型複合繊維の
横断面の例であり、C部が溶解除去部である。
【図2】本発明に用いる貫通溝を有する中空繊維の例で
あり、Aは繊維形成性ポリマー部を、Bは中空部を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D03D 15/00 A 7199−3B

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維形成性ポリマーからなる、繊維表面
    から中空部まで貫通する貫通溝を有する中空繊維をその
    少なくとも一部に用いた布帛であって、紫外線反射剤を
    分散含有した樹脂皮膜を、布帛の少なくとも片面に有す
    ることを特徴とする紫外線防止加工布帛。
  2. 【請求項2】 樹脂皮膜が紫外線反射剤及び紫外線吸収
    剤を分散含有したものである請求項1記載の布帛。
JP3214293A 1991-07-30 1991-07-30 紫外線透過防止加工布帛 Pending JPH0544160A (ja)

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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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