JPH04289268A - 紫外線透過防止加工布帛及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は紫外線透過防止加工、即
ち紫外線遮蔽効果を有する布帛及びその製造方法に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から太陽光線から身を護るために各
種の衣料が考案され、市場にも多く出廻っている。しか
しこれらの多くのものは単に布本来の遮蔽効果に頼るも
のであって積極的に遮蔽効果を増大させる考慮や改善が
殆どなされていなかった。強い直射日光を避ける手段と
して日傘や面覆い等の製品があるが、これも布地の遮蔽
効果をそのまま利用するものであって積極的に紫外線を
吸収せしめて遮蔽効果を増大させるものではなかった。

【０００３】そして例えば日傘や面覆い等も生地組織に
よっては、強い直射日光のもとでは、日焼けの原因であ
る紫外線の殆どを透過させてしまい、その結果日光によ
る肌の色素沈着や著しい場合は紅斑現象の発生さえ見ら
れる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、紫外線
の透過を防止しようとして織地を厚くすると重量が増加
するのみならずファッション性を損なう等の実用上の問
題を生ずる。

【０００５】一方、紫外線吸収剤入りマイクロカプセル
や紫外線吸収剤を布帛に付与することも考えられるが、
単に布帛に付与した場合は洗濯耐久性に問題を生じ商品
自体が欠陥品となってしまう。さらに紫外線吸収剤は日
光によって劣化し、長期間に亙る使用によって紫外線遮
蔽効果が徐々に低下するという問題がある。

【０００６】本発明者等は、上述のような事情に鑑み、
耐久性のある紫外線透過防止効果を布帛に付与すること
を目的に鋭意研究を重ねた結果、上記既存法の有する諸
問題の悉くが解消された新規な紫外線透過防止加工布帛
及びその製造方法を見出し本発明を完成したものである
。

【０００７】本発明の目的は卓越した紫外線透過防止効
果及び耐光性，耐洗濯性を有する紫外線透過防止加工布
帛及びその製造方法を提供するにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は次の構成を取る。即ち、第１番目の発明
は、紫外線反射剤を分散含有した樹脂皮膜を、布帛の少
なくとも片面に有することを特徴とする紫外線透過防止
加工布帛を要旨とし、また第２番目の発明は、布帛の少
なくとも片面に紫外線反射剤及び樹脂を主成分とする処
理液を付与し、乾燥後、熱処理することを特徴とする紫
外線透過防止加工布帛の製造方法を要旨とし、また第３
番目の発明は、紫外線反射剤及び紫外線吸収剤を分散含
有した樹脂皮膜を、布帛の少なくとも片面に有すること
を特徴とする紫外線透過防止加工布帛を要旨とし、また
第４番目の発明は、布帛の少なくとも片面に紫外線反射
剤，紫外線吸収剤及び樹脂を主成分とする処理液を付与
し、乾燥後、熱処理することを特徴とする紫外線透過防
止加工布帛の製造方法を要旨とする。

【０００９】以下、本発明を詳細に説明する。

【００１０】本発明において使用される布帛は綿，レー
ヨン，絹，羊毛等の天然繊維，アセテート，トリアセテ
ート等の半合成繊維，ポリエステル，ナイロン，アクリ
ル等の合成繊維及び各種繊維の混紡，交織等よりなるも
のである。布帛としては、織物，編物，不織布などの形
態のものが挙げられる。

【００１１】一般に、紫外線は可視光線より波長の短い
２００〜４００ｎｍの電磁波であることは周知の通りで
あるがその波長領域により物理学的，生物学的作用が異
なり短波長紫外線（ＵＶ−Ｃ：２００〜２９０ｎｍ），
中波長紫外線（ＵＶ−Ｂ：２９０〜３２０ｎｍ），長波
長紫外線（ＵＶ−Ａ：３２０〜４００ｎｍ）に区分され
る。このうちＵＶ−Ｃは大部分が大気中で吸収されて地
上には到達しないので、太陽光線で人体に対して悪影響
を与えるのは、２９０ｎｍ以上のＵＶ−Ａ及びＵＶ−Ｂ
である。特にＵＶ−Ｂは急性の炎症による紅斑生成と色
素沈着作用を起こし極めて有害でその人体への作用はＵ
Ｖ−Ａの１０００倍にも達すると言われている。

【００１２】従って、使用する紫外線反射剤及び紫外線
吸収剤はこれらの波長の内少なくともＵＶ−Ｂに有効で
且つ人体即ち人間の肌にアレルギー等を起こさない安全
なものを使用しなければならない。又、布帛への適用の
ためには黄変等の変色の少ないもの，透明性の低下の少
ないものが好ましい。

【００１３】かかる紫外線反射剤としては、たとえば粒
子径０．００１〜０．２μ、好ましくは０．００５〜０
．０２μの酸化チタン，酸化亜鉛等の金属酸化物の微粒
子があげられる。

【００１４】また、かかる紫外線吸収剤としては、たと
えばｐ−アミノ安息香酸誘導体，アンスラニル酸誘導体
，サリチル酸誘導体，桂皮酸誘導体，ベンゾフェノン誘
導体，ベンゾトリアゾール誘導体等の単体または、それ
らの混合物が好適に使用できる。そして、これ等の中で
は特にベンゾフェノン誘導体が好ましく、具体的には２
−エチルヘキシ−ｐ−ジメチルアミノベンゾエート，エ
チルヘキシル−ｐ−メトキシサイナメート，下記一般式

【化１】 で示される２−ヒドロキシ−４−メトキシベンゾフェノ
ン−５−スルホン酸や

【化２】 で示される２，２’−ジヒドロキシ−４，４’−ジメト
キシベンゾフェノン等が挙げられる。

【００１５】かかる紫外線反射剤、または紫外線反射剤
と紫外線吸収剤の付与量は、布帛重量の０．５〜８％が
好ましい。０．５％よりも少なければ紫外線透過防止効
果が不充分であり、一方８％を越える場合は効果の割に
経済的でない。

【００１６】本発明において用いられる樹脂としてはグ
リオキザール樹脂，アミノプラスト樹脂，アクリル樹脂
，ウレタン樹脂等が挙げられる。

【００１７】グリオキザール樹脂としてはジメチロール
・ジヒドロキシ・エチレン尿素やテトラメチロール・グ
リコール・ウリール等が挙げられる。

【００１８】アミノプラスト樹脂としては、メラミンホ
ルマリン系樹脂，トリアゾンホルムアルデヒド樹脂，尿
素ホルムアルデヒド樹脂，エチレン尿素ホルムアルデヒ
ド樹脂，他のＮ−メチロール樹脂，Ｎ−メチロールエー
テル樹脂，及びこれ等の混合物が挙げられるが、メラミ
ンホルマリン系樹脂が風合耐久性の点で好ましい。

【００１９】アクリル系樹脂としてはメチルアクリレー
ト，エチルアクリレート，ｎプロピルアクリレート，イ
ソプロピルアクリレート，ｎブチルアクリレート，イソ
ブチルアクリレート，シクロヘキシルアクリレート，ベ
ンジルアクリレート，２エチルヘキシルアクリレート，
ラウリルアクリレート，トリデシルアクリレート，ステ
アリルアクリレート，メトキシエチルアクリレート，エ
トキシエチルアクリレート，ブトキシエチルアクリレー
ト，メトキシポリエチレングリコールアクリレート，２
ヒドロキシエチルアクリレート，２ヒドロキシプロピル
アクリレート，２ヒドロキシ３クロロプロピルアクリレ
ート，１，４ブチレングリコールモノアクリレートの単
独又は共重合体エマルジョン、又はこれ等の単独重合体
の混合エマルジョンを挙げることができる。

【００２０】更に、ウレタン樹脂としては、エーテル系
，エステル系等のポリウレタン樹脂であり、該ポリウレ
タンエマルジョンとしては通常公知の下記方法で得られ
るものである。

【００２１】即ち

【化３】 を溶剤中で反応させて

【化４】 を溶剤系で製造し、これを通常公知の適当な乳化剤によ
ってエマルジョン化し、溶剤を適宜回収したものである
。又通常公知のポリウレタンエラストマーのＮ，，Ｎ’
ジメチルホルムアミド溶液も使用することができる。

【００２２】かかる樹脂の付与量は、布帛重量の１〜４
０％が好ましい。１％よりも少なければ耐久性が不十分
であり、一方４０％を越える場合風合が硬くなり好まし
くない。

【００２３】本発明においては紫外線反射剤及び樹脂、
または紫外線反射剤，紫外線吸収剤及び樹脂を主成分と
する処理液に、皮膜の強度を向上させるための架橋剤、
風合を調整するための柔軟剤、コーティングを行なう際
は増粘剤等を加えても良い。

【００２４】かかる紫外線反射剤及び樹脂、または紫外
線反射剤，紫外線吸収剤及び樹脂を主成分とする処理液
はコーティング法，パッディング法，スプレー法等によ
り布帛に付与され、乾燥後、熱処理される。傘地等で耐
水圧が必要とされる場合には、コーティング法が好まし
く、具体的にはナイフコーター，エアドクタコーター，
ブレードコーター，リバースロールコーター，グラビア
コーター，キスコーター等が用いられる。乾燥は９０〜
１３０℃で１〜３分程度が好ましく、熱処理は１４０〜
１７０℃で２〜５分程度が好ましい。

【００２５】

【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。

【００２６】紫外線透過防止効果は島津製作所自記分光
光度計ＵＶ２１００を使用して３５０ｎｍ（ＵＶ−Ａ）
，３００ｎｍ（ＵＶ−Ｂ）のＵＶ透過度を測定する事に
より評価した。洗濯はＪＩＳ　　Ｌ−０２１７　　１０
３法に準じて１０回実施した。また耐光試験はＪＩＳ　
　Ｌ−０８４２　　カーボンアーク法に準じて実施した
。

【００２７】実施例１ 通常公知の方法で糊抜，精練，晒，シルケットを行なっ
た経６０番手，緯６０番手，経密度９０本／インチ，緯
密度８８本／インチ，目付９０ｇ／ｍ２　の綿平織物に
下記に示す水溶液をパッディングし、ピックアップ率８
０％にて絞液後、１２０℃で２分間乾燥し、１５０℃で
３分間熱処理を行ない、実施例１の製品を得た。

【００２８】 　　処理液（Ａ） 　　　　酸化チタン（粒子径０．００７〜０．０２０μ
）　　　　　　　　　　　　　　　　３重量％　　　　
デクセルクリアーバインダー３３０１　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　５重量％　　　
　（大日本インキ（株）製アクリルバインダー，固形分
１８％）

【００２９】 　　処理液（Ｂ） 　　　　酸化亜鉛（粒子径０．００５〜０．０１５μ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　３重量％　　　
　デクセルクリアーバインダー３３０１　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　５重量％　　
　　（大日本インキ（株）製アクリルバインダー）

【０
０３０】比較例１ 実施例１と同様の処理において、紫外線反射剤を添加せ
ずに処理を行ない、比較例１の製品を得た。

【００３１】次に、実施例１，比較例１で得られた製品
の物性を表１に示す。

【００３２】

【表１】

【００３３】表１から判かる様に、実施例１で得られた
製品は耐洗濯に優れ、日光に対する劣化も少なく、耐久
性に優れた紫外線透過防止効果を有するものである。

【００３４】実施例２ 通常公知の方法で糊抜，精練，漂白，シルケットを行な
った経４０番手，緯４０番手，経密度１３０本／インチ
，緯密度７０本／インチ，目付１１０ｇ／ｍ２　の綿平
織物に、下記に示すコーティング剤をナイフドクターに
て３０ｇ／ｍ２　塗付した。

【００３５】 　　処理液（Ａ） 　　　　ボンコートＥＳ１４１　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　９３
．９重量％　　　　（大日本インキ（株）製アクリル樹
脂エマルジョン）　　　　ボンコート３７５０　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　３　　　　重量％　　　　（大日本
インキ（株）製アクリル酸増粘剤）　　　　酸化チタン
（粒子径０．００７〜０．０２０μ）　　　　　　　　
　　　　３　　　　重量％　　　　２５％アンモニア水
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　０．１重量％

【００３６】 　　処理液（Ｂ） 　　　　ボンコートＥＳ１４１　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　９３
．９重量％　　　　（大日本インキ（株）製アクリル樹
脂エマルジョン）　　　　ボンコート３７５０　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　３　　　　重量％　　　　（大日本
インキ（株）製アクリル酸増粘剤）　　　　酸化亜鉛（
粒子径０．００７〜０．０２０μ）　　　　　　　　　
　　　　　３　　　　重量％　　　　２５％アンモニア
水　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　０．１重量％

【００３７
】比較例２ 実施例２と同様の処理において紫外線反射剤を添加せず
に処理を行ない、比較例２の製品を得た。

【００３８】次に、実施例２，比較例２で得られた製品
の物性を表２に示す。

【００３９】

【表２】

【００４０】表２から判かる様に、実施例２で得られた
製品は耐洗濯性に優れ、日光に対する劣化も少なく、耐
久性に優れた紫外線透過防止効果を有するものである。

【００４１】実施例３ 通常公知の方法で糊抜，精練，晒，シルケットを行なっ
た経４０番手，緯４０番手，経密度１４４本／インチ，
緯密度８０本／インチ，目付１２５ｇ／ｍ２　の綿平織
物に下記に示す水溶液をパッディングし、ピックアップ
率８０％にて絞液後、１２０℃で２分間乾燥し、１５０
℃で３分間熱処理を行ない、実施例３の製品を得た。

【００４２】 　　処理液（Ａ） 　　　　酸化チタン（粒子径０．００７〜０．００２μ
）　　　　　　　　　　　　　　　　１重量％　　　　
ニッカサンライフＬＰ−２００　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　１重量％
　　　　（日華化学工業（株）製紫外線吸収剤）　　　
　デイクセルクリアーバインダー３３０１　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　５重量％　　　
　（大日本インキ（株）製アクリルバインダー）

【００
４３】 　　処理液（Ｂ） 　　　　酸化亜鉛（粒子径０．００５〜０．００１５μ
）　　　　　　　　　　　　　　　　１重量％　　　　
ニッカサンライフＬＰ２００　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　１重量
％　　　　（日華化学工業（株）製紫外線吸収剤）　　
　　デイクセクリアーバインダー３３０１　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　５重量％　
　　　（大日本インキ（株）製アクリルバインダー）

【
００４４】実施例４ 実施例３と同様の処理において、処理液（Ａ）において
は酸化チタンを３重量％使用し、紫外線吸収剤は添加せ
ずに、また処理液（Ｂ）においては酸化亜鉛を３重量％
使用し、紫外線吸収剤は添加せずに処理を行ない、実施
例４の製品を得た。

【００４５】比較例３ 実施例３と同様の処理において、処理液（Ａ）において
は紫外線吸収剤を３重量％使用し、酸化チタンは添加せ
ずに、また処理液（Ｂ）においては紫外線吸収剤を３重
量％使用し、酸化亜鉛は添加せずに処理を行ない、比較
例３の製品を得た。

【００４６】次に実施例３，実施例４及び比較例３で得
られた製品の物性を表３に示す。

【００４７】

【表３】

【００４８】表３から判かる様に、実施例３，実施例４
で得られた製品は耐洗濯性に優れ、日光に対する劣化も
少なく、耐久性に優れた紫外線透過防止効果を有するこ
とがわかる。

【００４９】

【発明の効果】以上詳述した様に本発明により得られた
製品は紫外線透過防止効果を有し、しかも洗濯耐久性も
良好であり、日光によっても紫外線反射剤は金属酸化物
であるが故に劣化を起こさず、シャツ，ジャンパー，日
傘等に応用するのに好適であり、頗る有用である。

【００５０】また、紫外線反射剤と紫外線吸収剤を併用
すると相乗効果により、少量の使用量で効果は大きく、
紫外線吸収剤の日光による劣化も紫外線反射剤の併用に
より防ぐ事ができ、長期間に亙って使用する日傘等には
特に好適である。

【００５１】更に、本製造方法は、煩雑な加工工程を必
要とせず、紫外線透過防止効果を有する布帛を安定して
製造することが可能な方法である。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　紫外線反射剤を分散含有した樹脂皮膜
   を、布帛の少なくとも片面に有することを特徴とする紫
   外線透過防止加工布帛。
2. 【請求項２】　　布帛の少なくとも片面に紫外線反射剤
   及び樹脂を主成分とする処理液を付与し、乾燥後、熱処
   理することを特徴とする紫外線透過防止加工布帛の製造
   方法。
3. 【請求項３】　　紫外線反射剤及び紫外線吸収剤を分散
   含有した樹脂皮膜を、布帛の少なくとも片面に有するこ
   とを特徴とする紫外線透過防止加工布帛。
4. 【請求項４】　　布帛の少なくとも片面に紫外線反射剤
   ，紫外線吸収剤及び樹脂を主成分とする処理液を付与し
   、乾燥後、熱処理することを特徴とする紫外線透過防止
   加工布帛の製造方法。