JP3227967B2 - 遮光性合成繊維 - Google Patents
遮光性合成繊維Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽光線の中で、紫外
光線（０．２９〜０．４μｍ）を吸収遮断すると同時
に、可視光線（０．４〜０．７μｍ）及び近赤外光線
（〜２μｍ）を、効率良く反射することにより、紫外線
による日焼け等の皮膚障害の防止効果に加え、可視光線
から近赤外光線に対し良好な遮熱効果を有する、耐光
性、耐洗濯性に優れる衣料、インテリア及び産業資材用
途に好適な遮光性合成繊維に関する。
光線（０．２９〜０．４μｍ）を吸収遮断すると同時
に、可視光線（０．４〜０．７μｍ）及び近赤外光線
（〜２μｍ）を、効率良く反射することにより、紫外線
による日焼け等の皮膚障害の防止効果に加え、可視光線
から近赤外光線に対し良好な遮熱効果を有する、耐光
性、耐洗濯性に優れる衣料、インテリア及び産業資材用
途に好適な遮光性合成繊維に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来から太陽光遮光に関する技術は種々
提案されている。例えば、紫外線吸収剤入りマイクロ
カプセルをバインダーで全面接着した日焼け止めストッ
キング（特開平３−２０６１０２）波長０．４〜２μ
ｍの電磁波の分光反射率が５０％以上のセラミックスを
５〜３５重量％含有する合成繊維製遮光体（特開平３−
２１３５３６）高密度／高目付布帛や濃色染色による
紫外線吸収遮断技術等が知られているが、太陽光中の紫
外光線を吸収すると同時に、可視光線及び近赤外光線を
効果的に反射し、しかも耐光性、耐熱性、染色堅牢性や
耐洗濯性等の消費耐久性に優れる遮光性合成繊維は実用
化されていない。
提案されている。例えば、紫外線吸収剤入りマイクロ
カプセルをバインダーで全面接着した日焼け止めストッ
キング（特開平３−２０６１０２）波長０．４〜２μ
ｍの電磁波の分光反射率が５０％以上のセラミックスを
５〜３５重量％含有する合成繊維製遮光体（特開平３−
２１３５３６）高密度／高目付布帛や濃色染色による
紫外線吸収遮断技術等が知られているが、太陽光中の紫
外光線を吸収すると同時に、可視光線及び近赤外光線を
効果的に反射し、しかも耐光性、耐熱性、染色堅牢性や
耐洗濯性等の消費耐久性に優れる遮光性合成繊維は実用
化されていない。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、地球表面に
到達する太陽光中の紫外光線（中波長紫外線：ＵＶ−Ｂ
波０．２９〜０．３２μｍ、長波長紫外線：ＵＶ−Ａ波
０．３２〜０．４μｍ）を効果的に吸収遮断すること
で、日焼け（紅斑）、色素沈着作用等の人体皮膚障害を
効率的に防止すると同時に、可視光線から近赤外光線に
対する優れた遮熱効果に基づく清涼感に加え、優れた消
費耐久性を合成繊維に付与するものである。すなわち本
発明は、従来の合成繊維製造工程もしくは染色加工工程
で使用してきた比較的低分子量の紫外線吸収剤の欠点で
ある紡糸時の飛散や製品での耐光性／耐熱性不足、昇華
堅牢度低下を解決すると同時に、太陽光線の熱的エネル
ギーである可視光線から近赤外光線を効率的に反射遮熱
するために、従来法の欠点である合成繊維中に添加する
金属酸化物の粒径、添加量に起因する紡糸操業性低下と
該熱的エネルギー反射効率の両者を解決するものであ
る。
到達する太陽光中の紫外光線（中波長紫外線：ＵＶ−Ｂ
波０．２９〜０．３２μｍ、長波長紫外線：ＵＶ−Ａ波
０．３２〜０．４μｍ）を効果的に吸収遮断すること
で、日焼け（紅斑）、色素沈着作用等の人体皮膚障害を
効率的に防止すると同時に、可視光線から近赤外光線に
対する優れた遮熱効果に基づく清涼感に加え、優れた消
費耐久性を合成繊維に付与するものである。すなわち本
発明は、従来の合成繊維製造工程もしくは染色加工工程
で使用してきた比較的低分子量の紫外線吸収剤の欠点で
ある紡糸時の飛散や製品での耐光性／耐熱性不足、昇華
堅牢度低下を解決すると同時に、太陽光線の熱的エネル
ギーである可視光線から近赤外光線を効率的に反射遮熱
するために、従来法の欠点である合成繊維中に添加する
金属酸化物の粒径、添加量に起因する紡糸操業性低下と
該熱的エネルギー反射効率の両者を解決するものであ
る。
【０００４】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、紫外光
線を吸収し、可視光線及び近赤外光線を反射する合成繊
維において、酸化防止剤／紫外線吸収剤／金属酸化物微
粒子／及び顔料酸化チタンを、それぞれ０．００５〜
０．８重量％／０．１〜３重量％／０．５〜５重量％／
０．０２〜２．０重量％含有することを特徴とする遮光
性合成繊維である。
線を吸収し、可視光線及び近赤外光線を反射する合成繊
維において、酸化防止剤／紫外線吸収剤／金属酸化物微
粒子／及び顔料酸化チタンを、それぞれ０．００５〜
０．８重量％／０．１〜３重量％／０．５〜５重量％／
０．０２〜２．０重量％含有することを特徴とする遮光
性合成繊維である。
【０００５】本発明における遮光性合成繊維とは、地球
表面に到達し得る太陽光線の中で、紫外光線（ＵＶ−
Ａ，ＵＶ−Ｂ）を吸収すると同時に、可視光線及び近赤
外光線を反射する特性を兼備する合成繊維を意味するも
のである。かかる遮光性を、紡糸操業性低下、例えば、
ノズル詰まり、ローラー／ガイド類の汚れや摩耗損傷に
よる繊維毛羽、糸切れの発生を防止し経済的に製造する
と共に、最終製品、例えばブラウス、シャツ、ストッキ
ング等の衣料製品、カーテン、ロールスクリーン、ブラ
インド等のインテリア製品やテント、寒冷紗、傘地等の
産業資材製品に対して、優れた消費耐久性、例えば耐光
性／耐熱性、昇華堅牢度等を付与するために上記のごと
き配合量の特定の酸化防止剤／紫外線吸収剤／金属酸化
物微粒子／及び顔料酸化チタンを繊維製造時に均一に含
有させることが必要である。
表面に到達し得る太陽光線の中で、紫外光線（ＵＶ−
Ａ，ＵＶ−Ｂ）を吸収すると同時に、可視光線及び近赤
外光線を反射する特性を兼備する合成繊維を意味するも
のである。かかる遮光性を、紡糸操業性低下、例えば、
ノズル詰まり、ローラー／ガイド類の汚れや摩耗損傷に
よる繊維毛羽、糸切れの発生を防止し経済的に製造する
と共に、最終製品、例えばブラウス、シャツ、ストッキ
ング等の衣料製品、カーテン、ロールスクリーン、ブラ
インド等のインテリア製品やテント、寒冷紗、傘地等の
産業資材製品に対して、優れた消費耐久性、例えば耐光
性／耐熱性、昇華堅牢度等を付与するために上記のごと
き配合量の特定の酸化防止剤／紫外線吸収剤／金属酸化
物微粒子／及び顔料酸化チタンを繊維製造時に均一に含
有させることが必要である。
【０００６】本発明において使用する合成繊維用ポリマ
ーとしては、上記の酸化防止剤／紫外線吸収剤／金属酸
化物微粒子／及び顔料酸化チタンが繊維中に均一に溶解
もしくは分散できるものであれば特に制約はなく、例え
ばポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル、ポリオレ
フィン、ポリフェニレンサルファイドなどの種々のポリ
マーを使用できる。
ーとしては、上記の酸化防止剤／紫外線吸収剤／金属酸
化物微粒子／及び顔料酸化チタンが繊維中に均一に溶解
もしくは分散できるものであれば特に制約はなく、例え
ばポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル、ポリオレ
フィン、ポリフェニレンサルファイドなどの種々のポリ
マーを使用できる。
【０００７】上記ポリマーに添加する酸化防止剤は、耐
光性／耐熱性改善効果の見られるものであれば特に制約
はなく、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤やヒ
ンダードアミン系酸化防止剤が使用できるが、特に本発
明においては、ヒンダードフェノール系、ヒンダードア
ミン系酸化防止剤両者を併用すると極めて優れた遮光性
と耐光性／耐熱性が得られるので好ましい。ヒンダード
フェノール系酸化防止剤は含窒素型ヒンダードフェノー
ル系と含リン型ヒンダード系酸化防止剤の併用が耐光性
／耐熱性の点で特に好ましい。又、ヒンダードアミン系
酸化防止剤としては分子量１０００以上の高分子量型の
ものが耐光性／耐熱性改善効果の点で、特に好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤とヒンダードアミン
系酸化防止剤の重量配合比は３／１〜１／３が好まし
く、特に２／１〜１／２が好適である。これらの酸化防
止剤の使用量は、適用ポリマーの種類により異なるが、
０．００５〜０．８重量％、好ましくは０．０１〜０．
５重量％使用する。
光性／耐熱性改善効果の見られるものであれば特に制約
はなく、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤やヒ
ンダードアミン系酸化防止剤が使用できるが、特に本発
明においては、ヒンダードフェノール系、ヒンダードア
ミン系酸化防止剤両者を併用すると極めて優れた遮光性
と耐光性／耐熱性が得られるので好ましい。ヒンダード
フェノール系酸化防止剤は含窒素型ヒンダードフェノー
ル系と含リン型ヒンダード系酸化防止剤の併用が耐光性
／耐熱性の点で特に好ましい。又、ヒンダードアミン系
酸化防止剤としては分子量１０００以上の高分子量型の
ものが耐光性／耐熱性改善効果の点で、特に好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤とヒンダードアミン
系酸化防止剤の重量配合比は３／１〜１／３が好まし
く、特に２／１〜１／２が好適である。これらの酸化防
止剤の使用量は、適用ポリマーの種類により異なるが、
０．００５〜０．８重量％、好ましくは０．０１〜０．
５重量％使用する。
【０００８】紫外線吸収剤としては、繊維製造段階での
飛散、ポリマー中からのブリードアウトの少ないもの
で、紫外光線（ＵＶ−Ａ，ＵＶ−Ｂ）を効率よく吸収遮
断できるものであれば特に制約はなく、例えばベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸
収剤が使用できるが、特に本発明においては、紡糸操業
性と製品での遮光耐久性、耐光性／耐熱性及び昇華堅牢
度の点から融点１４０℃以上の低揮発性の紫外線吸収剤
が好ましい。融点１４０℃未満の高揮発性の紫外線吸収
剤は、後加工法、例えば染色同浴処理で良好な吸尽性が
得られる半面、製品を加熱すると、繊維表面にブリード
アウトし易いため、遮光耐久性に欠けるだけでなく染色
製品の昇華堅牢度を低下させる欠点を有する。紫外線吸
収剤の使用量は適用ポリマーの種類により異なるが、
０．１〜３重量％の使用が好ましい。使用量が０．１重
量％未満では紫外光線の吸収遮断効果が低く、３重量％
を越えるとブリードアウトし易くなる。
飛散、ポリマー中からのブリードアウトの少ないもの
で、紫外光線（ＵＶ−Ａ，ＵＶ−Ｂ）を効率よく吸収遮
断できるものであれば特に制約はなく、例えばベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸
収剤が使用できるが、特に本発明においては、紡糸操業
性と製品での遮光耐久性、耐光性／耐熱性及び昇華堅牢
度の点から融点１４０℃以上の低揮発性の紫外線吸収剤
が好ましい。融点１４０℃未満の高揮発性の紫外線吸収
剤は、後加工法、例えば染色同浴処理で良好な吸尽性が
得られる半面、製品を加熱すると、繊維表面にブリード
アウトし易いため、遮光耐久性に欠けるだけでなく染色
製品の昇華堅牢度を低下させる欠点を有する。紫外線吸
収剤の使用量は適用ポリマーの種類により異なるが、
０．１〜３重量％の使用が好ましい。使用量が０．１重
量％未満では紫外光線の吸収遮断効果が低く、３重量％
を越えるとブリードアウトし易くなる。
【０００９】本発明において使用する金属酸化物微粒子
としては、太陽光線中の可視光線及び近赤外光線を効率
的に反射遮蔽できるものであれば特に制約はなく、例え
ば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素等の少なくとも１種
以上の金属酸化物を使用できるが、該金属酸化物微粒子
の平均粒子径は、０．０５μｍ以下が重要で、特に本発
明においては、０．０２μｍ以下の超微粒子粉末を使用
すると、極めて優れた紡糸操業性と遮光性が得られるの
で好ましい。該金属酸化物微粒子の使用量は繊維太さや
要求される可視光線及び近赤外光線の反射レベルにより
左右されるが、０．５〜５重量％が好ましく、特に１〜
４重量％が紡糸操業性／遮光性のバランスが好ましい。
０．５重量％以下では、所望の遮光性が得られず、逆に
５重量％以上では紡糸操業性や後工程通過性（紡績性、
製編／製織性のガイド、ローラー摩耗）の低下に加え、
染色製品でのパステル化が顕著になる欠点が生ずる。
としては、太陽光線中の可視光線及び近赤外光線を効率
的に反射遮蔽できるものであれば特に制約はなく、例え
ば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素等の少なくとも１種
以上の金属酸化物を使用できるが、該金属酸化物微粒子
の平均粒子径は、０．０５μｍ以下が重要で、特に本発
明においては、０．０２μｍ以下の超微粒子粉末を使用
すると、極めて優れた紡糸操業性と遮光性が得られるの
で好ましい。該金属酸化物微粒子の使用量は繊維太さや
要求される可視光線及び近赤外光線の反射レベルにより
左右されるが、０．５〜５重量％が好ましく、特に１〜
４重量％が紡糸操業性／遮光性のバランスが好ましい。
０．５重量％以下では、所望の遮光性が得られず、逆に
５重量％以上では紡糸操業性や後工程通過性（紡績性、
製編／製織性のガイド、ローラー摩耗）の低下に加え、
染色製品でのパステル化が顕著になる欠点が生ずる。
【００１０】本発明の金属酸化物微粒子は、一般的に合
成繊維のダル剤として使用する平均粒径０．１〜０．３
μｍの顔料酸化チタンとは、使用目的が異なるため、本
発明のごとき、太陽光線中の熱線エネルギーを反射する
機能性以外に、白物、淡色品等の良好な繊維白度が要求
される場合は、本発明の金属酸化物微粒子に加えて、上
記の一般的なダル剤、例えばアナターゼ型酸化チタンを
０．０２〜２．０重量％、好ましくは０．１〜２．０重
量％併用する。また平均粒径０．１〜０．３μｍの顔料
酸化チタンを２重量％以上添加することでも太陽光線中
の可視光線及び近赤外光線を反射遮蔽することはできる
が、紡糸操業性が著しく低下するため実用性に欠ける。
本発明の金属酸化物微粒子を繊維中に均一分散するだけ
でも、適度な遮光性が得られるが、上記の特定酸化防止
剤及び紫外線吸収剤を併用することで、極めて優れた紡
糸操業性と遮光効果（紫外線吸収性プラス遮熱効果）に
加えて、耐光性／耐熱性、昇華堅牢度を大幅に改善する
ことができる。
成繊維のダル剤として使用する平均粒径０．１〜０．３
μｍの顔料酸化チタンとは、使用目的が異なるため、本
発明のごとき、太陽光線中の熱線エネルギーを反射する
機能性以外に、白物、淡色品等の良好な繊維白度が要求
される場合は、本発明の金属酸化物微粒子に加えて、上
記の一般的なダル剤、例えばアナターゼ型酸化チタンを
０．０２〜２．０重量％、好ましくは０．１〜２．０重
量％併用する。また平均粒径０．１〜０．３μｍの顔料
酸化チタンを２重量％以上添加することでも太陽光線中
の可視光線及び近赤外光線を反射遮蔽することはできる
が、紡糸操業性が著しく低下するため実用性に欠ける。
本発明の金属酸化物微粒子を繊維中に均一分散するだけ
でも、適度な遮光性が得られるが、上記の特定酸化防止
剤及び紫外線吸収剤を併用することで、極めて優れた紡
糸操業性と遮光効果（紫外線吸収性プラス遮熱効果）に
加えて、耐光性／耐熱性、昇華堅牢度を大幅に改善する
ことができる。
【００１１】合成繊維中に、これらの酸化防止剤、紫外
線吸収剤、金属酸化物微粒子及び顔料酸化チタンを添加
する方法は、適用ポリマーの種類により異なるが、公知
のポリマー重合段階もしくは紡糸段階（紡糸原液にブレ
ンド）で添加する。これらの酸化防止剤、紫外線吸収
剤、金属酸化物微粒子及び顔料酸化チタンを含有するポ
リマーは公知の乾式もしくは湿式紡糸方法で繊維化され
る。繊維の断面形状、太さは任意のものを適用できる
が、丸断面に比べて表面積の大きい異形断面繊維の方が
遮光性の点で好ましい。特に、異形度２以上、更に好ま
しくは異形度３以上が望ましい。
線吸収剤、金属酸化物微粒子及び顔料酸化チタンを添加
する方法は、適用ポリマーの種類により異なるが、公知
のポリマー重合段階もしくは紡糸段階（紡糸原液にブレ
ンド）で添加する。これらの酸化防止剤、紫外線吸収
剤、金属酸化物微粒子及び顔料酸化チタンを含有するポ
リマーは公知の乾式もしくは湿式紡糸方法で繊維化され
る。繊維の断面形状、太さは任意のものを適用できる
が、丸断面に比べて表面積の大きい異形断面繊維の方が
遮光性の点で好ましい。特に、異形度２以上、更に好ま
しくは異形度３以上が望ましい。
【００１２】また、本発明における合成繊維中には、上
記添加剤以外に、着色剤、難燃剤、抗菌剤、消臭剤、撥
水剤、撥油剤、制電剤、導電剤、吸水剤、芳香剤、防虫
剤等の機能改質剤を併用してもよい。このようにして得
られた遮光性合成繊維は、短繊維、長繊維（生フィラメ
ント）又は加工糸として、単独又は天然繊維もしくは他
の化合繊繊維と混用して種々の糸形態とし、公知の方法
で編物、織物や不織布等のシート状製品として使用す
る。
記添加剤以外に、着色剤、難燃剤、抗菌剤、消臭剤、撥
水剤、撥油剤、制電剤、導電剤、吸水剤、芳香剤、防虫
剤等の機能改質剤を併用してもよい。このようにして得
られた遮光性合成繊維は、短繊維、長繊維（生フィラメ
ント）又は加工糸として、単独又は天然繊維もしくは他
の化合繊繊維と混用して種々の糸形態とし、公知の方法
で編物、織物や不織布等のシート状製品として使用す
る。
【００１３】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、実施例において、％は全て重量％を意味する。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、実施例において、％は全て重量％を意味する。
【００１４】遮光性合成繊維の特性は、下記方法によっ
て測定した。
て測定した。
【００１５】１．紫外線吸収剤（ＵＶカット性） 測定試料白物１枚を、分光光度計にて波長０．２９μｍ
〜０．４μｍ域の紫外線透過度を測定し、測定試料なし
（ブランク）との面積差を算出し、紫外線吸収性（ＵＶ
カット性）とした。
〜０．４μｍ域の紫外線透過度を測定し、測定試料なし
（ブランク）との面積差を算出し、紫外線吸収性（ＵＶ
カット性）とした。
【００１６】２．可視光線反射性 白物試料１枚について、分光光度計にて波長０．４μｍ
〜０．７μｍ域の分光反射率を測定し、得られた反射率
曲線の面積を通常試料の面積と対比し、可視光線反射性
とした。
〜０．７μｍ域の分光反射率を測定し、得られた反射率
曲線の面積を通常試料の面積と対比し、可視光線反射性
とした。
【００１７】３．耐光性 色物試料を、紫外線フェードメーターにより８３℃×２
００時間照射後、JIS−Ｌ−０８０４変退色用グレース
ケールにより耐光性を１〜５級判定した。
００時間照射後、JIS−Ｌ−０８０４変退色用グレース
ケールにより耐光性を１〜５級判定した。
【００１８】４．耐熱性 色物試料を、乾熱１２０℃×１００時間処理後、JIS 変
退色グレースケール判定で耐熱性を１〜５級判定した。
退色グレースケール判定で耐熱性を１〜５級判定した。
【００１９】５．耐洗濯性 白物試料を、JIS −Ｌ−０２１７法（１０３法）に準じ
１０回洗濯後、上記紫外線吸収性及び可視光線反射性を
測定し、遮光性の耐洗濯性の評価とした。
１０回洗濯後、上記紫外線吸収性及び可視光線反射性を
測定し、遮光性の耐洗濯性の評価とした。
【００２０】６．昇華堅牢度 色物試料を、JIS −Ｌ−０８５４法に準じ、１２０℃×
８０時間試験後、貯蔵中昇華に対する染色堅牢度を測定
した。
８０時間試験後、貯蔵中昇華に対する染色堅牢度を測定
した。
【００２１】７．紡糸操業性 繊維製造時の紡糸ノズル背圧、ガイド／ローラー類付着
汚れ、糸切れ率の点から、可紡性良好であれば○、困難
であれば×とした。
汚れ、糸切れ率の点から、可紡性良好であれば○、困難
であれば×とした。
【００２２】８．清涼感 試験布帛及び比較用の同一規格ブランク布帛を用い、左
右対称のブラウス製品を作成し、真夏炎天下、２時間着
用試験後の着用感を評価し、ブランク布帛より明らかに
清涼感あるものを○、ブランク布帛と同等もしくは同等
以下のものを×とした。
右対称のブラウス製品を作成し、真夏炎天下、２時間着
用試験後の着用感を評価し、ブランク布帛より明らかに
清涼感あるものを○、ブランク布帛と同等もしくは同等
以下のものを×とした。
【００２３】実施例 １ 平均粒径０．２μｍのアナターゼ型顔料酸化チタン０．
５％を、ポリマー重合時に添加して得られた極限粘度
〔η〕０．６７のポリエチレンテレフタレートに対し、
ヒンダードフェノール系酸化防止剤（IRGANOX １０９８
＝日本チバガイギー社＝含窒素型ヒンダードフェノール
系／IRGANOX １６８＝日本チバガイギー社＝含リン型ヒ
ンダード系：重量比１／１配合）０．１％、ヒンダード
アミン系酸化防止剤（CHIMASSORB９４４＝日本チバガイ
ギー社）０．２％、低揮発性ベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤（ TINUVINN ２３４＝日本チバガイギー社＝融
点１４０℃）０．５％及び平均粒径０．０２μｍの超微
粒子金属酸化物（酸化チタン微粉末）１％をマスターチ
ップブレンド法で均一に練り込み、公知の溶融紡糸方法
にて、７５デニール／３６フィラメントの長繊維とした
後、織物密度たて１５０本／インチ、よこ９６本／イン
チの平織物を得た。得られた平織物をポリエステル布用
公知の方法で白物（精練セット布）及び色物（日本化薬
社分散染料：カヤロンポリエステルブルーＥ−FBL ０．
８％ owf相当の染液中で１３０℃×６０分間染色、常法
で還元洗浄後、乾燥、１６０℃×４５秒仕上セット）を
最終的に得た。得られた資料について前記諸性能を測定
評価した結果を表１に示す。
５％を、ポリマー重合時に添加して得られた極限粘度
〔η〕０．６７のポリエチレンテレフタレートに対し、
ヒンダードフェノール系酸化防止剤（IRGANOX １０９８
＝日本チバガイギー社＝含窒素型ヒンダードフェノール
系／IRGANOX １６８＝日本チバガイギー社＝含リン型ヒ
ンダード系：重量比１／１配合）０．１％、ヒンダード
アミン系酸化防止剤（CHIMASSORB９４４＝日本チバガイ
ギー社）０．２％、低揮発性ベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤（ TINUVINN ２３４＝日本チバガイギー社＝融
点１４０℃）０．５％及び平均粒径０．０２μｍの超微
粒子金属酸化物（酸化チタン微粉末）１％をマスターチ
ップブレンド法で均一に練り込み、公知の溶融紡糸方法
にて、７５デニール／３６フィラメントの長繊維とした
後、織物密度たて１５０本／インチ、よこ９６本／イン
チの平織物を得た。得られた平織物をポリエステル布用
公知の方法で白物（精練セット布）及び色物（日本化薬
社分散染料：カヤロンポリエステルブルーＥ−FBL ０．
８％ owf相当の染液中で１３０℃×６０分間染色、常法
で還元洗浄後、乾燥、１６０℃×４５秒仕上セット）を
最終的に得た。得られた資料について前記諸性能を測定
評価した結果を表１に示す。
【００２４】実施例 ２ ポリエチレンテレフタレートをナイロン６に変更する以
外は実施例１と同じ条件で得られた７５デニール／３６
フィラメントの長繊維を用いた同規格の平織物をナイロ
ン布用公知の方法で白物（精練セット布）及び色物（住
友化学社酸性染料スミノールミーリングサイヤニン５Ｒ
０．５％owf 相当の染液中で、ボイル６０分間染色、常
法で洗浄後、乾燥、１６０℃×４５秒仕上セット）を得
た。得られた試料の諸性能の評価結果を表１に示す。
外は実施例１と同じ条件で得られた７５デニール／３６
フィラメントの長繊維を用いた同規格の平織物をナイロ
ン布用公知の方法で白物（精練セット布）及び色物（住
友化学社酸性染料スミノールミーリングサイヤニン５Ｒ
０．５％owf 相当の染液中で、ボイル６０分間染色、常
法で洗浄後、乾燥、１６０℃×４５秒仕上セット）を得
た。得られた試料の諸性能の評価結果を表１に示す。
【００２５】比較例 １ 平均粒径０．０２μｍの超微粒子金属酸化物（酸化チタ
ン微粒子）を添加しない以外は実施例１と同じ条件で得
られた７５デニール／３６フィラメントの長繊維を用い
た平織物の白物および色物を得た。得られた試料の評価
結果を表１に示す。
ン微粒子）を添加しない以外は実施例１と同じ条件で得
られた７５デニール／３６フィラメントの長繊維を用い
た平織物の白物および色物を得た。得られた試料の評価
結果を表１に示す。
【００２６】比較例 ２ 平均粒径０．２μｍのアナターゼ型顔料酸化チタン及び
平均粒径０．０２μｍの超微粒子金属酸化物（酸化チタ
ン微粒子）を添加しない以外は実施例１と同じ条件で得
られた７５デニール／３６フィラメントの長繊維を用い
た平織物の白物および色物を得た。得られた試料の評価
結果を表１に示す。
平均粒径０．０２μｍの超微粒子金属酸化物（酸化チタ
ン微粒子）を添加しない以外は実施例１と同じ条件で得
られた７５デニール／３６フィラメントの長繊維を用い
た平織物の白物および色物を得た。得られた試料の評価
結果を表１に示す。
【００２７】比較例 ３ 低揮発性ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を添加しな
い以外は実施例１と同じ条件で得られた７５デニール／
３６フィラメントの長繊維を用いた平織物の白物および
色物を得た。得られた試料の評価結果を表１に示す。
い以外は実施例１と同じ条件で得られた７５デニール／
３６フィラメントの長繊維を用いた平織物の白物および
色物を得た。得られた試料の評価結果を表１に示す。
【００２８】比較例 ４ 低揮発性ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及び平均粒
径０．０２μｍの超微粒子金属酸化物（酸化チタン微粒
子）を添加しない以外は実施例１と同じ条件で得られた
７５デニール／３６フィラメントの長繊維を用いた平織
物の白物および色物を得た。得られた試料の評価結果を
表１に示す。
径０．０２μｍの超微粒子金属酸化物（酸化チタン微粒
子）を添加しない以外は実施例１と同じ条件で得られた
７５デニール／３６フィラメントの長繊維を用いた平織
物の白物および色物を得た。得られた試料の評価結果を
表１に示す。
【００２９】比較例 ５ 低揮発性ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤（ TINUVIN
−２３４）の代わりに揮発性ベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤（ TINUVIN−３２６＝日本チバガイギー社）を
使用する以外は実施例１と同じ条件で得られた７５デニ
ール／３６フィラメントの長繊維を用いた平織物の白物
および色物を得た。得られた試料の評価結果を表１に示
す。
−２３４）の代わりに揮発性ベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤（ TINUVIN−３２６＝日本チバガイギー社）を
使用する以外は実施例１と同じ条件で得られた７５デニ
ール／３６フィラメントの長繊維を用いた平織物の白物
および色物を得た。得られた試料の評価結果を表１に示
す。
【００３０】比較例 ６ 平均粒径０．２μｍのアナターゼ型顔料酸化チタンのみ
添加する以外は実施例１と同じ条件で得られた７５デニ
ール／３６フィラメントの長繊維を用いた平織り物の白
物及び色物を得た。得られた試料の評価結果を表１に示
す。
添加する以外は実施例１と同じ条件で得られた７５デニ
ール／３６フィラメントの長繊維を用いた平織り物の白
物及び色物を得た。得られた試料の評価結果を表１に示
す。
【００３１】
【表１】
【００３２】
【発明の効果】本発明によれば、合成繊維中に、特定の
酸化防止剤／低揮発性紫外線吸収剤／粒径０．０５μｍ
以下の金属酸化物微粒子及び顔料酸化チタンを均一に添
加することで、紡糸操業性低下が少なく、耐光性／耐熱
性、染色物の昇華堅牢度等の消費耐久性に優れ、しか
も、太陽光線中の紫外光線を効率的に吸収すると同時
に、可視光線から近赤外光線までの熱エネルギーを反射
する、極めて遮光性の優れた合成繊維が得られる。本発
明の遮光性合成繊維を使用した各種シート状物は、極め
て優れた日焼防止機能に加えて、太陽光の熱エネルギー
反射遮蔽による清涼機能を効率的に付与できるため、太
陽光の各種障害を回避すべき衣料、インテリア、産業資
材の各種分野への適用が可能となり、その効果は極めて
大きい。
酸化防止剤／低揮発性紫外線吸収剤／粒径０．０５μｍ
以下の金属酸化物微粒子及び顔料酸化チタンを均一に添
加することで、紡糸操業性低下が少なく、耐光性／耐熱
性、染色物の昇華堅牢度等の消費耐久性に優れ、しか
も、太陽光線中の紫外光線を効率的に吸収すると同時
に、可視光線から近赤外光線までの熱エネルギーを反射
する、極めて遮光性の優れた合成繊維が得られる。本発
明の遮光性合成繊維を使用した各種シート状物は、極め
て優れた日焼防止機能に加えて、太陽光の熱エネルギー
反射遮蔽による清涼機能を効率的に付与できるため、太
陽光の各種障害を回避すべき衣料、インテリア、産業資
材の各種分野への適用が可能となり、その効果は極めて
大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平３−206102（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−213536（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−117508（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−323218（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−333612（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−59613（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−117935（ＪＰ，Ａ) 特公 昭49−35812（ＪＰ，Ｂ１) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) D01F 1/00 - 8/18
Claims (1)
- 【請求項１】 紫外光線を吸収し、可視光線及び近赤外
光線を反射する合成繊維において、酸化防止剤／紫外線
吸収剤／金属酸化物微粒子／及び顔料酸化チタンを、そ
れぞれ０．００５〜０．８重量％／０．１〜３重量％／
０．５〜５重量％／０．０２〜２．０重量％含有するこ
とを特徴とする遮光性合成繊維。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34642393A JP3227967B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 遮光性合成繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34642393A JP3227967B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 遮光性合成繊維 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07189018A JPH07189018A (ja) | 1995-07-25 |
| JP3227967B2 true JP3227967B2 (ja) | 2001-11-12 |
Family
ID=18383325
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP34642393A Expired - Lifetime JP3227967B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 遮光性合成繊維 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3227967B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012062591A (ja) * | 2010-09-15 | 2012-03-29 | Mitsubishi Rayon Textile Co Ltd | カチオン可染性複合繊維及びその製造方法と、同複合繊維を含む繊維製品 |
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|---|---|---|---|---|
| JP2002129431A (ja) * | 2000-10-16 | 2002-05-09 | Kureha Chem Ind Co Ltd | ポリアミドモノフィラメント |
| DE102004031283A1 (de) * | 2004-06-29 | 2006-02-16 | Sachtleben Chemie Gmbh | Polymere Werkstoffe mit hohen Gehalten an anorganischen Feststoffen und Verfahren zu deren Herstellung |
| JP4725144B2 (ja) * | 2005-03-16 | 2011-07-13 | 東レ・モノフィラメント株式会社 | 抄紙プレスフェルト基布 |
| JP2006265777A (ja) * | 2005-03-24 | 2006-10-05 | Toray Monofilament Co Ltd | 工業布帛用ポリアミドステープルおよび工業布帛 |
| JP2007332507A (ja) * | 2006-06-16 | 2007-12-27 | Kaneka Corp | ポリアミド系人工毛髪用繊維 |
| TWI401285B (zh) * | 2009-12-18 | 2013-07-11 | Taiwan Textile Res Inst | 用以製備近紅外線遮蔽母粒的組成物與方法以及近紅外線遮蔽母粒與其應用 |
| JP2020041228A (ja) * | 2018-09-07 | 2020-03-19 | 株式会社クラレ | ポリエステル系複合繊維 |
| TWI798707B (zh) * | 2021-05-28 | 2023-04-11 | 財團法人紡織產業綜合研究所 | 光變色阻熱纖維和其製備方法 |
| WO2024106369A1 (ja) * | 2022-11-17 | 2024-05-23 | 東レ株式会社 | 繊維積層構造体および防水透湿性衣料 |
-
1993
- 1993-12-22 JP JP34642393A patent/JP3227967B2/ja not_active Expired - Lifetime
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012062591A (ja) * | 2010-09-15 | 2012-03-29 | Mitsubishi Rayon Textile Co Ltd | カチオン可染性複合繊維及びその製造方法と、同複合繊維を含む繊維製品 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07189018A (ja) | 1995-07-25 |
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