JPH0544071U - 布帛搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】特別な防止装置を付設せずに、薄い布帛を搬送
する場合でも、搬送される布帛がプーリーとベルトとの
間に食い込むこようなことのないようにする。 【構成】ベルト11とプーリー10とよりなり、プーリー10
の厚さをベルト11の幅より小さくする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、ボタン穴かがりインデキサーにおける縫製終了後の身頃排出等に 用いられる布帛搬送装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ボタン穴かがりインデキサーにおける縫製終了後の身頃の排出は、従来、図３ 及び図４に示すように、２本の丸ベルト２２よりなるコンベアによって行われて いる。この丸ベルト２２は、排出プーリー２３の厚さよりかなり細いものである 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記の丸ベルト２２による搬送装置は、身頃Ｆを丸ベルト２２との接触だけで 排出しているので、丸ベルト２２と接触している部分は、スムーズに送られるが 、その他の部分は、身頃Ｆと補助テーブル７との摩擦により遅れが生じ、図４に 示すように襞が入って丸ベルト２２側、即ち、矢印Ａ方向に寄せられる。そのた め、特に身頃後部が丸ベルト２２の上側に乗り上げ、排出プーリー２３と丸ベル ト２２との間に挟まれてスムーズに排出することができなくなることがある。こ れは、取り分け、薄い身頃の場合に顕著である。また、図５に示すように、排出 プーリー２３の直ぐ後方にワーク押えプレート２４を設けたり、図６に示すよう に、排出プーリー２３の下側の丸ベルト２２間にスポンジ２５を配して、食い込 み防止をする工夫もなされているが、これらも必ずしも満足のいくものとはいえ ない。

【０００４】 この考案は、特別な防止装置を付設せずに、薄い布帛を搬送する場合でも、搬 送される布帛がプーリーとベルトとの間に食い込むこようなことのない布帛搬送 装置を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、この考案の布帛搬送装置は、ベルトとプーリーと よりなり、プーリーの厚さがベルトの幅より小さいものである。

【０００６】

【作 用】

上記のように構成された布帛搬送装置においては、搬送面との摩擦によって布 帛後方に遅れが生じ、ベルト側に寄せられても、プーリーがベルト端面から離れ た位置にあり、プーリーとベルトとの間に食い込むまでにはいたらない。

【０００７】

【実施例】

この考案の布帛搬送装置について説明する前に、先ず、図１を参照し、その布 帛搬送装置が採用されるボタン穴かがりインデキサーの概要を説明する。

【０００８】 このボタン穴かがりインデキサーは、本体フレーム１にボタン穴かがりミシン ２、レール４上を移動する移動テーブル３、身頃押えユニット５、この考案の布 帛搬送装置を構成するコンベアユニット６、補助テーブル７、ミシンテーブル８ 等を備えたもので、従来広く使用されているものと基本構造は変わらない。なお 、９ａは、操作スイッチ盤、９ｂはスタートスイッチである。

【０００９】 このボタン穴かがりインデキサーによるボタン穴かがりは、次のようにしてな される。先ず、ボタン穴かがり用身頃を身頃押えユニット５にセットしてスター トスイッチ９ｂのスタートボタンを押すと、移動テーブル３と身頃押えユニット ５が同時に矢印Ｂ方向に所定量づつ送られ、ボタン穴かがりが数個分行われる。 図１における移動テーブル３及び身頃押えユニット５の位置は、最終ボタン穴か がりがなされたときのものである。こうして最終ボタン穴かがりが終わると、コ ンベアーユニット６の排出ベルト部が矢印Ｃ方向に回動され、その排出ベルトが 身頃に接触するとほぼ同時に身頃押えユニット５が解除される。その後、排出ベ ルトが駆動され、身頃が排出される。

【００１０】 次に、図２を参照し、この考案の布帛搬送装置を構成するコンベアユニット６ について、説明する。

【００１１】 コンベアユニット６は、ミシンテーブル８の上に固定されたコンベアベース１ ２にコンベアアーム軸１３によって回動可能に取り付けられたコンベアアーム１ ４にコンベアフレーム１５及びコンベアフレームブラケット１６を介して排出プ ーリー１０及び排出ベルト１１が支持されたものである。

【００１２】 コンベアアーム１４には、コンベアベース１２にブラケット１７を介して取り 付けられたエアーあるいは油圧のシリンダー１８の一端がリンクボール１９を介 して取り付けられている。最終ボタン穴かがりが終わったときに、シリンダー１ ８のロッドが伸ばされることによって、コンベアユニット６は、実線に示す位置 から１点鎖線に示す位置まで回動するが、通常は、バネ２０に引っ張られて実線 に示す位置にある。

【００１３】 排出ベルト１１には、３山のＶベルトが使用され、排出プーリー１０の厚さは 排出ベルト１１の幅より小さくされている。排出ベルト１１は、この他に平ベル トでもよく、その場合、平ベルトが外れないように、排出プーリー１０には、中 央の径が最も大きいタイヤ状のものが採用される。また、排出プーリー１０と排 出ベルト１１に、歯車及びタイミングベルトを使用することもできるが、その場 合、ベルトの幅方向位置を定めるための部材が必要となる。いずれの場合も、排 出プーリー１０の厚さが排出ベルト１１の幅より小さくされている点に変わりは ない。なお、２１は、排出プーリー１０を駆動するためのモーターである。

【００１４】 このように構成された排出プーリー１０と排出ベルト１１とによって身頃を排 出するときは、排出ベルト１１の駆動によって排出ベルト１１と接触している部 分は遅れずに移動し、スムーズに送られる。また、排出ベルト１１より遠い部分 も、身頃と補助テーブル７との摩擦によって遅れて排出され、排出ベルト１１側 に寄せられて排出ベルト１１に乗り上げてくることがあるが、排出ベルト１１よ り内側に排出プーリー１０の側面があるので、排出ベルト１１と排出プーリー１ ０との間に身頃が挟まれることがなくなり、スムーズに排出される。

【００１５】

【考案の効果】

この考案は、以上説明したように構成されているので、以下に記載するような 効果を奏する。

【００１６】 即ち、プーリーの厚さをベルト幅より小さくしたので、身頃排出時にベルトと プーリーの間に身頃が挟まれることなく、スムーズに排出することができるよう になった。また、丸ベルトを使用する従来のものより、身頃に対する接触面積が 増し、排出時の圧力を小さくすることができるので、モーターへの負荷を小さく することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の布帛搬送装置が採用されるボタン穴
かがりインデキサーの斜視図である。

【図２】この考案の布帛搬送装置の一部を破断した側面
図である。

【図３】従来の布帛搬送装置の一部を破断した側面図で
ある。

【図４】従来の布帛搬送装置の一部を省略した平面図で
ある。

【図５】従来の別の布帛搬送装置の概略正面図である。

【図６】従来の更に別の布帛搬送装置の一部を破断した
側面図である。

【符号の説明】

２ ボタン穴かがりミシン ３ 移動テーブル ５ 身頃押えユニット ６ コンベアユニット ７ 補助テーブル ８ ミシンテーブル １０ 排出プーリー １１ 排出ベルト

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ベルトとプーリーとよりなり、プーリーの
   厚さがベルトの幅より小さい布帛搬送装置。