JPH0435325B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はゴムシートを切断して定寸板を形成
し、該定寸板を上下金型間に供給するシート供給
装置に関する。

〔従来の技術とその問題点〕

従来、この種のシール供給装置は、第５図に示
す様に、カツタａと、該カツタａを受ける受台ｂ
と、ロール状に巻設されたゴムシートｃを該カツ
タａと受台ｂとの間に繰出する繰出部材ｄと、を
備え、該ゴムシートｃを矢印ｅ方向に繰出して、
該ゴムシートｃの先端部が所定位置に達したとき
に、その繰出しを停止し、カツタａを下降させて
該シートｃを切断し、その後、該カツタａを上昇
させると共に、切断されて形成された定寸板ｆを
図外の上下金型間に搬送し、かつ、切断後のゴム
シートｃを矢印ｅ方向に繰出して、その先端部が
所定位置に達したときに上述と同様に該ゴムシー
トｃを切断するものである。つまり、ゴムシート
ｃは受台ｂ上を摺動することになる。

しかして、ゴムシートｃは、ゴムの粘着性によ
り、カツタの切断時の押圧力にて受台ｂに粘着す
る場合が生じる。そして、この場合、ゴムシート
ｃを矢印ｅ方向に摺動させようとすれば、第６図
の仮想線で示す様に、ゴムシートｃの先端部が矢
印ｅ方向に移動せず、盛り上がつたり、又は、受
台ｂと繰出部材ｄのローラｇとの間に落ち込んだ
りして、摺動を行なうことができない。従つて、
このような場合、一旦、この装置を停止させ、上
述のトラブルを解除した後、作業を行なわなけれ
ばならず、面倒であると共に、極めて能率が悪い
ものであつた。

そこで、本発明では、従来のこのような問題点
を解決して、ゴムシートを順次切断して、定寸板
を形成することができると共に、この定寸板を上
下金型間に搬送できるシート供給装置を提供する
ことを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明のシート供給装置は、エンドレス状のベ
ルトを有するコンベアと；該コンベアのベルト上
に載置状に配設され、かつ該ベルトの駆動により
水平方向に搬送される下敷板と；上記ベルトの停
止状態にて、上記下敷板上に配設されたゴムシー
トを切断して、該ゴムシートの先端部を定寸板と
する切断部材と；上記ベルトの駆動によりゴムシ
ートが下敷板とともに水平方向に搬送されて該ゴ
ムシートの先端部が所定位置に達したときに、該
先端部を吸着して、該先端部と下敷板とを離間さ
せると共に、上記切断部材により形成された定寸
板を上下金型間に搬送する搬送部材と；上記ゴム
シートの先端部が下敷板から離間した状態にて、
該下敷板を、該ゴムシートの切断部材による切断
可能な位置まで戻す帰還部材と；を備えている。

〔作用〕

上述の如く構成すれば、ゴムシートは、下敷板
上を摺動せず、該下敷板とともに搬送されること
になり、ゴムシートが、ゴムの粘着性により切断
時の押圧力にて下敷板に粘着した場合も、ゴムシ
ートの搬送は何ら影響されることがなくなる。

〔実施例〕

以下、実施例を示す図面に基づいて本発明を詳
説する。

第１図は本発明に係るシート供給装置を示し、
このシート供給装置は、エンドレス状のベルト１
を有するコンベア２と、該コンベア２のベルト１
上に載置状に配設される下敷板３と、該下敷板３
上に配設されたゴムシート４を切断して定寸板５
を形成する切断部材６と、該定寸板５を加硫成形
するための金型装置１１の上下金型７，８間に搬
送する搬送部材９と、下敷板３を切断部材６によ
る切断可能な位置まで戻す帰還部材１０と、を備
えている。なお、上下金型７，８は、夫々上下熱
盤３２，３３に取付けられている。

しかして、コンベア２は両端にローラ１２，１
３を有するコンベア本体１４と、基端側のローラ
１２に近接状とされて該コンベア本体１４に付設
される押えローラ１６と、該コンベア本体１４を
上下動させる上下位置変更部材１５と、を備え、
上述のベルト１が該コンベア本体１４の上下面を
包囲するように、ローラ１２，１３間に張設され
ている。従つて、ローラ１２，１３が矢印の如く
回転すれば、ベルト１は矢印の如く回転駆動す
る。即ち、ゴムシート４を押えローラ１６とベル
ト１間に挟持させ、ローラ１２，１３を矢印の如
く回転させれば、ゴムシート４は矢印Ａの如く移
動する。

また、上記上下位置変更部材１５は、基盤１７
上に固定される本体部１８と、上記コンベア本体
１４に取付けられるピストンロツド部１９と、か
らなり、該ピストンロツド部１９の上下動によ
り、該コンベア本体１４を上下動させて、ベルト
１、ローラ１２，１３及び押えローラ１６を同時
に上下動させる。また、この上下位置変更部材１
５は、コンベア本体１４の両側端側に夫々２個づ
つ設けられ、ベルト１の回転に邪魔にならないよ
うに設定されている。

そして、下敷板３はベルト１上に載置状に配設
されているので、該ベルト１が駆動すれば、その
ベルト１の駆動に従つて水平方向に搬送される。
なお、この下敷板３の幅寸法は、ベルト１の幅寸
法より僅かに大きく設定されている。つまり、平
面的にみて下敷板３はベルト１の両側端より僅か
に突出している。

しかして、切断部材６は、基盤１７上にコンベ
ア本体１４を挟んで立設される一対の竪枠２０，
２０と、該竪枠２０，２０に取付けられる２基の
シリンダ２２，２２と、該シリンダ２２，２２に
付設されると共に該シリンダ２２，２２にて上下
動するカツタ２１と、からなり、該カツタ２１が
下降して、ゴムシート４を切断して、該ゴムシー
ト４の先端部を定寸板５とする。また、この場
合、カツタ２１の長さ寸法は、勿論、ゴムシート
４の幅寸法より僅かに長く設定されている。

次に、搬送部材９は、定寸板５を真空吸着する
吸着パツト２３…と、該吸着パツト２３…を保持
するパツト取付枠２５と、該パツト取付枠２５
を、ゴムシート４の流れの上流又は下流方向に移
動させる駆動部２４と、該駆動部２４とパツト取
付枠２５とを連結する連結枠３５と、からなる。

即ち、この吸着パツト２３…は、平面的に見て
全体が略矩形状とされたパツト取付枠２５に、適
宜間隔に垂設され、また、駆動部２４は、スライ
ドブロツク２６と該スライドブロツク２６を矢印
Ｃ，Ｄ方向に摺動させるシリンダ２７と、からな
り、基盤１７上に立設された枠体３４に取付けら
れている。そして、このブロツク２６とパツト取
付枠２５とを連結枠３５にて連結している。

従つて、この駆動部２４のブロツク２６を矢印
Ｃ方向にスライドさせれば、パツト取付枠２５に
取付けられた吸着パツト２３は、第２図に示す様
に、矢印方向に移動することになる。そして、こ
の場合、吸着パツト２３は金型装置１１の上下金
型７，８間に介在される位置となるように設定さ
れる。なお、連結枠３５は、切断部材６の竪枠２
０，２０間及びシリンダ２２，２２間を移動し、
該連結枠３５は切断部材６に邪魔されず、移動可
能とされている。

しかして、帰還部材１０は、下敷板３の先端面
に当接する押圧片部２８を有するスライドブロツ
ク２９と、該スライドブロツク２９を矢印Ｅ，Ｆ
の如くスライドさせるシリンダ３０と、該シリン
ダ３０を保持する保持体３１と、からなり、該保
持体３１は基盤１７上に固着されている。また、
この帰還部材１０はコンベア本体１４を挟んで２
基設けられ、押圧片部２８，２８はベルト１の側
端から突出している下敷板３を２点から押圧する
ことになる。なお、押圧部材２８を二叉状とし
て、コンベア本体１４を挟んだ状態にて下敷板３
を２点から押圧するものとすれば、この帰還部材
１０は１基とすることができる。

従つて、下敷板３がベルト１により搬送され
て、第４図に示す状態になつていれば、この帰還
部材１０のスライドブロツク２９を矢印Ｆ方向に
スライドさせれば、該下敷板３を第１図に示す状
態に戻すことができる。また、このとき、該帰還
部材１０は、下敷板３を戻せば、直ちに、第１図
乃至第４図に示す状態（つまり、ゴムシート４の
流れの下流側に位置する状態）と戻るように設定
される。

しかして、上述の如く構成すれば、順次形成さ
れる定寸板５を金型装置１１の上下金型７，８間
に搬送させ、該定寸板５を加硫成形することがで
きる。

即ち、第１図に示す状態（つまり、ゴムシート
４の先端部を搬送部材９の吸着パツト２３にて吸
着させ、かつ、コンベア本体１４を下降させると
共に、下敷板３を切断部材６のカツタ２１に受け
る位置とし、また、ベルト１が駆動していない状
態）とし、該カツタ２１を下降させ、ゴムシート
４を切断して、その切断により、吸着パツト２３
にて吸着されたゴムシート４の先端部を所定寸法
の定寸板５に形成する。そして、この定寸板５を
吸着した状態において、搬送部材９のスライドブ
ロツク２６を矢印Ｃ方向にスライドさせ、第２図
に示す様に、吸着パツト２３を上下金型７，８間
に介在させて、該定寸板５を、該吸着パツト２３
から離間させ、上金型８上に載置する。

次に、コンベア２のベルト１を駆動して、ゴム
シート４とともに下敷板３を矢印Ａ方向に移動さ
せ、該ゴムシート４の先端部が所定位置に達すれ
ば、ベルトの駆動を停止すると共に、搬送部材９
のスライドブロツク２６を矢印Ｄ方向にスライド
させて、吸着パツト２３を、該ゴムシート４の先
端部に対応する位置に戻し、さらに、このとき、
コンベア２のコンベア本体１４を上昇させ、ゴム
シート４の先端部を吸着パツト２３に吸着させ
る。次に、コンベア本体１４を下降させて、第４
図に示す様に、該ゴムシート４の先端部と下敷板
３とを離間させる。なお、この場合、下敷板３は
比較的重量が大であるので、該下敷板３はゴムシ
ート４に吸着されることなく、該ゴムシート４と
下敷板３とは離間する。

そして、この第４図に示す状態から、帰還部材
１０のスライドブロツク２９を矢印Ｆ方向にスラ
イドさせて、下敷板３を、押圧してゴムシート４
の切断部材６による切断可能な位置まで戻し、第
１図に示す状態とする。

従つて、この工程を順次繰り返せば、常に正確
な定寸板５を金型装置１１の上下金型７，８間に
順次搬送することができ、この定寸板５を加硫形
成することができる。

本発明は図示の実施例に限定されず、本発明の
要旨を逸脱しない範囲で設計変更自由であり、例
えば、定寸板５を上下金型７，８間に搬送すると
きに、ゴムシート４を切断した後、直ちに、ベル
ト１を駆動させ、該ゴムシート４を所定位置に達
するまでに、定寸板５を上下金型７，８に供給し
て、搬送部材９を戻すようにするも好ましい。ま
た、コンベア本体１４を上下動させずに、搬送部
材９を上下動させ、ゴムシート４を吸着パツトに
吸着するようにするも自由である。

〔発明の効果〕

本発明のシート供給装置は、ゴムシート４は、
カツタ２１の受けである下敷板３上を摺動せず、
該下敷板３とともに搬送されることとなり、ゴム
シート４が、ゴムの粘着性により切断時の押圧力
にて下敷板３に粘着した場合も、ゴムシート４の
搬送は何ら影響されることがなく、従来のよう
に、ゴムシートｃがトラブルを起こすようなこと
はない。つまり、ゴムシート４は常にスムースに
搬送されると共に、形成された定寸板５を上下金
型７，８間に搬送することができ、作業能率が極
めて向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る一実施例を示す側面図、
第２図と第３図と第４図は夫々作動を説明するた
めの要部側面図である。第５図は従来例の要部簡
略側面図、第６図はその従来例の要部拡大簡略側
面図である。 １…ベルト、２…コンベア、３…下敷板、５…
定寸板、６…切断部材、７…上金型、８…下金
型、９…搬送部材、１０…帰還部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ エンドレス状のベルトを有するコンベアと、 該コンベアのベルト上に載置状に配設され、か
   つ該ベルトの駆動により水平方向に搬送される下
   敷板と、 上記ベルトの停止状態にて、上記下敷板上に配
   設されたゴムシートを切断して、該ゴムシートの
   先端部を定寸板とする切断部材と、 上記ベルトの駆動によりゴムシートが下敷板と
   ともに水平方向に搬送されて該ゴムシートの先端
   部が所定位置に達したときに、該先端部を吸着し
   て、該先端部と下敷板とを離間させると共に、上
   記切断部材により形成された定寸板を上下金型間
   に搬送する搬送部材と、 上記ゴムシートの先端部が下敷板から離間した
   状態にて、該下敷板を、該ゴムシートの切断部材
   による切断可能な位置まで戻す帰還部材と、 を備えたことを特徴とするシート供給装置。