JPH0543866Y2 - - Google Patents

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JPH0543866Y2
JPH0543866Y2 JP1988159391U JP15939188U JPH0543866Y2 JP H0543866 Y2 JPH0543866 Y2 JP H0543866Y2 JP 1988159391 U JP1988159391 U JP 1988159391U JP 15939188 U JP15939188 U JP 15939188U JP H0543866 Y2 JPH0543866 Y2 JP H0543866Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はコンクリートで代表される水硬性資料
の湿式吹付けノズルに関するものである。
〔従来の技術とその技術的課題〕
コンクリートやモルタル、耐火物などの水硬性
資料を施工する方法として湿式吹付け工法が汎用
されている。この湿式吹付け工法は、一般に、圧
縮空気を搬送媒体として水硬性資料にスピードを
与え、圧送ホース先端の吹付けノズルから高速高
圧で噴射するようにしており、高圧、多量の圧縮
空気により粉塵が旺盛に生じ、リバウンドロスも
多くなるという問題と、吹付け材料の分離現象が
生じたり、エア巻込みが起るため品質が低下する
という問題が生じていた。
ことに密着性を良くし、早期強度を上げるため
急結剤を使用することが多く、この場合ポンプ側
で急結剤を添加すると反応が進行しすぎて詰りを
起すため、特開昭61−90764号公報や特開昭62−
23465号公報のように吹付けノズルで添付するこ
とが多いが、高圧かつ多量の圧縮エアを用いて吹
込むことが必要となり、しかも主配合との撹拌混
合が不確実、不十分となりやすいため、急結剤添
加機構を工夫しても粉塵、リバウンドが多く、ま
た施工面に接近して吹き付けることができないた
め、材料分離、エア巻込みが生じやすく、また人
体に有害な急結剤の飛散が起るという問題があつ
た。この対策として種々のものが提案されている
が、構造が複雑であつたり、コストが高くなる割
に効果が乏しかつた。
本考案は前記のような問題点を解消するために
考案されたもので、その目的とするところは、濃
密搬送された生コンクリートで代表される湿状水
硬性資料を急結剤と十分に混合し押出し式に対象
面の直近位置から吹き付けることができ、粉塵と
リバウンドの発生を著減し、かつ分離やエア巻き
込みのない高品質のライニング層を形成できる湿
式吹付けノズルを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため本考案は、生コンクリ
ートで代表される湿状水硬性資料は高圧かつ多量
の圧縮エアを添加することが急結剤との混合と吹
付けに必須であるとしていた発想を転換し、押出
し形式でも特殊なノズル構造を採用すれば短い距
離内でかつ低圧少量の圧縮エア添加で湿状水硬性
資料と急結剤とを均一に混合できることを知見し
本考案に到つた。
すなわち本考案は、生コンクリートで代表され
る湿状水硬性資料を濃密搬送するホースの先端に
弾力性を有する筒状ノズル本体を接続し、該弾力
性を有する筒状ノズル本体の後部または後方に相
互に吹込み方向の位相をずらせた吹込み口を有す
る急結剤添加機構を設ける一方、弾力性を有する
筒状ノズル本体の内側には、剛性材料からなり吐
出側に向かつて径の漸減したテーパ面を有する複
数の撹拌リングを相互に間隔をおいて取付け、弾
力性を有する筒状ノズル本体の外周にはこれに振
動を与える振動付加機構を取付けたことを特徴と
するものである。
本考案による湿式吹付けノズルは、ノズルマン
による手吹きは勿論、いわゆる吹付けロボツトと
して可動機構にマウントされて使用される場合を
含む。
〔実施例〕
以下本考案の実施例を添付図面に基いて説明す
る。
第4図は本考案の適用例を示しており、1はポ
ンプであり、スクリユー式、スネーク式、スクイ
ーズ式、ダブルピストン式など任意のものが用い
られる。ポンプ1の吐出部2には搬送ホース3が
接続され、生コンクリートが濃密な状態で搬送ホ
ース先端の本考案湿式吹付けノズル4に導かれる
ようになつている。
第1図ないし第3図は本考案による湿式吹付け
ノズル4の詳細を示しており、ウレタンゴムなど
耐摩耗性の良い弾性材料からなる筒状ノズル本体
5と、金属やセラミツクスなど剛性材料で作られ
た複数個(図面では4個)の撹拌リング6a,6
b,6c,6dと、撹拌リング6a,6b,6
c,6dによる凹凸通路の形成された筒状ノズル
本体5内への生コンクリートの付着を防止するた
めの振動付加機構7と、急結剤添加機構8とを備
えている。
各撹拌リング6a,6b,6c,6dは、筒状
ノズル本体5の内径と同等かそれよりも若干大き
な外径を持ち、筒状ノズル本体5に一定の間隔を
おいて嵌着固定されている。その固定方法は接着
方式、筒状ノズル本体5の外周をバンド金具類で
締付けるなど任意であるが、実施例では撹拌リン
グ6にねじ孔を設け、これに筒状ノズル本体5に
挿入したねじ部材10をねじ込むことで固定化し
ている。各撹拌リングは、場合によつてはタイバ
ー等で連結され、1つのアツセンブリとなつてい
てもよい。
各撹拌リング6a,6b,6c,6dの内径側
は突出側に向かつて次第に径が小さくなつたテー
パ面60となつており、このテーパ面60の内側
の絞り通路により筒状ノズル5内には各撹拌リン
グ6a,6b,6c,6dごとに複数の筒室9が
形成されている。
振動付加機構7は、この実施例では2個用いら
れ、それぞれ第1図と第2図のように、高周波、
低周波などの振動を生起するバイブレータ7a
と、このバイブレータ7aの振動出力をベース
(ホーン)7bを介して筒状ノズル本体5に伝達
するための伝達部材7cを備えている。
伝達部材7cは筒状ノズル本体5の周面に合つ
た曲率を有すると共に、筒状ノズル本体1の長さ
と同等または少し短い長さとなつており、伝達部
材7cは筒状ノズル本体5の外周面に任意の方法
で固定されている。その固定方法は接着でもよい
し、バウンド金具やワイヤ類による巻締めでもよ
いし、図示のようにねじ部材10′を用いても良
く、あるいはそれらの併用でもよい。前記出力ベ
ース7bは伝達部材7cの中央部にボルト等任意
の手段で固着されている。
急結剤添加機構8は、第1図のように振動付加
機構7よりも上流側の筒状ノズル本体5に設けら
れている。急結剤添加機構8は、この実施例で
は、筒状ノズル本体5の周方向で異なる位置に斜
め前方に向かつて差込まれた複数の分岐状の吹込
みパイプ8a,8bと、それら吹込みパイプ8
a,8bをビスやバンド金具類で筒状ノズル本体
5に固定する取付け板80と、吹込みパイプ8
a,8bの集合部に接続されたホース81とを備
え、ホース81は第4図のように圧縮エア添加型
の供給手段82に導かれている。急結剤は粉末、
液体のいずれでもよく、前者の場合は供給手段8
2としてロータ式などの定量切出し装置が用いら
れ、機側ノズル部位等でコンプレツサから圧縮エ
アが添加されて気送される。後者の場合は供給手
段82としてポンプが用いられ、その吐出側にコ
ンプレツサから圧縮エアが添加され、気送され
る。
前記吹込みパイプ8a,8bは先のように筒状
ノズル本体5の軸線方向前方に巻込まれるだけで
もよいが、さらには第3図のように周方向で所要
の追い角度αを持つように装着してもよく、これ
により急結剤がより強力に螺旋流となつて筒状ノ
ズル本体5内に吹き込まれる。
図示するものは本考案の一例であり、これに限
定されるものではない。すなわち急結剤添加機構
8は必ずしも筒状ノズル本体5に設けることは必
要でなく、筒状ノズル本体5と搬送ホース3との
間に設けてもよく、その構造も図示のような分岐
パイプ形式でなく、リングノズル形式としてもよ
い。
〔実施例の作用〕
次に実施例に示す本考案の作用を説明すると、
セメントと骨材及び水あるいは、さらには混合剤
を加え混練された生コンクリートはポンプ1から
吐出され、搬送ホース3により濃密搬送されて湿
式吹付けノズル4に到る。一方、急結剤は供給手
段82から圧縮エアを搬送媒体として気送されて
急結剤添加機構8に到る。そしてバイブレータ7
aには電源が投入されて起振し、その振動がベー
ス7bから伝達部材7cを介して筒状ノズル本体
5に伝えられる。
濃密搬送された生コンクリートが筒状ノズル本
体5に入ると、この部分には急結剤添加機構8の
相互に位相をずらした吹込みパイプ8a,8bか
ら急結剤を含む圧縮エアが略旋回状に吹込まれて
いるため、生コンクリートはその旋回流により加
速力が付与されると共に、適度に分散され、急結
剤と接触する。
筒状ノズル本体5が長手方向で一様な断面積で
は、急結剤と生コンクリートは十分に混合撹拌さ
れぬまま吐出されてしまうが、本考案では筒状ノ
ズル本体5の内側に複数の撹拌リング6a,6
b,6c,6dが配置されており、各撹拌リング
6a,6b,6c,6dは内径側に吐出口側に向
かつて口径の小さくなつたテーパ面60を有して
いる。このため、生コンクリートと急結剤を含む
圧縮エアは第1の撹拌リング6aのテーパ面60
を通過する際に絞られ、流速を増して断面積の拡
大した筒室9に送入される。この通過面積の変化
により流速と圧力が変化するため、旺盛な乱流状
態が形成され、しかも筒室9の壁である筒状ノズ
ル本体5は弾性変形可能でかつ振動付加機構7に
より高周波振動または低周波振動が付与されてい
るため、これらの相乗作用で生コンクリートと急
結剤は激しく撹拌混合される。そしてさらに第2
の撹拌リング6bで再び絞られてから、また断面
積の拡大した筒室9に入り、ここから第3の撹拌
リング6cで絞られて次の筒室9に入るため、こ
れら過程で急結剤は均一に生コンクリートに配合
され、第4の撹拌リング6dで絞られて施工面に
押出し吐出される。
撹拌リング6a,6b,6c,6dの存在によ
り筒状ノズル本体5内は凹凸が形成され、径の拡
大した筒室9は混合物の流速が低下してペースト
分が付着しやすいが、筒状ノズル本体5がゴム質
のような弾性材料からなり、しかも振動付加機構
7により強制振動が付与されているため、筒室9
の内壁面に混合物が付着、堆積せず、従つて上記
した混合撹拌性能が低下しない。
本考案においては、圧縮エアを搬送媒体としな
い濃度な生コンクリートを使用し、筒状ノズル本
体5の後部またはその直近後方で急結剤を圧縮エ
アにより吹込んでも短い距離のあいだで生コンク
リートと確実に混合撹拌することができるため、
圧縮エアの量と圧力は、コンクリートを筒状ノズ
ル本体5から押出すことができる程度のもので足
りる。実験によれば、筒状ノズル本体5として長
さ1〜1.5m、内径75〜80mmφのウレタンゴム質
ホースを用い、先端口径50〜65mmφの鋼製撹拌リ
ングを4個等間隔で取付けた場合、吹付けに要す
る圧縮エアは、圧力2〜3Kg/cm2、流量1〜3
m2/minで足りることが確認された。
従つて、少ない縮エア圧とエア量で急結剤を的
確に混合して押出し式に吹付けることができるた
め、粉塵の発生は極端に少なくなる。またコンク
リートが吹き飛ばないため、リバウンドロスも極
めて少なくなる。さらに、使用する圧縮エアが少
なく、施工面にたとえば30〜50cmと接近して吹付
けることができるため、エアの巻込みも生じず、
ライニング品質が良好なものとなる。
〔考案の効果〕
以上説明した本考案によるときには、生コンク
リートで代表される湿状水硬性資料を濃密搬送す
るホース3の先端に弾力性を有する筒状ノズル本
体5を接続し、該弾力性を有する筒状ノズル本体
5の後部または後方に相互に吹込み方向の位相を
ずらせた吹込み口を有する急結剤添加機構8を設
ける一方、弾力性を有する筒状ノズル本体5の内
側には、剛性材料からなり吐出側に向かつて径の
漸減したテーパ面60を有する複数の撹拌リング
6a〜6dを相互に間隔をおいて取付け、弾力性
を有する筒状ノズル本体5の外周にはこれに振動
を与える振動付加機構7を取付けたので、短い距
離の間でかつ圧縮エア量を少なくして急結剤を主
配合と確実に均一混合して低圧押出し式に吹付け
ることができ、圧縮エア量が少ないため、粉塵の
発生とリバウンドロスを著しく低減させることが
できる。また使用する圧縮エアが少なく、押出し
式に吹き付けることができるため、対象面にごく
接近して吹付けることができ、材料の分離やエア
の巻込みがなく、従つて急結剤を均一に混合でき
ることとあいまち品質の良いライニング層を形成
することができるなどのすぐれた効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案による吹付けノズルの一実施例
を示す縦断側面図、第1a図はその部分的拡大
図、第2図は第1図−線に沿う断面図、第3
図は第1図−線に沿う断面図、第4図は使用
状態を示す説明図である。 3……搬送ホース、5……筒状ノズル本体、6
a,6b,6c,6d……撹拌リング、7……振
動付加機構、8……急結剤添加機構、60……テ
ーパ面。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 生コンクリートで代表される湿状水硬性資料を
    濃密搬送するホース3の先端に弾力性を有する筒
    状ノズル本体5を接続し、該弾力性を有する筒状
    ノズル本体5の後部または後方に相互に吹込み方
    向の位相をずらせた吹込み口を有する急結剤添加
    機構8を設ける一方、弾力性を有する筒状ノズル
    本体5の内側には、剛性材料からなり吐出側に向
    かつて径の漸減したテーパ面60を有する複数の
    撹拌リング6a〜6dを相互に間隔をおいて取付
    け、弾力性を有する筒状ノズル本体5の外周には
    これに振動を与える振動付加機構7を取付けたこ
    とを特徴とする水硬性資料の湿式吹付けノズル。
JP1988159391U 1988-12-09 1988-12-09 Expired - Lifetime JPH0543866Y2 (ja)

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