JPH10246097A - 吹付材の吹付方法と吹付材の吹付装置 - Google Patents

吹付材の吹付方法と吹付材の吹付装置

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JPH10246097A
JPH10246097A JP9069264A JP6926497A JPH10246097A JP H10246097 A JPH10246097 A JP H10246097A JP 9069264 A JP9069264 A JP 9069264A JP 6926497 A JP6926497 A JP 6926497A JP H10246097 A JPH10246097 A JP H10246097A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 供給途中における吹付材の硬化をできるだけ
抑制することのできる吹付材の吹付方法を提供する。ま
た、小型化・軽量化・簡潔化・操作性・コストダウンな
どを満足させることのできる吹付材の吹付装置を提供す
る。 【解決手段】 材料供給管41から供給される未硬化吹
付材Sと硬化剤供給路管51から供給される急結剤Hと
をケーシング11に向けて同時供給しつつこれら未硬化
吹付材S・急結剤Hをケーシング11の入口部15で合
流させて急結剤Hを未硬化吹付材Sの先端部に付着させ
る。未硬化吹付材Sの先端部であって急結剤Hを含む部
分がケーシング11の入口部15からその内部に進入し
たとき、当該先端部をケーシング11内の回転している
ロータ31により切り取ると同時にロータ31で撹拌混
練する。ロータ31により撹拌混練されながら遠心力を
付与された未硬化吹付材Sと急結剤Hとの混合物を吹付
面Fに向けて吹き付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は土木ないし建築の技
術分野に属するものであって吹付材を吹付面に吹き付け
るための方法や装置を改良したものに関する。
【0002】
【従来の技術】土木の技術分野においては、土砂・岩盤
などの崩落を防止するために吹付材を坑道掘削面・造成
工事中の急斜面・その他の吹付面に吹き付けることが広
く行われている。この種の吹付工事では吹付面に対する
崩落防止効果を直ちに発揮させるため、吹き付け後の吹
付材をできるだけ早く硬化させるのが一般である。ちな
みに吹付材がセメント系コンクリートである場合には、
それ用の急結剤をコンクリートモルタル(生コンクリー
ト)と均一に混練した後、これを吹付面に吹き付けて瞬
時に硬化させるという手段がとられる。図6はそのよう
な従来技術の一つを示しており、図7・図8は同種の従
来技術として、特開昭63−600号公報(特公平5−
57400号公報)や実開昭5−38099号公報に記
載されたものを示している。
【0003】図6の吹付手段にはコンクリート噴射管7
1と硬化剤供給管72とがあって急結剤供給管72がコ
ンクリート噴射管71の先端に近い部分に接続されてい
る。したがって、図6においてコンクリート吹付法を実
施するときは、コンクリートモルタルSがコンクリート
噴射管71の先端から噴射されるまでの間に、硬化剤供
給管72からの急結剤Hをコンクリート噴射管71内の
コンクリートモルタルSに混入させてこれらをコンクリ
ート噴射管71の先端から吹付面Fに吹き付けることと
なる。
【0004】図6の吹付法においては、急結剤Hがコン
クリート噴射管71内に入り込んだとき、コンクリート
噴射管71内のコンクリートモルタルSと急結剤Hとが
合流する。これはコンクリートモルタルSと急結剤Hと
が単に合流するだけであり、両者がコンクリート噴射管
71内で均一に撹拌混練されるというものではない。そ
れゆえ、急結剤Hをともなって吹付面Fに吹き付けられ
たコンクリートモルタルSは、急結剤Hを多く含む部分
とそうでない部分とで硬化速度にバラツキを生じる。し
かも急結剤HをともなったコンクリートモルタルSがコ
ンクリート噴射管71の先端から高速噴射された際、こ
れが粉塵化して拡散するために作業環境が悪化するとい
う事態も発生する。
【0005】図7・図8の吹付手段は、ケーシング81
・ロータ87・スクリュー型のコンベア90・硬化剤供
給管96などを主体にして構成されている。ケーシング
81は、円筒形の胴体82と胴体82の両側面を塞いで
いる両側板83・84とを有するとともに、入口部85
が側板83の板面中央に形成されていたり出口部86が
胴体82の周面に形成されていたりする。ケーシング8
1に内蔵されたロータ87は放射配列された複数枚の羽
根88を有するものであって、ケーシング81の側板8
4に外付けされたモータ89により回転するものであ
る。スクリュー型のコンベア90は円筒体91とこれに
内蔵されたスクリュー92とを備え、材料供給管93が
円筒体91に接続されている。コンベア90の円筒体9
1はその後端が蓋体94で閉じられており、スクリュー
92用のモータ95が蓋体94に外付けされている。硬
化剤供給管96は先端の曲がったものからなる。上記に
おいて、コンベア90の円筒体91はその開放された先
端をケーシング91の入口部85に連結され、硬化剤供
給管96はその先端を材料供給管93に挿入されて円筒
体91側を向いている。
【0006】図7・図8においてコンクリート吹付法を
実施するときは、材料供給管93側からコンベア90側
に向けてコンクリートモルタルSを送り込むときに硬化
剤供給管96からの急結剤Hを材料供給管93内のコン
クリートモルタルSに混入させてこれらをコンベア90
内からケーシング81内にまで至らせ、かつ、急結剤H
を含んだコンクリートモルタルSをケーシング81の出
口部86から吹付面Fに吹き付けることとなる。
【0007】図7・図8の吹付法におけるコンクリート
モルタルSと急結剤Hは、これらがコンベア90のスク
リュー92で撹拌されたりケーシング81内のロータ8
7で撹拌されたりするので均一に混練される。それにロ
ータ87を介してケーシング81の出口部86から吹き
飛ばされる吹付材の方向が、これら出口部形状とロータ
回転軌跡円の接線方向とで定まるから、吹付材が粉塵化
して拡散するということもない。これは図6の従来技術
にみられた課題が図7・図8の技術において解決されて
いるということである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7・
図8の従来技術にも以下のような改善の余地が残されて
いる。その一つは、コンクリートモルタルSの硬化現象
に対する技術的配慮を欠いたことによるものである。す
なわちこれは、コンクリートモルタルSを瞬時(1秒未
満〜数秒程度)のうちに硬化させてしまう急結剤Hを硬
化剤供給管96から材料供給管93内のコンクリートモ
ルタルSに混入させてこれらをコンベア90内からケー
シング81内へと輸送しているときに、急結剤Hと混ざ
り合ったコンクリートモルタルSの一部がコンベア90
内に不可避的に残留してこれが円筒体91の内周面やス
クリュー92の表面に付着したまま硬化するということ
である。しかも運転時間に比例してその付着量が増大
し、そのためにコンベア90の輸送能力が低下したり機
能障害が起こったりするので、コンベア90の早期交換
を余儀なくされる。他の一つは、ケーシング81の側板
83に取り付けられたモータ35付きコンベア90が外
側へ大きく張り出すものであるために吹付装置が大型化
するということであり、装置の重量増やコストアップも
避けられない。かかる吹付装置は通常、自走式車両(ベ
ースマシン)のブーム先端に装備されて用いられるもの
であるが、たとえば坑道内のごとき狭い場所において吹
付材を掘削面に吹き付けるとき、大型で重量のある吹付
装置では、これの操作性が悪いたいめに良好な吹付仕上
げ面を短時間で得るのがむずかしくなる。それに大型で
高重量の吹付装置を装備するためのベースマシンについ
ても、自身の安定性を確保する上で大型化せざるを得な
い。
【0009】[発明の目的]本発明はこのような技術的
課題に鑑み、供給途中における吹付材の硬化をできるだ
け抑制することのできる吹付材の吹付方法を提供しよう
とするものである。本発明は、また、小型化・軽量化・
簡潔化・操作性・コストダウンなど、これらを満足させ
ることのできる吹付材の吹付装置を提供しようとするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
された吹付材の吹付方法は所期の目的を達成するために
下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項1の
吹付方法は、未硬化の吹付材とその急結剤との混合物を
吹付面に吹き付けてこれを硬化させるための方法におい
て、材料供給管から供給される未硬化吹付材と硬化剤供
給路管から供給される急結剤とをケーシングに向けて同
時供給しつつこれら未硬化吹付材・急結剤をケーシング
の入口部で合流させて急結剤を未硬化吹付材の先端部に
付着させること、および、未硬化吹付材の先端部であっ
て急結剤を含んだ部分がケーシングの入口部からその内
部に進入したとき、当該先端部をケーシング内の回転し
ているロータにより切り取ると同時にロータで撹拌混練
すること、および、ロータにより撹拌混練されながら遠
心力を付与された未硬化吹付材と急結剤との混合物をケ
ーシングの出口部からケーシング外の吹付面に向けて吹
き付けることを特徴とする。
【0011】本発明の請求項2に記載された吹付材の吹
付方法は、請求項1記載の方法において、未硬化の吹付
材としてコンクリートモルタルを用い、急結剤としてコ
ンクリートモルタルを急速硬化させるための硬化剤を用
いるというものである。
【0012】本発明の請求項3に記載された吹付材の吹
付装置は所期の目的を達成するために下記の課題解決手
段を特徴とする。すなわち請求項1の吹付装置は、未硬
化の吹付材とその急結剤との混合物を吹付面に吹き付け
るための装置において、円筒形の胴体を有するものであ
って出口部が円筒形胴体に形成されていたり入口部が出
口部以外の部分に形成されていたりするケーシングと、
ケーシングに内蔵されてケーシング胴体の内周面沿いに
回転する羽根付きロータと、未硬化の吹付材をケーシン
グ内に供給するための材料供給管と、未硬化吹付材用の
急結剤をケーシング内に供給するための硬化剤供給管と
を備え、材料供給管の先端部と硬化剤供給管の先端部と
がケーシングの外部からケーシングの入口部に接続され
て互いに合流していることを特徴とする。
【0013】本発明の請求項4に記載された吹付材の吹
付方法は、請求項3記載の装置において、ケーシングの
入口部が、ケーシング側壁の内部に形成された合流空間
と、該合流空間の外壁面を開口している二つの外側開口
と、該合流空間の内壁面を開口している一つの内側開口
とからなり、材料供給管と硬化剤供給管とが各外側開口
にそれぞれ接続されているというものである。
【0014】本発明の請求項5記載された吹付材の吹付
方法は、請求項4記載の装置において、材料供給管を接
続された外側開口が内側開口と同一軸線上に並んでいる
とともに、硬化剤供給管を接続された外側開口が内側開
口に対して偏心しているというものである。
【0015】[作用]本発明に係る吹付材の吹付方法は
既述のとおり、未硬化の吹付材とその急結剤との混合物
を吹付面に吹き付けてこれを硬化させるというものであ
る。この場合の急結剤は、未硬化吹付材が材料供給管の
先端からその外部へ出たとき、その未硬化材料の外出し
た先端部に付着される。したがって、材料供給管内では
材料硬化現象の生じる余地がない。急結剤の付着した未
硬化吹付材の先端部が切り取られてケーシング内に進入
したときは、未硬化吹付材と急結剤とがケーシング内の
ロータにより撹拌されて均一(均質)な混練物になる。
したがって、急結剤をともなって吹付面に吹き付けられ
た吹付材は、各部の硬化速度にバラツキのない状態で瞬
時に硬化する。一方、ロータが高速回転しているケーシ
ング内には上記混練物の落ち着ける安定性がなく、しか
も当該混練物がケーシング内からその外部へ直ちに吹き
飛ばされるので、ケーシング内でも材料硬化現象が起こ
りがたい。
【0016】本発明に係る吹付材の吹付装置は、ロータ
内蔵のケーシング・材料供給管・硬化剤供給管などを主
体にして構成されるものであり、スクリュー型コンベア
のような大型で高重量の設備を必要としない。すなわち
これは、吹付装置の小型化・軽量化・簡潔化・操作性・
コストダウンなどを満足させるということである。これ
はまた、吹付装置を装備するためのベースマシンについ
ても、それに応じて小型化できるということである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に係る吹付方法・吹付装置
の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0018】図1〜図5において、11はケーシング、
31はロータ、41は材料供給管、51は硬化剤供給
管、61はベースマシンたる自走式車両を示す。
【0019】ケーシング11は図1〜図3に明示されて
いるように、円筒形をなす胴体12と該胴体12の両側
開放面を塞ぐ両側壁13・14とで構成されている。一
方の側壁13の壁面には、図1・図2や図4(A)
(B)に例示された入口部15が形成されている。この
入口部15は図4(A)(B)から理解できるように、
側壁13の内部に形成された合流空間16と、該合流空
間16の外壁面を円形に開口する二つの外側開口17・
18と、該合流空間16の内壁面を円形に開口する一つ
の内側開口19とからなるものである。そして一方の外
側開口17が内側開口19と同一軸線上に並んでいて他
方の外側開口18が内側開口19に対して偏心してい
る。図3を参照して、ケーシング11の胴体12にはこ
れの一部を略四角形に開口する出口部20が形成されて
いる。ケーシング胴体12の幅方向にわたる当該出口部
20の前縁や後縁には長い板状の縁部材21・22が取
り外し可能に取り付けられている。これらのうち、一方
の縁部材21は胴体12の幅方向にわたる板状部分がき
わめて緩やかなV形をなしており、他方の縁部材22は
胴体12の幅方向にわたる板状部分が直線形をなしてい
る。とくに縁部材21については、後述する吹付材の吹
き飛ばし方向や吹付密度を調整したり変更したりするた
め、上記V形以外に傾斜形・鋸歯形・波形のものも用い
られることがある。その他、ケーシング11の両側壁1
3・14には、図1・図2に例示する一対の固定座具2
3・24が取り付けられている。
【0020】図1〜図3を参照して明らかなように、ロ
ータ31は回転円盤32と複数枚の羽根(インペラ)3
3とからなり、各羽根33が等間隔の放射状に配列され
て回転円盤32に取り付けられたものである。各羽根3
3の先端側にはその羽根幅にほぼ等しい長さの掻き落と
し用ビット34が取り付けられており、各羽根33の前
縁側には複数個の小さな切削用ビット35が取り付けら
れている。ケーシング11の内形に適合した大きさをも
つロータ31は、ケーシング11内に入れられて両側壁
13・14により回転自在に両端支持されている。ロー
タ用の回転機械36は一例として油圧モータからなる。
かかる回転機械36は、これが側壁13に外付けされた
り、その側壁13を貫通した回転出力軸がロータ31の
軸心部に連結されたりする。
【0021】未硬化の吹付材Sをケーシング11内に供
給するための材料供給管41は自明のとおりの管状であ
る。未硬化吹付材用の急結剤Hをケーシング11内に供
給するための硬化剤供給管51も自明のとおりの管状で
ある。これら両管41・51の相対関係では材料供給管
41の口径が硬化剤供給管51のそれを数倍上回る。そ
してケーシング11の入口部15をもつ側壁13におい
て、材料供給管41の先端が外側開口17に接続され、
硬化剤供給管51の先端が外側開口18に接続される。
こうして両管41・51が所定部に接続されたとき、こ
れらは合流空間16の内部で互いに合流するとともに、
ケーシング11の内部に対しても合流空間16や内側開
口19を介して連通する。
【0022】図5に例示された自走式車両(ベースマシ
ン)61は、エンジン・車輪・運転席・操縦機器・油圧
機器・その他が車体に組み付けられた周知のものであ
る。自走式車両61のフロント部には油圧操作系を介し
て屈伸自在かつ旋回自在に操作することのできるブーム
62も装備されており、そのブーム62の先端部には取
付台63が設けられている。既述のものであってロータ
31を内蔵したり材料供給管41や硬化剤供給管51を
組み付けられたりしたケーシング11は、ブーム62先
端側の取付台63上に搭載された後、一対の固定座具2
3・24や止金具を介してそこに固定される。この場合
において、材料供給管41は、これの後端側に接続され
た可撓性のあるホース42を介して未硬化吹付材Sの供
給系(図示せず)と通じており、硬化剤供給管51も、
これの後端側に接続された可撓性のあるホース52を介
して急結剤Hの供給系(図示せず)と通じている。ま
た、未硬化吹付材Sの供給系は輸送用のポンプを備えて
おり、急結剤Hの供給系は輸送用の高速気流(例:圧縮
空気)を発生させるための手段としてコンプレッサとか
ブロワーとかを備えている。
【0023】上述したケーシング11・ロータ31・材
料供給管41・硬化剤供給管51としては機械的強度の
大きい材質のものが望ましい。その代表的一例として、
これらは鋼のような金属からなる。なかでもロータ31
の各ビット34・35については超硬金属が採用され
る。可撓性を有する各ホース42・52については、た
とえば金属ネットなどを埋め込まれたゴム・合成樹脂製
のものが用いられる。上述した構成部品ないし構成部材
を相互に組み立てたり連結したり接続したりするときに
は、ボルト・ナットやその他周知の金具が用いられる。
これらの組立・連結・接続などに際して気密性や水密性
を要求される箇所にはシール部材が介在される。なお、
事後に分解を要しない部品・部材相互については、これ
らが溶接されることもある。
【0024】本発明において用いられる吹付材Sは、未
硬化の状態において水分(液体)を含んでいたりまたは
ゾル状をなしていたりし、その塑性変形性を利用して任
意の形状に成形することができるものである。吹付材S
の代表例としてセメントを主材料にしたコンクリートを
あげることができる。吹付材Sには樹脂を主材料にした
レジンコンクリートもある。また、常温において未硬化
の塗料や樹脂系ライニング材などが吹付材Sになること
もある。これに対する急結剤Hは、粉末状とか顆粒状と
か液状とかを呈しており、吹付材Sに対して凝結を促進
させたり急速硬化させたりするものである。ちなみに未
硬化の吹付材Sがセメント系コンクリートである場合に
は、その急結剤(粉末状)Hしてケイ酸ソーダや塩化カ
ルシウムなどが用いられる。
【0025】つぎに図示の吹付手段を用いて実施する吹
付工事の例を説明する。このケースにおいて吹付材Sを
吹き付けられる吹付面Fは坑道掘削面である。ここで用
いられる未硬化の吹付材Sはセメントを主材料にしたコ
ンクリートモルタル(生コンクリート)であり、それ用
の急結剤Hはコンクリートモルタルの凝結を促進させる
というものである。
【0026】図1〜図5において、未硬化の吹付材Sは
これの供給系→ホース42→材料供給管41のような経
路でケーシング11側へと供給され、急結剤Hもこれの
供給系→ホース52→硬化剤供給管51のような経路で
ケーシング11側へと供給される。未硬化吹付材Sと急
結剤Hとの供給を同時に受けることになるケーシング1
1内においては、回転機械36からの動力を伝達された
ロータ31が高速回転している。かかる運転状態におい
て材料供給管41の先端に達した未硬化吹付材Sや硬化
剤供給管51の先端に達した急結剤Hは、図4(A)の
ごとく、ケーシング側壁13の入口部15において合流
空間16内に入る。そして合流空間16内では、棒状を
呈して材料供給管41端から押し出された未硬化吹付材
Sの先端部外周面に対し、硬化剤供給管51端から吹き
出された粉末状の急結剤Hが付着する。ちなみにこの場
合の粉末状急結剤Hは、未硬化吹付材Sが水分を含んだ
ものであるためこれによく染み込む。図4(A)におい
て急結剤Hの付着した未硬化吹付材Sの先端部は、合流
空間16内を前進して内側開口19よりケーシング11
内に入る。これと同時、未硬化吹付材Sの先端部(急結
剤Hの付着した部分)は、高速回転しているロータ31
の羽根33により切り取られ、しかもケーシング11内
において各羽根33により均一に撹拌・混練された後、
その未硬化吹付材Sと急結剤Hとの混練物をケーシング
11の出口部20から吹付面Fに向けて吹き付けられ
る。以下運転を停止するまで、吹付面Fに対する吹付材
Sの吹付作業が連続的に行われる。かくて吹付面Fに
は、急結剤Hで瞬時に硬化した吹付材Sの層が面状に形
成される。なおケーシング11は、吹付面Fに対する吹
付材Sの吹付位置や噴射方向(噴射角度)を調整したり
変更したりするために、吹付面沿いにシフトされたり、
垂直・水平・傾斜などの各状態に姿勢制御されたりす
る。これらについては自走式車両61とそのブーム62
とで行う。この場合においてケーシング11に付帯する
のは軽量で小型の材料供給管41や硬化剤供給管51だ
けであり、しかもケーシング11の側壁14には大きく
突出する構造物が一切ないので操作性がよい。
【0027】上記の吹付工事について、ケーシング胴体
12の外径=460mmφ、ロータ31の回転数=15
00回転/毎分、材料供給管41の口径=3インチφ、
未硬化吹付材(生コンクリート)Sの供給量(供給ポン
プの吐出量)=10立方メートル/毎時などの仕様でこ
れを実施したところ、未硬化吹付材Sの先端部(急結剤
Hの付着した部分)は、ロータ31の8枚ある各羽根3
3により厚さ約2.8mm単位で薄切りされた。この具
体例において、水分を含んだ未硬化吹付材Sと粉末状の
急結剤Hとは互いによく付着し、しかも薄切り後におい
て均一に撹拌・混練されたものがケーシング11から吹
付面Fに向けて吹き付けられた。また、ケーシング11
から吹付面Fに衝突するまでの間に拡散する当該混練物
にあっては、その拡散による微粒化の過程でも未硬化吹
付材Sと急結剤Hとがよく混じり合った。その結果、急
結剤Hをともなって吹付面Fに吹き付けられた未硬化吹
付材(生コンクリート)Sは、各部において硬化速度に
バラツキをきたすことなく瞬時に硬化した。硬化後の吹
付材層は仕上がりの良好なものであった。一方、材料供
給管41内や硬化剤供給管51内での硬化現象は全くみ
られず、ケーシング11内においても硬化現象が殆ど発
生しなかった。
【0028】なお、未硬化の吹付材Aがコンクリートモ
ルタル以外のものであっても、上記の内容に準じてこれ
を任意の吹付面に吹き付けることができる。以上に述べ
た吹付技術は、土木分野のほか建築分野での吹付工事に
も適用することができる。
【0029】
【発明の効果】本発明方法は未硬化吹付材とその急結剤
とを巧みな手段で混合して吹付面に吹き付けるというも
のであるから、吹付材を供給途中で硬化させるような不
具合を発生せることがなく、したがって長時間ないし長
期間にわたり吹付作業を安定して実施することができ
る。
【0030】本発明装置はロータを内蔵したケーシング
の入口部に対して材料供給管や硬化剤供給管を合流接続
するだけのものであるから、本発明方法の合理的な実施
がはかれるだけでなく、装置の小型化・軽量化・簡潔化
・操作性・コストダウンなどをも満足させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に用いられる本発明装置の一実施形
態を示した正面図である。
【図2】本発明方法に用いられる本発明装置の一実施形
態を示した縦断面図である。
【図3】図2のX−X線に沿う拡大断面図である。
【図4】図1のY−Y線に沿う拡大断面図とその右側面
図である。
【図5】本発明方法を実施するために本発明装置を搭載
した自走式車両の側面図である。
【図6】従来の吹付技術についてその一例を略示し説明
図である。
【図7】従来の吹付技術について他の一例を示した縦断
側面図である。
【図8】図7に例示した吹付技術の縦断正面図である。
【符号の説明】
S 未硬化吹付材 H 急結剤 F 吹付面 11 ケーシング 12 ケーシングの胴体 13 ケーシングの側壁 14 ケーシングの側壁 15 ケーシングの入口部 16 合流空間 17 外側開口 18 外側開口 19 内側開口 20 ケーシングの出口部 21 縁部材 22 縁部材 23 固定座具 24 固定座具 31 ロータ 32 回転円盤 33 羽根 34 ビット 35 ビット 36 回転機械 41 材料供給管 42 ホース 51 硬化剤供給管 52 ホース 61 自走式車両(ベースマシン) 62 ブーム 63 取付台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤神 元英 東京都港区赤坂4丁目9番9号 日本国土 開発株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未硬化の吹付材とその急結剤との混合物
    を吹付面に吹き付けてこれを硬化させるための方法にお
    いて、材料供給管から供給される未硬化吹付材と硬化剤
    供給路管から供給される急結剤とをケーシングに向けて
    同時供給しつつこれら未硬化吹付材・急結剤をケーシン
    グの入口部で合流させて急結剤を未硬化吹付材の先端部
    に付着させること、および、未硬化吹付材の先端部であ
    って急結剤を含んだ部分がケーシングの入口部からその
    内部に進入したとき、当該先端部をケーシング内の回転
    しているロータにより切り取ると同時にロータで撹拌混
    練すること、および、ロータにより撹拌混練されながら
    遠心力を付与された未硬化吹付材と急結剤との混合物を
    ケーシングの出口部からケーシング外の吹付面に向けて
    吹き付けることを特徴とする吹付材の吹付方法。
  2. 【請求項2】 未硬化の吹付材としてコンクリートモル
    タルを用い、急結剤としてコンクリートモルタルを急速
    硬化させるための硬化剤を用いる請求項1記載の吹付材
    の吹付方法。
  3. 【請求項3】 未硬化の吹付材とその急結剤との混合物
    を吹付面に吹き付けるための装置において、円筒形の胴
    体を有するものであって出口部が円筒形胴体に形成され
    ていたり入口部が出口部以外の部分に形成されていたり
    するケーシングと、ケーシングに内蔵されてケーシング
    胴体の内周面沿いに回転する羽根付きロータと、未硬化
    の吹付材をケーシング内に供給するための材料供給管
    と、未硬化吹付材用の急結剤をケーシング内に供給する
    ための硬化剤供給管とを備え、材料供給管の先端部と硬
    化剤供給管の先端部とがケーシングの外部からケーシン
    グの入口部に接続されて互いに合流していることを特徴
    とする吹付材の吹付方法。
  4. 【請求項4】 ケーシングの入口部が、ケーシング側壁
    の内部に形成された合流空間と、該合流空間の外壁面を
    開口している二つの外側開口と、該合流空間の内壁面を
    開口している一つの内側開口とからなり、材料供給管と
    硬化剤供給管とが各外側開口にそれぞれ接続されている
    請求項3記載の吹付材の吹付装置。
  5. 【請求項5】 材料供給管を接続された外側開口が内側
    開口と同一軸線上に並んでいるとともに、硬化剤供給管
    を接続された外側開口が内側開口に対して偏心している
    請求項4記載の吹付材の吹付装置。
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