JP3866820B2 - 吹付材の吹付方法と吹付材の吹付装置 - Google Patents

吹付材の吹付方法と吹付材の吹付装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は土木ないし建築の技術分野に属するものであって吹付材を吹付面に吹き付けるための方法や装置を改良したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
土木の技術分野においては、土砂・岩盤などの崩落を防止するために吹付材を坑道掘削面・造成工事中の急斜面・その他の吹付面に吹き付けることが広く行われている。この種の吹付工事では吹付面に対する崩落防止効果を直ちに発揮させるため、吹き付け後の吹付材をできるだけ早く硬化させるのが一般である。ちなみに吹付材がセメント系コンクリートである場合には、それ用の急結剤をコンクリートモルタル(生コンクリート)と均一に混練した後、これを吹付面に吹き付けて瞬時に硬化させるという手段がとられる。図6はそのような従来技術の一つを示しており、図7・図8は同種の従来技術として、特開昭63−600号公報(特公平5−57400号公報)や実開昭5−38099号公報に記載されたものを示している。
【0003】
図6の吹付手段にはコンクリート噴射管71と硬化剤供給管72とがあって急結剤供給管72がコンクリート噴射管71の先端に近い部分に接続されている。したがって、図6においてコンクリート吹付法を実施するときは、コンクリートモルタルSがコンクリート噴射管71の先端から噴射されるまでの間に、硬化剤供給管72からの急結剤Hをコンクリート噴射管71内のコンクリートモルタルSに混入させてこれらをコンクリート噴射管71の先端から吹付面Fに吹き付けることとなる。
【0004】
図6の吹付法においては、急結剤Hがコンクリート噴射管71内に入り込んだとき、コンクリート噴射管71内のコンクリートモルタルSと急結剤Hとが合流する。これはコンクリートモルタルSと急結剤Hとが単に合流するだけであり、両者がコンクリート噴射管71内で均一に撹拌混練されるというものではない。それゆえ、急結剤Hをともなって吹付面Fに吹き付けられたコンクリートモルタルSは、急結剤Hを多く含む部分とそうでない部分とで硬化速度にバラツキを生じる。しかも急結剤HをともなったコンクリートモルタルSがコンクリート噴射管71の先端から高速噴射された際、これが粉塵化して拡散するために作業環境が悪化するという事態も発生する。
【0005】
図7・図8の吹付手段は、ケーシング81・ロータ87・スクリュー型のコンベア90・硬化剤供給管96などを主体にして構成されている。ケーシング81は、円筒形の胴体82と胴体82の両側面を塞いでいる両側板83・84とを有するとともに、入口部85が側板83の板面中央に形成されていたり出口部86が胴体82の周面に形成されていたりする。ケーシング81に内蔵されたロータ87は放射配列された複数枚の羽根88を有するものであって、ケーシング81の側板84に外付けされたモータ89により回転するものである。スクリュー型のコンベア90は円筒体91とこれに内蔵されたスクリュー92とを備え、材料供給管93が円筒体91に接続されている。コンベア90の円筒体91はその後端が蓋体94で閉じられており、スクリュー92用のモータ95が蓋体94に外付けされている。硬化剤供給管96は先端の曲がったものからなる。上記において、コンベア90の円筒体91はその開放された先端をケーシング91の入口部85に連結され、硬化剤供給管96はその先端を材料供給管93に挿入されて円筒体91側を向いている。
【0006】
図7・図8においてコンクリート吹付法を実施するときは、材料供給管93側からコンベア90側に向けてコンクリートモルタルSを送り込むときに硬化剤供給管96からの急結剤Hを材料供給管93内のコンクリートモルタルSに混入させてこれらをコンベア90内からケーシング81内にまで至らせ、かつ、急結剤Hを含んだコンクリートモルタルSをケーシング81の出口部86から吹付面Fに吹き付けることとなる。
【0007】
図7・図8の吹付法におけるコンクリートモルタルSと急結剤Hは、これらがコンベア90のスクリュー92で撹拌されたりケーシング81内のロータ87で撹拌されたりするので均一に混練される。それにロータ87を介してケーシング81の出口部86から吹き飛ばされる吹付材の方向が、これら出口部形状とロータ回転軌跡円の接線方向とで定まるから、吹付材が粉塵化して拡散するということもない。これは図6の従来技術にみられた課題が図7・図8の技術において解決されているということである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7・図8の従来技術にも以下のような改善の余地が残されている。その一つは、コンクリートモルタルSの硬化現象に対する技術的配慮を欠いたことによるものである。すなわちこれは、コンクリートモルタルSを瞬時(1秒未満〜数秒程度)のうちに硬化させてしまう急結剤Hを硬化剤供給管96から材料供給管93内のコンクリートモルタルSに混入させてこれらをコンベア90内からケーシング81内へと輸送しているときに、急結剤Hと混ざり合ったコンクリートモルタルSの一部がコンベア90内に不可避的に残留してこれが円筒体91の内周面やスクリュー92の表面に付着したまま硬化するということである。しかも運転時間に比例してその付着量が増大し、そのためにコンベア90の輸送能力が低下したり機能障害が起こったりするので、コンベア90の早期交換を余儀なくされる。他の一つは、ケーシング81の側板83に取り付けられたモータ35付きコンベア90が外側へ大きく張り出すものであるために吹付装置が大型化するということであり、装置の重量増やコストアップも避けられない。かかる吹付装置は通常、自走式車両(ベースマシン)のブーム先端に装備されて用いられるものであるが、たとえば坑道内のごとき狭い場所において吹付材を掘削面に吹き付けるとき、大型で重量のある吹付装置では、これの操作性が悪いたいめに良好な吹付仕上げ面を短時間で得るのがむずかしくなる。それに大型で高重量の吹付装置を装備するためのベースマシンについても、自身の安定性を確保する上で大型化せざるを得ない。
【0009】
[発明の目的]
本発明はこのような技術的課題に鑑み、供給途中における吹付材の硬化をできるだけ抑制することのできる吹付材の吹付方法を提供しようとするものである。本発明は、また、小型化・軽量化・簡潔化・操作性・コストダウンなど、これらを満足させることのできる吹付材の吹付装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載された吹付材の吹付方法は所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項1の吹付方法は、未硬化の吹付材とその急結剤との混合物を吹付面に吹き付けてこれを硬化させるための方法において、材料供給管から供給される未硬化吹付材と硬化剤供給路管から供給される急結剤とをケーシングに向けて同時供給しつつこれら未硬化吹付材・急結剤をケーシングの入口部で合流させて急結剤を未硬化吹付材の先端部に付着させること、および、未硬化吹付材の先端部であって急結剤を含んだ部分がケーシングの入口部からその内部に進入したとき、当該先端部をケーシング内の回転しているロータにより切り取ると同時にロータで撹拌混練すること、および、ロータにより撹拌混練されながら遠心力を付与された未硬化吹付材と急結剤との混合物をケーシングの出口部からケーシング外の吹付面に向けて吹き付けることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項2に記載された吹付材の吹付方法は、請求項1記載の方法において、未硬化の吹付材としてコンクリートモルタルを用い、急結剤としてコンクリートモルタルを急速硬化させるための硬化剤を用いるというものである。
【0012】
本発明の請求項3に記載された吹付材の吹付装置は所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項3の吹付装置は、未硬化の吹付材とその急結剤との混合物を吹付面に吹き付けるための装置において、円筒形の胴体を有するものであって出口部が円筒形胴体に形成されているとともに入口部が出口部以外の部分に形成されているケーシングと、ケーシングに内蔵されてケーシング胴体の内周面沿いに回転する羽根付きロータと、未硬化の吹付材をケーシング内に供給するための材料供給管と、未硬化吹付材用の急結剤をケーシング内に供給するための硬化剤供給管とを備えていること、および、材料供給管の先端部と硬化剤供給管の先端部とがケーシングの外部からケーシングの入口部に接続されて互いに合流しており、かつ、ケーシングの入口部が、ケーシング側壁の内部に形成された合流空間と、該合流空間の外壁面を開口している二つの外側開口と、該合流空間の内壁面を開口している一つの内側開口とからなり、材料供給管と硬化剤供給管とが各外側開口にそれぞれ接続されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項4記載された吹付材の吹付方法は、請求項3記載の装置において、材料供給管を接続された外側開口が内側開口と同一軸線上に並んでいるとともに、硬化剤供給管を接続された外側開口が内側開口に対して偏心しているというものである。
【0014】
[作用]
本発明に係る吹付材の吹付方法は既述のとおり、未硬化の吹付材とその急結剤との混合物を吹付面に吹き付けてこれを硬化させるというものである。この場合の急結剤は、未硬化吹付材が材料供給管の先端からその外部へ出たとき、その未硬化材料の外出した先端部に付着される。したがって、材料供給管内では材料硬化現象の生じる余地がない。急結剤の付着した未硬化吹付材の先端部が切り取られてケーシング内に進入したときは、未硬化吹付材と急結剤とがケーシング内のロータにより撹拌されて均一(均質)な混練物になる。したがって、急結剤をともなって吹付面に吹き付けられた吹付材は、各部の硬化速度にバラツキのない状態で瞬時に硬化する。一方、ロータが高速回転しているケーシング内には上記混練物の落ち着ける安定性がなく、しかも当該混練物がケーシング内からその外部へ直ちに吹き飛ばされるので、ケーシング内でも材料硬化現象が起こりがたい。
【0015】
本発明に係る吹付材の吹付装置は、ロータ内蔵のケーシング・材料供給管・硬化剤供給管などを主体にして構成されるものであり、スクリュー型コンベアのような大型で高重量の設備を必要としない。すなわちこれは、吹付装置の小型化・軽量化・簡潔化・操作性・コストダウンなどを満足させるということである。これはまた、吹付装置を装備するためのベースマシンについても、それに応じて小型化できるということである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に係る吹付方法・吹付装置の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0017】
図1〜図5において、11はケーシング、31はロータ、41は材料供給管、51は硬化剤供給管、61はベースマシンたる自走式車両を示す。
【0018】
ケーシング11は図1〜図3に明示されているように、円筒形をなす胴体12と該胴体12の両側開放面を塞ぐ両側壁13・14とで構成されている。一方の側壁13の壁面には、図1・図2や図4(A)(B)に例示された入口部15が形成されている。この入口部15は図4(A)(B)から理解できるように、側壁13の内部に形成された合流空間16と、該合流空間16の外壁面を円形に開口する二つの外側開口17・18と、該合流空間16の内壁面を円形に開口する一つの内側開口19とからなるものである。そして一方の外側開口17が内側開口19と同一軸線上に並んでいて他方の外側開口18が内側開口19に対して偏心している。図3を参照して、ケーシング11の胴体12にはこれの一部を略四角形に開口する出口部20が形成されている。ケーシング胴体12の幅方向にわたる当該出口部20の前縁や後縁には長い板状の縁部材21・22が取り外し可能に取り付けられている。これらのうち、一方の縁部材21は胴体12の幅方向にわたる板状部分がきわめて緩やかなV形をなしており、他方の縁部材22は胴体12の幅方向にわたる板状部分が直線形をなしている。とくに縁部材21については、後述する吹付材の吹き飛ばし方向や吹付密度を調整したり変更したりするため、上記V形以外に傾斜形・鋸歯形・波形のものも用いられることがある。その他、ケーシング11の両側壁13・14には、図1・図2に例示する一対の固定座具23・24が取り付けられている。
【0019】
図1〜図3を参照して明らかなように、ロータ31は回転円盤32と複数枚の羽根(インペラ)33とからなり、各羽根33が等間隔の放射状に配列されて回転円盤32に取り付けられたものである。各羽根33の先端側にはその羽根幅にほぼ等しい長さの掻き落とし用ビット34が取り付けられており、各羽根33の前縁側には複数個の小さな切削用ビット35が取り付けられている。ケーシング11の内形に適合した大きさをもつロータ31は、ケーシング11内に入れられて両側壁13・14により回転自在に両端支持されている。ロータ用の回転機械36は一例として油圧モータからなる。かかる回転機械36は、これが側壁13に外付けされたり、その側壁13を貫通した回転出力軸がロータ31の軸心部に連結されたりする。
【0020】
未硬化の吹付材Sをケーシング11内に供給するための材料供給管41は自明のとおりの管状である。未硬化吹付材用の急結剤Hをケーシング11内に供給するための硬化剤供給管51も自明のとおりの管状である。これら両管41・51の相対関係では材料供給管41の口径が硬化剤供給管51のそれを数倍上回る。そしてケーシング11の入口部15をもつ側壁13において、材料供給管41の先端が外側開口17に接続され、硬化剤供給管51の先端が外側開口18に接続される。こうして両管41・51が所定部に接続されたとき、これらは合流空間16の内部で互いに合流するとともに、ケーシング11の内部に対しても合流空間16や内側開口19を介して連通する。
【0021】
図5に例示された自走式車両(ベースマシン)61は、エンジン・車輪・運転席・操縦機器・油圧機器・その他が車体に組み付けられた周知のものである。自走式車両61のフロント部には油圧操作系を介して屈伸自在かつ旋回自在に操作することのできるブーム62も装備されており、そのブーム62の先端部には取付台63が設けられている。既述のものであってロータ31を内蔵したり材料供給管41や硬化剤供給管51を組み付けられたりしたケーシング11は、ブーム62先端側の取付台63上に搭載された後、一対の固定座具23・24や止金具を介してそこに固定される。この場合において、材料供給管41は、これの後端側に接続された可撓性のあるホース42を介して未硬化吹付材Sの供給系(図示せず)と通じており、硬化剤供給管51も、これの後端側に接続された可撓性のあるホース52を介して急結剤Hの供給系(図示せず)と通じている。また、未硬化吹付材Sの供給系は輸送用のポンプを備えており、急結剤Hの供給系は輸送用の高速気流(例:圧縮空気)を発生させるための手段としてコンプレッサとかブロワーとかを備えている。
【0022】
上述したケーシング11・ロータ31・材料供給管41・硬化剤供給管51としては機械的強度の大きい材質のものが望ましい。その代表的一例として、これらは鋼のような金属からなる。なかでもロータ31の各ビット34・35については超硬金属が採用される。可撓性を有する各ホース42・52については、たとえば金属ネットなどを埋め込まれたゴム・合成樹脂製のものが用いられる。上述した構成部品ないし構成部材を相互に組み立てたり連結したり接続したりするときには、ボルト・ナットやその他周知の金具が用いられる。これらの組立・連結・接続などに際して気密性や水密性を要求される箇所にはシール部材が介在される。なお、事後に分解を要しない部品・部材相互については、これらが溶接されることもある。
【0023】
本発明において用いられる吹付材Sは、未硬化の状態において水分(液体)を含んでいたりまたはゾル状をなしていたりし、その塑性変形性を利用して任意の形状に成形することができるものである。吹付材Sの代表例としてセメントを主材料にしたコンクリートをあげることができる。吹付材Sには樹脂を主材料にしたレジンコンクリートもある。また、常温において未硬化の塗料や樹脂系ライニング材などが吹付材Sになることもある。これに対する急結剤Hは、粉末状とか顆粒状とか液状とかを呈しており、吹付材Sに対して凝結を促進させたり急速硬化させたりするものである。ちなみに未硬化の吹付材Sがセメント系コンクリートである場合には、その急結剤(粉末状)Hしてケイ酸ソーダや塩化カルシウムなどが用いられる。
【0024】
つぎに図示の吹付手段を用いて実施する吹付工事の例を説明する。このケースにおいて吹付材Sを吹き付けられる吹付面Fは坑道掘削面である。ここで用いられる未硬化の吹付材Sはセメントを主材料にしたコンクリートモルタル(生コンクリート)であり、それ用の急結剤Hはコンクリートモルタルの凝結を促進させるというものである。
【0025】
図1〜図5において、未硬化の吹付材Sはこれの供給系→ホース42→材料供給管41のような経路でケーシング11側へと供給され、急結剤Hもこれの供給系→ホース52→硬化剤供給管51のような経路でケーシング11側へと供給される。未硬化吹付材Sと急結剤Hとの供給を同時に受けることになるケーシング11内においては、回転機械36からの動力を伝達されたロータ31が高速回転している。かかる運転状態において材料供給管41の先端に達した未硬化吹付材Sや硬化剤供給管51の先端に達した急結剤Hは、図4(A)のごとく、ケーシング側壁13の入口部15において合流空間16内に入る。そして合流空間16内では、棒状を呈して材料供給管41端から押し出された未硬化吹付材Sの先端部外周面に対し、硬化剤供給管51端から吹き出された粉末状の急結剤Hが付着する。ちなみにこの場合の粉末状急結剤Hは、未硬化吹付材Sが水分を含んだものであるためこれによく染み込む。図4(A)において急結剤Hの付着した未硬化吹付材Sの先端部は、合流空間16内を前進して内側開口19よりケーシング11内に入る。これと同時、未硬化吹付材Sの先端部(急結剤Hの付着した部分)は、高速回転しているロータ31の羽根33により切り取られ、しかもケーシング11内において各羽根33により均一に撹拌・混練された後、その未硬化吹付材Sと急結剤Hとの混練物をケーシング11の出口部20から吹付面Fに向けて吹き付けられる。以下運転を停止するまで、吹付面Fに対する吹付材Sの吹付作業が連続的に行われる。かくて吹付面Fには、急結剤Hで瞬時に硬化した吹付材Sの層が面状に形成される。なおケーシング11は、吹付面Fに対する吹付材Sの吹付位置や噴射方向(噴射角度)を調整したり変更したりするために、吹付面沿いにシフトされたり、垂直・水平・傾斜などの各状態に姿勢制御されたりする。これらについては自走式車両61とそのブーム62とで行う。この場合においてケーシング11に付帯するのは軽量で小型の材料供給管41や硬化剤供給管51だけであり、しかもケーシング11の側壁14には大きく突出する構造物が一切ないので操作性がよい。
【0026】
上記の吹付工事について、ケーシング胴体12の外径=460mmφ、ロータ31の回転数=1500回転/毎分、材料供給管41の口径=3インチφ、未硬化吹付材(生コンクリート)Sの供給量(供給ポンプの吐出量)=10立方メートル/毎時などの仕様でこれを実施したところ、未硬化吹付材Sの先端部(急結剤Hの付着した部分)は、ロータ31の8枚ある各羽根33により厚さ約2.8mm単位で薄切りされた。この具体例において、水分を含んだ未硬化吹付材Sと粉末状の急結剤Hとは互いによく付着し、しかも薄切り後において均一に撹拌・混練されたものがケーシング11から吹付面Fに向けて吹き付けられた。また、ケーシング11から吹付面Fに衝突するまでの間に拡散する当該混練物にあっては、その拡散による微粒化の過程でも未硬化吹付材Sと急結剤Hとがよく混じり合った。その結果、急結剤Hをともなって吹付面Fに吹き付けられた未硬化吹付材(生コンクリート)Sは、各部において硬化速度にバラツキをきたすことなく瞬時に硬化した。硬化後の吹付材層は仕上がりの良好なものであった。一方、材料供給管41内や硬化剤供給管51内での硬化現象は全くみられず、ケーシング11内においても硬化現象が殆ど発生しなかった。
【0027】
なお、未硬化の吹付材Aがコンクリートモルタル以外のものであっても、上記の内容に準じてこれを任意の吹付面に吹き付けることができる。以上に述べた吹付技術は、土木分野のほか建築分野での吹付工事にも適用することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明方法は未硬化吹付材とその急結剤とを巧みな手段で混合して吹付面に吹き付けるというものであるから、吹付材を供給途中で硬化させるような不具合を発生せることがなく、したがって長時間ないし長期間にわたり吹付作業を安定して実施することができる。
【0029】
本発明装置はロータを内蔵したケーシングの入口部に対して材料供給管や硬化剤供給管を合流接続するだけのものであるから、本発明方法の合理的な実施がはかれるだけでなく、装置の小型化・軽量化・簡潔化・操作性・コストダウンなどをも満足させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に用いられる本発明装置の一実施形態を示した正面図である。
【図2】本発明方法に用いられる本発明装置の一実施形態を示した縦断面図である。
【図3】図2のX−X線に沿う拡大断面図である。
【図4】図1のY−Y線に沿う拡大断面図とその右側面図である。
【図5】本発明方法を実施するために本発明装置を搭載した自走式車両の側面図である。
【図6】従来の吹付技術についてその一例を略示し説明図である。
【図7】従来の吹付技術について他の一例を示した縦断側面図である。
【図8】図7に例示した吹付技術の縦断正面図である。
【符号の説明】
S 未硬化吹付材
H 急結剤
F 吹付面
11 ケーシング
12 ケーシングの胴体
13 ケーシングの側壁
14 ケーシングの側壁
15 ケーシングの入口部
16 合流空間
17 外側開口
18 外側開口
19 内側開口
20 ケーシングの出口部
21 縁部材
22 縁部材
23 固定座具
24 固定座具
31 ロータ
32 回転円盤
33 羽根
34 ビット
35 ビット
36 回転機械
41 材料供給管
42 ホース
51 硬化剤供給管
52 ホース
61 自走式車両(ベースマシン)
62 ブーム
63 取付台

Claims (4)

  1. 未硬化の吹付材とその急結剤との混合物を吹付面に吹き付けてこれを硬化させるための方法において、材料供給管から供給される未硬化吹付材と硬化剤供給路管から供給される急結剤とをケーシングに向けて同時供給しつつこれら未硬化吹付材・急結剤をケーシングの入口部で合流させて急結剤を未硬化吹付材の先端部に付着させること、および、未硬化吹付材の先端部であって急結剤を含んだ部分がケーシングの入口部からその内部に進入したとき、当該先端部をケーシング内の回転しているロータにより切り取ると同時にロータで撹拌混練すること、および、ロータにより撹拌混練されながら遠心力を付与された未硬化吹付材と急結剤との混合物をケーシングの出口部からケーシング外の吹付面に向けて吹き付けることを特徴とする吹付材の吹付方法。
  2. 未硬化の吹付材としてコンクリートモルタルを用い、急結剤としてコンクリートモルタルを急速硬化させるための硬化剤を用いる請求項1記載の吹付材の吹付方法。
  3. 未硬化の吹付材とその急結剤との混合物を吹付面に吹き付けるための装置において、円筒形の胴体を有するものであって出口部が円筒形胴体に形成されているとともに入口部が出口部以外の部分に形成されているケーシングと、ケーシングに内蔵されてケーシング胴体の内周面沿いに回転する羽根付きロータと、未硬化の吹付材をケーシング内に供給するための材料供給管と、未硬化吹付材用の急結剤をケーシング内に供給するための硬化剤供給管とを備えていること、および、材料供給管の先端部と硬化剤供給管の先端部とがケーシングの外部からケーシングの入口部に接続されて互いに合流しており、かつ、ケーシングの入口部が、ケーシング側壁の内部に形成された合流空間と、該合流空間の外壁面を開口している二つの外側開口と、該合流空間の内壁面を開口している一つの内側開口とからなり、材料供給管と硬化剤供給管とが各外側開口にそれぞれ接続されていることを特徴とする吹付材の吹付装置
  4. 材料供給管を接続された外側開口が内側開口と同一軸線上に並んでいるとともに、硬化剤供給管を接続された外側開口が内側開口に対して偏心している請求項3記載の吹付材の吹付装置。
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