JPH0325118Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は吹付パイプ中を給送される不定形材料
に水等の添加物を供給する注入部構造に関する。

〔従来の技術とその問題点〕

従来、たとえば、溶融金属収納容器の内張の吹
付施工は、吹付パイプ中を給送される不定形耐火
物等の不定形材料に添加水を単独または空気と混
合して注入、混合し、その後、被施工壁面に吹付
けることによつて行われている。

かかる吹付施工に用いる添加水注入構造の一例
を第３図に示す。

同図において、１は吹付パイプであり、同吹付
パイプ１はその中途に添加水注入機構２を有して
いる。

この添加水注入機構２は吹付パイプ１の周面に
注水孔３を穿設し、この注水孔３周りにセラミツ
クス等の素材からなる耐摩耗用ライニング４を施
した筒状体５によつて添加水が外部から流入する
環状水空間６を形成することによつて構成してい
る。

また７は混合後の材料の付着防止機構であり、
同機構７は吹付パイプ１内に設けた振動ゴム８、
同振動ゴム８の周りの周壁に設けた環状加圧流体
空間９および環状加圧流体空間９を形成する筒状
体１０とからなる。

かかる構成によつて、環状水空間６内に流入し
た添加水は、注水孔３を経て、吹付パイプ１内を
給送される不定形材料Ａ中に注入され、混合され
る。また、混合後の不定形材料Ａは、付着防止機
構７の作動によつて、混合を助長されるととも
に、壁面への付着を妨げられ、噴出開口１１より
被吹付施工体に向かつて吹付られる。

しかし、上記吹付において、不定形材料Ａは、
第３図に示すように、吹付パイプ１の内周面の一
側にのみに偏つて搬送される、いわゆる偏り通過
を生じる場合があり、この場合、注水・混合が均
一に行われないおそれがある。

また、不定形材料Ａの通過速度も管内内径によ
つて異なるが、32φで、30〜40m／minと早く、
これも、添加水と不定形材料Ａとの混合を不十分
なものとしていた。

しかるに、添加水と不定形材料との混合が不十
分であると、吹付後の付着材料の材料組織に悪影
響を及ぼし、また、リバウンドロスや発塵等を生
じることになる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は、上記問題点を解決することができる
不定形材料への添加物注入部構造に係るものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、内部に不定形材料搬送空間を形成す
るとともに、外部に環状水空間を形成し、かつ両
空間を注水孔によつて連通する筒状体を具備する
不定形材料の添加物注入部構造において、前記筒
状体の内周に、流線を流路断面の内側へ指向させ
る材料通路変更用突起を設け、該材料通路変更用
突起の直ぐ下流に前記注水孔を流路断面のほぼ全
周に開口させると共に、前記材料通路変更用突起
から該開口部分へ至る流路面積を拡大させたこと
を特徴とする。

〔実施例〕

以下添付図（第１図）に示す実施例に基づい
て、本考案を具体的に説明する。

第１図において、吹付パイプ１に取付けられる
添加水注入機構２はその基本構成を第１図に示す
従来例の注入機構と実質的に等しくしており、３
は注水孔、４はセラミツクスを素材とするライニ
ング、５は筒状体、６は環状水空間、７は材料の
付着防止機構、８は振動ゴム、９は環状加圧流体
空間、１０は筒状体、１１は噴出開口である。

さらに、第１図において、１２はＯリング、１
３は連結ボルトである。

かかる基本構成において、本考案は筒状体５の
内周面に材料通路変更用突起２０を設けた点に構
成上の特徴を有する。

即ち、第１図に示すように、筒状体５及びライ
ニング４は、その内周面であつて、注水孔３の直
前に位置する個所を、全周にわたつて筒状体５の
軸芯２１に向けて突出して、材料通路変更用突起
２０を形成している。

また、かかる突起２０は、不定形材料Ａの流れ
を乱流状態にして流路断面の内側へ向けて送り出
すため、その内周面を材料搬送方向に向けて一定
の角度で傾斜している。そして、材料は流路断面
の全体に広く展開したり流路壁に衝突して撹拌さ
れ、表面積を大きくすることによつて水添加が効
率的に行われるような態勢に設定される。

さらに、突起２０は必ずしも全周に設ける必要
はなく、また、その形状も、上記材料変更効果を
あげることができるものであればよい。

ついで、上記構成を有する添加水注入部構造を
用いた吹付作業について述べる。

第１図において、不定形材料Ａが筒状体５の内
周面を形成するライニング４の一側周面に沿つて
偏りながら搬送されてくる。

しかるに、同筒状体５またはライニング４は、
注水孔３直前に上記材料通路変更用突起２０を有
しているので、不定形材料Ａは、図示するよう
に、その通路を筒状体５の軸芯２１に向けて変更
させられ、不定形材料Ａは筒状体５の中心部を通
つて他側の内周面に衝突することになり、また、
同突起２０の下流側の口径は、再度拡大している
ので、通過速度を落とすことになる。その後、不
定形材料Ａに添加水を噴霧、混合する。このよう
に注水孔３部分を通過するときには材料流れが減
速されるので、流路断面のほぼ全周に設けた注水
孔３から添加水を量的に十分に材料中に供給で
き、むらのない均一な水添加が可能となる。

また、振動ゴム８の基端口径はライニング４の
先端口径より拡大しており、これも不定形材料Ａ
の通過速度を落とすことになる。

さらに、混合後の不定形材料Ａに振動ゴム８を
利用して振動を与え、添加水との混合を助長し、
その後、噴出開口１１より、混合材料を被施工壁
面に吹きつける。

第２図に上記添加物注入構造の変容例を示して
おり、同変容例は、注水孔３の形状を変更したこ
とに特徴を有する。

即ち、第１図において、注水孔３は筒状体５の
全周にわたつて環状スリツトを設けることによつ
て形成したが、第２図においては、複数の透孔を
円周方向に所定の間隔を開けて設けることによつ
て形成している。

しかし、その他の構成は同じであり、第１図に
示す添加物注入構造と同様な混合効果をあげるこ
とができる。

〔考案の効果〕

以上述べてきた構成により、本考案は、以下の
効果を奏する。

イ 材料通路変更用突起によつて材料の通路を筒
状体の軸芯に向けて変更でき、その後、対向す
る側の内周面に衝突させ、その後添加水を交差
して混合することによつて、材料と水との十分
な混合を得ることができる。

ロ また、材料通路変更用突起の直ぐ下流の注水
孔部分に至る流路面積を拡大しているので、材
料が突起部分で増速されても再び減速されたと
きに流路断面のほぼ全周に設けた注水孔からの
添加が行われ、材料に対して十分な量の添加水
を添加できる。このため、添加水とが十分に混
合ししかもむらのない均一な状態として下流へ
送り出すことができる。

ハ 上記イ）、ロ）の効果によつて、吹付施工に
際して、付着材料の物性を著しく向上するとと
もに、リバウンドロスや粉塵の発生を抑えるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る不定形材料への添加物注
入部構造の説明図、第２図はその変容例の説明
図、第３図は従来の添加物注入部構造の説明図で
ある。 図中、１：吹付パイプ、２：添加水注入機構、
３：注水孔、４：ライニング、５：筒状体、６：
環状水空間、７：付着防止機構、８：振動ゴム、
９：環状加圧流体空間、１０：筒状体、１１：噴
出開口、２０：材料通路変更用突起、２１：軸
芯、Ａ：不定形材料。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内部に不定形材料搬送空間を形成するととも
   に、外部に環状水空間を形成し、かつ両空間を注
   水孔によつて連通する筒状体を具備する不定形材
   料の添加物注入部構造において、 前記筒状体の内周に、流線を流路断面の内側へ
   指向させる材料通路変更用突起を設け、 該材料通路変更用突起の直ぐ下流に前記注水孔
   を流路断面のほぼ全周に開口させると共に、前記
   材料通路変更用突起から該開口部分へ至る流路面
   積を拡大させたことを特徴とする不定形材料への
   添加物注入部構造。