JPH0543816A - 雲母チタン顔料の製造方法 - Google Patents

雲母チタン顔料の製造方法

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JPH0543816A
JPH0543816A JP23087791A JP23087791A JPH0543816A JP H0543816 A JPH0543816 A JP H0543816A JP 23087791 A JP23087791 A JP 23087791A JP 23087791 A JP23087791 A JP 23087791A JP H0543816 A JPH0543816 A JP H0543816A
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JP
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mica
titanium
sulfuric acid
parts
pigment
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JP23087791A
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Mineyoshi Machitori
峰喜 待鳥
Hiromi Terada
裕美 寺田
Toru Kawakami
徹 川上
Akira Nishio
章 西尾
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Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Ukima Chemicals and Color Mfg Co Ltd
Original Assignee
Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Ukima Chemicals and Color Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来技術の問題点を解決し、二酸化チタン層
に亀裂のない色相鮮明な、干渉色の強い雲母チタン顔料
を容易に提供すること。 【構成】 限定された範囲にある硫酸濃度の雲母懸濁液
を開始溶液とし、その開始溶液を90℃〜沸点(102
℃)まで加熱したところで、硫酸チタニル溶液を一定時
間で添加することにより、チタン塩を加水分解させ、雲
母りん片上に含水二酸化チタンを沈着させ、生成物を濾
過し、洗浄し、乾燥し、焼成することを特徴とする雲母
チタン顔料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、雲母チタン顔料及びそ
の製造方法に関し、新規製法及び改良された雲母チタン
顔料の提供を目的とする。更に詳しく云えば、本発明
は、水性媒体中でチタン塩を加水分解することにより、
雲母りん片上に含水酸化チタンを沈着させ、酸化チタン
の薄膜を形成させる雲母チタン顔料の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】雲母チタン顔料は、雲母りん片を二酸化
チタンで被覆したものであり、その従来の製法として、
特公昭43−25644号公報に記載されている、いわ
ゆる熱加水分解法と、特公昭49−3824号公報に記
載されている、いわゆるアルカリ加水分解法とがある。
熱加水分解による方法は、水懸濁液中の雲母りん片が、
沸騰温度で希硫酸酸性のオキシ硫酸チタン溶液の加水分
解によって、雲母りん片が含水二酸化チタンで被覆さ
れ、それを焼成することのよって、雲母りん片上に二酸
化チタンの被膜を形成させるものであり、下記の反応式
による。 (加水分解) TiOSO4 +2H2 O → TiO(OH)2 +H2 SO4 ・・・(1) (焼成) TiO(OH)2 → TiO2 +H2 O ・・・(2) 又、アルカリ加水分解による方法は、水懸濁液中の雲母
りん片上に、一定速度で水和酸化チタンを沈着させる
為、温度を50〜100℃として反応中のpH値をpH
0.5〜5.5の一定値を維持する様に、チタン塩溶液
とアルカリ溶液を一定時間同時に添加するものであり、
下記の反応式による。 (加水分解) TiCl4 +4H2 O → H4 TiO4 +HCl ・・・(1) (中和) HCl+NaOH → NaCl+H2 O ・・・(2) (焼成) H4 TiO4 → TiO2 +2H2 O ・・・(3)
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】前記従来の熱加
水分解による方法では、加水分解が急速に開始するこ
と、又、反応が進むにつれて硫酸が遊離してくることか
ら加水分解速度が変化し、膜厚の均一なコーティング被
膜を得ることが困難であり、尚且つ被膜中に二酸化チタ
ンの粗大粒子が存在すること、コーティング被膜が不均
一な為、亀裂が生じることから干渉色の減退や乱反射に
よる白化等、光学的な不利益をもたらす欠点がある。
又、アルカリ加水分解による方法では、加水分解反応の
間、雲母懸濁液のpH値を極めて限定された範囲内に維
持することが必要であり、その範囲を僅かに外れるだけ
で遊離の酸化チタンが生じ、鮮明な干渉色を有する顔料
が得られないこと、又、チタン塩の加水分解が極めてゆ
るやかな速度を必要とし、目的の色相を得るのに長時間
を要する等、工程管理上及び経済的にも不利な点があ
る。従って本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解
決し、二酸化チタン層に亀裂のない色相鮮明な、干渉色
の強い雲母チタン顔料を容易に提供することである。
【0004】
【問題を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明に
よって達成される。即ち、本発明は、限定された範囲に
ある硫酸濃度の雲母懸濁液を開始溶液とし、その開始溶
液を90℃〜沸点(102℃)まで加熱したところで、
硫酸チタニル溶液を一定時間で添加することにより、チ
タン塩を加水分解させ、雲母りん片上に含水二酸化チタ
ンを沈着させ、生成物を濾過し、洗浄し、乾燥し、焼成
することを特徴とする雲母チタン顔料の製造方法であ
る。
【0005】
【作用】本発明者らは、膜厚の均一な亀裂のないコーテ
ィング被膜を得、被膜中に二酸化チタンの祖大粒子が存
在しない、より簡潔で経済的な工程で雲母チタン顔料を
生成させる反応機構について鋭意研究を重ねた結果、雲
母懸濁液中の硫酸濃度がある一定の範囲にある雲母懸濁
液を開始溶液とし、その開始溶液に硫酸チタニル溶液を
添加し、雲母りん片上に二酸化チタンの被膜を形成させ
る方法によって、二酸化チタン層に亀裂のない色相鮮明
な、干渉色の強い雲母チタン顔料を容易に提供すること
が出来、前記従来技術の問題が解決されることを見出し
た。
【0006】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施例様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。本発明に用いられる雲母
は、白雲母(マスコバイト)が一般に使用されるが、黒
雲母又は人工雲母も使用することが出来る。上記雲母の
粒径は、1〜100μm程度のものが使用されるが、好
ましくは、20〜50μmの比較的粒度の揃った厚さ
0.1μm程度の薄いものが良好である。雲母懸濁液に
添加すべきチタン塩は、硫酸チタニル等の試薬又は工業
用原材料が使用出来る。又、添加すべきチタン溶液中の
チタンに対する硫酸の比率は、チタン1モルに対し、
0.05モル〜5モルの範囲であるが、0.2モル〜4
モルが望ましい。雲母懸濁液に硫酸を添加してなる開始
溶液の硫酸濃度は、0.01M/リットル〜0.5M/
リットル範囲であるが、0.02M/リットル〜0.2
M/リットルの濃度が好ましい。開始溶液中の硫酸濃度
が、0.01M/リットル未満の場合には、雲母りん片
上に沈着する二酸化チタン粒子が不揃となり、又、大き
な粒子の塊の存在が認められる。逆に、0.5M/リッ
トルを越える硫酸濃度の場合には、雲母りん片上に付着
しない遊離の酸化チタンが発生する。いずれの場合に
も、得られた顔料を用いて塗膜を形成した時に光学的に
乱反射を起こし、干渉色を白化させ、弱い干渉色しか得
られない。
【0007】又、添加すべきチタン塩の供給速度は、二
酸化チタン粒子の大きさに影響を与える。即ち、供給速
度が早いときには比較的小さい粒子の二酸化チタンが雲
母りん片上に沈着し、供給速度が遅くなるに従って、沈
着する二酸化チタン粒子が大きくなる。この為所望の粒
子径の二酸化チタン粒子を得る為に、適当な供給速度を
設定する必要がある。供給速度は、雲母の表面積1m
につき、1.0×10-4M/min.〜1.0×10-2
M/min.が望ましい。反応は、一般に90℃〜沸点
(102℃)で行うが、沸点においてより好ましい色相
の顔料を得ることが出来る。
【0008】チタン塩を添加した後は、生成物を1時間
〜2時間程熟成する。この様にして得られた雲母チタン
スラリーを濾過、洗浄し、得られたケーキを105℃前
後で12時間程度乾燥する。その後、乾燥顔料を900
℃前後で1時間程度焼成する。得られた雲母チタン顔料
は、雲母上のチタン層に亀裂のない色相鮮明な干渉色を
有している。又、これらの雲母チタン顔料は、二酸化チ
タン層の厚みにより、銀色から緑色までの一連の干渉色
を得ることが出来る。本発明で得られた顔料は、塗料、
印刷インキ、プラスチック等に添加し、着色剤又は補強
剤として使用することが出来る。
【0009】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中部又は%とあるのは特に断
りのない限り重量基準である。 実施例1 厚さ0.05〜0.2μm、平均粒径50μm、BET
表面積3m/gを有するりん片白雲母50部を1リッ
トルのイオン交換水に撹拌しながら懸濁させ、これに9
8%硫酸10部をゆっくりと添加した。これをA液とし
た。次に硫酸チタニル60部(TiO2 として19.2
部)及び98%硫酸30部を250mlのイオン交換水
に溶解し、これをB液とした。A液を撹拌しながら加熱
し、沸点に達したところで、B液を定量ポンプで一定の
速度でA液に3時間にわたって添加した。添加終了後、
1時間熟成した後生成したスラリーを濾過、水洗し、得
られたケーキを105℃で12時間乾燥した。乾燥顔料
を900℃で1時間焼成すると、灰白色の粉末が得られ
た。この顔料をアクリルラッカーにて塗料化し、フィル
ムアプリケーターで陰ぺい力紙に塗布したところ、黒帯
部に銀色の真珠光沢を有していた。
【0010】実施例2 実施例1に使用した白雲母40部を1リットルのイオン
交換水に撹拌しながら懸濁させ、これに98%硫酸10
部をゆっくりと添加した。これをA液とした。次に硫酸
チタニル64部(TiO2 として20部)及び98%硫
酸43部を250mlのイオン交換水に溶解した。これ
をB液とした。A液を撹拌しながら加熱し、沸点に達し
たところで、B液を定量ポンプで一定の速度でA液に3
時間にわたって添加した。添加終了後、1時間熟成した
後生成したスラリーを実施例1と同様に処理すると、金
色の干渉色と真珠光沢を有する顔料が得られた。
【0011】実施例3 実施例1に使用した白雲母35部を1リットルのイオン
交換水に撹拌しながら懸濁させ、これに98%硫酸10
部をゆっくりと添加した。これをA液とした。次に硫酸
チタニル70部(TiO2 として22.4部)及び98
%硫酸47部を250mlのイオン交換水に溶解し、こ
れをB液とした。A液を撹拌しながら加熱し、沸点に達
したところで、B液を定量ポンプで一定の速度でA液に
3時間にわたって添加した。スラリーを実施例1と同様
に処理すると、赤色の干渉色と真珠光沢を有する顔料が
得られた。
【0012】実施例4 実施例1に使用した白雲母30部を1リットルのイオン
交換水に撹拌しながら懸濁させ、これに98%硫酸10
部をゆっくりと添加した。これをA液とした。次に硫酸
チタニル78部(TiO2 として25部)及び98%硫
酸52部を250mlのイオン交換水に溶解し、これを
B液とした。A液を撹拌しながら加熱し、沸点に達した
ところで、B液を定量ポンプで一定の速度でA液に3時
間にわたって添加した。スラリーを実施例1と同様に処
理すると、赤紫色の干渉色と真珠光沢を有する顔料が得
られた。
【0013】実施例5 実施例1に使用した白雲母25部を1リットルのイオン
交換水に撹拌しながら懸濁させ、これに98%硫酸10
部をゆっくりと添加した。これをA液とした。次に硫酸
チタニル67部(TiO2 として21.4部)及び98
%硫酸45部を250mlのイオン交換水に溶解し、こ
れをB液とした。A液を撹拌しながら加熱し、沸点に達
したところで、B液を定量ポンプで一定の速度でA液に
3時間にわたって添加した。スラリーを実施例1と同様
に処理すると、青色の干渉色と真珠光沢を有する顔料が
得られた。
【0014】実施例6 実施例1に使用した白雲母25部を1リットルのイオン
交換水に撹拌しながら懸濁させ、これに98%硫酸10
部をゆっくりと添加した。これをA液とした。次に硫酸
チタニル80部(TiO2 として25.6部)及び98
%硫酸54部を250mlのイオン交換水に溶解し、こ
れをB液とした。A液を撹拌しながら加熱し、沸点に達
したところで、B液を定量ポンプで一定の速度でA液に
4時間にわたって添加した。スラリーを実施例1と同様
に処理すると、緑色の干渉色と真珠光沢を有する顔料が
得られた。
【0015】比較例1 硫酸チタニル156部を(TiO2 として50部)を1
500mlのイオン交換水に溶解し、98%硫酸190
部を加える。次に、この溶液中に、実施例1に使用した
白雲母100部を懸濁させる。そこで、硫酸チタニル溶
液中の雲母の懸濁液を急速に加熱沸騰させ、約2.5時
間還流沸騰を維持する。生成スラリーを実施例1と同様
に処理すると、金色の干渉色と真珠光沢を有する顔料が
得られた。
【0016】評価例 実施例2で得られた顔料と比較例1で得られた顔料を夫
々用いて下記の配合により塗料を作成し、6ミルのアプ
リケーターにて陰ぺい力試験紙に展色した。塗布部を自
然乾燥し、黒帯部分の干渉色を肉眼により評価した。 (配 合) アクリルラッカー 20部 ラッカーシンナー 2部顔 料 1部 実施例2で得られた顔料は、比較例1の顔料より色相鮮
明な金色の干渉色を有していた。又、走査型電子顕微鏡
写真にて、倍率30,000倍で雲母表面に沈着してい
る二酸化チタン層を撮影したところ、本発明の顔料の場
合には亀裂がないことが確認された。尚、他の実施例に
おいて得られた顔料も上記と同様に優れた光沢と亀裂の
ない二酸化チタン層を有していた。
【0017】
【発明の効果】以上の通り本発明に従えば、二酸化チタ
ン層に亀裂のない色相鮮明な、干渉色の強い雲母チタン
顔料を製造することが出来る。特許出願人 大日精化
工業株式会社 他1名代理人 弁理士 吉 田 勝 広
他1名
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 徹 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 西尾 章 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6号 大日精化工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 限定された範囲にある硫酸濃度の雲母懸
    濁液を開始溶液とし、その開始溶液を90℃〜沸点(1
    02℃)まで加熱したところで、硫酸チタニル溶液を一
    定時間で添加することにより、チタン塩を加水分解さ
    せ、雲母りん片上に含水二酸化チタンを沈着させ、生成
    物を濾過し、洗浄し、乾燥し、焼成することを特徴とす
    る雲母チタン顔料の製造方法。
  2. 【請求項2】 開始溶液の硫酸濃度が、0.01M/リ
    ットル〜0.5M/リットルの範囲内である請求項1に
    記載の雲母チタン顔料の製造方法。
  3. 【請求項3】 添加すべき硫酸チタニル溶液のチタンに
    対する硫酸のモル比が、チタン1モルに対して0.05
    〜2.5モルの範囲である請求項1に記載の雲母チタン
    顔料の製造方法。
  4. 【請求項4】 硫酸チタニル溶液添加時の雲母懸濁液の
    温度が、90℃〜沸点(102℃)である請求項1に記
    載の雲母チタン顔料の製造方法。
  5. 【請求項5】 添加すべきチタンの供給速度が、雲母表
    面積1m且つ1分間当り5×10-4M/min.〜5
    ×10-1M/min.の範囲にある請求項1に記載の雲
    母チタン顔料の製造方法。
JP23087791A 1991-08-19 1991-08-19 雲母チタン顔料の製造方法 Pending JPH0543816A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016027095A (ja) * 2014-07-03 2016-02-18 トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド Alフレークへの亀裂無しチタニアナノ結晶コーティングのPEGアシスト堆積

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JPS58149959A (ja) * 1981-12-24 1983-09-06 メルク・パテント・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング 真珠光顔料、それらの製造方法およびそれらの使用
JPS58180561A (ja) * 1982-03-30 1983-10-22 メルク・パテント・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング 改善された光沢性質を有する真珠光沢顔料の製造方法

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