JPH0543816A - 雲母チタン顔料の製造方法 - Google Patents
雲母チタン顔料の製造方法Info
- Publication number
- JPH0543816A JPH0543816A JP23087791A JP23087791A JPH0543816A JP H0543816 A JPH0543816 A JP H0543816A JP 23087791 A JP23087791 A JP 23087791A JP 23087791 A JP23087791 A JP 23087791A JP H0543816 A JPH0543816 A JP H0543816A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mica
- titanium
- sulfuric acid
- parts
- pigment
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来技術の問題点を解決し、二酸化チタン層
に亀裂のない色相鮮明な、干渉色の強い雲母チタン顔料
を容易に提供すること。 【構成】 限定された範囲にある硫酸濃度の雲母懸濁液
を開始溶液とし、その開始溶液を90℃〜沸点(102
℃)まで加熱したところで、硫酸チタニル溶液を一定時
間で添加することにより、チタン塩を加水分解させ、雲
母りん片上に含水二酸化チタンを沈着させ、生成物を濾
過し、洗浄し、乾燥し、焼成することを特徴とする雲母
チタン顔料の製造方法。
に亀裂のない色相鮮明な、干渉色の強い雲母チタン顔料
を容易に提供すること。 【構成】 限定された範囲にある硫酸濃度の雲母懸濁液
を開始溶液とし、その開始溶液を90℃〜沸点(102
℃)まで加熱したところで、硫酸チタニル溶液を一定時
間で添加することにより、チタン塩を加水分解させ、雲
母りん片上に含水二酸化チタンを沈着させ、生成物を濾
過し、洗浄し、乾燥し、焼成することを特徴とする雲母
チタン顔料の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、雲母チタン顔料及びそ
の製造方法に関し、新規製法及び改良された雲母チタン
顔料の提供を目的とする。更に詳しく云えば、本発明
は、水性媒体中でチタン塩を加水分解することにより、
雲母りん片上に含水酸化チタンを沈着させ、酸化チタン
の薄膜を形成させる雲母チタン顔料の製造方法に関す
る。
の製造方法に関し、新規製法及び改良された雲母チタン
顔料の提供を目的とする。更に詳しく云えば、本発明
は、水性媒体中でチタン塩を加水分解することにより、
雲母りん片上に含水酸化チタンを沈着させ、酸化チタン
の薄膜を形成させる雲母チタン顔料の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】雲母チタン顔料は、雲母りん片を二酸化
チタンで被覆したものであり、その従来の製法として、
特公昭43−25644号公報に記載されている、いわ
ゆる熱加水分解法と、特公昭49−3824号公報に記
載されている、いわゆるアルカリ加水分解法とがある。
熱加水分解による方法は、水懸濁液中の雲母りん片が、
沸騰温度で希硫酸酸性のオキシ硫酸チタン溶液の加水分
解によって、雲母りん片が含水二酸化チタンで被覆さ
れ、それを焼成することのよって、雲母りん片上に二酸
化チタンの被膜を形成させるものであり、下記の反応式
による。 (加水分解) TiOSO4 +2H2 O → TiO(OH)2 +H2 SO4 ・・・(1) (焼成) TiO(OH)2 → TiO2 +H2 O ・・・(2) 又、アルカリ加水分解による方法は、水懸濁液中の雲母
りん片上に、一定速度で水和酸化チタンを沈着させる
為、温度を50〜100℃として反応中のpH値をpH
0.5〜5.5の一定値を維持する様に、チタン塩溶液
とアルカリ溶液を一定時間同時に添加するものであり、
下記の反応式による。 (加水分解) TiCl4 +4H2 O → H4 TiO4 +HCl ・・・(1) (中和) HCl+NaOH → NaCl+H2 O ・・・(2) (焼成) H4 TiO4 → TiO2 +2H2 O ・・・(3)
チタンで被覆したものであり、その従来の製法として、
特公昭43−25644号公報に記載されている、いわ
ゆる熱加水分解法と、特公昭49−3824号公報に記
載されている、いわゆるアルカリ加水分解法とがある。
熱加水分解による方法は、水懸濁液中の雲母りん片が、
沸騰温度で希硫酸酸性のオキシ硫酸チタン溶液の加水分
解によって、雲母りん片が含水二酸化チタンで被覆さ
れ、それを焼成することのよって、雲母りん片上に二酸
化チタンの被膜を形成させるものであり、下記の反応式
による。 (加水分解) TiOSO4 +2H2 O → TiO(OH)2 +H2 SO4 ・・・(1) (焼成) TiO(OH)2 → TiO2 +H2 O ・・・(2) 又、アルカリ加水分解による方法は、水懸濁液中の雲母
りん片上に、一定速度で水和酸化チタンを沈着させる
為、温度を50〜100℃として反応中のpH値をpH
0.5〜5.5の一定値を維持する様に、チタン塩溶液
とアルカリ溶液を一定時間同時に添加するものであり、
下記の反応式による。 (加水分解) TiCl4 +4H2 O → H4 TiO4 +HCl ・・・(1) (中和) HCl+NaOH → NaCl+H2 O ・・・(2) (焼成) H4 TiO4 → TiO2 +2H2 O ・・・(3)
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】前記従来の熱加
水分解による方法では、加水分解が急速に開始するこ
と、又、反応が進むにつれて硫酸が遊離してくることか
ら加水分解速度が変化し、膜厚の均一なコーティング被
膜を得ることが困難であり、尚且つ被膜中に二酸化チタ
ンの粗大粒子が存在すること、コーティング被膜が不均
一な為、亀裂が生じることから干渉色の減退や乱反射に
よる白化等、光学的な不利益をもたらす欠点がある。
又、アルカリ加水分解による方法では、加水分解反応の
間、雲母懸濁液のpH値を極めて限定された範囲内に維
持することが必要であり、その範囲を僅かに外れるだけ
で遊離の酸化チタンが生じ、鮮明な干渉色を有する顔料
が得られないこと、又、チタン塩の加水分解が極めてゆ
るやかな速度を必要とし、目的の色相を得るのに長時間
を要する等、工程管理上及び経済的にも不利な点があ
る。従って本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解
決し、二酸化チタン層に亀裂のない色相鮮明な、干渉色
の強い雲母チタン顔料を容易に提供することである。
水分解による方法では、加水分解が急速に開始するこ
と、又、反応が進むにつれて硫酸が遊離してくることか
ら加水分解速度が変化し、膜厚の均一なコーティング被
膜を得ることが困難であり、尚且つ被膜中に二酸化チタ
ンの粗大粒子が存在すること、コーティング被膜が不均
一な為、亀裂が生じることから干渉色の減退や乱反射に
よる白化等、光学的な不利益をもたらす欠点がある。
又、アルカリ加水分解による方法では、加水分解反応の
間、雲母懸濁液のpH値を極めて限定された範囲内に維
持することが必要であり、その範囲を僅かに外れるだけ
で遊離の酸化チタンが生じ、鮮明な干渉色を有する顔料
が得られないこと、又、チタン塩の加水分解が極めてゆ
るやかな速度を必要とし、目的の色相を得るのに長時間
を要する等、工程管理上及び経済的にも不利な点があ
る。従って本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解
決し、二酸化チタン層に亀裂のない色相鮮明な、干渉色
の強い雲母チタン顔料を容易に提供することである。
【0004】
【問題を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明に
よって達成される。即ち、本発明は、限定された範囲に
ある硫酸濃度の雲母懸濁液を開始溶液とし、その開始溶
液を90℃〜沸点(102℃)まで加熱したところで、
硫酸チタニル溶液を一定時間で添加することにより、チ
タン塩を加水分解させ、雲母りん片上に含水二酸化チタ
ンを沈着させ、生成物を濾過し、洗浄し、乾燥し、焼成
することを特徴とする雲母チタン顔料の製造方法であ
る。
よって達成される。即ち、本発明は、限定された範囲に
ある硫酸濃度の雲母懸濁液を開始溶液とし、その開始溶
液を90℃〜沸点(102℃)まで加熱したところで、
硫酸チタニル溶液を一定時間で添加することにより、チ
タン塩を加水分解させ、雲母りん片上に含水二酸化チタ
ンを沈着させ、生成物を濾過し、洗浄し、乾燥し、焼成
することを特徴とする雲母チタン顔料の製造方法であ
る。
【0005】
【作用】本発明者らは、膜厚の均一な亀裂のないコーテ
ィング被膜を得、被膜中に二酸化チタンの祖大粒子が存
在しない、より簡潔で経済的な工程で雲母チタン顔料を
生成させる反応機構について鋭意研究を重ねた結果、雲
母懸濁液中の硫酸濃度がある一定の範囲にある雲母懸濁
液を開始溶液とし、その開始溶液に硫酸チタニル溶液を
添加し、雲母りん片上に二酸化チタンの被膜を形成させ
る方法によって、二酸化チタン層に亀裂のない色相鮮明
な、干渉色の強い雲母チタン顔料を容易に提供すること
が出来、前記従来技術の問題が解決されることを見出し
た。
ィング被膜を得、被膜中に二酸化チタンの祖大粒子が存
在しない、より簡潔で経済的な工程で雲母チタン顔料を
生成させる反応機構について鋭意研究を重ねた結果、雲
母懸濁液中の硫酸濃度がある一定の範囲にある雲母懸濁
液を開始溶液とし、その開始溶液に硫酸チタニル溶液を
添加し、雲母りん片上に二酸化チタンの被膜を形成させ
る方法によって、二酸化チタン層に亀裂のない色相鮮明
な、干渉色の強い雲母チタン顔料を容易に提供すること
が出来、前記従来技術の問題が解決されることを見出し
た。
【0006】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施例様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。本発明に用いられる雲母
は、白雲母(マスコバイト)が一般に使用されるが、黒
雲母又は人工雲母も使用することが出来る。上記雲母の
粒径は、1〜100μm程度のものが使用されるが、好
ましくは、20〜50μmの比較的粒度の揃った厚さ
0.1μm程度の薄いものが良好である。雲母懸濁液に
添加すべきチタン塩は、硫酸チタニル等の試薬又は工業
用原材料が使用出来る。又、添加すべきチタン溶液中の
チタンに対する硫酸の比率は、チタン1モルに対し、
0.05モル〜5モルの範囲であるが、0.2モル〜4
モルが望ましい。雲母懸濁液に硫酸を添加してなる開始
溶液の硫酸濃度は、0.01M/リットル〜0.5M/
リットル範囲であるが、0.02M/リットル〜0.2
M/リットルの濃度が好ましい。開始溶液中の硫酸濃度
が、0.01M/リットル未満の場合には、雲母りん片
上に沈着する二酸化チタン粒子が不揃となり、又、大き
な粒子の塊の存在が認められる。逆に、0.5M/リッ
トルを越える硫酸濃度の場合には、雲母りん片上に付着
しない遊離の酸化チタンが発生する。いずれの場合に
も、得られた顔料を用いて塗膜を形成した時に光学的に
乱反射を起こし、干渉色を白化させ、弱い干渉色しか得
られない。
発明を更に詳しく説明する。本発明に用いられる雲母
は、白雲母(マスコバイト)が一般に使用されるが、黒
雲母又は人工雲母も使用することが出来る。上記雲母の
粒径は、1〜100μm程度のものが使用されるが、好
ましくは、20〜50μmの比較的粒度の揃った厚さ
0.1μm程度の薄いものが良好である。雲母懸濁液に
添加すべきチタン塩は、硫酸チタニル等の試薬又は工業
用原材料が使用出来る。又、添加すべきチタン溶液中の
チタンに対する硫酸の比率は、チタン1モルに対し、
0.05モル〜5モルの範囲であるが、0.2モル〜4
モルが望ましい。雲母懸濁液に硫酸を添加してなる開始
溶液の硫酸濃度は、0.01M/リットル〜0.5M/
リットル範囲であるが、0.02M/リットル〜0.2
M/リットルの濃度が好ましい。開始溶液中の硫酸濃度
が、0.01M/リットル未満の場合には、雲母りん片
上に沈着する二酸化チタン粒子が不揃となり、又、大き
な粒子の塊の存在が認められる。逆に、0.5M/リッ
トルを越える硫酸濃度の場合には、雲母りん片上に付着
しない遊離の酸化チタンが発生する。いずれの場合に
も、得られた顔料を用いて塗膜を形成した時に光学的に
乱反射を起こし、干渉色を白化させ、弱い干渉色しか得
られない。
【0007】又、添加すべきチタン塩の供給速度は、二
酸化チタン粒子の大きさに影響を与える。即ち、供給速
度が早いときには比較的小さい粒子の二酸化チタンが雲
母りん片上に沈着し、供給速度が遅くなるに従って、沈
着する二酸化チタン粒子が大きくなる。この為所望の粒
子径の二酸化チタン粒子を得る為に、適当な供給速度を
設定する必要がある。供給速度は、雲母の表面積1m2
につき、1.0×10-4M/min.〜1.0×10-2
M/min.が望ましい。反応は、一般に90℃〜沸点
(102℃)で行うが、沸点においてより好ましい色相
の顔料を得ることが出来る。
酸化チタン粒子の大きさに影響を与える。即ち、供給速
度が早いときには比較的小さい粒子の二酸化チタンが雲
母りん片上に沈着し、供給速度が遅くなるに従って、沈
着する二酸化チタン粒子が大きくなる。この為所望の粒
子径の二酸化チタン粒子を得る為に、適当な供給速度を
設定する必要がある。供給速度は、雲母の表面積1m2
につき、1.0×10-4M/min.〜1.0×10-2
M/min.が望ましい。反応は、一般に90℃〜沸点
(102℃)で行うが、沸点においてより好ましい色相
の顔料を得ることが出来る。
【0008】チタン塩を添加した後は、生成物を1時間
〜2時間程熟成する。この様にして得られた雲母チタン
スラリーを濾過、洗浄し、得られたケーキを105℃前
後で12時間程度乾燥する。その後、乾燥顔料を900
℃前後で1時間程度焼成する。得られた雲母チタン顔料
は、雲母上のチタン層に亀裂のない色相鮮明な干渉色を
有している。又、これらの雲母チタン顔料は、二酸化チ
タン層の厚みにより、銀色から緑色までの一連の干渉色
を得ることが出来る。本発明で得られた顔料は、塗料、
印刷インキ、プラスチック等に添加し、着色剤又は補強
剤として使用することが出来る。
〜2時間程熟成する。この様にして得られた雲母チタン
スラリーを濾過、洗浄し、得られたケーキを105℃前
後で12時間程度乾燥する。その後、乾燥顔料を900
℃前後で1時間程度焼成する。得られた雲母チタン顔料
は、雲母上のチタン層に亀裂のない色相鮮明な干渉色を
有している。又、これらの雲母チタン顔料は、二酸化チ
タン層の厚みにより、銀色から緑色までの一連の干渉色
を得ることが出来る。本発明で得られた顔料は、塗料、
印刷インキ、プラスチック等に添加し、着色剤又は補強
剤として使用することが出来る。
【0009】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中部又は%とあるのは特に断
りのない限り重量基準である。 実施例1 厚さ0.05〜0.2μm、平均粒径50μm、BET
表面積3m2/gを有するりん片白雲母50部を1リッ
トルのイオン交換水に撹拌しながら懸濁させ、これに9
8%硫酸10部をゆっくりと添加した。これをA液とし
た。次に硫酸チタニル60部(TiO2 として19.2
部)及び98%硫酸30部を250mlのイオン交換水
に溶解し、これをB液とした。A液を撹拌しながら加熱
し、沸点に達したところで、B液を定量ポンプで一定の
速度でA液に3時間にわたって添加した。添加終了後、
1時間熟成した後生成したスラリーを濾過、水洗し、得
られたケーキを105℃で12時間乾燥した。乾燥顔料
を900℃で1時間焼成すると、灰白色の粉末が得られ
た。この顔料をアクリルラッカーにて塗料化し、フィル
ムアプリケーターで陰ぺい力紙に塗布したところ、黒帯
部に銀色の真珠光沢を有していた。
具体的に説明する。尚、文中部又は%とあるのは特に断
りのない限り重量基準である。 実施例1 厚さ0.05〜0.2μm、平均粒径50μm、BET
表面積3m2/gを有するりん片白雲母50部を1リッ
トルのイオン交換水に撹拌しながら懸濁させ、これに9
8%硫酸10部をゆっくりと添加した。これをA液とし
た。次に硫酸チタニル60部(TiO2 として19.2
部)及び98%硫酸30部を250mlのイオン交換水
に溶解し、これをB液とした。A液を撹拌しながら加熱
し、沸点に達したところで、B液を定量ポンプで一定の
速度でA液に3時間にわたって添加した。添加終了後、
1時間熟成した後生成したスラリーを濾過、水洗し、得
られたケーキを105℃で12時間乾燥した。乾燥顔料
を900℃で1時間焼成すると、灰白色の粉末が得られ
た。この顔料をアクリルラッカーにて塗料化し、フィル
ムアプリケーターで陰ぺい力紙に塗布したところ、黒帯
部に銀色の真珠光沢を有していた。
【0010】実施例2 実施例1に使用した白雲母40部を1リットルのイオン
交換水に撹拌しながら懸濁させ、これに98%硫酸10
部をゆっくりと添加した。これをA液とした。次に硫酸
チタニル64部(TiO2 として20部)及び98%硫
酸43部を250mlのイオン交換水に溶解した。これ
をB液とした。A液を撹拌しながら加熱し、沸点に達し
たところで、B液を定量ポンプで一定の速度でA液に3
時間にわたって添加した。添加終了後、1時間熟成した
後生成したスラリーを実施例1と同様に処理すると、金
色の干渉色と真珠光沢を有する顔料が得られた。
交換水に撹拌しながら懸濁させ、これに98%硫酸10
部をゆっくりと添加した。これをA液とした。次に硫酸
チタニル64部(TiO2 として20部)及び98%硫
酸43部を250mlのイオン交換水に溶解した。これ
をB液とした。A液を撹拌しながら加熱し、沸点に達し
たところで、B液を定量ポンプで一定の速度でA液に3
時間にわたって添加した。添加終了後、1時間熟成した
後生成したスラリーを実施例1と同様に処理すると、金
色の干渉色と真珠光沢を有する顔料が得られた。
【0011】実施例3 実施例1に使用した白雲母35部を1リットルのイオン
交換水に撹拌しながら懸濁させ、これに98%硫酸10
部をゆっくりと添加した。これをA液とした。次に硫酸
チタニル70部(TiO2 として22.4部)及び98
%硫酸47部を250mlのイオン交換水に溶解し、こ
れをB液とした。A液を撹拌しながら加熱し、沸点に達
したところで、B液を定量ポンプで一定の速度でA液に
3時間にわたって添加した。スラリーを実施例1と同様
に処理すると、赤色の干渉色と真珠光沢を有する顔料が
得られた。
交換水に撹拌しながら懸濁させ、これに98%硫酸10
部をゆっくりと添加した。これをA液とした。次に硫酸
チタニル70部(TiO2 として22.4部)及び98
%硫酸47部を250mlのイオン交換水に溶解し、こ
れをB液とした。A液を撹拌しながら加熱し、沸点に達
したところで、B液を定量ポンプで一定の速度でA液に
3時間にわたって添加した。スラリーを実施例1と同様
に処理すると、赤色の干渉色と真珠光沢を有する顔料が
得られた。
【0012】実施例4 実施例1に使用した白雲母30部を1リットルのイオン
交換水に撹拌しながら懸濁させ、これに98%硫酸10
部をゆっくりと添加した。これをA液とした。次に硫酸
チタニル78部(TiO2 として25部)及び98%硫
酸52部を250mlのイオン交換水に溶解し、これを
B液とした。A液を撹拌しながら加熱し、沸点に達した
ところで、B液を定量ポンプで一定の速度でA液に3時
間にわたって添加した。スラリーを実施例1と同様に処
理すると、赤紫色の干渉色と真珠光沢を有する顔料が得
られた。
交換水に撹拌しながら懸濁させ、これに98%硫酸10
部をゆっくりと添加した。これをA液とした。次に硫酸
チタニル78部(TiO2 として25部)及び98%硫
酸52部を250mlのイオン交換水に溶解し、これを
B液とした。A液を撹拌しながら加熱し、沸点に達した
ところで、B液を定量ポンプで一定の速度でA液に3時
間にわたって添加した。スラリーを実施例1と同様に処
理すると、赤紫色の干渉色と真珠光沢を有する顔料が得
られた。
【0013】実施例5 実施例1に使用した白雲母25部を1リットルのイオン
交換水に撹拌しながら懸濁させ、これに98%硫酸10
部をゆっくりと添加した。これをA液とした。次に硫酸
チタニル67部(TiO2 として21.4部)及び98
%硫酸45部を250mlのイオン交換水に溶解し、こ
れをB液とした。A液を撹拌しながら加熱し、沸点に達
したところで、B液を定量ポンプで一定の速度でA液に
3時間にわたって添加した。スラリーを実施例1と同様
に処理すると、青色の干渉色と真珠光沢を有する顔料が
得られた。
交換水に撹拌しながら懸濁させ、これに98%硫酸10
部をゆっくりと添加した。これをA液とした。次に硫酸
チタニル67部(TiO2 として21.4部)及び98
%硫酸45部を250mlのイオン交換水に溶解し、こ
れをB液とした。A液を撹拌しながら加熱し、沸点に達
したところで、B液を定量ポンプで一定の速度でA液に
3時間にわたって添加した。スラリーを実施例1と同様
に処理すると、青色の干渉色と真珠光沢を有する顔料が
得られた。
【0014】実施例6 実施例1に使用した白雲母25部を1リットルのイオン
交換水に撹拌しながら懸濁させ、これに98%硫酸10
部をゆっくりと添加した。これをA液とした。次に硫酸
チタニル80部(TiO2 として25.6部)及び98
%硫酸54部を250mlのイオン交換水に溶解し、こ
れをB液とした。A液を撹拌しながら加熱し、沸点に達
したところで、B液を定量ポンプで一定の速度でA液に
4時間にわたって添加した。スラリーを実施例1と同様
に処理すると、緑色の干渉色と真珠光沢を有する顔料が
得られた。
交換水に撹拌しながら懸濁させ、これに98%硫酸10
部をゆっくりと添加した。これをA液とした。次に硫酸
チタニル80部(TiO2 として25.6部)及び98
%硫酸54部を250mlのイオン交換水に溶解し、こ
れをB液とした。A液を撹拌しながら加熱し、沸点に達
したところで、B液を定量ポンプで一定の速度でA液に
4時間にわたって添加した。スラリーを実施例1と同様
に処理すると、緑色の干渉色と真珠光沢を有する顔料が
得られた。
【0015】比較例1 硫酸チタニル156部を(TiO2 として50部)を1
500mlのイオン交換水に溶解し、98%硫酸190
部を加える。次に、この溶液中に、実施例1に使用した
白雲母100部を懸濁させる。そこで、硫酸チタニル溶
液中の雲母の懸濁液を急速に加熱沸騰させ、約2.5時
間還流沸騰を維持する。生成スラリーを実施例1と同様
に処理すると、金色の干渉色と真珠光沢を有する顔料が
得られた。
500mlのイオン交換水に溶解し、98%硫酸190
部を加える。次に、この溶液中に、実施例1に使用した
白雲母100部を懸濁させる。そこで、硫酸チタニル溶
液中の雲母の懸濁液を急速に加熱沸騰させ、約2.5時
間還流沸騰を維持する。生成スラリーを実施例1と同様
に処理すると、金色の干渉色と真珠光沢を有する顔料が
得られた。
【0016】評価例 実施例2で得られた顔料と比較例1で得られた顔料を夫
々用いて下記の配合により塗料を作成し、6ミルのアプ
リケーターにて陰ぺい力試験紙に展色した。塗布部を自
然乾燥し、黒帯部分の干渉色を肉眼により評価した。 (配 合) アクリルラッカー 20部 ラッカーシンナー 2部顔 料 1部 実施例2で得られた顔料は、比較例1の顔料より色相鮮
明な金色の干渉色を有していた。又、走査型電子顕微鏡
写真にて、倍率30,000倍で雲母表面に沈着してい
る二酸化チタン層を撮影したところ、本発明の顔料の場
合には亀裂がないことが確認された。尚、他の実施例に
おいて得られた顔料も上記と同様に優れた光沢と亀裂の
ない二酸化チタン層を有していた。
々用いて下記の配合により塗料を作成し、6ミルのアプ
リケーターにて陰ぺい力試験紙に展色した。塗布部を自
然乾燥し、黒帯部分の干渉色を肉眼により評価した。 (配 合) アクリルラッカー 20部 ラッカーシンナー 2部顔 料 1部 実施例2で得られた顔料は、比較例1の顔料より色相鮮
明な金色の干渉色を有していた。又、走査型電子顕微鏡
写真にて、倍率30,000倍で雲母表面に沈着してい
る二酸化チタン層を撮影したところ、本発明の顔料の場
合には亀裂がないことが確認された。尚、他の実施例に
おいて得られた顔料も上記と同様に優れた光沢と亀裂の
ない二酸化チタン層を有していた。
【0017】
【発明の効果】以上の通り本発明に従えば、二酸化チタ
ン層に亀裂のない色相鮮明な、干渉色の強い雲母チタン
顔料を製造することが出来る。特許出願人 大日精化
工業株式会社 他1名代理人 弁理士 吉 田 勝 広
他1名
ン層に亀裂のない色相鮮明な、干渉色の強い雲母チタン
顔料を製造することが出来る。特許出願人 大日精化
工業株式会社 他1名代理人 弁理士 吉 田 勝 広
他1名
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 徹 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 西尾 章 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6号 大日精化工業株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 限定された範囲にある硫酸濃度の雲母懸
濁液を開始溶液とし、その開始溶液を90℃〜沸点(1
02℃)まで加熱したところで、硫酸チタニル溶液を一
定時間で添加することにより、チタン塩を加水分解さ
せ、雲母りん片上に含水二酸化チタンを沈着させ、生成
物を濾過し、洗浄し、乾燥し、焼成することを特徴とす
る雲母チタン顔料の製造方法。 - 【請求項2】 開始溶液の硫酸濃度が、0.01M/リ
ットル〜0.5M/リットルの範囲内である請求項1に
記載の雲母チタン顔料の製造方法。 - 【請求項3】 添加すべき硫酸チタニル溶液のチタンに
対する硫酸のモル比が、チタン1モルに対して0.05
〜2.5モルの範囲である請求項1に記載の雲母チタン
顔料の製造方法。 - 【請求項4】 硫酸チタニル溶液添加時の雲母懸濁液の
温度が、90℃〜沸点(102℃)である請求項1に記
載の雲母チタン顔料の製造方法。 - 【請求項5】 添加すべきチタンの供給速度が、雲母表
面積1m2且つ1分間当り5×10-4M/min.〜5
×10-1M/min.の範囲にある請求項1に記載の雲
母チタン顔料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23087791A JPH0543816A (ja) | 1991-08-19 | 1991-08-19 | 雲母チタン顔料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23087791A JPH0543816A (ja) | 1991-08-19 | 1991-08-19 | 雲母チタン顔料の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0543816A true JPH0543816A (ja) | 1993-02-23 |
Family
ID=16914711
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23087791A Pending JPH0543816A (ja) | 1991-08-19 | 1991-08-19 | 雲母チタン顔料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0543816A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016027095A (ja) * | 2014-07-03 | 2016-02-18 | トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド | Alフレークへの亀裂無しチタニアナノ結晶コーティングのPEGアシスト堆積 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58149959A (ja) * | 1981-12-24 | 1983-09-06 | メルク・パテント・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング | 真珠光顔料、それらの製造方法およびそれらの使用 |
JPS58180561A (ja) * | 1982-03-30 | 1983-10-22 | メルク・パテント・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング | 改善された光沢性質を有する真珠光沢顔料の製造方法 |
-
1991
- 1991-08-19 JP JP23087791A patent/JPH0543816A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58149959A (ja) * | 1981-12-24 | 1983-09-06 | メルク・パテント・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング | 真珠光顔料、それらの製造方法およびそれらの使用 |
JPS58180561A (ja) * | 1982-03-30 | 1983-10-22 | メルク・パテント・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング | 改善された光沢性質を有する真珠光沢顔料の製造方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016027095A (ja) * | 2014-07-03 | 2016-02-18 | トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド | Alフレークへの亀裂無しチタニアナノ結晶コーティングのPEGアシスト堆積 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR890003130B1 (ko) | 자개 안료의 제조방법 | |
KR100459800B1 (ko) | 박편상산화알루미늄,진주광택안료및이들의제조방법 | |
US4494993A (en) | Nacreous pigments, their preparation and use | |
US3553001A (en) | Process for coating titanium dioxide on solid materials | |
JPS6137311B2 (ja) | ||
JP5717343B2 (ja) | (ルチル形)二酸化チタンで被覆された小板状顔料の形成方法 | |
JPH0643565B2 (ja) | 耐水性真珠光沢顔料およびその製造法 | |
JPH0536463B2 (ja) | ||
JPH0428751B2 (ja) | ||
JPH06145556A (ja) | カーボンブラックを含有する顔料 | |
JPH0912919A (ja) | 金色顔料 | |
WO1997040118A1 (fr) | Composition absorbant les ultraviolets et procede de production de cette composition | |
JP3184608B2 (ja) | 超微粒硫酸バリウム被覆薄片状顔料およびその製造法 | |
JPH07268240A (ja) | カーボン含有顔料 | |
US5228911A (en) | Oxidized graphite flaky particles and pigments based thereon | |
JPS598370B2 (ja) | 紺青被覆真珠箔顔料の製法 | |
JPH1111948A (ja) | 安定なアナターゼ型二酸化チタン | |
US5266107A (en) | Pearlscent pigment and process for producing the same | |
CN106833030A (zh) | 一种超大粒径人工合成基材珠光颜料的制备方法 | |
JPH10259318A (ja) | 高彩度オレンジ色パール顔料 | |
JPH0543816A (ja) | 雲母チタン顔料の製造方法 | |
JP4078660B2 (ja) | 導電性酸化チタンとその製法およびこれを含有したプラスチック組成物 | |
JP2739227B2 (ja) | 二酸化チタン顔料及びその製造方法 | |
JPH05156174A (ja) | チタンと亜鉛で被覆した顔料及びその製造法並びにそれを配合した化粧料 | |
US3450550A (en) | Inorganic blue to green pigments |