JPH0543180U - 組立ラインにおける生産指示書の取付具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 生産指示書の占めるスペースを小さくして組
立作業の邪魔となることなく見易くすると共に、生産指
示書の取付け、取外し作業をテープを用いることなく容
易にする。 【構成】 可撓性を有する矩形板を長手方向に沿って前
側片２が後側片３より小幅となるように折り曲げたコ字
状の取付具本体４と、取付具本体４の上部となる折り曲
げ部５の中央に設けられ、取付具本体４を直角２方向に
係止可能なフック６と、取付具本体４の前側片２に設け
た長穴１０と対向して後側片３に立設され、長穴１０に
至る先端部に下部を斜めに切除したカット面１２を有す
るボス１１とを備えている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、組立ラインにおける生産指示書の取付具に関し、特に自動車の組立 ラインにおいて使用され、生産計画の平準化に基づいて車種、グレード等の異な るものをランダムに流す場合に発行される生産指示書の取付具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

生産計画の平準化により、自動車の組立ラインの各工程では、各種コンベヤに より搬送されてくる各ボディごとに、コンピュータ管理された多彩な工程の情報 が１０枚前後の生産指示書として発行され、その情報に従って順次組立作業が行 われている。

【０００３】 従来、この種の生産指示書は、作業者の長年の経験によって、それぞれ見易い 部位にテープで１枚ずつ、あるいは両面テープにて１箇所に重ね合わせて貼付さ れている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来の前者の技術では、流れ作業が故に見易く、かつ取り 扱い易くするため、生産指示書が３７〜３８ｃｍ四方の大きさであるので、広い スペースが必要となり、組立作業の邪魔となる問題がある一方、後者の技術では 、前者の問題は解消できるものの、重ね合わせが面倒となる問題があり、又、い ずれの技術でも、各組立ラインの始動時に、全ての生産指示書をテープによって 貼付し、かつ生産指示書ごとの工程終了時にその都度生産指示書を剥がす必要が あり、その作業が煩雑であると共に、テープの消費量が多大となる等コスト面に 問題がある。

【０００５】 そこで、本考案は、生産指示書の占めるスペースを小さくして組立作業の邪魔 となることがないと共に、見易くし、かつ生産指示書の取付け、取外し作業をテ ープを用いることなく容易になし得る組立ラインにおける生産指示書の取付具の 提供を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するため、本考案の第１の組立ラインにおける生産指示書の取 付具は、可撓性を有する矩形板を長手方向に沿って前側片が後側片より小幅とな るように折り曲げたコ字状の取付具本体と、取付具本体の上部となる折り曲げ部 の中央に設けられ、取付具本体を直角２方向に係止可能なフックと、取付具本体 の前側片に設けた穴と対向して後側片に立設され、穴に至る先端部に下部を斜め に切除したカット面を有するボスとを備えている。 第２の組立ラインにおける生産指示書の取付具は、矩形板を長手方向に沿って 前側片が後側片より小幅となるように折り曲げたコ字状の取付具本体と、取付具 本体の上部となる折り曲げ部の中央に設けられ、取付具本体を直角２方向に係止 可能なフックと、取付具本体の前側片に設けた穴に先端側を移動可能に挿入され 、かつ中間部に設けたストッパによってその後側片側への挿通を阻止される一方 、上記穴と対向して後側片に設けた穴に先端部を挿入するよう後側片側へ付勢さ れたピンとを備えている。 又、第３の組立ラインにおける生産指示書の取付具は、矩形板状の取付具本体 と、取付具本体の一側部の中央に設けられ、取付具本体を直角２方向に係止可能 なフックと、取付具本体に取り付けられ、互いに係合、離脱可能な筒状部と棒状 部とを対向して設けたコ字状の薄肉ヒンジとを備えている。

【０００７】

【作用】

上記各手段においては、所要枚数の生産指示書がそのパンチ穴を介し一括して 確実に保持されると共に、同一箇所において直角２方向に向きを変えて吊り下げ ることが可能となり、かつ不要となった生産指示書が下方への引っ張りによって 取り除かれる。 ボス、ピン及び筒状部等は、フックから等分に離隔した２箇所に設けることが 好ましいが、これに限られるものではなく、小形の場合には中央に１箇所設ける だけで充分その目的が達せられる。

【０００８】

【実施例】

次に、本考案の実施例について図面を参照して説明する。 図１，図２は本考案の第１実施例の組立ラインにおける生産指示書の取付具の 斜視図、側面断面図である。

【０００９】 この実施例の取付具１は、厚さ１ｍｍ程度の透明アクリル樹脂板のように可撓 性を有する矩形板をその長手方向に沿って前側片２が後側片３より小幅となるよ うに折り曲げたコ字状の取付具本体４を備えている。取付具本体４の上部となる 折り曲げ部５の中央には、取付具本体４を直角２方向に向きを変えて係止可能と するフック６が設けられている。フック６は、棒材の一端部を直角に折り曲げ、 かつ他端部を一端部と同一平面内において鋭角に折り曲げた第１フック７と、同 様に棒材の一端部を直角に折り曲げ、かつ他端部を一端部と直角な平面内におい て鋭角に折り曲げた第２フック８とを、一端部の折り曲げ部分が一直線をなすよ うにして中間部同志を接合して構成されており、第１，第２フック７，８の一端 部の折り曲げ部分を、取付具本体４の折り曲げ部５の中間部に設けた切欠き部９ から折り曲げ部５内に挿着して取付具本体４に取り付けられている。

【００１０】 取付具本体４の前側片２は、後述する生産指示書の差し込みを容易とするため 、下縁部を外側に折り曲げて形成されており又、前側片２には、切欠き部９から 等分に離隔した位置に縦長の長穴１０が設けられている。そして、取付具本体４ の後側片３における前側片２の各長穴１０と対向する位置には、先端部が長穴１ ０に至るボス１１がそれぞれ立設されており、各ボス１１の先端部には、下部を 斜めに切除したカット面１２が形成されている。

【００１１】 上記構成の取付具１においては、図２に示すように、両ボス１１と対応するパ ンチ穴１３を設けた所要枚数の生産指示書１４を一括して取付具本体４の前側片 ２と後側片３の間に差し込むことにより、生産指示書１４の先端がボス１１のカ ット面１２上を滑り、前側片２をやや押し広げながら入り、あるいは前側片２の 長穴１０から２点鎖線で示すように、その一部を迫り出しながら進み、更に差し 込むと、生産指示書１４のパンチ穴１３がボス１１に嵌合して生産指示書１４が 一括して確実に保持される。従って、生産指示書１４が保持具本体４から容易に 離脱することはない。

【００１２】 そして、所要枚数の生産指示書１４を保持した取付具１は、図３に示すように 、組立ラインの先側で待機する作業者が見易いように、スラットコンベヤ１５で 搬送される車１６の開けたボンネット１７の前側に、フック６により正面向で引 っ掛けられたり、あるいはラインサイドからも見易い横向きにも向きを変えて引 っ掛けて使用されるものであり、各生産指示書１４毎に作業工程が終了すると、 不要になった生産指示書１４は、その端を下方へ引っ張ると、ボス１１によって パンチ穴１３が切れて容易に取り除くことができる。 図４は本考案の第２実施例の取付具の側面断面図である。 この実施例の取付具１８は、第１実施例のもののボス１１に代え、取付具本体 ４の前側片２における切欠き部９から等分に離隔した位置に穴１９をそれぞれ（ 図４においては１個のみ示す。）設け、各穴１９にピン２０の先端側をそれぞれ 移動可能に挿入すると共に、各ピン２０の中間部に設けたフランジ状ストッパ２ １によって後側片３側への挿通を阻止し、かつ各ピン２０にそれぞれの後端側を 移動可能に挿入したカップ状のガイド筒２２を嵌装する一方、ガイド筒２２とス トッパ２１との間のピン２０の後端側に嵌装した圧縮コイルばね２３により穴１ ９と対向して後側片３に設けた穴２４にピン２０の先端部を挿入するよう付勢し て設けられている。 図４において２５はピン２０の後端部に設けた把持部である。

【００１３】 上記構成の取付具１８においては、各ピン２０を圧縮コイルばね２３の付勢力 に抗して引っ張り、両ピン２０と対応するパンチ穴１３を設けた所要枚数の生産 指示書１４を一括して取付具本体４の前側片２と後側片３との間に差し込み、両 ピン２０を離すことにより、各先端側がパンチ穴１３に挿入され、先端部が後側 片３のそれぞれの穴２４に至り、生産指示書１４が一括して確実に保持される。 他の構成及び作用効果は、第１実施例の取付具１と同様であるので、同一の構 成部材等には同一の符号を付してその説明を省略する。 なお、取付具本体４は、可撓性を有する矩形板によって形成する場合に限らず 、可撓性を有しない矩形板によって形成してもよい。

【００１４】 図５は本考案の第３実施例の取付具の側面断面図である。 この実施例の取付具２６は、矩形板状の取付具本体２７の一側部（図５におい ては上側部）の中央に、第１，第２実施例のものと同様なフック６を設けると共 に、このフック６から等分に離隔した取付具本体２７の片面に、互いに係合、離 脱可能な筒状部２８と棒状部２９とを対向して設けたコ字状の薄肉ヒンジ３０を それぞれ（図５においては１個のみ示す。）リベット３１等により下向きに取り 付けて構成されている。

【００１５】 上記構成の取付具２６においては、図５において２点鎖線で示すように、各ヒ ンジ３０を開き、所要枚数の生産指示書１４を、両薄肉ヒンジ３０の筒状部２８ と対応させてそれぞれに設けたパンチ穴１３を介して両筒状部２８に係合し、か つ各薄肉ヒンジ３０を閉じて筒状部２８と棒状部２９を係合することにより、生 産指示書１４が一括して確実に保持される。 他の構成及び作用効果は、第１実施例の取付具１とほぼ同様であるので、同一 の構成部材等には同一の符号を付してその説明を省略する。

【００１６】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の取付具によれば、所要枚数の生産指示書がその パンチ穴を介し一括して確実に保持されると共に、同一箇所において直角２方向 に向きを変えて吊り下げることが可能となり、かつ不要となった生産指示書が下 方への引っ張りによって取り除かれるので、生産指示書の占めるスペースを小さ くして組立作業の邪魔となることがなく、見易くすることができると共に、生産 指示書の取付け、取外し作業を従来に比してきわめて短時間で容易に行うことが できる。

【００１７】 又、従来のように多量のテープが消費されることがなく、取付具の繰り返し使 用が可能となるので、経費の大幅な削減が可能となる効果を有する。

【提出日】平成４年１０月２７日

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００６

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するため、本考案の第１の組立ラインにおける生産指示書の取 付具は、可撓性を有する矩形板を長手方向に沿って前側片が後側片より小幅とな るように折り曲げたコ字状の取付具本体と、取付具本体の上部となる折り曲げ部 の中央に設けられ、取付具本体を直角２方向に係止可能なフックと、取付具本体 の前側片に設けた穴と対向して後側片に立設され、先端部を前記穴に至らせた係 止片 とを備えている。 第２の組立ラインにおける生産指示書の取付具は、矩形板を長手方向に沿って 前側片が後側片より小幅となるように折り曲げたコ字状の取付具本体と、取付具 本体の上部となる折り曲げ部の中央に設けられ、取付具本体を直角２方向に係止 可能なフックと、取付具本体の前側片に設けた穴に先端側を移動可能に挿入され 、かつ中間部に設けたストッパによってその後側片側への挿通を阻止される一方 、上記穴と対向して後側片に設けた穴に先端部を挿入するよう後側片側へ付勢さ れたピンとを備えている。 又、第３の組立ラインにおける生産指示書の取付具は、矩形板状の取付具本体 と、取付具本体の一側部の中央に設けられ、取付具本体を直角２方向に係止可能 なフックと、取付具本体に取り付けられ、互いに係合、離脱可能な筒状部と棒状 部とを対向して設けたコ字状の薄肉ヒンジとを備えている。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００７

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００７】

【作用】

上記各手段においては、所要枚数の生産指示書がそのパンチ穴を介し一括して 確実に保持されると共に、同一箇所において直角２方向に向きを変えて吊り下げ ることが可能となり、かつ不要となった生産指示書が下方への引っ張りによって 取り除かれる。 係止片、ピン及び筒状部等は、フックから等分に離隔した２箇所に設けること が好ましいが、これに限られるものではなく、小形の場合には中央に１箇所設け るだけで充分その目的が達せられる。

【手続補正４】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１０

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１０】 取付具本体４の前側片２は、後述する生産指示書の差し込みを容易とするため 、下縁部を外側に折り曲げて形成されており又、前側片２には、切欠き部９から 等分に離隔した位置に縦長の長穴１０が設けられている。そして、取付具本体４ の後側片３における前側片２の各長穴１０と対向する位置には、先端部が長穴１ ０に至るボス（係止片）１１がそれぞれ立設されており、各ボス１１の先端部に は、下部を斜めに切除したカット面１２が形成されている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例の取付具の斜視図である。

【図２】本考案の第１実施例の取付具の側面断面図であ
る。

【図３】本考案の第１実施例の取付具の使用状態を示す
斜視図である。

【図４】本考案の第２実施例の取付具の側面断面図であ
る。

【図５】本考案の第３実施例の取付具の側面断面図であ
る。

【符号の説明】

２ 前側片 ３ 後側片 ４ 取付具本体 ５ 折り曲げ部 ６ フック １０ 長穴 １１ ボス １２ カット面 １９ 穴 ２０ ピン ２１ ストッパ ２２ ガイド筒 ２３ 圧縮コイルばね ２４ 穴 ２７ 取付具本体 ２８ 筒状部 ２９ 棒状部 ３０ 薄肉ヒンジ

【手続補正書】

【提出日】平成４年１０月２７日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項１

【補正方法】変更

【補正内容】

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 可撓性を有する矩形板を長手方向に沿っ
   て前側片が後側片より小幅となるように折り曲げたコ字
   状の取付具本体と、取付具本体の上部となる折り曲げ部
   の中央に設けられ、取付具本体を直角２方向に係止可能
   なフックと、取付具本体の前側片に設けた穴と対向して
   後側片に立設され、穴に至る先端部に下部を斜めに切除
   したカット面を有するボスとを備えることを特徴とする
   組立ラインにおける生産指示書の取付具。
2. 【請求項２】 矩形板を長手方向に沿って前側片が後側
   片より小幅となるように折り曲げたコ字状の取付具本体
   と、取付具本体の上部となる折り曲げ部の中央に設けら
   れ、取付具本体を直角２方向に係止可能なフックと、取
   付具本体の前側片に設けた穴に先端側を移動可能に挿入
   され、かつ中間部に設けたストッパによってその後側片
   側への挿通を阻止される一方、上記穴と対向して後側片
   に設けた穴に先端部を挿入するよう後側片側へ付勢され
   たピンとを備えることを特徴とする組立ラインにおける
   生産指示書の取付具。
3. 【請求項３】 矩形板状の取付具本体と、取付具本体の
   一側部の中央に設けられ、取付具本体を直角２方向に係
   止可能なフックと、取付具本体に取り付けられ、互いに
   係合、離脱可能な筒状部と棒状部とを対向して設けたコ
   字状の薄肉ヒンジとを備えることを特徴とする組立ライ
   ンにおける生産指示書の取付具。